不動産用語集

あ行

IoT

Internet of Things。モノが人を介することなく相互に情報をやりとりする概念をいう。これによって、広範な分野で、自動的な認識、判断、制御等やそれらの統合・連携が可能になるとの期待がある。

 例えば、住空間の状態や設備を自動的に制御し、住生活ニーズに幅広く応えることを目指した取り組み(スマートハウス、インテリジェントハウス、ユビキタス住宅など)も、この概念の具体化である。そのほか、エネルギー管理の最適化、ウエアラブルデバイスによる生活ニーズの充足、自動車の自動運転等々、多様な展開が考えられている。

なお、IoTを具体的に展開するためには、モノに認知・通信・制御機能を埋め込むこと、大量の情報をネットワーク化し分散したままで処理すること、データの収集・蓄積・分析を自律的に行なうことなどの技術開発が必要である。

アイランドキッチン

壁に接することなく独立して設置された調理台の形式。部屋の中で島(英語でアイランドIsland)のようなかたちとなることから名づけられた。

アイランドキッチンは、対面型のキッチンであるとともに、オープンキッチン(ダイニングルームや居間とつながった形式)でもある。開放感やコミュニケーション性に優れている一方、設置のために部屋の広さや強力な換気装置が必要とされる。

なお、アイランドキッチンに類似した調理台の形式として、一端のみ壁に接するかたちのもの(ペニンシュラキッチン)がある。

 

アウトフレーム工法

マンションの住戸を構造的に支える構法に、「ラーメン構造」と「壁構造」がある。

ラーメン構造は、柱と梁を剛接合するもの。壁構造は壁で荷重を持たせるものでそれぞれ一長一短があるが、ラーメン構法の場合は、柱や梁が室内側に出っ張り(出隅・入隅)、デッドスペースを生み出してしまう。この短所を解消するのがアウトフレーム工法。

柱や梁を住戸の外側に出してしまえば、住戸の室内には柱や梁の出っ張りはなくなるため、部屋を有効に使える。柱はバルコニー側と開放廊下側にあるが、バルコニー側に出すケースが一般的。

青地

登記所に備え付けられている公図において青く塗られた部分のことで、国有地である水路や河川敷を示す。「青道」ともいう。

 青地は本来は国有地であるから一般の宅地にはならないはずだが、長い年月のうちに水路が事実上廃止されてしまって、青地を含む敷地に普通の住宅が建っていることも少なくない。

このような青地を含む敷地を持つ中古住宅を購入する場合には、青地(国有地)を国から払い下げてもらう手続きを踏むのが安全である。

青道

「青地」と同じ。それを参照。

なお、青地はもともと水路や河川敷であるが、その機能を失いあたかも道のようなかたちになっていることも少なくない。「青道」という名称は、このような土地の形状を反映したものと考えられる。

赤地

登記所に備え付けられている公図において、赤く塗られた部分のこと。
 国有地である道路を示すものである。

 従って、本来赤地は国有地であるから、一般の宅地にはならないはずだが、長い年月のうちに道路であることが忘れられてしまい、赤地を含む敷地に普通の住宅が建っていることも少なくない。

このような赤地を含む敷地を持つ中古住宅を購入する場合には、赤地(国有地)を国から払い下げてもらう手続きを踏むのが安全である。

赤道

公図上で地番が記載されていない土地(無籍地)の一つで、道路であった土地をいう。

 古くから道路として利用された土地のうち、道路法の道路の敷地とされずにそのまま残った土地がこれに該当し、国有地である。公図に赤色で着色されていることから「あかみち」と呼ばれている。

 現に、道路でなくその予定もない赤道の払い下げを受けるには、用途廃止等の所定の手続きが必要である。

上がり框

玄関に段差が設けられて、腰を下ろせるようになっているとき、その腰を下ろす部分にあたる水平材のこと。
高価な材が用いられることが多い。

空き家空き地バンク・空き家バンク

空き家・空き地の物件情報が登録され、検索できる情報システム。地方自治体が運営していることが多い。

 空き家・空き地バンクは、不動産需給のミスマッチの解消、不動産の有効活用の促進などに資すると考えられている。しかしながら、バンクごとに掲載項目が異なること、検索や比較がしづらいなどの課題があるため、空き家・空き地バンクの標準化や統合したシステムの構築が検討されている。

空家対策特別措置法

適切に管理されていない空家等について、その状態を是正するための措置を定めた法律。正式には「空家等対策の推進に関する特別措置法」といい、2014(平成26)年に制定された。

 同法は、市町村による空家等対策計画の策定、空家等の所在や所有者の調査、データベースの整備等を規定している。

さらに、ア)倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態、イ)著しく衛生上有害となる恐れのある状態、ウ)適切な管理が行なわれないことにより著しく景観を損なっている状態 、エ)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態の空家等を「特定空家等」として指定して、是正のための立入調査や、措置の指導、勧告、命令、代執行を行なうことができるとする規定を定めている。

また、措置の勧告を受けた特定空家等に係る土地については、固定資産税等の住宅用地特例から除外することとされている。

アスファルトシングル葺き

アスファルトシングルとは、基材(無機系材料)にアスファルトを塗覆した柔軟性のある板状の材料である。
 軽量かつ安価で、複雑な屋根でも加工しやすく、防水性、耐震性にも優れている。
このアスファルトシングルで屋根を覆うことを「アスファルトシングル葺き」という。

 具体的な工法としては、アスファルトシングルを接着剤で下地に張る方法や、釘打ちによる方法がある。

アスベスト

石綿(せきめん・いしわた)のこと。

 繊維質であるため紡績することができる。また、耐久力があり、溶融点が1,300度程度と高く、熱絶縁性が大きく、耐薬品性も大きいなど、安価で優れた性質を持つため、さまざまな用途に使用されてきた。建築素材としても、断熱材、保温材、耐火材として大量に利用された。

しかし、石綿の繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることがわかり、1975年には吹き付け使用が禁止され、以後、段階的に使用の規制が強化 されて2006年には全面的に輸入・製造・使用等が禁止された(代替品が確立していない特定の部材については例外的に確立までの間は禁止が猶予されてい る)。

建物の解体などの際には、使用されていた石綿が飛散するなどの恐れがあり、それに伴う健康被害を予防するため、作業方法などについて一定の基準が定められている。

アティック

屋根裏部屋のこと。アティック(attic、アテカともいう)とは、もともと古代建築の記念門の上部につくられた部屋であったが、転じて屋根裏部屋の意味になったといわれている。

アトリウム

もともとはローマ時代の中庭や中庭付きの大広間のことだが、現代ではグリーンや池などを設け、人工的な自然環境をつくり出す、建物に囲まれた中庭、吹抜けなどの内部空間を指す。
 

アパート

英語の「アパートメント(apartment)」を略した言葉。
わが国では1階建てもしくは2階建ての共同住宅で、建築構造が木造または軽量鉄骨構造のものを一般的に指している。

しかし最近では2階建ての共同住宅であっても、重量鉄骨構造のものがあり、また外壁・内壁も軽量気泡コンクリートパネル等としているものもある。

このため、マンションとアパートの外観上・構造上の区別がつきにくくなってきている。

アプローチ

敷地の入り口や門から建物までの小道(取付き道路)のこと。前面道路から建物までの距離をできるだけ取り、カーポートや前庭を配置することにより、まち並みや景観に配慮するケースが近年増えてきている。

アルコーブ

マンションにおいて、共用廊下から数m離れた位置に玄関扉を置いた造りのこと。

アンカーボルト

布基礎にあらかじめ埋め込んでおく棒状の金物のこと。
布基礎と土台を緊結するための重要な金物である。

安心R住宅

安心に関する一定の要件を満たす旨の標章(マーク)を使用することのできる住宅。標章の付与は、国土交通省の告示(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)に基づいて登録された事業者団体が行なう。

 安心R住宅の標章を使用するために必要な要件は、1)新耐震基準(1981年6月1日以降の耐震基準)等に適合すること、2)インスペクション(建物状況調査等)を実施し、構造上の不具合および雨漏りが認められず、住宅購入者の求めに応じて既存住宅売買瑕疵保険を締結できる用意がなされていることである。そして事業者は、当該住宅の広告などに際して、安心R住宅の標章を表示できる。

 安心R住宅の標章の付与に当たる事業者団体は、国土交通大臣の審査・登録を受け、リフォームの基準及び標章の使用について事業者が守るべきルールを設定し、団体の構成員である事業者を指導・監督することとなる。

なお、「安心R住宅」の「R」は、Reuse(リユース)・Reform(リフォーム)・Renovation(リノベーション)の意味である。

RC

「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
「鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。

この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。

囲障の設置

所有者を異にする2棟の間に空地があるときには、境界に囲障(塀、柵のような通行を妨げる構築物)を設置できるとするルール。民法の相隣関係の一つとして認められている権利で、「囲障設置権」という。

この場合の費用は、原則として相隣者が等しい割合で負担する。

位置指定道路

特定行政庁から道路位置指定を受けた私道を、一般に「位置指定道路」と呼んでいる(建築基準法第42条第1項第5号)。

位置指定道路は「建築基準法上の道路」であるので、位置指定道路に面する土地では、建築物を建築することができる。

一般定期借地権

借地借家法(1992(平成4)年8月1日施行)により創設された3種類の定期借地権のうちの一つ。

 「一般定期借地権」とは次の3つの契約内容を含む定期借地権のことである。

1.更新による期間の延長がない。
2.存続期間中に建物が滅失し、再築されても、期間の延長がない。
3.期間満了時に借地人が建物の買取を地主に請求することができない。

なお、「一般定期借地権」の存続期間は少なくとも50年以上としなければならない。

一筆の土地

土地登記簿において、一個の土地を指す単位を「筆」という。

従って、「一筆の土地」とは「土地登記簿上の一個 の土地」という意味である。

移転登記

所有権移転登記のこと。

所有権移転登記とは、不動産の売買取引において、不動産の所有権が売主から買主に移転したことを公示するための登記である。

居抜き

店舗や工場などを、その内部の商品、設備、什器備品などを設置したままの状態で売買・賃貸すること。

従って、居抜きで購入もしくは借りた場合は、以前のままの内装や設計設備等が付帯するので、比較的早期で営業にこぎつけることができる。

犬走り

築地塀の外壁と溝との間にある細長く平らな通路状の部分。

土手、石垣などに設けられた同様の狭い帯状部分をさす場合もある。

入母屋屋根

屋根形式の一つで、上部が切妻屋根(両側に勾配のある屋根)、下部が寄棟屋根(四方に勾配のある屋根)のかたちのもの。

インテリジェントビル

高付加価値のオフィスビルのことで、高度情報化建築物といわれることもある。

はっきりした定義があるわけではないが、空調、電気、セキュリティなどの設備を自動的に制御し、建物内に情報通信ネットワークを構築して、オフィスオートメーションやテレコミュニケーションに対応できることなどが特徴である。省エネ、省コストに資するともいわれる。

英語ではスマートビルと称することが多い(英語で、インテリジェントIntelligentは「賢い」、スマートSmartは「気の利いた」という意味である)。

インナーバルコニー

屋外に開かれた部屋状の空間。屋外とのあいだに壁がない一方、バルコニーと違って屋根を備えている。形状はベランダと似ているが、部屋として利用でき、原則としてその床面積は容積率に算入される。

Web内覧会

インターネットを使って自宅の室内の様子などを公開すること。Web内覧会専用のホームページもある。公開されるのは、間取り図、内装、設備、部屋の雰囲気などで、通常、居住者のコメントが付されている。

ウォークインクローゼット

ウォークイン、つまり歩いて入れるクローゼット、衣類の押入のこと。衣装ダンス、衣裳戸棚を指すワードローブは家具のニュアンスが強いのに対して、ウォークインクローゼットは造り付け家具、ないし部屋の意味に使われることが多い。

老朽建築物

構造、材料、設備等の劣化が進み保安・衛生上危険・有害となる恐れのある建築物。旧耐震基準によって建築され(建築時期が1981(昭和56)年5月31日以前)、耐震診断の結果危険性が高いと判断された建物をさすこともある。

 

一部の地方公共団体では、一定の要件を満たす老朽建築物について、その除却費用等の一部を補助する事業を実施している。また、特定行政庁は、建築基準法に基づき、老朽建築物であって危険性や有害性が著しいものに対して、除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限等の必要な措置をとることを勧告することができる。

浮床工法

歩行音やピアノ等の演奏に伴う音の振動が、床を伝わって伝搬しないようにするための工法。主構造体に防振材を据え付け、音を遮断・絶縁する。

内法

建物の床面積を測定する際に壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積だけを「床面積」とする考え方のことである。

不動産登記法では、分譲マンションなどの区分所有建物を登記する場合には、この内法の考え方で床面積を計算することとされている(不動産登記法施行令第8条)。

この反対に、建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のことを「壁心(へきしん・かべしん)」という。

ちなみに建築基準法では、建築確認を申請する際には、建物の床面積はこの壁心の考え方で測定することとしている(建築基準法施行令2条1項3号)。

従って、分譲マンションなどの区分所有建物については、建築確認を申請する際には床面積を「壁心」で求めるが、その後に登記をする際には床面積を「内法」で求めているのである。

埋戻し

埋設物の設置工事において、掘削した土砂等をもとに戻すことをいう。

地震時に、埋め戻した土砂等が液状化して、埋設物に被害が生じることがあるため、埋戻し土を適切に選択すること、埋戻し部を締め固めまたは固化することなどが必要とされる。

下水道などの官路については、特に適切な施工が求められる。

売建住宅

開発した宅地を分譲する際に、同時に宅地の購入者がその宅地に建設する住宅を分譲事業者に発注する方法で建てられた住宅をいう。

「建売住宅」の建築主は不動産会社であるのに対して、「売建住宅」の建築主は宅地の購入者である。建売住宅に比べて設計などの自由度は高いが、建築を請け負う業者はあらかじめ決められている他、用意された建物の設計モデルから選択して発注することが多い。

なお、宅地分譲の方法は、大きく、宅地のみの分譲(更地分譲)と住宅付の分譲(建売分譲)に分かれるが、売建住宅はその実態を照らせば後者の類型に近いと考えてよい。また、宅地分譲の際に一定期間内に住宅を建設することを条件とする方法(建築条件付宅地分譲)があるが、売建住宅はこの方法の一つでもある。

売主

不動産の売買契約において、不動産を売る人(または法人)を「売主」という。

また不動産広告においては、取引態様の一つとして「売主」という用語が使用される。

この取引態様としての「売主」とは、取引される不動産の所有者(または不動産を転売する権限を有する者)のことである。

売主の瑕疵担保責任 (品確法における~)

売買契約によって引き渡した目的物(たとえば、販売した住宅)が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主が負うこととなる責任。民法の規定による契約不適合責任のひとつで、これを「瑕疵担保責任」という。

売り主に契約不適合責任を負わせるためには、買い主は、追完請求(補修等の実施を求める請求)、代金減額請求、損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならない。

民法は、契約不適合責任を負わせるためには、買い主は、原則として契約不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならないとしている。ただし、売り主が不適合を知っていたときまたは重大な過失によって知らなかったときはその限りではないとされている。

また、売り主は、知りながら告げなかった事実等についての契約不適合責任については免れることができないが、それ以外の事由による契約不適合については責任を負わない旨の特約をすることが認められている。

しかしながら、住宅の品質を確保するため、新築住宅の工事請負契約については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、契約不適合責任(瑕疵担保責任)について次のような特例が定められている。
(1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」及び「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売り主は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。
(2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。

この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。

なお、民法には、売り主の瑕疵担保責任について特別の規定があったが、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって削除され、契約不適合責任に統合・整理された。

売渡証書

不動産の売買契約の内容を簡潔に要約した書面のことを「売渡証書」という。

この売渡証書は、売主または買主からの依頼により、登記手続きを担当する司法書士が不動産売買契約書をもとにして作成するのが一般的である。
売渡証書の記載内容は「売主の住所氏名」「買主の住所氏名」「売買される不動産の概要」である。
この売渡証書は「所有権移転登記の原因を証する書面」として、所有権移転登記を申請する際に、登記所に提出される。

上物

土地の上に建物が存在しているとき、この建物を「上物」と呼ぶ。

なお、不動産広告においては、土地の上に家屋が存在する場合について「上物あり」と表現することがある。

上物が老朽化している等の理由で上物の価値が非常に低いと考えられるような場合には、不動産広告では「古家あり」または「廃屋あり」と表現するのが望ましいとされている(不動産の表示に関する公正競争規約第10条施行規則3条4号)。

永小作健

小作料を支払うことにより、他人の土地で耕作または牧畜をすることができるという権利(民法270条)。


1952(昭和27)年以前には、地主が小作人に小作地として土地を使用させる方式がとられていたため、小作人は永小作権者として土地を使用していたが、1952(昭和27)年の農地法制定により、そうした前近代的な地主・小作関係はほとんど姿を消した。このため今日では永小作権は殆ど残存していない(なお今日では農地の貸与は賃借権によって行なわれている)。

HRC

Hard Reinforced Concrete=高強度コンクリートのこと。


設計基準強度が大きいため、超高層RC、SRC造建築物が可能である。また、高強度化により柱、梁部材の断面を低減しスパンを長く取ることができるため、コストダウンや空間自由度が増大する一方、工期を短縮できるメリットがある。

液状化

地震の際に地盤が液体状態となる現象をいう。

水分をたくさん含んだ砂質の地盤で発生する。

地震による強い振動によって砂粒の間にある水分の圧力(間隙水圧)が高まり、砂粒の動きが自由になるために生じる。その結果、地上構造物の沈下や倒壊、地中構造物の浮き上がり、地盤の水平方向への移動(側方流動)、水と砂の吹き上げ(噴砂)などが起きる。
新潟地震(1964)でその発生が確認され、その後、阪神・淡路大震災(1995)や新潟県中越地震(2004)でも発生した。また、東日本大震災(2011)では、千葉県浦安市をはじめ広範囲に発生し、大きな被害をもたらした。

なお、液状化あるいはそれによる被害を防ぐための工法が開発されている。

エクステリア

本来は、建物の外観や建物の外壁を指す言葉であるが、わが国の不動産業界・建築業界では、建物の外周りに設置される工作物等を総称して「エクステリア」と呼んでいる。

具体的には、住宅の場合でいえば、門扉、塀、生垣、庭、カーポートなどのことである。

エクスパンションジョイント

構造体を分割して変位に対応する工法における継ぎ目。Expansion joint。分割された構造体は相互に力を伝えない。

対応が必要なのは、温度変化による収縮・膨張の変位、地震時の震動変位などが大きい場合や、変位性状が異なる構造体を一体化する場合である。

対応の方法は、構造体のあいだに隙間(クリアランス)を確保し、継ぎ目に変位に追従する部材を設置する。部材の材質は、アルミニウムやステンレスである。

エコウィル (ECOWILL)

ガスを用いて熱と電力とを同時に供給する家庭用装置のひとつ。小型のガスエンジンによって発電し、その際に発生する熱を給湯や暖房に利用する方法の愛称である。

熱と電力とを同時に供給することを「コジェネレーション」という。エコウィルは、ガスを燃焼して動力を得る装置(ガスエンジン)を用いたコジェネレーション手法の愛称である。一方、同様にガスを動力源とするが、燃料電池を用いるコジェネレーション手法の愛称は「エネファーム」という。

エコウィルはエネファームよりも安価な手法であるが、給湯をメインにした装置であるため貯蔵する湯量を超える発電はできない。

エコスタイル

環境負荷が小さい生活様式。和製英語。

例えば、適正冷房の徹底、夏季の軽装勤務、3R(Reduce、発生抑制)、(Reus、繰り返し利用、(Recycle、再利用)によるごみ減量化などを取り入れた生活は、エコスタイルである。

エコハウス

環境への負荷を抑えるための対策を講じた住宅のこと。
対策の目標は、省エネルギーや再生可能エネルギーの使用、資源の再利用、廃棄物の削減などであり、具体的には、屋上緑化や雨水の再利用、太陽光・風力エネルギーの利用、ゴミの減量などが実施される。

その基準として、例えば(一財)建築環境・省エネルギー機構が定めた「環境共生住宅認定基準」があるが、この基準では、環境負荷の抑制だけでなく、バリアフリー化や室内の空気質の維持(シックハウス対策)なども要求されている。

SI

スケルトン・インフィルのこと。

スケルトンとは骨組ともいえる躯体や共用設備、インフィルは、住戸専有部分の内装・間仕切りや設備。これらを分離させることで、耐久性と可変性が得られる。

また、集合住宅において、インフィル部分を入居者の要望により間取りや使用を自由に構成する方式をスケルトン方式という。

集合住宅において、入居者の要望により各住戸の間取りや仕様を構成する方式の住宅。集合住宅においても、生活様式の多様化に対応した注文住宅を実現できるように考えられた手法。スケルトン(骨組ともいえる躯体や共用設備)とインフィル(住戸専有部分の内装・間仕切りや設備)が分離することにより、耐久性と可変性が得られる。

SRC

「Steel Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」という意味である。

 鉄筋コンクリートに、鉄骨を内蔵させた建築構造。
 比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。

エスクロー (Escrow)

取引の際に、売り手と買い手の間に信頼を置ける中立な第三者を仲介させること、またはそのサービスをいう。

不動産取引の安全を確保するためにアメリカで発達した仕組みであり、最近は電子商取引の決済においても活用されている。

不動産取引の場合には、エスクローサービスを提供する第三者は、売り手からは権利証書等を、買い手からは代金を寄託され、物件の確認、決済、登記、引渡しなどの業務に当たる。もっとも、日本ではあまり広まっていない。取引当事者間に信頼感があること、宅地建物取引業者が包括的なサービスを提供していることなどの事情によるものと考えられる。

ESCO事業 (Energy Service Company)

省エネルギーに関する提案やそのために設備等の維持・管理などを包括的に行なう事業をいう。

サービスの提供によって軽減したコスト(光熱費、水道料金など)の一定割合を報酬とすることに特徴がある。つまり、コスト削減が実現しないときには、顧客の負担は生じない。

ESCO事業によるサービスは、ビルの省エネルギー改修事業などにおいても活用されている。

S造

Sは「Steel」のことであり、「鉄骨構造」という意味である。
鉄骨造とも。

柱と梁を「鉄骨」で作り、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル」「窯業系パネル」など使用した構造のこと。

 主要な構造を形成する鉄骨の種類により「軽量鉄骨構造」と「重量鉄骨構造」に分けることができる。

越境 (通学における~)

「越境」は、一般に、境界を越えて他の境域に入ることをいうが、ここでは通学における越境について説明する。

通学における越境とは、定められた学区とは異なる学区の学校に通学することをいう。

すべての公立小中学校や一部の公立高等学校については、住所に応じて通学すべき学校が定められ(学区の指定)、学区外の学校への入学は認めないとされている。しかしながら、一定の事情がある場合には、異なる学区の学校に入学することができるとされていて、それに基づき学区を超えて通学することが「越境通学」である。

また、特定の学校に入学するために、形式上その学区内に住所を移転し、実際は異なる学区から通学することも「越境通学」とされる。

NOI

Net Operating Incomeの略。純収益という意味で、収入(賃料)から、実際に発生した経費(管理費、固定資産税など)のみを控除して求める。減価償却費のような支出を伴わない費用、支払利息のような金融費用、修繕費などの資本的な支出は収入から控除しないため、事業によって生み出される単純なキャッシュフローとなる。

例えば、不動産賃貸により得ることのできる純粋な収益額がこれに相当し、資産価値を評価する場合の指標となる。

なお、NOIから資本的な支出を控除したものがNCF(Net Cash Flow)である。

NCF

不動産経営において用いられる概念で、不動産から得る単純なキャッシュフロー収益から資本的な支出を控除した金額をいう。Net Cash Flowの略語。

不動産経営によって生み出されるキャッシュフロー収益は、家賃収入と管理コスト(減価償却費等のキャッシュフローに影響しない費用、および支払い利息等の金融費用は算入しない)との差額となる。この場合に、管理コストの算定に当たって、修繕費等の資本的支出を考慮し算入するのがNCFである。不動産鑑定評価に当たって収益還元法を用いるときには、このNCFをベースにすることが多い。


一方、資本的支出を考慮せず単純なキャッシュフローベースで収益を算定するのがNOI(Net Operating Income)である。

エネルギー消費性能の表示

建築物の所有者が、その所有する建築物について、省エネ基準に適合する旨の認定を受け、エネルギー消費性能を表示することをいう。建築物省エネ法に基づく制度で、2016年4月1日から施行。

省エネ性能の表示は、当該建物の設計、一次エネルギー消費量の基準、一次エネルギー消費量からの削減率、両者の関係図、省エネ基準への適合などを記載することによって行なう。BELSはその評価のしくみのひとつである。

FIT制度 (固定価格買取制度)

電気事業者に対して、再生可能エネルギー電気を固定された価格(固定買取価格)で、一定期間、全量を買い取ることを義務付ける制度をいう。FITは、Feed-in Tariffの略語である。

買い取りの対象となる再生可能エネルギー電気は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスを利用して発電された電気(住宅用太陽光発電の余剰電力を含む)である。買い取り価格および買取期間は、エネルギー源ごとに、コスト低減を促す観点を含めて、入札または調達価格等算定委員会の審議によって定めることとされている。

買い取りの義務を負うのは一般送配電事業者であり、買い取った電力は、卸電力取引所を経由して小売電気事業者等に供給される。このとき、買取費用は再生可能エネルギー発電促進賦課金として電気料金に上乗せされるが、賦課金額は全国一律で、電⼒多消費事業者に対する減免措置などの負担調整が行なわれている。

この制度は、一定の価格で発電した電気の全量が確実に買い取られるため、再生可能エネルギー事業の推進を促すことになる一方、コスト低減を図るための措置が必要である。

日本では、2009年に太陽光について先行的に導入されたのち、2012年にすべての再生可能エネルギーを対象とする制度へと拡大され、2017年度には、入札制度の導入や中長期的な買取り価格の設定など、事業の効率化などに向けた競争を促すしくみが整備された。

MBS

Mortgage Backed Securityの略。不動産を担保とした融資に係る債権を裏付けとして発行された証券で、一般にモーゲージと呼ばれる。

住宅ローン債権を裏付けとする証券がRMBS(Residential Mortgage Backed Securities)、商業用不動産担保ローンを裏付けとする証券がCMBS(Commercial Mortgage Backed Securities)である。

エリアマネジメント

地域における良好な環境や固有の価値を維持・形成・向上するための取り組みで、地域住民などが主体的に行なうものをいう。和製英語である。

エリアマネジメントは制度化された仕組みではなく、事実として行なわれている活動形態である。その内容は、まち並みの規制・誘導、地域美化、防犯性の維持・向上、空き家・空地等の活用促進、生活ルールづくり、生活支援サービスの提供、地域産業の活性化、地域イベントの実施など、多種多様である。また、その実施に当たっては、地域の住民、事業主、地権者、NPOなどがさまざまなかたちで参加し、それらの協力関係のもとで進められることが多い。

LCCM住宅

住宅の建設から解体までの間(ライフサイクル)における二酸化炭素排出量がマイナスとなる住宅をいう。Life Cycle Carbon Minus住宅の略。

そのための手法として、
1.断熱性を高め、開口部などの可変性を確保する
2.高効率の設備機器の採用などでエネルギー利用を効率化する
3.太陽光発電などによって住宅自身がエネルギーを生産する
4.建設段階におけるCO2排出量を削減する
ことが有効だとされる。

また、その実現のためには、要素技術だけでなく、ライフサイクルCO2排出量の評価手法、省エネルギーのための環境設備設計手法の開発が必要であると考えられている。

L値

音をどの程度遮るか(遮音性能)を表わす単位をいう。

衝撃の伝わり方の程度によって測定し、ほとんど気にならない程度の音の伝わり方をL-50として、数値が小さいほど遮音性能が優れるように定められている。

LDK

「リビング・ダイニング・キッチン」のこと。
リビングは「居室」、ダイニングは「食事室」、キッチンは「台所」であり、リビング・ダイニング・キッチンは「居室兼食事室兼台所」という意味である。

不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、広告中に「LDK」と表示する場合には、「居室兼食事室兼台所」として使用できるだけの広さと機能を備えていることが必要であるとしている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第25号)。

この場合に、最低必要なLDKの広さの目安は、居室(寝室)数が1部屋のときには8畳、2部屋以上のときには10畳以上とされている。

LPガス

可燃性炭化水素を圧縮し液化した燃料で、Liquefied Petroleum Gasの略語。日本では「液化石油ガス」と訳され、「プロパンガス」も同じ意味で使われている。

主成分は、石油から精製されるプロパン(構造式 CH3-CH2-CH3)またはブタン(構造式 CH3-CH2-CH2-CH3)で、常圧常温で容易に気化し、燃焼時の発熱量が大きい。本来無色無臭であるが、微量の硫黄系化合物で着臭されていて、液体のままボンベに充填して運搬・供給される。

なお、LPガスに似た燃料用ガスとして「都市ガス」があるが、都市ガスの主成分はメタン(分子式CH4)で、ガス管によって気体のまま供給される。

縁側

建物主要部の外側に張り出した板敷きの空間。「縁」は「へり・ふち」という意味である。

縁側は、和風建築において用いられ、建物の縁をかたちづくる空間デザインの一つである。
縁側のつくり方には、床板が空間の短手方向に張られ、一般に雨ざらしとなっている「ぬれ縁」と、床板を空間の長手方向に張って、外部と雨戸などで仕切った「くれ縁」とがある。

エントランス

建物の入り口や玄関のこと。マンションや商業ビルでは、その建物の印象に強い影響を及ぼすことが多い。

沿道地区計画

都市計画法第12条の4に規定する「地区計画等」の一つ。幹線道路の沿道の整備に関する法律に従い、都市計画によって定められる。

 沿道地区計画は、幹線道路のうち交通騒音が著しく沿道に相当数の住居が密集している道路(沿道整備道路という)の沿道の地区について、緑地帯などの緩衝帯の整備、沿道の建築物の建築の規制などにより、騒音被害の防止を図ろうとする計画である。

ALC

「Autoclaved Light Weight Concrete」の頭文字を取ったもの。日本語では「軽量気泡コンクリート」と表記される。

「軽量気泡コンクリート」は、工場でセメント等に発泡剤を混ぜて、高温高圧の状態で養生したコンクリートである。その特長として軽量にもかかわらず強度があり、耐火性や遮音性にも優れていることが挙げられる。

ALC造

ALC造とは、 ALC製のパネルを使用した建築構造のことである。


以前は高級戸建住宅の外壁や間仕切りをALCとすることが多かったが、最近では賃貸マンションにもALC造が多用されるようになった。

AJFI (不動産ファンドインデックス)

不動産投資ファンドの運用実績を示す指数で、(一社)不動産証券化協会が公表しているもの。ARES Japan Fund Indexの略(ARESは、Association for Real Estate Securitizationの略称)。
 
不動産インデックスは、一般的には実物不動産の平均的な価格動向を示す指数であるが、AJFIは不動産投資ファンドの平均的な収益動向を示す指数で、ファンドの運用成績を表している。

AJFIの算定は、主に賃貸収益を目的に運用される不動産投資ファンド(コア型不動産ファンドという)の当期利益(インカムゲイン)と、そのファンドが投資した不動産の純資産額の増減(キャピタルゲイン)とを加重平均する方法で行なわれ、2001年12月31日を1,000とする指数のかたちで月次に公表される。この場合、インカムゲインにはファンドが投資のために借り入れた資金の割合やコストなどが反映されているので、実物不動産の収益とは異なる動きを示す。

なお、算定の対象となるファンドは、JREITと私募ファンド(私募REITを含む)である。

AJPI

不動産投資の運用実績を示す指標(不動産投資インデックス)のひとつで、国内不動産投資の収益性等を判断する際に使われている。ARES Japan Property Indexの略語。

 投資ファンドが保有する不動産の賃貸収益(インカムゲイン)と評価損益(キャピタルゲイン)をもとに、両者を加重平均し、指数化する方法で算出され、毎月公表される。

AJPIの特徴は、評価対象不動産を保有するファンドが、主に投資不動産からの賃貸収益によって運営されていることである。このようなファンドを「コア型」といい、安定性を重視する比較的低リスクのファンドとされている。

ADR (不動産紛争に関する~)

ADRは、Alternative Dispute Resolution の略語。「裁判外紛争処理」と訳され、裁判によらない紛争解決方法をいう。

紛争解決のために行政機関や民間機関が行なう斡旋、調停、仲裁などがこれに該当する。そのほか、裁判所で行なわれる民事調停・家事調停、訴訟上の和解もこれに含まれるとされる。

ADRの特徴は、紛争当事者の自主的な努力を尊重し、専門的な知見を反映して、紛争の実情に即した迅速な解決を図ることにある。
不動産紛争に関しても、いくつかのADR機関がその役割を果たしている。主なものとしては、
1.(独)国民生活センター紛争解決委員会
2.指定住宅紛争処理機関(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)により指定される機関で弁護士会が指定されている)
3.ADR法(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)によって認証された民間ADR機関
4.(一財)不動産適正取引推進機構による特定紛争処理事業(ただし、紛争当事者が直接に申し立てることはできず、一次処理機関から申請があった紛争が対象)

なお、民間賃貸住宅をめぐって多様な紛争が発生しているが、その円滑な解決のためには専門的な知見が必要となる場合が多いことから、ADRを活用することが有効であると考えられている。

追いだき

追い焚き、追焚きとも。

風呂の湯の温度が時間の経過や入浴により低下したときに、温度を上げるために風呂の湯を再度加熱することを「追いだき」という。

かつては手動で追いだきを行なっていたが、近年はオートタイプのガス風呂給湯器やオートタイプの電気温水器が登場したことにより、自動的に追いだきを行なうことができるようになった。

応急借上げ住宅

災害被災者に対して、応急的に民間賃貸住宅等を借り上げて提供する住宅。応急仮設住宅の一つで、「借上型応急仮設住宅」「みなし応急仮設住宅」ともいう。

応急借上げ住宅の供給方式には、都道府県(又は市町村)によるマッチング方式と、被災者自ら物件を探し、都道府県に申請する方式(被災者自らが探す方式)とがある。

なお、応急仮設住宅の提供方法には、建設する方法と借りる方法とがあるが、提供されるまでの期間、それぞれの住宅の特徴、被災地域の実情等を踏まえて、あらかじめそれぞれの供給について計画しておく必要があるとされている。たとえば、応急借上げ住宅の供給に関して不動産業団体等とあらかじめ協定を締結しておくことによって円滑な供給を確保できる。

大壁

構造用合板などの面材で柱を覆い、柱を隠した壁のこと。

屋外広告物条例

屋外広告物法第3条から第5条までの規定にもとづいて、都道府県・指定都市・中核市・景観行政団体である市町村が定めた、屋外広告物の規制に関する条例のこと。

屋外広告物条例による規制が可能な地域は、従来は「市及び人口5千人以上の市街的町村の区域」(旧屋外広告物法第3条第1項)に限定されていたが、2004(平成16)年の法改正により、全国どこでも屋外広告物条例を設けることが可能になった(法第3条から第5条)。

屋外広告物条例による規制内容は、屋外広告物の表示・掲出の禁止(法第3条)、屋外広告物の表示・掲出に対する知事・首長の許可制(法第4条)、屋外広告物の形状・面積・色彩・意匠・掲出方法の基準(法第5条)である。また屋外広告物条例で定めるところにより、違反広告物を除却することができる(法第7条)。

屋上防水工事

建物屋上の雨漏りを防ぐ工事をいう。

屋上防水の方法には、大きく、
ⅰ)防水塗料を塗る方法(塗膜防水):ウレタン防水、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)防水
ⅱ)防水シートを貼る方法(シート防水):ゴムシート防水、塩化ビニールシート防水
ⅲ)アスファルトを含んだ不燃布等を重ねあわせて接着する方法(アスファルト防水)

がある。防水方法は、屋根の形状や施工条件に応じて選択する。

屋上緑化

樹木・植物などを建造物の屋上に設置し、緑化すること。

近年ではヒートアイランド現象を緩和するために屋上緑化が非常に有効であることが認識されるようになってきた。

このため国では、2001(平成13)年8月より「都市緑地保全法」を改正・施行し、「緑化施設整備計画認定制度」を創設している。
この制度は、一定の要件を満たす樹木・植物などを屋上等に設置する場合には、固定資産税を軽減するというものである。

また東京都では、2001(平成13)年4月より東京都自然保護条例を改正・施行し、1,000平方メートル以上の敷地面積の民有地において、建築物等を新築・増築する者に対して、地上部の空地部分の20%と屋上の利用可能部分の20%を緑化することを義務化している。

汚染井戸周辺地区調査

水質汚濁防止法の第15条の規定により、都道府県知事が毎年度実施している地下水モニタリングの一つ。

すでに発見された地下水汚染地区がある場合に、その地下水汚染地区(およびその周辺)に所在する複数の井戸の水質を毎年検査し、地下水汚染の範囲が経年的に拡大または縮小していることを調べるという調査である。2001(平成13)年度では約2,600の井戸で実施された。

汚染土地の指定

土壌汚染状況調査の結果、その土地の土壌の特定有害物質による汚染の状態が、法定の基準に適合しないと認められる場合には、都道府県知事は当該土地の区域を、特定有害物質によって汚染されている区域として指定する必要がある(土壌汚染対策法第5条)。このようにして知事に指定された区域を、土壌汚染対策法では「指定区域」と呼んでいる。

都道府県知事はこの「指定区域」を指定するに当たっては、次のように詳細な事項を都道府県の公報に(土壌汚染対策法施行令により市長が事務を行なう場合には市の公報に)公示しなければならない(土壌汚染対策法施行規則第19条)。

1.法定基準に適合していない特定有害物質の名称
2.当該土地の所在市町村、大字、字、小字および地番
3.一定の地物、施設、工作物からの当該土地までの距離および方向
4.当該土地の平面図

汚染土壌の掘削による土壌汚染の除去

汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合、または土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。
汚染土壌を掘削し、その場所に掘削した汚染土壌以外の汚染されていない土壌を埋め戻す。また、掘削した汚染土壌から特定有害物質を除去した土壌を埋め戻してもよい(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

おとり広告

実際には取引できない物件の広告のことで、客寄せのためにする。
架空の物件、売却済みの物件、売主に取引の意思がない物件などの広告はすべてこれに当たる。そのような広告を出すことは宅地建物取引業法に違反し、また、不動産公正取引協議会の不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)で禁止されている。

オリジネーター (Originator)

不動産の証券化において、証券化の対象となる不動産、不動産信託受益権、不動産担保債権などを証券の発行に当たるSPC等に譲渡する者。原資産保有者、資産譲渡人ともいわれる。

証券化をスタートさせる役割を担うが、資産を譲渡したオリジネーターは資金を調達できるのである。また、オリジネーターは、証券化を推進する者と同一の場合もあるし、いったん不動産を譲渡したうえで、改めて同じ不動産を賃借することもある。

オフライン申請 (不動産における~)

不動産登記を、インターネットを利用したオンラインで申請することをいう。

法律上の名称は「電子申請」。不動産登記法の改正(2005年3月施行)によって創設された申請方法である。

従来、不動産登記は、書面(または携帯型のディスク等)でのみ申請できること(書面主義)、権利の登記の申請は当事者または代理人(司法書士)が直接登記所に出頭すること(出頭主義)とされていたが、登記申請者の負担軽減等のためオンラインによる申請が新設されたのである。

オンライン申請では、法務省オンライン申請システムにユーザー登録をしている者(通常は司法書士)が、インターネットで法務省オンライン申請システムへ接続し、申請情報を送信する。この際セキュリティを確保するために、電子署名・電子認証の仕組みを利用し、なりすましやデータ改ざんを防止するようになっている。


※法務省オンライン申請システムの公式ガイド http://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/ 

オンライン庁 (不動産登記における~)

不動産登記をオンライン申請できる登記所をいう。

2008年7月14日をもって、すべての法務局(本局・支局・出張所)がオンライン庁となった。

なお、よく似た言葉としてコンピュータ庁がある。コンピュータ庁とは、登記事務をコンピュータで処理する登記所のことである。コンピュータ庁では、従来の紙の登記簿に代わって、磁気ディスクによる登記記録が原則とされる。

オートロック

ドアを閉じると自動的に施錠するしくみ。和製英語で、英語ではautomatic door lock(オートマチック ドア ロック)が一般的。

マンションの出入口、ホテルの部屋などで使われている。

オーナーチェンジ

賃貸住宅の所有者が、賃借人が入居したままその建物を売却することをいう。

購入者は新たに賃借人を見つける必要がなく、投資用のワンルームマンションでよく使われる方法である。その際に、賃借人から預かっている敷金の引渡しや建物の管理ルールの引継ぎなどに注意が必要である。

オーニング

英語でawning、窓やポーチに張り出して設置する可動式の「日よけ」をいう。

 一般に、テント生地でできている。オーニングによって、窓辺などの陽射しを調節したり、ポーチなどを雨から保護することができる。

オーバーハング

もともとは登山用語で、岸壁の上部に突き出た岩、張り出した岩のことをいうが、建物の場合は、外壁よりキャンティレバーで支えられた跳ね出した床、バルコニーのことをいう。

オープンキッチン

居室・食事室と一体となっていて、部屋と仕切りがない調理スペースをいう。

間取りを広くとることができ、調理中にも居室とコミュニケーションを保つことができる一方、調理に伴う臭いなどが居室・食事室に波及することへの対応や、収納スペースの適切な確保が必要となる。

オープンスペース

大規模なビルやマンションに設けられる空地(くうち:敷地のうち建築物が建てられていない部分)であって、歩行者用通路や植栽などを整備した空間をオープンスペースという。また広い意味では、都市における公園・緑地・街路・河川敷・民有地の空地部分などの建築物に覆われていない空間を総称して「オープンスペース」と呼ぶ場合がある。

 高層建築物による景観や生活環境の悪化に対する制度として、国では1961(昭和36)年に特定街区制度、1971(昭和46)年に総合設計制度を創設した。
これらの制度は、大規模なビルやマンションを建設する際に広い空地を確保し、その空地を一般の歩行者が自由に通行できる空間として利用することを推奨するものである。
 特に後者の総合設計制度は、現在も広く活用されており、この制度によって設けられた一般公衆が自由に出入りできる空地は「公開空地」と呼ばれている。

 近年では、大規模なビルやマンションにおいて、ヒートアイランド現象を緩和するために地上の空地部分の緑化が推進されており、また地方自治体の条例により良好なまち並みの形成が推進されている。

さらにビルやマンションの市場価値自体を高めるという目的のために、開発者が空地に歩行用通路・樹木・植栽・庭園・水路などを整備することが盛んになっている。
このようなさまざまな理由にもとづいて、大規模なビルやマンションの空地において、通路・植栽等を整備することが近年盛んになっている。こうした空地のことを一般に「オープンスペース」と呼んでいる。

オープンハウス

本来は、企業のオフィスや生産施設を、顧客・取引先・投資家に見学させて、企業に対する理解度を高めるという企業広報活動のこと。

不動産業界では、販売しようとする物件の内部を一定の期間、担当営業員が常駐して、買い希望客に公開するという販売促進活動を指す。

オール電化システム

住宅内の熱源、例えば冷暖房、給湯、調理などに必要な熱をすべて電気で賄うシステムをいう。

燃料の燃焼による有害物質や水蒸気が発生しないこと、火事の恐れが比較的小さいことなどが特徴とされる。

か行

買い換え特約

不動産の買主が、別の不動産を売却した代金をもって当該不動産の購入費用に充てることを「買い換え」という。

こうした買い換えでは、別の不動産の売却が不調に終わったときには、当該不動産の購入ができなくなるケースが多い。

そのため実際の不動産取引では、別の不動産の売却が不調に終わった場合には、買主は不動産を購入する契約を解除し、契約を白紙に戻すことができるという特約を盛り込むことがある。こうした特約を「買い換え特約」と呼んでいる。

 「買い換え特約」は、買主が一定の場合に解除権を行使することを認める特約であるので、「買い換え特約」では次の事項を明記しておくのが望ましい。

1.買主に解除権が発生するための具体的な条件(どのような物件がいくらで、いつまでに売却できないときに買主に解除権が発生するのか)
2.買主が解除権を行使した際の売主の義務の内容(売主が契約締結時に受領した手付金や代金を返還するか否か)
3.買主が解除権を行使した際の買主の義務の内容(買主に損害賠償義務が存在しないこと等)

開口部

壁・床・屋根に設けられた開口部分のこと。窓、出入口、天窓などを指す。

会社型投資信託

投資信託のうち、投資家が特定の法人を設立して投資を行なう方法をいう。

不動産投資信託の大部分は、会社型投資信託である。

従来、投資信託は、投資家が資金を信託したうえで運用する方法(契約型)しか認められていなかったが、1998(平成10)年の法改正によって、会社型投資信託も実施可能となった。さらに、2000(平成12)年には投資信託の対象が大幅に拡大されて不動産投資も認められるようになった結果、不動産投資信託が実現したのである。

なお、会社型投資信託を担う法人を投資法人、その構成員(投資家)を投資主、投資主に与えられる権利を投資口という。

解除条件

契約等の法律行為の効果が、将来不確定な事実が発生することによって消滅する場合の、当該不確定な事実をいう。

例えば、マンション購入契約の際に、物件が完成するまでの間に転勤になったら契約を失効させるという条項を入れた場合、転勤になることは解除条件である。そのような契約を解除条件付契約という。

その反対に、法律行為の効果の発生が、将来の不確定な事実にかかっている場合には、その事実を「停止条件」という。解除条件は、法律効果が発生した後にそれを消滅させる条件、停止条件は法律効果を発生させる条件、というように対比して考えればわかりやすい。

改善命令 (宅地造成等規制区域における~)

宅地造成等規制区域の中の宅地において、崖崩れや土砂の流出を防止するために必要な擁壁や排水施設の設置が不完全である場合には、知事(または政令市・中核市・特例市の市長)は必要な改善工事を行なうことを命令することができる。これを改善命令という(宅地造成等規制法第16条)。

解体工事施工技士

解体工事に必要な知識および技術を確認するための試験に合格した者。建設業法に基づく国家資格で、試験は、(公社)全国解体工事業団体連合会が実施している。

 解体工事施工技士は、一般建設業である解体工事業の営業所の専任技術者および工事現場の主任技術者または監理技術者の資格を満たすとされている。

また、建設業法の許可を得る必要のない解体工事業を営む場合には、都道府県知事の登録が必要とされ、工事現場における解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる技術管理者を置かなければならないとされている(「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」)。解体工事施工技士は、この場合の技術管理者として認められている。

階高

ある階の水平基準面から直上階の水平基準面までの高さのこと。

改築

建築物の全部もしくは一部を除却すると同時に、これと同様の規模・構造の建築物を建てることをいう。

建築基準法では、改築も「建築」の一種とされており(建築基準法第2条第13号)、改築についても建築確認を申請する必要がある(建築基準法第6条)。

海中公園地区

国立公園または国定公園の中の海面・海中で指定される地区(自然公園法第18 条の2)。

 海中公園地区では、建築物の建築、工作物の建築、宅 地造成、海底の形状変更、土石採取、環境大臣が指定する熱帯魚・珊瑚等の捕獲、物の係留、広告物の掲出について、環境大臣または都道府県知事の許可が必要である。

海中特別地区

自然環境保全地域の中の海面・海中で指定される地区(自然環境保全法第27条)。

 海中特別地区では、建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、環境大臣が指定する熱帯魚・珊瑚等の捕獲物の係留について、環境大臣の許可が必要である。

買取再販

既存住宅を買い取り、リフォーム工事を実施した上で販売する事業形態をいう。

 買取再販に当たって実施するリフォーム工事が、大規模な修繕工事、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修など一定の要件に該当する場合には、当該既存住宅の取得に係る登録免許税の軽減措置および、不動産取得税の軽減措置が講じられている。

買主の地位の譲渡

売買契約における買主の地位をさらに別の者に売り渡すことをいう。

 契約上の地位を譲渡する旨の契約を締結することにより実現する。中間省略登記を合法的に行なうための手法の一つとされる。

 買主の地位の譲渡を利用した実際の契約は、次の2つの契約からなる。

1.売買契約(A→B)
2.買主の地位を譲渡する契約(B→C)

この結果、所有権はAから直接にCに移転する(BC間の契約は売買契約に従属するため、CはAB間の契約内容を知ることができる)。

開発型証券化

将来、建設を予定している建物などを対象に行なう不動産の証券化をいう。完成後の建物から得られるであろう収益を裏付けにして証券を発行するもので、既存の建物の証券化に比べて不確定要素が多い。

 事業者は、不動産開発事業のリスクを投資家に分散できる一方、投資家はハイリスク・ハイリターンの金融商品を購入できる。

開発許可

宅地造成等(開発行為)を行なう際に必要とされる許可のこと。都市計画法に基づく制度である。

1.趣旨
 都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、開発許可の制度を設けている。一定規模以上の開発行為を行なうためには、知事(指定都市等では市長)から開発許可を受ける必要がある。

2.開発許可の概要
1)許可の対象は「開発行為」である。
2)開発行為を行なおうとする者は、開発行為に着手する前に知事(指定都市等では市長)の許可を受ける必要がある(都市計画法第29条)。
3)一定の開発行為については、開発許可を受ける必要がない。
4)知事等が開発許可を与えるか否かを審査する基準には、全国どこでも適用される全般的許可基準(技術的基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内の開発行為についての基準(立地基準、都市計画法第34条)とがある。

3.開発行為
 開発許可の対象は「開発行為」である。開発行為とは「建築物の建築または特定工作物の建設のために土地の区画形質を変更すること」である(詳しくは「特定工作物」「土地の区画形質の変更」を参照)。

4.開発許可を得る必要がない開発行為
 次のような開発行為は開発許可を受けないで行なうことができる。
1)次の面積に達しない開発行為
・東京都の特別区・既成市街地・近郊整備地帯等:500平方メートル未満
・市街化区域:1,000平方メートル未満
・区域区分が定められていない都市計画区域: 3,000平方メートル未満
・準都市計画区域:3,000平方メートル未満
ただしこれらの面積は、特に必要があると認められる場合には、都道府県・指定都市等の条例で「300平方メートル未満」にまで引き下げることができる。
2)市街化調整区域・区域区分が定められていない都市計画区域・準都市計画区域における、農林漁業者の住宅を建築するための開発行為および農林漁業用の建築物を建築するための開発行為
3)公益施設のための開発行為
 公益施設は、駅舎、医療施設、小中学校、高校、公民館、郵便局、図書館、墓地、火葬場、と畜場、し尿処理施設、ごみ処理施設、卸売市場など政令で指定するものに限る。
4)国・都道府県・一定の市町村が行なう開発行為
5)都市計画事業の施行として行なう開発行為
6)市街地再開発事業の施行、住宅街区整備事業の施行、土地区画整理事業の施行として行なう開発行為
7)非常災害のため必要な応急措置、通常の管理行為・軽易な行為に該当する開発行為

 通常の管理行為・軽易な行為は、仮設建築物の建築、土木事業などに一時的に使用するための第一種特定工作物の建設、車庫・物置その他附属建築物の建築、建築物の増築で増築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、建築物の改築で用途の変更を伴わないもの、建築物の改築で改築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、主として当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売加工修理等の業務を営む店舗・事業場などの新築(延べ面積が50平方メートル以内)であって当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行なう開発行為(開発規模が100平方メートル以内に限る)など、政令で指定するものに限る。

5.開発許可の基準
 知事(指定都市等では市長)が開発許可を与える場合の基準が定められている。この基準には、全国どこでも適用される全般的な基準(技術基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内においてのみ適用される基準(立地基準、都市計画法第34条)の2種類がある。市街化調整区域では両方の基準を満たさなければならない。(開発許可基準については「開発許可の基準(全般的許可基準)」「開発許可の基準(市街化調整区域内の許可基準)」参照)

6.都市計画区域・準都市計画区域以外の区域における開発行為
 都市計画区域および準都市計画区域以外の区域においてその面積が1万平方メートル以上開発行為を行なう場合は、4の2)〜7)に該当しない限り開発許可を受けなければならない。

開発許可が不要な開発行為 (市街化区域等における~)

A)市街化区域等における面積が次の開発行為については、開発許可を受ける必要がない。
1.市街化区域における1,000平方メートル未満の開発行為(注1・2参照)
2.非線引き区域における3,000平方メートル未満の開発行為(注1・2参照)
3.準都市計画区域における3,000平方メートル未満の開発行為
4.都市計画区域および準都市計画区域以外の区域における1ヘクタール未満の開発行為
注1:三大都市圏の一定区域(都の特別区、首都圏の既成市街地と近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域と近郊整備区域、中部圏の都市整備区域)では、開発許可が不要な開発行為の最低面積は500平方メートル未満とされている。
注2:知事・指定都市等の市長は、条例によって開発許可が必要な開発行為の最低面積を300平方メートルにまで引き下げることができる。

従って、市街化調整区域における開発行為は、面積の如何にかかわらず開発許可を受けなければならない。

B)次の開発行為については、その面積の大小にかかわらず開発許可を受ける必要がない。
1)市街化区域以外において、農林漁業者の住宅および農林漁業用建築物(畜舎、蚕室、温室、堆肥舎、サイロなど)を建築するための開発行為
2)鉄道の施設、医療施設、小中学校、高校、公民館等の公益上必要な建築物の建築のための開発行為

 

開発許可が不要な開発行為 (市街化調整区域における~)

市街化調整区域では、その規模にかかわらず、開発行為について知事(指定都市等では市長)の許可を受けなければならないとされている。

 市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるので、小規模開発についても、立地規制の観点から開発許可の対象としているのである。

ただし例外として、次のような開発行為については、開発許可を受ける必要がないものとされている。
1.農林漁業者の住宅や、農林漁業用建築物(畜舎、蚕室、温室、堆肥舎、サイロなど)を建築するための開発行為
2.市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗等(延床面積が50平方メートル以下)を新築する目的で、その市街化調整区域内に居住している者が自らその業務を営むために行なう100平方メートル以下の開発行為
3.鉄道の施設、医療施設、小中学校、高校、公民館等の公益上必要な建築物の建築のために行なう開発行為等

開発許可の基準 (市街化調整区域内の許可基準)

市街化調整区域で建築物の建築または第1種特定工作物の建設を目的とする開発行為を行なう場合に適用される開発許可の基準。

1.趣旨
都市計画法は、開発行為(建築物の建築や特定工作物の建設を目的とする土地の区画形質の変更のこと)を行なうためには、原則として知事(指定都市等では市長)の開発許可を受ける必要があると定めている。

 開発許可を与えるか否かの基準は次の2つに分けて定められている。
A)全国のすべての地域に適用される基準で、「全般的許可基準」または「技術的基準」といわれ、公共施設の整備、防災上の措置などの水準に関して審査するもの(都市計画法第33条、詳しくは「開発許可の基準(全般的許可基準)」を参照)
B)市街化調整区域内でのみ適用される基準で、「立地基準」と言われ、立地の適正性を判断するためのもの(都市計画法第34条)

このうちB)の基準は、市街化調整区域における市街化を抑制するべく定められているもので、宅地の水準を判断するA)の基準と性格を異にする。また、市街化調整区域内での開発行為に対する開発許可ついては、A)およびB)の両方が適用されることとなる。

2.市街化調整区域内の開発許可基準(立地基準)の概要
 次の開発行為については許可される。
1)日常生活のため必要な物品の販売等
 開発行為を行なう区域(開発区域)の周辺地域の居住者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店

開発許可の基準 (全般的許可基準)

都市計画法における開発許可に関して、どの地域でも適用される技術的な基準のこと。

1.趣旨
 都市計画法は、開発行為(建築物の建築や特定工作物の建設を目的とする土地の区画形質の変更のこと)を行なうためには、原則として知事(指定都市等では市長)の開発許可を受ける必要があると定めている。

 開発許可を与えるか否かの基準は次の二つに分けて定められている。
A)全国のすべての地域に適用される基準で、「全般的許可基準」または「技術的基準」と言われ、公共施設の整備、防災上の措置などの水準に関して審査するもの(都市計画法第33条)
B)市街化調整区域内でのみ適用される基準で、「立地基準」と言われ、立地の適正性を判断するためのもの(都市計画法第34条、詳しくは「開発許可の基準(市街化調整区域内の許可基準)」を参照)

A)の基準は宅地の水準を判断するための一般的な基準であって、市街化調整区域における市街化を抑制するべく定められているB)の基準とは性格を異にする。従って、市街化調整区域内での開発行為に対する開発許可ついては、B)だけでなくA)も適用されることとなる。

2.全般的許可基準の概要
 「全般的許可基準」は次のとおりである。
1)予定建築物の用途が用途地域などに即していること
予定される建築物等の用途が、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域などに適合していること。また地区計画が定められていて、地区整備計画が定められているとき(または施設の配置・規模が規定された再開発促進区があるとき)は、予定建築物等の用途などが地区計画等に即していること。
2)公共施設等との用途の配分
 公共施設、公益的施設(学校など)、予定建築物の用途の配分が適正であること
3)排水施設、地盤の軟弱な土地等における安全措置
ア 排水路その他の排水施設が、下水を有効に排出し、溢水等の被害が生じないように設計されていること。
イ 地盤の軟弱な土地、がけ崩れや出水の恐れが多い土地などであるときは、地盤の改良、擁壁の設置などの安全上必要な措置が講じられていること。
4)権利者の同意
 開発行為を行なう区域(開発区域)内の土地または建築物等につき、工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていること。
5)樹木の保全等、緑地帯等、輸送の便
ア 1ha以上の開発行為では、植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全等の措置が講じられていること。
イ 1ha以上の開発行為では、騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯が配置されていること。
ウ 40ha以上の開発行為では、当該開発行為が道路、鉄道等による輸送の便等から見て支障がないこと。
6)公共空地、道路の接続
 道路、公園、広場その他の公共空地(消防用貯水施設含む)が環境保全上等で支障がない規模構造で配置されること。開発区域内の主要な道路が、開発区域外の相当規模の道路に接続すること。なお、この基準は、自己居住用の住宅には適用されない。
7)給水施設
 水道その他の給水施設が、想定される需要に支障をきたさないこと。なお、この基準は自己居住用の住宅には適用されない。
8)災害危険区域等を含まないこと
「災害危険区域」「地すべり防止区域」「土砂災害特別警戒区域」などの土地を含まないこと(ただし支障がない時は含んでよい)。なお、この基準は、自己居住用の住宅と、自己業務用の建築物・工作物には適用されない。
9)資力信用、工事完成能力
 開発許可の申請者に当該開発行為を行なうために必要な資力および信用があること。工事施行者に当該開発行為に関する工事を完成するために必要な能力があること。なお、この基準は、自己居住用の住宅と、一定規模以下の自己業務用の建築物・工作物には適用されない。

開発計画

狭義には開発許可の申請に当たって必要となる計画を、広義には不動産開発事業の計画をいう。

 不動産開発事業を行なおうとする場合には、都市計画法による開発許可を得なければならない。その申請に当たっては、

1.開発区域の位置、区域および規模、2.予定される建築物または特定工作物の用途、3.開発行為に関する設計、4.工事施行者、5.設計の方針、土地利用や公共施設の整備計画、資金計画等を明確にした申請図書

が必要であるが、これらを示す図書が開発計画である。この計画によって、都市計画への適合、宅地造成の安全性、環境の保全、公共公益施設との調和などが判断される。

 広い意味では、不動産開発事業の計画も開発計画である。その内容は、

1.市場調査などによる需要予測、2.開発予定地の自然的、社会的な条件の調査とその明確化、3.事業手法の確定、4.用地買収および工事の計画、5.資金計画、6.開発地の利便や魅力の向上策、7.価格設定および販売計画

など多岐にわたる。開発許可申請の際に必要な要素に加えて、事業の採算を確保するための計画が重要となる。このような計画は、開発事業のスケジュール、コスト、リスク、宅地や建物の品質を管理する基礎となる。

開発行為

都市計画法上の開発許可の対象となる行為のこと。

1.趣旨
 都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、宅地開発に対しては知事(または市長)の許可が必要であると定めており、これを開発許可という(都市計画法第29条)。この開発許可の対象となる行為が「開発行為」である。

2.定義
 開発行為とは、正確には「主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更」と定義されている(都市計画法第4条第12項)。
ここで「特定工作物」と「土地の区画形質の変更」の意味については、おおよそ次のように定義されている。
1)特定工作物
コンクリートプラント、ゴルフコース、1ha以上のテニスコートなどのこと(詳しくは特定工作物へ)。
2)土地の区画形質の変更
宅地造成、道路の新設などを伴う土地区画の変更、農地から宅地への変更などのこと(詳しくは土地の区画形質の変更へ)。

2.の定義に該当しない行為は、開発行為ではないので、開発許可を必要としない。例えば、1ha未満のテニスコートの建設のための宅地造成は、開発行為に該当しない。また建築物を建築する目的で、登記簿上で土地を合筆することは「土地の区画形質の変更」ではないので、開発行為に該当しない。

開発整備促進区

都市計画で定める地区計画の一つで、大規模集客施設の立地を可能とする地区をいう。

 大規模集客施設(店舗、映画館、アミューズメント施設、展示場等で床面積が1万平方メートル超のもの、法律上は「特定大規模建築物」という)は、原則として、用途地域が近隣商業地域、商業地域、準工業地域に指定されている土地に限って立地できる。しかし、開発整備促進区に指定することによって、それ以外の用途地域(ただし、第二種住居地域、準住居地域、工業地域に限る)においても立地が認められる。また、非線引き都市計画区域の白地地域に開発整備促進区を指定することもできる。

 開発整備促進区に指定されるためには、その土地が前記の用途地域等であることの他、現に土地の利用状況が著しく変化しつつあるかそれが見込まれること、その区域内において大規模集客施設の整備による商業等の利便の増進を図ることによって都市機能の増進に貢献することとなること、などの要件を満たさなければならない。

なお、地区計画には、当該区域の整備、開発および保全に関する方針や地区整備計画などが定められる。

開発道路

都市計画法による開発許可を受け開発行為によって開発区域内に設置された道路で、開発許可申請の際の設計に従って公共的な施設として設置されたものをいう。

設置後は、原則として市町村等に移管されて道路法の道路として管理される。通常、建築基準法の接道義務を満たすために設置される私道よりも幅員が広い。

買戻

債務者(または物上保証人)の所有する不動産を、債務者(または物上保証人)が債権者に譲渡し、債務を全額弁済すると同時に債務者(または物上保証人)が債権者からその不動産を買い戻すという制度である。

 民法では売買の特約としてこの買戻を規定しているが、実際上は不動産を担保に入れて金銭を得るための手段である(民法第579条)。この買戻を登記する場合には、最初の売買における所有権移転登記に、買戻特約の附記登記を行なう。

この民法上の買戻には次のような条件を満たすことが必要とされている。

1.売買契約と同時に買戻の特約をすること
2.買主(つまり債権者)が不動産を占有するので、その不動産の使用収益による利益を買主が取得する反面、買主(債権者)は売主(債務者)から利息を取ることはできないこと
3.買戻の代金は、当初の売買代金と同額であること

 このように民法上の買戻は厳格な要件が定められているため、実際にはこれよりも要件が緩やかな再売買の予約が利用されることが多い。

買戻特約

私法上の概念で、「売主が代金額および契約の費用を買主に返還することによって売買契約を解除し、目的物を取り戻すことができる」とする特約をいう。

所有権移転登記と同時に買戻特約を登記しないと、第三者に対抗できない。また、売主が買戻権を行使できる期間は最長10年である。

新住宅市街地開発事業等による宅地分譲において建築義務、転売規制などを担保するため、あるいは、債務弁済による買戻特約を付けて不動産を譲渡して担保機能を確保する(売渡担保)ために利用される。

解約手付

手付の一種で、手付の放棄(または手付の倍額の償還)によって、任意に契約を解除することができるという手付のこと(民法第557条第1項)。

通常、契約を解除するためには、解除の理由が必要である。
具体的には、「法律上の解除原因の発生(債務不履行、売主の担保責任)」か、または「契約成立後に当事者が解除に合意したこと(合意解除)」のどちらかが必要である。

しかしわが国では、手付を交付することにより、契約を解除する権利を当事者が保持し続けるという手法を用いることが非常に多い。
これは、売買契約成立時に買主が売主に手付を交付し、買主は手付を放棄すればいつでも契約を解除でき、手付相当額以外の損害賠償を支払わなくてよいというものである(これを「手付流し」という)。
また売主も、手付の倍額を買主に償還することで、いつでも契約を解除でき、手付相当額以外の損害賠償を支払わなくてよい(これは「手付倍返し」という)。このように、手付相当額の出費を負担するだけで、いつでも売買契約関係から離脱できるのである。

また判例(昭和24年10月4日最高裁判決)によると、「契約において特に定めがない場合には、手付は解約手付であると推定する」こととなっている。つまり契約上、単に「手付」とされた場合には、反証がない限り、解約手付として扱われる判例が確立している。

宅地建物取引業法ではこの判例よりさらに進んで、売主が宅地建物取引業者である売買契約では、契約内容の如何にかかわらず、手付は必ず「解約手付」の性質を与えられると規定している(宅地建物取引業法第39条第2項)。これを解約手付性の付与という。

なお、手付流し・手付倍返しによる契約解除はいつまでも可能ではなく、契約の相手方が「履行の着手」を行なった時点からは、このような契約解除ができなくなるとされている(詳しくは履行の着手へ)。

カウンターキッチン

キッチン(台所)とダイニングルーム(食事室)の間に、料理などをやりとりできるカウンター(台)を設置する方式又はその方式で造られたキッチンをいう。キッチンを開放的な空間とする方法として用いられている。カウンターキッチンは英語でCounter kitchenと綴れるが、意味上は和製英語である。

カウンターの設置方法には、キッチンとダイニングルームの間仕切り壁に大きな窓を空けてカウンターを置く方式、ダイニングルームの一角に調理台を設置しそれにカウンターを直接付置する方式などがある。

なお、カウンターキッチンの多くは、調理台がダイニングルームと開放的に向き合う配置となっているが、このような配置方式を「対面キッチン」という。

替地

公共事業の用地買収などの際に、金銭に替えて譲渡される土地のことで、代替地ともいう。

公共用地の買収の対価(補償金といわれる)は金銭で支払うのが原則であるが、土地所有者の要求により、その要求が相当であるときには替地を提供することがある。替地は、買収する土地と地目、地積などが照応している必要がある。

土地市場が十分に発達していれば金銭による補償で問題は生じないと考えられるが、ダム事業のように大規模に生活の拠点が失われる場合や、公共事業による土地価格の上昇が期待されるようなときには、生活の安定や事業用地を提供することに伴う不公平感の是正のため、替地が要求されることがある。
そして、替地は土地収用の対象とはならず任意交渉で取得しなければならないため、不動産会社がその取得に協力する場合もある。

価格査定

不動産の売却を媒介する場合に、依頼者に助言するなどのため取引価額を算出する行為をいう。

この場合にその根拠を示すことが必要で、標準的な手法によって取引事例を比較検討し、客観的で実際的な成約見込額を算出しなければならないとされている。一般的には、価格査定のためのマニュアルを用いることが多い。

 一方、不動産鑑定も価格の査定を伴うが、不動産取引の媒介に当たっての価格査定とは違って経済的価値を判定するものであり、算出する価額の性質に違いがあることに注意しなければならない。また、不動産鑑定は、価格査定と比べてより専門的、精密な方法で実施される。

格付け機関

金融債務の履行能力を評価することを業務とする組織体をいう。

 金融債務には、事業会社が発行する債券、国債や地方債、銀行・保険会社等が負う債務などがあるが、格付け機関は、それらが約定どおり支払われるかどうかの蓋然性を評価し、指標化して公表する。その公表される指標が「格付け」である。

 債務支払いの蓋然性は、支払い能力や支払い意思、社会経済環境、債務不履行の際に予測される損失など、さまざまなリスク要素によって左右されるため、それらの評価手法や総合化の方法もさまざまである。従って、格付け機関の示す格付けは主観的なものとならざるを得ないし、格付けの結果も格付け機関ごとに異なるのは当然である。

 格付け機関の大部分は、通常の会社形態で運営されており、金融商品取引法に基づいて開示制度等において利用される格付け機関として金融庁が指定している組織体(指定格付機関)は、(株)格付投資情報センター、(株)日本格付研究所、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティングズ・サービシズ、フィッチレーティングスリミテッドの5社である(2008(平成20)年1月現在)。

なお、格付け機関が示す格付記号としては、信用リスクが低い順に、Aaa、Aa、A、Baa、Ba等(ムーディーズの場合)、または、AAA、AA、A、BBB、BB等(他の4社の場合)が用いられているが、これらの指標は相対的なものであり、また、その意味は必ずしも各社共通ではない。

確定申告

確定申告とは、所得を申告するために、税務署に備え付けられている「確定申告書」という書面に必要事項を記入して、住所地の税務署に提出することを指す。

 一般の勤労者の場合は、毎月の給料と賞与から所得税が自動的に源泉徴収され、さらに年末調整によって所得税の納税が完了する。
 従って通常は、一般の勤労者は所得税の納税について確定申告を自ら行なう必要はない。

しかし、住宅ローン控除を1年目に受ける場合、給与を2ヵ所以上から受けている場合、医療費控除を受ける場合などには、勤労者が自ら住所地の税務署に出向いて、確定申告を行なう必要がある。

確定申告書の記入は一般の個人には非常に難しい。そこで確定申告の時期には、各税務署の中で、地元の税理士会に所属する税理士たちが無償で個人の相談に乗り、確定申告書の記入を無償で代行してくれている。

 確定申告は、毎年2月16日から3月15日までに行なうこととされている。ただし、所得税の還付を受ける場合には、2月16日以前でも確定申告を行なうことができる。

隠れたる瑕疵

「瑕疵」とは「きず」「不具合」「欠陥」という意味である。

「隠れたる瑕疵」とは、特定物(建物・土地などその固有性に着目して取引され代替性がない)の売買契約を締結した時点において買い主が知らなかった瑕疵であり、かつ買い主が通常要求されるような注意力を働かせたにもかかわらず発見できなかった瑕疵のことである。

例えば既存住宅の売買において、屋根の一部に欠陥があったため、引渡し後に雨漏りが発生したとする。この場合、屋根の欠陥が「瑕疵」に該当する。そして買い主が売買契約当時にこの欠陥があることを知らず、かつ買い主が通常要求されるような注意力を働かせても、この欠陥を発見することができなかったであろう場合には、この欠陥は「隠れたる瑕疵」に該当するといえる。

民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)以前は、民法で、特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵」があったとき、売り主は買い主に対して「瑕疵担保責任」を負うものと規定されていたが、改正によってこの規定は削除され、「隠れたる瑕疵」の担保責任を含めて契約不適合責任に統合・整理された。

花崗岩

火成岩の一種。産出量が多く、磨耗に強いことなどから、床材・壁材などに多用される。ただし耐火性が小さいという欠点もある。

火災危険度

地震時に発生する出火による建物の延焼被害の危険性をいう。

 自治体単位で公表しているもので、東京都は定期的に町丁目ごとに火災危険度を測定し、公表している。
 東京都による火災危険度の測定は、東京消防庁による「出火危険度測定」および「延焼危険度測定」の調査結果に基づいて評価算定され、東京都の評価結果は、町丁目ごとに5段階のランク分けをして公表されている。
 測定された火災危険度は、木造住宅密集地域整備事業、都市防災不燃化促進事業、防火地域の指定、防火規制等の地域選定に活用されている。

瑕疵ある意思表示

「内心的効果意思」と「表示行為」は対応しており、一見正常な意思表示であるかのように見えるが、内心的効果意思を形成する際の「動機」に対して他人の強迫や詐欺が関与しているもの。


いい換えれば、内心的効果意思の正常な形成が他人の強迫・詐欺により阻害されている意思表示のことである。瑕疵とは「きず」という意味である。
瑕疵ある意思表示には、強迫による意思表示と詐欺による意思表示の2種類がある。

 

瑕疵担保責任

売買契約や請負契約の履行において、引き渡された目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主・請負人が買い主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつで、目的物が特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)である場合の「契約不適合責任」と同義である。

瑕疵担保責任を負わせるためには、買い主・注文者は、売り主・請負人に対して、履行の追完請求(補修等の実施請求)、代金の減額請求、報酬の減額請求、損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならない。

なお、住宅の品質を確保するため、新築住宅の瑕疵担保責任について「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく特別の定めがある。詳しくは「売り主の瑕疵担保責任(品確法における~)」及び「請負人の瑕疵担保責任(品確法における~)」を参照。

過失責任主義

損害の発生について損害賠償責任を負うのは、故意・過失がある場合だけであるという私法上の原則。個人の行動の自由を保障するための原則であるとされ、民法はこの考え方を採用している。

しかしながら、事情に応じて損害発生の責任をより厳しく求めなければならない場合もあるとされ、民法の特例として、故意・過失がない場合にも損害賠償責任を負わなければならない(無過失責任)とされていることがある。たとえば、製造物責任については過失責任主義が適用されていない。

なお無過失責任の根拠としては、危険を作り出す者はそれによる損害賠償の責任を負うべき(危険責任)、利益を得る過程で損害を与えた者はその利益を損害賠償に充てるべき(報償責任)、という二つの考え方がある。

貸主

不動産の賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)を「貸主」という。

不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。

この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。

貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。

なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。

瑕疵物件

取引の対象となった不動産の当事者の予想していない物理的・法律的な欠陥(瑕疵)があったときの、当該不動産をいう。

例えば、土壌の汚染、耐震強度の不足などの発見は瑕疵となる恐れが大きい。不動産売買契約締結時に発見できなかった瑕疵が一定期間内に見つかった場合には、買主は契約の解除または損害賠償の請求をすることができる。

瑕疵保証

瑕疵が発見されたときにそれによって生じた損失を補填することを、あらかじめ約束すること。不動産に瑕疵があった場合には、売主が買主に対して瑕疵担保責任を負うのが原則であるが、それを補完するために、第三者が、瑕疵により発生した一定の損害を負担する仕組みがある。これが瑕疵保証である。

例えば、住宅の新築について工事請負人は引き渡しから10年間、住宅の構造耐力上主要な部分などについて瑕疵担保責任を負うが、住宅の性能を評価する制度を利用すれば、評価者がその瑕疵を保証する仕組みが用意されている。

貸家建付地

建物が存在している土地について、建物所有者と土地所有者が同一であるとき、この土地を「建付地」という。

ある土地が「建付地」であって、建物の種類が貸アパート・貸マンション・貸家などの賃貸用建物であるとき、その土地を「貸家建付地」と呼ぶ。

課税取引

課税取引とは、消費税が課税される取引のことである。

 本来、消費税はすべての取引に対して課税されるのが原則であるので、物品の販売やサービスの提供は原則的にすべて「課税取引」であるとされている。
しかし、税の性格や社会政策的配慮により消費税を課税しない取引が存在する。これは「非課税取引」と呼ばれている。

具体的には、不動産取引に関連して次のものは「非課税取引」とされている。

1.土地の販売における土地の対価
2.土地と建物を一体として販売する場合における土地部分の対価
3.借地権の譲渡の対価
4.住宅の賃貸借における家賃・共益費・礼金・更新料

注意
・不動産仲介手数料は、たとえ上記1.から4.に関する仲介であっても、課税対象である。
・施設の整備された駐車場の駐車料は課税対象である。
・住宅の賃貸借であっても、その賃貸期間が1ヵ月未満の短期である場合はその家賃は課税対象である。
・住宅の賃貸借において授受される敷金・保証金は預かり金であるので、課税対象とならない。
・住宅の賃貸借において授受される敷金・保証金のうち将来返還を予定しない部分(関西におけるいわゆる「敷引」など)は家賃と同様の扱いであり、非課税である。

課税標準

税額を計算するときに、税率を乗じる対象となる価額をいう(税額=課税標準×税率)。

例えば、所得税では所得控除後の所得額、法人税では利益額が課税標準であるというように、税の種類によって算出方法が異なる。また、所有権移転登記に係る登録免許税や固定資産税については、固定資産台帳に登録された価格が課税標準であるが、住宅用地などに特例措置が適用される場合には固定資産税の課税標準が減額されるなど、特別の措置があるので注意が必要である。

課税標準額

課税において、課税金額を算出する上で基礎となる金額をいう。

税目に応じてそれぞれ一定の方法で算出される。

例えば、固定資産税については固定資産課税台帳に登録された不動産の価格(住宅用地等のように特例措置が適用されるときにはその適用後の価額)を、消費税については課税資産の譲渡等の対価の額(その譲渡等につき課されるべき消費税額および当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を控除したもの)を、それぞれ課税標準額としている。

課税文書

印紙税が課税される対象となる契約書および受取書のことを「課税文書」という(印紙税法第3条第1項)。

具体的には次の1.から6.などが「課税文書」に該当する(印紙税法別表第一)。

1.不動産売買契約書
2.建築工事請負契約書
3.土地賃貸借契約書
4.金銭消費貸借契約書
5.3万円以上の売上代金の領収証
6.3万円以上の売上代金以外の金銭の領収証

(補足)
・建物賃貸借契約書は課税文書ではない。
・不動産の仲介を依頼した場合に作成する「不動産媒介契約書」は課税文書ではない。
・売上代金の領収証とは、「手付金の領収証」「不動産売買代金の領収証」「賃貸料の領収証」「不動産仲介手数料の領収証」などである。
・売上代金以外の金銭の領収証とは「敷金の領収証」などである。

家族信託

家族間で締結する信託契約。

例えば、親の住宅を子供に信託し、受益権を親が保有すれば、住宅の所有・管理は子供が行ない、親はその住宅に安定的に居住するという法的な関係が生まれる。この場合、信託行為に対しては贈与税は課税されない。また、相続の対象となるのは信託受益権である。信託契約において、受益権の管理処分の方法を指図することもできる。

なお、家族信託の要件、効力等は、信託法の一般的な定めによる。例えば、未成年者は受託者になれない、受託者は信託利益を享受することができない、信託財産は信託登記・登録をしないと第三者に対抗できないなどである。

片流れ屋根

屋根形式の一つで、片側から一方向だけに勾配があるかたちのもの。

割賦販売

売買代金を分割して、一定の期間内に定期的に支払う販売方法をいう。

この場合の目的物の引渡しには、一定額が支払われるまで引渡しを停止する場合と、最初に目的物を引き渡したうえで代金債権の担保措置を講じる場合とがあり、一般的には後者が採用されている。

割賦販売においては、買主を保護するために、一定の割賦販売(宅地建物の割賦販売は該当しない)について、一定期間、無条件で申込みの撤回または契約を解除できる制度(クーリングオフ)が適用される。

なお、宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地建物の割賦販売の契約については、賦払金の支払いの義務が履行されない場合に、30日以上の期間を定めて支払いを書面で催告し、期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払いの遅滞を理由として、契約の解除や支払時期の到来していない賦払金の支払いを請求することができないとされている(強行規定)。

活断層

近い時代(おおむね新生代第四紀後期以降とされる)まで変位運動を繰り返していて、今後も活動する可能性のある断層をいう。

活断層は、その活動によって過去に地震の発生源となったことがあり、今後も発生源となる恐れがある。また、活断層の多くは一定の周期で瞬間的に変位する性質があると考えられている。しかし、その活動を評価する手法については、十分に確立しているとは言い難い。

なお日本の地震は、プレートの境界付近で発生する海溝型地震と、陸側のプレート内部で発生する活断層型地震とに大別できるが、土地利用などに当たって活断層の存否が注目されるのは後者との関係である。

滑動崩落 (造成宅地の~)

盛り土の地滑り的変動をいい、盛り土と地山との境界面や盛り土内部を滑り面とする変動現象である。これによって、造成宅地における崖崩れや土砂の流出による被害が発生する。

大規模盛土造成地については、滑動崩落を予防するため、変動予測調査を実施する必要がある。

活動崩落を防止するためには、滑動崩落防止工事が有効と考えられている。滑動崩落防止工事の方法には、ア)地下水の状態、大規模盛土造成地の地形などの条件を変化させることによって崩壊や変形を防止する工法(抑制工)、イ)構造物等を設けることによって、その抵抗力により崩壊および変形を防止する工法(抑止工)がある。

家庭用燃料電池

家庭に設置して住宅に電力を供給する燃料電池をいう。

 燃料電池は電気化学反応によって発電する装置で、水素と酸素を化学反応させてこのとき発生する電気エネルギーを取り出す方法が用いられる。
家庭用燃料電池では、一般的に、燃料となる水素ガスを都市ガスやLPGから生成し、空気中の酸素と反応させて電力を得るとともに、併せてその際に発生する熱を給湯などに利用する方法(コジェネレーション)が採用されている。このようなシステムの統一名称が「エネファーム」である。

燃料電池は、二酸化炭素が発生しない、エネルギー変換において熱が介在しない(効率を高くできる)、比較的小規模な装置で発電できるなどの特徴があるとされるが、家庭用燃料電池も同様である。

家電リサイクル法

廃棄物の減量や資源の有効利用を推進するため、使用済みの家電製品の部品・材料を再利用する制度を定めた法律。正式には「特定家庭用機器再商品化法」という。

制度の対象となるのは、エアコン、テレビ、電気冷蔵庫・冷凍庫、電気洗濯機・衣類乾燥機である。

制度の中心となっているのは、(1)対象となる家電製品を廃棄する消費者は、再利用等のために要する費用を支払った上で当該家電製品を小売業者に引き渡し、(2)家電小売業者は、過去に販売した商品や買い換えの際に引取りを求められた製品を引き取って製造業者等に引渡し、(3)製造業者等は、過去に自らが製造・輸入した製品を引き取って再利用する仕組みである。このうち、(2)および(3)は義務とされている。

なお、同制度を実施するための基本方針は、回収率の目標を定めるとともに、「廃棄された物をどのように処理するかという観点を転換し、製品の開発、製造から消費、廃棄等に至る各段階において、廃棄物の排出の抑制、使用済製品の再使用及び部品又は原材料としての利用である再商品化の促進という観点を持った、環境への負荷の少ない循環型経済社会システムを構築することが必要である」としている。

可動間仕切り

移動可能な間仕切りのこと。
通常は、展示場や会議場などで使用されるスライド式のパーテーションのことを「可動間仕切り」と呼んでいる。

また最近、住宅で使用されることが多くなったアコーディオン式や引き戸式の間仕切りも「可動間仕切り」と呼ばれることがある(詳しくはフレックスウォールへ)。

角地

正面と側方に路線(道路)がある土地のこと。

角部屋

分譲マンション・賃貸マンション・アパートで、各階の廊下の端にある住戸、または廊下が屈折している場合にその屈折部にある住戸のこと。

各階の廊下の端にある部屋を「端部屋」、屈折部にある部屋を「角部屋」と呼んで区別することもあるが、通常は両者を合わせて「角部屋」と称している。
「角部屋」(端部屋を含む)は日照が良く、隣室の騒音の影響を受けにくいなどの利点があることが多いため、分譲価格・家賃において同じ階の通常の住戸よりも高いことが多い。

矩計図

建物の各部分の標準的な高さや仕様を示すために、軒先を含む代表的な外壁部分の垂直断面を描いたものを矩計とか矩計図という。

平面図とともに建築設計図面の代表的なもの。

金物

建築材の接合部を結合し、補強するために取り付ける部品(その多くが金属製である)を総称して「金物」という。

金物には、くぎ、ボルト、短ざく、かね折り、プレート、アンカーボルト、ホールダウン金物などの多様な種類がある。

特に在来工法の木造建築物では、建築物の安全性・耐震性を確保するために、「筋かいプレート」などの多種多様な金物の使用が必要不可欠である。

このため、国土交通省・農林水産省が設立する「財団法人日本住宅・木材技術センター」では、在来工法の木造建築物で使用する金物について、次のような厳格な認定制度を実施している。

1.Zマーク承認制度
(財)日本住宅・木材技術センターが開発した規格に基づく高品質な金物を製造する業者に「Zマーク(ゼットマーク)」の使用を承認する。

2.Zマーク同等認定制度
金物製造業者が開発した金物について、(公財)日本住宅・木材技術センターが同等認定試験を行ない、これに合格した高品質な金物について金物製造業者に「Zマーク同等認定」を付与する。

1.の金物は「Zマーク表示金物」、2.の金物は「Zマーク同等認定金物」と呼ばれている。
両者をまとめて「Zマーク金物」と呼ぶ。

なお、阪神大震災の教訓に基づき、建設省(現国土交通省)では平成12年に建築基準法を改正して、金物について厳しい基準を設けた。

この基準を定める「建設省告示第1460号」(2000(平成12)年6月1日施行)は、筋かいの端部の接合部などにおいては、事実上Zマーク表示金物またはZマーク同等認定金物(またはそれと同等以上の性能を有する金物)の使用を義務付けるような内容となっている。

かぶり

コンクリート表面から鉄筋までの厚み(あるいは深さ)のことを「鉄筋かぶり」という。

コンクリートにひび割れ(クラック)が生じると、アルカリ性のコンクリートは酸化し、侵入する雨水や外気で鉄筋は錆びてくるが、かぶり厚が大きければ酸化によるコンクリートの劣化も鉄筋の錆びも防ぐことができる。結果、かぶり厚が大きければその分建物の寿命は延びることにもつながる。

壁式鉄筋コンクリート構造 ~壁式鉄筋コンクリート造~

鉄筋コンクリート構造の一つ。

この「壁式鉄筋コンクリート構造」は、「柱」「梁」を設けず、基本的に「壁」だけで荷重を支えるような鉄筋コンクリート構造である。

この「壁式鉄筋コンクリート構造」には、柱・梁がないため、建物の内部空間が広く使用できるというメリットがある。
なお強度を確保するため、壁の中には梁に相当する配筋が作られている。

この「壁式鉄筋コンクリート構造」は、壁が多い中層建物に最適である。しかもコストが安く、空間が広く取れるため、3階建共同住宅などで多用されている。

壁心

建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。

この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。

建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用しているということができる(建築基準法施行令2条1項3号)。

なお、この「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。

上辺は「上框」、左右の辺は「たて框」、下辺は「下框」、中央の水平な部材は「なか框」という。
また障子だけでなく、ふすま、板戸、雨戸、和風の玄関戸、ガラス戸、網戸についても上下左右の辺を「框」という。

鴨居

住宅の開口部の上側にある横架材のこと。

通常は、障子・襖・引き戸・引違い戸などをはめ込む溝が2本彫られているが、溝のないもの(無目)、溝が1本のもの(一筋)などある。上部にあるのが鴨居、下部にあるのが敷居(鴫居という説もある)で、鴨という水鳥の名を付けているのは火難除けの願いからといわれている。

茅葺き屋根

茅で葺いた屋根をいう。断熱性に優れているが、耐火性に弱点があり、また定期的に葺き替えなければならない。

からん (蛇口)

給水管の先端に取り付けて、水の流出を制御する器具。通常、取っ手を回して水量を調節する。

なお、「カラン」はオランダ語。

仮換地

土地区画整理事業において、正式な換地に先立って行なわれる換地をいう。

土地区画整理事業では、事業によって、区画を変更する前の宅地(従前の宅地)から区画を変更した後の宅地(新しい宅地)へと所有権が変更されるが(これを「換地」という)、その時期は、土地区画整理事業を行なう区域のすべてについて必要な工事が完了した時点とするのが原則である。しかし、工事に長期間を要することが多いため、工事が先に完成した地区において、仮に換地を定めて土地の利用を認めることがある。このようにして仮に換地を定めるのが仮換地である。また、仮換地された土地そのものを仮換地ということもある。

「仮換地」された宅地は、将来、そのまま正式に換地されるのが原則である。

仮差押の登記

債務者の財産を一時的に凍結するための裁判所の命令を「仮差押」と呼ぶ。

この仮差押がなされた場合には、登記簿に「仮差押の登記」が記載され、取引関係者に対して、財産の処分を一時的に凍結していることが公示される。

仮使用

一般建築物は建築後いつでも使用を開始することができ、またリフォーム等の工事をしている最中にも通常の使用を続けることができる。

しかし、特殊建築物等については、その避難設備(廊下・階段・出入口・消火設備・排煙設備等)に関係する工事を行なう場合や、建物を新築する場合には、原則として建築主事から「検査済証」を交付された後でなければ、建築物の使用を開始することができないとされている(建築基準法7条の6)。

これは特殊建築物等では、防災上特に配慮が必要なので、避難設備に関係する工事が進行中の時期や、避難設備そのものがまだできていない時期には、原則として人に使用させないということである。

ただし「検査済証」の交付の前であっても、次の2つのケースでは仮に使用が許される。

1.特定行政庁が防火上・安全上支障がないと認めて承認をした場合
2.建築主が工事完了検査を申し出てから7日間が経過した場合

仮使用承認

建築工事の検査済証の交付を受ける前にその建築物を使用するために必要な承認をいう。建築基準法による制度である。

特殊建築物等であってその新築や避難施設等に関する工事を行なう場合には、検査済証の交付がなければその建物を使用することができない。ただし、安全上、防火上および避難上支障がない旨の承認を得れば、検査済証の交付前であっても当該建築物を使用することができるとされている。この場合の承認が仮使用承認である。承認は、申請によって特定行政庁が行なう。

仮登記

所有権移転登記などを行なうことが何らかの理由でできない場合に、仮に行なう登記のことを「仮登記」という。

例えば、A社がB氏に融資をした場合に「将来返済がされないときは、B氏所有の土地をA社に引き渡す」という契約を行なったとする。このとき、将来債務が返済されるかどうかは不確定であるので、所有権移転登記を行なうことは当然できない。そこで、A社はB氏所有の土地に対して仮登記を付けておく。
具体的には「所有権移転請求権仮登記、原因:売買予約、権利者:A社」という仮登記を付けておくことで、A社は確実に権利を保全できることとなる。

仮登記担保

金銭債権を返済できない場合には、物を債権者に売却する(または物をもって弁済に代える)ことを債務者が約束し、そのことを仮登記しておくことを仮登記担保という。

例えば、登記の原因を「代物弁済予約」とし、登記の目的を「所有権移転請求権仮登記」として、仮登記を行ない、これによって金銭債権を担保するということである。

このような仮登記担保は、金銭債権が弁済されない場合に、債権者が物の所有権を取得することから、債権者の暴利行為を助長する恐れがある。そこで、1979(昭和54)年4月1日に仮登記担保法が施行され、金銭債務の額を物の価額が超える場合には、債権者はその超過部分を債務者に返還する必要があるとされた。こうして現在では、債権者の暴利行為が法律上禁止されている(仮登記担保法第3条)。

瓦葺き屋根

瓦で葺いた屋根をいう。耐火性、耐久性に優れている一方、加重が大きい。

瓦は本来粘土製であるが、金属瓦、セメント瓦、ガラス瓦、コンクリート瓦等が用いられることもある。

簡易専用水道

水道事業者から給水される水道水を一旦貯水し、それを配水する方式の水道で、貯水槽の有効容量が10立方メートルを超えるものをいう。マンションや事務所ビルでよく使われている給水方法であり、施設の設置者は、定期的な掃除、点検、水質検査などを行なわなければならないほか、水質等について管理責任を負う。

簡易耐火建築物

建築基準において、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)が、準耐火構造と同等の準耐火性能を有するための技術的基準に適合し、かつ、延焼の恐れのある開口部(窓やドア)に防火戸など、火災を遮る設備を有する建築物をいう。

この場合の技術的基準としては、外壁を耐火構造とする方法(外壁耐火型)、または、主要構造部を不燃材料とする方法(不燃構造型)についての要件が定められている。

簡易型耐火建築物は、もともと建築基準の制度上、主要構造部が準耐火構造ではないが耐火性があると認められる建築物として扱われていたが、現在は準耐火建築物の類型の一つとされ、もはや法令上は独立に定義された用語ではない。しかし通称として使用されることがある。また、準耐火建築物の法令上の定義に即して、「ロ準耐」(建築基準法第2条第9号の3ロに該当する準耐火建築物という意味)といわれることもある。

環境共生住宅

環境への負荷を抑えるための対策を講じた住宅のこと。エコハウスともいう。

対策の目標は、省エネルギーや再生可能エネルギーの使用、資源の再利用、廃棄物の削減などであり、具体的には、屋上緑化や雨水の再利用、太陽光・風力エネルギーの利用、ゴミの減量などが実施される。

その基準として、例えば(一財)建築環境・省エネルギー機構が定めた「環境共生住宅認定基準」があるが、この基準では、環境負荷の抑制だけでなく、バリアフリー化や室内の空気質の維持(シックハウス対策)なども要求されている。

環境都市

都市ビジョンの一つで、環境価値の創造によって形成される持続可能な都市をいう。

環境価値を創造するには、低炭素、循環、生物多様性、水・大気環境などの価値要素を高めることが必要であるが、そのための取り組みを戦略的に展開することによって持続可能な魅力ある都市を形作ることができるとする。例えば、再生可能エネルギーの導入、住宅・建築物の導入によるゼロエミッション化、電気自動車等の大量導入、情報通信技術を活用したエネルギーマネジメント、集約型都市構造への転換と公共交通の整備などの総合化が考えられている。
環境都市の実現に向けた取り組みは、イノベーションを引き起こすこと、開発した技術を包括的なシステムとして発展途上国へ輸出することなど、経済的な戦略としても有効であるとされ、政府は、環境都市の形成のための施策を集中的に投入する「環境未来都市」を選定している。

なお、環境都市は、環境価値だけでなく、社会的価値(健康、ソーシャルキャピタルなど)や経済的価値(雇用、新産業など)の創造をも担うという考え方もある。

還元利回り

資産の収益から資産価格を算出する際に用いる利率をいう。

「キャップレート(Cap Rate)」とも呼ばれる。
資産価値は、発生するであろう収益額を現在価値に割り戻して総計した額に等しいと考えられているが、このとき現在価値に割り戻すために用いる利率が還元利回りである。

その値は、資産の種類や条件によって異なるが、おおむね一般的住宅では5~7%、事業用は8~10%が目安とされている。逆に、資産価格と収益額が与えられれば還元利回りを求めることができるが、利回りが高いほど収益性が高いと判断してよい。

観光地区

特別用途地区の一つ。
温泉その他の観光資源のある地域で、宿泊施設などを建築しやすくし、宿泊施設などに障害となる業種の進出を規制する地区である。市町村が指定する。

乾式壁

水を用いないで施工した建物の壁をいう。代表例は、石膏ボードによって造られた高層マンションにおける隣の住戸との境の壁(戸境壁)である。軽量化等に対応するため、通常、二枚の石膏ボードの間に断熱材・吸音材を入れて施工されている。堅牢性や遮音性を確保する必要がある。

 一方、鉄筋コンクリートやモルタルなどでできたものを湿式壁という。

監視区域

地価が急激に上昇し、またはその恐れがある区域において、適正な土地利用の確保が困難となる恐れがあるときは、知事は監視区域を指定することが可能となる(国土利用計画法第27条の6)。

監視区域に指定されると、都道府県の規則によって定められた面積以上の土地を取引しようとする者は、あらかじめ知事に届出を行なうことが必要となる(国土利用計画法27条の7)。
知事は6週間以内に審査を終え、必要な場合には勧告を行なうことができる。取引をしようとする者がこの勧告に従わないときは、知事はその者の氏名・商号等を公表することができる(国土利用計画法第27条の8)。

監視区域はかつてバブル期に全国の都市部で数多く指定され、届出が必要な面積は都道府県規則により100平方メートルとされることが多かった。

間接照明

人工照明の方式には大別して直接照明と間接照明があり、間接照明は壁や天井に光を反射させるもの。

直接光と比べ間接光は柔らかく、光が織りなす陰の演出でムーディな空間演出を可能にする。

換地

土地区画整理事業によって行なう土地の所有権の変更をいう。

土地区画整理事業においては、土地の区画についてその位置等を変更する必要があるが、そのために行なわれる、区画を変更する前の宅地(従前の宅地)から区画を変更した後の宅地(新しい宅地)への土地の所有権の変更手続が「換地」である。

宅地所有者から見れば、いったん従来の宅地を失い、それと同時に新しい宅地を与えられるということである。また、こうして宅地所有者に与えられる新しい宅地そのものを「換地」と呼ぶこともある。

換地計画

土地区画整理事業において、事業施行地区内の土地や土地に関する権利が、事業施行後にどのような姿となるかを定める計画をいう。

換地計画では、原則的には、事業前の各宅地に対して、事業によって整備された換地をそれぞれ交付するように定める。そのほか、換地に当たっての不均衡に対応するための金銭(清算金)の徴収・交付、公共用地の帰属、事業費に充てるための保留地などについても定められる。

換地計画において換地を定める場合には、原則として、換地および従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならないとされている(照応原則)。また、換地計画を定めようとする場合には、2週間公衆の縦覧に供するなどの手続きが必要である。

 換地計画の効果は、工事が完了した後になされる換地処分によって生じるのが原則である。従って、事業完了前に換地予定地を利用する場合には、その土地を仮換地に指定して利用することとなる。

換地処分

土地区画整理事業において行なわれる、土地の権利変動等の効果を生じる行政処分をいう。これによって換地は従前の宅地とみなされる。

権利変動などの内容は換地計画に定められているが、換地処分によってそれが法的な効果として確定することとなる。

換地処分は原則として工事が完了した後に遅滞なく行なわれ、公告される。そして、公告の翌日から、従前の宅地の所有権等は、換地計画において定められた換地の所有権等に変わる。また、換地処分による土地や建物の変動は、事業施行者によって登記される。

なお、換地処分は、土地改良事業においても行なわれることがある。

鑑定評価

不動産の経済価値を判定し、価額で表示すること。その業務は、不動産鑑定士および不動産鑑定士補の独占とされている。

鑑定は不動産鑑定評価基準に従って実施されるが、その方法は原則として、

1.原価法(不動産の再調達原価に着目して価格を求める方法、積算価格を算出)、2.取引事例比較法(類似の不動産の取引事例価格に着目して価格を求める方法、比準価格を算出)、3.収益還元法(不動産が将来生み出す収益に着目して価格を求める方法、収益価格を算出)

の3つを併用することとされている。

なお、収益還元法には、純利益を一定率で割り戻して直接に現在価値を求める方法(直接還元法)と、保有期間中に得られる純利益と期間満了後の売却によって得られる予想価格を現在価格に割り戻して合算する方法(DCF法、Discounted Cash Flow Methodの略)があるが、不動産の証券化のための評価は原則としてDCF法が適用される。

関東間

主に関東で用いられてきた、日本の伝統家屋の基本モジュールのこと。京間よりもやや狭い。「田舎間」とも称される。

日本の伝統家屋を設計する際に基本となる柱の間隔(柱の中心から柱の中心までの距離)のことを「1間(いっけん)」という。関東間とは、この1間を「6尺」(約181.2cm)とする家屋のことである。

(注)日本古来の度量衡である尺貫法では、1尺は30.303cm、1寸は1尺の10分の1、1分は1尺の100分の1である。なお、尺の長さは1891(明治24)年の度量衡法で定められたが、1958(昭和33)年に公式の単位としては廃止されている。

管理委託契約

管理組合がマンション管理会社に対して、分譲マンションの管理を委託する契約のこと。
このとき、マンション管理会社がマンション管理法に定める「マンション管理業者」であるならば、次のことを行なう義務がある。

1.マンション管理会社は、管理委託契約の締結前に一定の重要事項を説明しなければならない(マンション管理適正化法第72条)。
2.マンション管理会社は、管理委託契約を締結するときに、一定の事項を記載した書面(通常は管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならない(マンション管理適正化法第73条)。

管理会社

不動産所有者の委託により、その所有する不動産の管理業務を行なう企業をいう。

管理業務の内容は、大きく分けて、設備の保守・点検、防火・警備など(作業の実施)、賃料や共益費の徴収、諸料金の支払いなど(経理事務)、テナントの募集、賃料の改定、修繕計画の立案など(経営的業務)がある。このように幅広い業務があり、そのための技術も多様であることから、その一部を受託することが多い。

なお、管理会社は、管理の対象となる不動産の性格に応じて、マンション管理業、ビル管理業、賃貸住宅管理業に大別できる。このうちマンション管理業については、法律に基づき登録する義務がある。また、賃貸住宅管理業については、国土交通省の告示による登録制度がある。

管理規約

区分所有法にもとづいて設定される、区分所有建物における区分所有者相互間の関係を定めるための規則のこと。
区分所有法では単に「規約」と呼んでいるが、一般的には「管理規約」と呼ばれている。

区分所有建物では、区分所有者の権利関係が複雑であり、また区分所有者の共同の利益を害するような行為を排除する必要がある。このため、詳細な規則である「管理規約」を区分所有者自身が設定することが、区分所有法によって事実上義務付けられているのである。

管理規約を設けるためには、区分所有者の集会において、特別決議(区分所有者の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上)により可決する必要がある(区分所有法第31条)。

管理規約で定めるべき事柄には、区分所有法上の制約は特にないので、区分所有者の意思によりさまざまな事項を定めることが可能である(区分所有法第30条)。
 一般的には、次のような事柄について管理規約で定めることが多い(下記1.から7.は1997(平成9)年に建設省(現・国土交通省)が定めたガイドラインである「中高層共同住宅標準管理規約」から抜粋した)。

1.敷地、建物、付属施設の範囲
2.共用部分の範囲
3.敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合
4.専用使用権の範囲
5.敷地利用権と専有部分の分離処分の可否
6.使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定
7.管理、管理組合、集会、理事会、会計等に関する事項


なお、管理規約は集会の特別決議で設定されるべきものであるが、次の4つの事項に限っては、マンション分譲業者が最初にマンションの全部を所有している時点において公正証書で定める場合に限り、集会を経ずに、マンション分譲業者が単独で管理規約を設定することができるとされている(区分所有法第32条)。

1.規約敷地
2.規約共用部分
3.敷地利用権の共有持分の割合
4.専有部分と敷地利用権の分離処分の可否

管理組合

分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者が建物および敷地等の管理を行なうために区分所有法にもとづいて結成する団体のこと(ただし区分所有法上では「管理組合」という言葉を使用せず、「区分所有者の団体」と呼んでいる)。

区分所有建物においては、区分所有者は区分所有法により、当然にこの「管理組合」に加入することとされているので、区分所有者の任意で管理組合から脱退することはできない(区分所有法第3条)。

このような管理組合は、集会(いわゆる管理組合の総会)を開き、管理に関するさまざまな事項を議決し、管理規約を定める。

また管理組合の通常業務を執行するために、管理規約にもとづいて複数の理事が選出され、この理事によって構成される理事会が業務を行なう。

また管理組合は、法人になることができる。法人になった管理組合は「管理組合法人」と呼ばれる。

管理組合総会

集会ともいう。

分譲マンションのような区分所有建物において、建物および敷地の管理に関する事項を決定するために、少なくとも年に1回以上開催される区分所有者の集会のこと。

区分所有建物では、区分所有者は管理組合の構成員となる。この区分所有者の全員が参加する意思決定機関が「集会」である。一般的には「管理組合総会」「管理組合集会」「総会」とも呼ばれるが、区分所有法では「集会」という名称を使用している。

区分所有法では、「管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない」と定めている(同法第34条第1項・第2項)。ここでいう管理者とは通常は、管理組合の理事長のことである。また年に1回以上定期的に開催される集会は、一般的には「通常総会」と呼ばれている。

このほかに、特定の議案を審議するために区分所有者の一定数以上の請求により臨時的に集会を開催することも可能であり、こうした集会は「臨時総会」と呼ばれている(区分所有法第34条第3項から第5項)。

集会を開催する場合、管理者(理事長)は、開催日より1週間以上前に、開催日時・開催場所・議案の概要を各区分所有者に通知する必要がある(区分所有法第35条)。ただし区分所有者全員が同意した場合に限り、こうした招集手続を省略することも可能である(区分所有法第36条)。

集会が開催されると、原則として管理者(理事長)が議長となり、あらかじめ通知された議案が審議される。議案を議決する方法としては、普通決議と特別決議がある。

区分所有者は集会に自ら出席して、議案を審議するのが原則であるが、出席できない場合には、書面によって議決を行なうことができ、また代理人を選任して代理人を出席させることも可能である(区分所有法第39条第2項)。

書面による場合には、あらかじめ各議案についての賛成・反対の意見を表明した書面(議決権行使書という)を、管理者(理事長)に提出しておく。また代理人を選任する場合には、その代理人を選任したことを証明するための書面(委任状)を管理者(理事長)に提出する。

集会の議事の内容については、議長が議事録を作成しなければならない(区分所有法第42条)。この議事録は管理者(理事長)が保管し、関係者の請求があった時、管理者はいつでもこの議事録を閲覧させる必要がある(区分所有法第42条・第33条)。

このように集会は、区分所有者の最高の意思決定機関であるが、日常的な管理組合の運営については集会の下部機関として管理規約にもとづき「理事会」が組織されており、さまざまな業務を執行している。

管理所有 ~マンション~

マンションの共用部分を、特定の者が管理することをいう。
一般に共用部分の管理は区分所有者が共同で行なうが、マンション管理規約で定めることによって共用部分の管理をマンション管理業者等に委ねることができ、管理所有はそのための方法である。従って、共用部分の所有者(管理所有者)は、それを区分所有者全体の利益のために管理しなければならない。

共用部分の所有について権利の登記はできず、管理所有者が共用部分の重大変更行為などを行う場合には管理組合集会の議決等を要する。また、管理所有されている共用部分の管理費用は区分所有者が負担することになる。

管理費 (賃貸物件)

賃貸マンション・アパート、貸家において、借主が貸主に対して毎月支払う金銭であって、賃貸物件の管理のために必要とされる費用のこと。
 「共益費」と呼ばれることもある。

管理費 (分譲マンション)

分譲マンションにおいて、区分所有者が管理組合に対して毎月納入する金銭であって、共用部分や建物の敷地などの管理に要する経費に当てるために消費される金銭のこと。

具体的には、管理会社に対する管理委託費や管理組合の運営費用などの経費に充当される。

カーテンウォール

高層ビルや高層マンションにおいて、建築物自身の軽量化を実現し、地震の際にガラスが飛散することを防止するために開発された非常に軽量な外壁のこと。

 通常の高層建築では鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用し、外壁が荷重を支え、かつ地震力や風圧力に対抗する役割を有しているが、高層化が進むと、外壁自体の重さが課題となった。また高層建築で柔構造(地震の揺れに抵抗せずにしなって地震力を吸収するような建築構造)が採用されると、地震の際に壁面の変形によりガラスが飛散することが問題となった。

こうした問題を解消するために、建築物の主要構造を柱と梁とし、外壁は構造体に張り架けただけのものとし、かつ外壁をウロコ状に配置して建物のしなりによる歪みの影響をごく小さくするという工法が開発された。

この工法による外壁のことをカーテンウォールと呼ぶ。またカーテンウォールを採用すると、外壁施工の際に建物外部に足場を組む必要がないため、施工しやすいという長所もある。

わが国では初期の代表例としては、霞ヶ関三井ビルのアルミカーテンウォールが挙げられる。
その後、さらに改良を加えたハニカムアルミパネルや、ガラスカーテンウォール、チタンパネル、セラミックパネル、PCカーテンウォール(=プレキャストコンクリートカーテンウォール)などのさまざまな製品が登場している。

カーテンレールボックス

一般にはカーテンボックスという。

カーテンをスムーズに開閉するためのレールやカーテンを吊すフックをカバーするための箱状のもの。天井に埋め込んだり、窓枠上部に取り付けたりする。

カーポート

屋根と柱のみで壁がない簡易な自動車車庫をいう。英語のCarport。

カーポートは、車庫と違い建物ではないが、青空駐車場と違って雨を避けることができる。

街区

市街地を構成する単位で、街路などによって区画され共通の空間特性を帯びる一団の区域をいう。都市計画、景観計画、市街地再開発計画などにおいて空間の特性等を把握する上での基本単位とされることが多い。

 不動産評価や不動産開発においても、個別の土地や建物だけでなく、周辺の空間特性、社会的環境などを十分に把握・評価することが重要であるが、街区はその際の基本的な単位となる。

なお、住居表示において街区方式を採用する場合には、街区は「市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によって区画した場合におけるその区画された地域」(住居表示に関する法律)と定義され、たとえば◯◯町A丁目B番C号とするときのB番が街区符号である。また、街区符号で示されたほとんどの区域については、その位置座標がデータベース(街区レベル位置参照情報)で提供され、GISで空間的な分析ができるようになっている。ただし、街区符号で示された区域と現実の街区とが一致するとは限らない。

外構

建物の外に設ける工作物。

 門、塀・垣根、庭木などが該当し、敷地の境界を形づくるとともに、建物の壁面などと一体となって敷地の景観や雰囲気を形成する。

なお、「外構」と「エクステリア」とは同じ意味である

崖線

崖地の連なり。緑が連続し、湧水や豊かな動植物生態が残っている場合が多い。

 傾斜地マンションの建設などによって、崖地の緑等の喪失、崖線の分断などが進んでいることから、崖線の保全・活用のための取り組みが必要だと考えられている。例えば、国分寺崖線(東京都)の保全のために、条例で地区を指定し、建築構造の制限、色彩の配慮、条例制限との適合性審査のための計画の届出などを定めた例(世田谷区国分寺崖線保全整備条例)もある。

外皮熱性能

建築物のエネルギー消費性能を評価するときの評価指標のひとつで、室内外の温度差による熱損失量をいう。この数値が小さいほど省エネの程度は大きい。

 非住宅建築物については、屋内周囲空間(外気に接する壁から5m以内の屋内空間、屋根直下階の屋内空間および外気に接する床直上の屋内空間、「ペリメータゾーン」という)の単位ペリメータゾーン床面積当たり年間熱負荷(単位は、メガジュール/平方メートル・年、「PAL*」という)を算定する。これを基準として用いる場合には、用途および地域区分に応じて基準とする数値を調整する。
住宅については、外壁や窓の外皮平均熱貫流率(外皮面積・単位温度当たりの熱損失量で、単位は、ワット/平方メートル・度、「UA値」という)および冷房期(一日の最高気温が32度以上となる期間)の平均日射熱取得率(単位外皮面積当たりの日射量に対する日射熱取得量の割合で、「ηA値」という)を算定する。これを基準として用いる場合には、地域の区分に応じて基準とする数値を調整する。

その具体的な算定方法は、国土交通大臣が定めるとされている。

なお、エネルギー消費性能の基準として外皮熱性能が用いられるのは、(1)住宅に関する省エネ基準、および、(2)全ての建物に関する誘導基準においてである。

外壁塗装

建物の外壁を保護するための塗装。外壁は、雨、大気浮遊物、紫外線などに曝されることによって劣化するが、その進行を抑える役割を果たす。

外壁塗装は、塗った塗料そのものが劣化するため、適時に再塗装する必要がある。この場合、塗装対象の確定(外壁以外にベランダ床、雨どいなどを含めるかどうか等)、塗料の選択(下地に適しているか等)などによく注意しなければならない。

外壁の後退距離

第一種・第二種低層住居専用地域では、道路や隣地との境界線から一定の距離だけ、外壁を後退させなければならない場合がある。これを「外壁の後退距離」という。

この「外壁の後退距離」は都市計画によって規定される制限である。逆にいえば、都市計画に定めがないならば、第一種・第二種低層住居専用地域であっても、外壁を後退させなくてよいということである。

都市計画で「外壁の後退距離」が定められると、建築物同士の間に一定の空間が常に確保されるようになり、日照・通風・防火などの面で良好な環境が形成される。

都市計画で「外壁の後退距離」が定められる場合、その距離は1mまたは1.5mが限度である(建築基準法54条2項)。

がけ地

傾斜が急なため通常の用途に供することができない土地をいい、一般に傾斜度が30度以上のものを指すが、厳密な定義はない。

不動産鑑定や資産課税において土地を評価する場合には、対象となる土地に占めるがけ地の割合に応じて評価額を減価する補正が適用される。

なお、がけ地とほぼ同様の言葉として「法地」があるが、法地は不動産取引においてよく使われ、土地造成によって作られたがけ地を指すことが多い。

合体登記

建物に物理的な変更を加えて、数個の建物を構造上一体の建物にした場合に、それら数個の建物の登記記録を一つにまとめる登記のこと。

合筆登記

数筆の土地を合わせて、一筆の土地にするという登記のこと。

合筆登記がされた場合、従来の数筆の土地の登記記録は閉鎖され、閉鎖登記簿へ移行する。
なお合筆登記をするには、地目が違う土地同士の合筆はできない。
また、所有権の登記(所有権の保存の登記または所有権移転登記)がある土地と、所有権の登記がない土地との合筆登記もできない。

合併登記

別個の建物として別々の登記記録が存在している数個の建物を、一個の建物にまとめて登記記録を作る登記のこと。

ガラスブロック

ガラスを素材とするブロック材。壁材、装飾材などとして利用されている。英語のglass block。

外側が厚ガラス、内部は低圧の中空となっていて、煉瓦ブロックに比べて、透光性、断熱性に優れるとされる一方、施工に当たっては、耐火性、耐震性の確保に注意しなければならない。

がらり戸

板戸であって、框の内部に、細い板を斜めにして、水平方向に連続的にはめ込んだもの。
通気性が良いため、押入れなどに使用することが多い。
よろい戸ともいう。

元金均等返済

借入元金を毎期均等に返済する方法。毎期の支払い金額は、返済する元金に借入金残高に係る利息が加わることから、支払期が早いほど多く、遅くなるに従って少なくなる。

元金均等返済に対して、毎期の支払い金額が均等になるよう元金返済額を調整した方法が「元利均等返済」である。

支払わなければならない利息総額は、元金均等返済のほうが元利均等返済よりも小さくなる。

雁行型

集合住宅の住戸レイアウトのパターンの一つ。雁が飛んでいくときの列の形に似て、住戸がはすかいに続いている形式のものを雁行型という。

箱形、直列型(くの字型も含む)、L字型、ロの字型などと比較すると、一長一短がある。雁行型だと、住戸に3方向に開口部(窓等)を設けることができ、採光性、通風性に優れる反面、冬期は開口部からの熱流出、夏期は日射熱の流入が大きい。また、箱型などと比べると壁面積が大きくなり、コスト的に割高となる。

元利均等返済

借入金を毎返済期に同額で返済する方法。住宅ローンの返済において広く使われている方法である。

完済するまでの各返済期ごとに、返済する元金と支払う利息の合計額が一定となるように、元金の返済額を漸増するよう設定する。これに対して、各返済期ごとに元金を均等に返済することとし、残っている元金に対する利息を加えて支払う方法が「元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)」である。

元金均等返済に比べて、完済までに支払う利息の総額が多くなる。一方、元金均等返済では、早い返済期であるほど支払うべき利息が多くなるため、元金を加えた支払額も早期ほど大きくなる。

機械喚起 (強制換気)

機械設備を用いる換気方法をいう。

換気の方法は大きく分けて、自然の通風や温度差による方法(自然換気)と、機械設備によって強制的に換気する方法(機械換気)とがある。機械換気は、常時確実に換気が可能であるが、稼動のためにエネルギーを消費する。機械換気に用いる設備としては、換気扇、送風機などがある。

 機械換気の方法には、次の3つの種類がある。

a 第1種換気:吸気と排気の両方とも機械換気を用いるもの
b 第2種換気:吸気は機械換気、排気に自然換気を用いるもの
c 第3種換気:排気は機械換気、吸気に自然換気を用いるもの

換気の種類は、維持する空気環境の性格に応じて、吸気と排気のどちらを強制的に行なうかなどを考慮して適切に選択しなければならない。例えば、第1種換気は、安定した換気を確保できるがエネルギー消費が大きい。第2種換気は、室内を外気よりも高い圧力に保つことができるが気密性が必要である。第3種換気は臭気や湿気が発生する場所から排気することができるが室内の圧力が外気よりも低くなる。

建築基準法では、住宅の居室等においては、シックハウス症候群の発症の原因となるホルムアルデヒドの発散に対処するため、必要な換気が確保される一定の構造方法を備える場合以外は、常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置が義務付けられている。

帰還困難区域

原子力発電所の事故によって被災して避難指示のもとにある区域のうち、被災後5年間を経過した時点(2016年3月)においても、なお年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らない恐れのある地域をいう。原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)の指示によって指定される。

この区域では避難の徹底が必要とされ、区域の境界において物理的な防護措置が実施される。ただし、例外的に一時立入りが可能とされ、その場合には、スクリーニングの確実な実施や、個人線量管理、防護装備の着用が求められる。

なお、この区域の不動産について価格調査等を行なうに当たっては、原発事故等格差修正を適用するなどの注意が必要とされている。

危険負担 (契約における)

双務契約において、一方の債務の履行が責めに帰すことができない事由によって不能となったときに、他方の債務をどのように扱うかという私法上の問題をいう。

これについては、民法で、債務者が危険を負担すべきとされている。つまり、債務が履行できなくなったときには、債権者は反対給付を拒むことができる。これは、双務契約では給付と反対給付とがその存続に関して相互に関連しているから(存続上の牽連性)、一方の債務が消滅したときには反対債務も当然に消滅させる(反対債務者を拘束から解放する)のが適切であると考えられているからである。たとえば、やむを得ない事情で欠勤したときに欠勤者は賃金を請求できない。

なお、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)以前は、不動産のような特定物の物権移転については、債権者が危険を負担すべきと定めていたが、この規定は削除された。

期限付き建物賃貸借

借地借家法(1992(平成4)年8月1日施行)によって創設され、2000(平成12)年3月1日に法改正により廃止された制度。

期限付き建物賃貸借とは、次のいずれかの事情がある場合に、借家契約の更新を否定し、期間満了により借家契約が自動的に終了するという建物賃貸借のことである。

1.転勤等のやむを得ない理由により、一定期間に限り家主が不在となること
2.法令等により一定期間を経過した後に、建物が取り壊されることが明らかなこと

しかし、平成12年3月1日に法が改正され、こうした特別の事情がなくとも、定期借家契約を結ぶことが可能となった。
そのため、期限付き建物賃貸借は、2000(平成12)年3月1日をもって廃止された。

基準階面積

中高層ビルにおいて、最も一般的にレイアウトされた階(基準階)の面積をいう。

ビル経営においては、基準階面積を基礎にして床面積の利用可能性(例えば、賃貸が可能な床面積の比率)を算定・評価することが多い。

一方、地上階や最上階は、特殊なレイアウトが採用されることが多いため、別途にその利用可能性を評価しなければならない。

基準地価

都道府県地価調査により公報された「基準地」の価格のこと。

都道府県地価調査は、国土利用計画法による土地取引の規制を適正に実施するため、国土利用計画法施行令第9条にもとづき、都道府県知事が毎年9月下旬に公表する土地評価である。

評価の対象となるのは、全国の約3万地点の「基準地」である。都道府県地価調査では、毎年7月1日を基準日として各基準地につき1名以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、これを審査・調整し、毎年9月下旬に公報する。この公報された価格を「基準地価」という。

このように都道府県地価調査は、地価公示から半年後の地価を評価するものであるので、地価の変動を速報し、地価公示を補完する役割を担っている。

規制区域

土地の投機的取引が相当範囲で集中的に行なわれ、またはその恐れがある区域において、地価が急激に上昇しまたはその恐れがあるとき、知事はその区域を「規制区域」に指定しなければならない(国土利用計画法第12条)。

規制区域に指定されると、その区域内における土地の取引には必ず知事の許可が必要となり、知事の許可のない土地取引はすべて無効となる(国土利用計画法第14条)。

 知事の許可を得るには、土地の利用目的が「自己の居住の用」「従来から営んでいた事業の用」「公益上必要なもの」等に限定されるため、投機的な土地の取引は完全に締め出されることとなる(国土利用計画法第16条)。

基礎 (建物)

建物の荷重を地盤に伝えるための構造のこと。

直接基礎と杭基礎の2種類に分かれる。

直接基礎には、独立基礎(独立フーチング基礎)、布基礎(連続フーチング基礎)、べた基礎などの種類がある。

既存住宅状況調査技術者

既存住宅の状況調査を行なうための一定水準以上の知識とノウハウを有する技術者として認められた資格。告示による国家資格である。

既存住宅現況検査技術者の資格を得るには、「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」(国土交通省告示)に基づいて登録された講習を受講し、終了証明書の交付を受けなければならない。証明書の有効期間は3年間である。

講習を受けることができるのは建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)のみで、講習は、講義および終了考査で構成される。

既存住宅の建設住宅性能評価書

登録住宅性能評価機関が、実際に住宅を検査することにより作成した住宅性能評価書を「建設住宅性能評価書」という(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第6条、同法施行規則第5条)。

この建設住宅性能評価書には、新築住宅に関するものと既存住宅に関するものという2種類があるが、そのうち既存住宅に関する建設住宅性能評価書はおよそ次の1.から4.の手順により作成される。
なお、既存住宅とは「建設工事完了後1年以上が経過した住宅や、建設工事完了後1年以内に人が住んだことがある住宅」のことである。

1.建設住宅性能評価書の作成の申請
既存住宅の売主または買主が、登録住宅性能評価機関に対して、評価を希望する分野を明らかにして、建設住宅性能評価書の作成を申請する(同法施行規則第5条第2項)。

既存住宅について評価すべき項目は、「現況検査により認められる劣化等の状況」と「個別性能に関すること」という2種類に分かれている。
このうち後者の「個別性能に関すること」をどのような分野について実施するかは売主または買主の自由に委ねられているので、申請に当たっては評価を希望する分野を明示しておく必要がある(詳しくは「日本住宅性能表示基準」へ)。
前者の「現況検査により認められる劣化等の状況」についても、後述の特定現況検査を実施するかどうかは売主または買主の自由である。
またこの申請に当たって、売主または買主は、既存住宅の付近の見取り図などの必要書類を提出する必要がある(国土交通省告示「建設住宅性能評価のために必要な図書を定める件」より)。

2.現況検査
登録住宅性能評価機関の評価員が、現地を訪問して、ひび割れ・欠損・剥がれ・傾斜などの劣化状況を検査する(これを「現況検査」という)。この現況検査は目視・計測により行なわれる。また現況検査の範囲は、外部から目視できる範囲に限定されており、屋根裏・床下は除外される。
なお売主または買主の希望により、木造部分についての腐朽等・虫害の検査(これを「特定現況検査」という)を実施することもできる。この特定現況検査は目視・打診・触診によって行なわれ、屋根裏・床下に評価員(または委託を受けた専門業者)が入り込んで検査する。

3.個別性能評価
登録住宅性能評価機関の評価員が、現地調査(現地における目視・計測)により「構造の安定」「火災時の安全」「維持管理への配慮」「空気環境」「光・視環境」「高齢者等への配慮」という6分野(21項目)の性能評価を行なう。ただし、これらの個別性能評価を行なうかどうは売主・買主の自由である。

4.建設住宅性能評価書の作成
上記のような検査と個別性能評価にもとづき、登録住宅性能評価機関が、既存住宅に係る建設住宅性能評価書を作成し、売主または買主に交付する。

既存住宅売買瑕疵保険

売買された既存住宅に瑕疵があった場合に、補修費用等を支払う旨の保険をいう。保険を引き受けるのは、住宅瑕疵担保責任保険法人である。

既存住宅売買瑕疵保険を契約する際には、既存住宅現況調査などによって住宅の基本的な性能が検査・確認される。また、保険は、住宅の種類(戸建、マンション)売り主の性格(宅建業者、一般個人)、保険金支払い先(販売事業者、検査事業者、リフォーム工事者、売り主)によって区別されている。

既存宅地

市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるので、建築が厳しく規制されている。

具体的には、市街化調整区域内で建築を行なうことができるのは次の3つのケースである(都市計画法第43条第1項)。

1.開発許可を受けて、その開発許可に適合する建築を行なう場合
2.建築許可が不要な建築を行なう場合
3.建築許可を受けた場合

しかし2001(平成13)年5月18日より前には、市街化調整区域内であっても一定の条件を満たす土地であれば、建築許可を受けないで建築をすることが広く認められるという制度が存在した。
これが「既存宅地」の制度である(旧都市計画法43条1項6号)。

既存宅地の制度とは次の条件のすべてを満たす宅地については、建築許可を受けなくとも、建築物の新築・改築・用途変更を一定の範囲内で認めるという制度であった。

1)市街化区域に隣接している地域内の土地であること
2)おおむね50戸以上の建築物が立ち並んでいる地域内の土地であること
3)市街化調整区域に編入された際にすでに宅地であったこと
4)3)について知事の確認を受けたこと

このような知事の確認を受けた既存宅地については、比較的自由に建築を行なうことができたのである。

しかし、2001(平成13)年5月18日に都市計画法が改正・施行されたことにより、こうした既存宅地の制度は、5年間の経過措置を経たのちに消滅することとなった。

具体的には、改正法施行日(2001(平成13)年5月18日)以前に既存宅地である旨の確認を受けた土地については、施行日から5年間(2006(平成18)年5月17日まで)だけは「自己の居住または業務を行なうことを目的とする建築行為」であれば、従来と同様に建築許可を受けずに建築することができる。

ただし「自己の居住または業務を行なうことを目的としない建築行為」については、経過措置の対象にならないので、原則通り建築許可を取得することが必要となっている。

既存道路

建築基準法が適用された際に現に存在していたことを理由として「建築基準法上の道路」とされている道路のこと。

「建築基準法上の道路」とは原則的には、道路法上の道路・都市計画法による道路・土地区画整理法等による道路・特定行政庁から指定を受けた私道等である。

しかしこれらに該当しなくとも、建築基準法が適用された際に現に存在していた幅4m以上の道は「建築基準法上の道路」に含めることとされている(建築基準法第42条第1項第3号)。この第3号の規定による道路のことを一般に「既存道路」と呼んでいる。

また、いわゆる2項道路も「既存道路」に含める場合がある。

既存不適格建築物

事実上建築基準法に違反しているが、特例により違法建築ではないとされている建築物のこと。

建築基準法3条2項では、建築基準法および施行令等が施行された時点において、すでに存在していた建築物等や、その時点ですでに工事中であった建築物等については、建築基準法および施行令等の規定に適合しない部分を持っていたとしても、これを違法建築としないという特例を設けている。
この規定により、事実上違法な状態であっても、法律的には違法でない建築物のことを「既存不適格建築物」と呼んでいる。
なお既存不適格建築物は、それを将来建て替えようとする際には、違法な部分を是正する必要がある。

また、建築基準法10条では、特定行政庁は、既存不適格建築物であっても、それが著しく保安上危険であり、または著しく衛生上有害であると認められる場合には、相当の猶予期限を設けて、所有者等に建築物の除却等を命令することができるとされている。この規定により特定行政庁の権限において、著しく老朽化した既存不適格建築物を撤去すること等が可能となっている。

北側斜線制限

次のような高さの規制のことである。

1.自分の敷地の北側に隣の敷地がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの距離が長いほど高くすることができる。

2.自分の敷地の北側に道路がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、北側道路と向かいの敷地との道路境界線からその部分までの距離が長いほど高くすることができる。

北側高さ制限は住居系の4つの用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)に適用される。

北側高さ制限は建築基準法56条と同法別表第3で詳しく規定されているが、その具体的な内容は、次の1)・2)の通りである。

1)第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域の場合
 高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+5m
 2)第一種中高層住居専用地域および第二種中高層住居専用地域の場合
 高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+10m

 ※自分の敷地の北側に道路がある場合は、上記1)・2)の「隣地境界線」を「北側道路と向かいの敷地との道路境界線」と読み替えること。

北側高さ制限

次のような高さの規制のことである。

1.自分の敷地の北側に隣の敷地がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの距離が長いほど高くすることができる。

2.自分の敷地の北側に道路がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、北側道路と向かいの敷地との道路境界線からその部分までの距離が長いほど高くすることができる。

北側高さ制限は住居系の4つの用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)に適用される。

北側高さ制限は建築基準法56条と同法別表第3で詳しく規定されているが、その具体的な内容は、次の1)2)のとおりである。

1)第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域の場合
 高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+5m

2)第一種中高層住居専用地域および第二種中高層住居専用地域の場合
 高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+10m

※自分の敷地の北側に道路がある場合は、上記1)2)の「隣地境界線」を「北側道路と向かいの敷地との道路境界線」と読み替えること。

CASBEE

建築物を環境性能で評価し格付けする手法の一つ。CASBEEは、英語のComprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency(建築環境総合性能評価システム)の略語で、任意に組織された建築物の総合的環境評価研究委員会が開発・メンテナンスしている。

CASBEEは、建築物の環境に対するさまざまな側面を客観的に評価するべく、建築物のライフサイクルを通じて評価すること、「建築物の環境品質Q」と「建築物の環境負荷L」の両側面から評価すること、環境効率の考え方を用いた評価指標「BEE(建築物の環境性能効率、Built Environment Efficiency)」で評価することの3つの理念に基づいて開発された。

CASBEEで用いる環境性能効率(BEE)は、Q(建築物の環境品質)を分子、L(建築物の環境負荷)を分母とすることにより算出される指標で、建築物の環境性能評価の結果を簡潔・明確に示す概念とされ、これによって建築物の環境評価結果をランキングすることができるとされている。

キャピタルゲイン (Capital Gain)

資産の価格変動に伴って得る利益をいう。


株式や不動産などの売買差益はこれに当たる。

資産から得られる利益の種類で、その保有により得る利益をインカムゲイン、その価格変動に伴って得る利益をキャピタルゲイン(損失はキャピタルロス)という。株式の配当、不動産の賃料、預金の利子などはインカムゲイン、株式や不動産などの売買差益はキャピタルゲイン(譲渡益、資本利得ともいう)である。

両者は税務上の取扱いなどが異なるため、投資に当たっても両者の性格の違いを十分に認識しておくことが重要である。
もっとも、両者は無関係ではなく、資産の価格はそれから得ることのできる利益を現在価格に還元したものの総額に等しいとされているため、例えばインカムゲインが増大すれば資産価格が上昇して、キャピタルゲインを得る機会となる。ただし、資産価格は期待や予想に左右されやすいことに注意が必要である。

規約敷地

区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)により、区分所有者の規約によって区分所有建物の敷地とされた土地で、区分所有者が建物および建物が所在する土地と一体として管理または使用をするものをいう。

建物の敷地ではないが、庭園、通路、駐車場など、建物の敷地と一体的に利用される土地がこれに該当する。規約敷地は、区分所有建物の敷地(法定敷地)と同様に区分所有者の共有とされ、原則として専有部分と分離して処分することはできない。

規約敷地は、区分所有建物の敷地と建物利用のために必要な土地とが分離して管理処分されることを防ぐために設定されるが、その設定・廃止は管理組合の意思による。意思決定においては、管理組合の総会において区分所有者および議決権の4分の3以上の賛成が必要とされている。

規約 (区分所有法における~)

区分所有建物の管理規約のこと。

区分所有法にもとづいて設定される、区分所有建物における区分所有者相互間の関係を定めるための規則のこと。
区分所有法では単に「規約」と呼んでいるが、一般的には「管理規約」と呼ばれている。

区分所有建物では、区分所有者の権利関係が複雑であり、また区分所有者の共同の利益を害するような行為を排除する必要がある。このため、詳細な規則である「管理規約」を区分所有者自身が設定することが、区分所有法によって事実上義務付けられているのである。

管理規約を設けるためには、区分所有者の集会において、特別決議(区分所有者の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上)により可決する必要がある(区分所有法第31条)。

 管理規約で定めるべき事柄には、区分所有法上の制約は特にないので、区分所有者の意思によりさまざまな事項を定めることが可能である(区分所有法第30条)。
 一般的には、次のような事柄について管理規約で定めることが多い(下記1.から7.は1997(平成9)年に建設省(現・国土交通省)が定めたガイドラインである「中高層共同住宅標準管理規約」から抜粋した)。

1.敷地、建物、付属施設の範囲
2.共用部分の範囲
3.敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合
4.専用使用権の範囲
5.敷地利用権と専有部分の分離処分の可否
6.使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定
7.管理、管理組合、集会、理事会、会計等に関する事項


なお、管理規約は集会の特別決議で設定されるべきものであるが、次の4つの事項に限っては、マンション分譲業者が最初にマンションの全部を所有している時点において公正証書で定める場合に限り、集会を経ずに、マンション分譲業者が単独で管理規約を設定することができるとされている(区分所有法第32条)。

1.規約敷地
2.規約共用部分
3.敷地利用権の共有持分の割合
4.専有部分と敷地利用権の分離処分の可否

急傾斜地崩壊危険区域

崩壊する恐れのある急傾斜地(傾斜度が30度以上の土地)で、崩壊により相当数の居住者その他の者に危害が生ずる恐れのあるもの、およびこれに隣接する土地として都道府県知事が指定する区域をいう。
   
指定は、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」に基づいて行なわれる。
急傾斜地崩壊危険区域内においては、
1.水の放流や停滞行為など水の浸透を助長する行為
2.ため池や用水路などの施設、または工作物の設置、または改造
3.のり切、切土、掘さく、または盛土
4.立木竹の伐採などの行為
について都道府県知事の許可が必要であり、知事は許可に当たって、急傾斜地の崩壊を防止するために必要な条件を付すことができるとされている。

旧耐震基準

建築物の設計において適用される地震に耐えることのできる構造の基準で、1981(昭和56)年5月31日までの建築確認において適用されていた基準をいう。

これに対して、その翌日以降に適用されている基準を「新耐震基準」という。

旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準として設定されている。技術的には、建物自重の20%の地震力を加えた場合に、構造部材に生じる応力が構造材料の許容応用力以下であるかどうかで判断される。

なお、新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されている。

Q値

熱は温度差、空気圧の差、風力などにより移動する。室内外の温度差1度、家全体から1時間に床面積1平方メートル当たりに逃げ出す熱量を、熱損失係数(あるいは熱伝達計数)といい、「Q値」という。

Q値が小さければ小さいほど、熱が逃げにくいということになる。

共益費

賃貸集合住宅の入居者や事務所ビルのテナントが、建物の賃料とは別に負担する費用をいう。

建物全体の清掃や補修、警備等の費用、建物の共用部分に関する付加使用料など、入居者やテナントが分別して負担することが難しい費用が対象となる。専有面積当たりで算出し、月払いするのが一般的である。

なお、法律上の用語としても「共益費」が使われるが、これは同一の債務者に対する各債権者に共通の利益のために要した費用のことである。
例えば、ある債権者が債務者の財産を保存すればそれは他の債権者に利益にもなるので、そのための費用は共益費として、他の債務者に優先して弁済を受けることができるとされる。建物の賃借人が負担する共益費は、これとはまったく別のものであるから、注意を要する。

境界線付近の建築の制限

境界線付近で建物を設ける場合のルール。民法の相隣関係として規定されている。

定められている制限は、
①建物は、境界線から50cm以上の距離を保って築造しなければならないこと
②他人の宅地を見通すことのできる窓または縁側・ベランダを、境界線から1メートル未満の距離で設ける場合には目隠しを付けなければならないことの2つである。

①に違反する建築に対しては、それを中止・変更させることができるが、建築着手後1年を経過し、または建物が完成した後は、損害賠償請求のみが可能とされている。

なお、このルールと異なる慣習があるときには、その慣習に従うとされている。

境界標の設置

土地所有者は、隣地所有者と共同の費用で境界標(土地の境を示す標)を設置できるとするルール。民法の相隣関係の一つとして認められている権利で、「境界権」または「界標設置権」という。

この場合の費用は、相隣者が等しい割合で(測量費は土地の広さで案分して)負担する。

境界 (境界確定)

私法上の概念であり、土地の地番を区切る線をいう。

「けいかい」と読むこともある。

土地は、その表示登記に当たって筆に区分され地番が与えられるが、地番と地番の境が境界である。

争いのある境界を確定するためには、判決により境界線を確定することを求める(境界画定訴訟)ことができる。また2006(平成18)年1月には、当事者の申請に基づき、筆界特定登記官が「筆界調査委員」に調査を依頼した上で、その意見書をもとに境界を特定する制度(筆界特定制度)が創設された。

共同担保目録

不動産登記において、一つの債権の担保として複数の不動産に対して設定された抵当権(共同担保)を一括して記載した登記事項をいう。例えば、担保価値を保全するために、土地とその上の建物、土地とそれに接続する私道の共有権などを共同担保とするのが通例である。また、担保額を確保するために複数の不動産を共同担保とする場合もある。

従来は、抵当権の登記の際に共同担保とする物件を記載したリスト(これが共同担保目録)を添付することになっていたが、現在は登記官の職権で記載される。

共同担保目録は、登記事項証明書の申請の際にそれを必要とする旨の表示をすれば確認できる。

共同仲介

1つの不動産取引を複数の不動産会社が共同で仲介することをいう。

「共同媒介」ともいう。

売り手と買い手をそれぞれ紹介し合う場合のほか、売買や賃貸借の依頼情報を共有して業務に活用する場合や、代理店などによって一体的に仲介業務を行なう場合なども共同仲介である。

大規模に店舗を展開している不動産会社は別として、一般的には、不動産取引の媒介は共同で実施する場合が多い。不動産取引を迅速・公正に仲介するためには、情報を共有することが有効だからである。

京間

主に関西で用いられてきた、日本の伝統家屋の基本モジュールのこと。

関東間よりもやや広い。京都、大阪を中心に主に関西以西で用いられる。

日本の伝統家屋を設計する際に基本となる柱の間隔(柱の中心から柱の中心までの距離)のことを「1間(いっけん)」という。京間とは、この1間を「6尺5寸」(約197.0cm)とする家屋のことである。

(注)日本古来の度量衡である尺貫法では、1尺は30.303cm、1寸は1尺の10分の1、1分は1尺の100分の1である。なお尺の長さは1891(明治24)年の度量衡法で定められたが、1958(昭和33)年に公式の単位としては廃止されている。

共有物分割

共有物を単独者の所有物とするために分割すること。例えば、相続によって共有している土地を分け合う場合は共有物分割に該当する。

それぞれの共有者はいつでも分割の請求をすることができる。ただし、契約によって5年以内は分割しない旨を契約することができる。分割請求がなされた場合は、共有者間で分割の協議がなされるが、整わない場合には裁判所に分割を請求することができる。

土地を分割する方法には、分筆してそれぞれを単独の所有とする方法のほか、共有する土地を売却して得た代金を分け合う方法、特定の者の所有とし他の共有者に対しては金銭を支払う方法などがある。

なお、ある共有者から持分権を譲り受けた者は、その共有者の権利義務を承継する。

共有持分

複数の人が一つの物を共同で所有しているとき、それぞれの人がその物について持っている所有権の割合を「共有持分」という。

例えば、相続が発生して、3人の子が1つの土地を相続したとき、遺産分割をする前の時点では、各相続人のその土地に関する共有持分は「3分の1」である。

共用部分

分譲マンションのような区分所有建物について、区分所有者が全員で共有している建物の部分を「共用部分」という。

その反対に各区分所有者がそれぞれ単独で所有している部分は「専有部分」と呼ばれる。

 具体的には、次の3つのものが「共用部分」である(区分所有法第2条)。

1.その性質上区分所有者が共同で使用する部分(廊下、階段、エレベーター、エントランス、バルコニー、外壁など)
2.専有部分に属さない建物の付属物(専有部分の外部にある電気・ガス・水道設備など)
3.本来は専有部分となることができるが、管理規約の定めにより共用部分とされたもの(管理人室・集会室など)

このような1.~3.の共用部分は、原則として区分所有者全員の共有である(区分所有法第11条)。

また共用部分は共有であるため、各区分所有者はそれぞれ共用部分に関する共有持分を持っていることになる。
この共有持分の割合は、原則として、専有部分の床面積(専有面積)の割合に等しい(区分所有法第14条)が、この割合は規約により変えることができる。

また区分所有者は、その共用部分の共有持分のみを自由に売却等することはできない(区分所有法第15条)。

虚偽表示における第三者保護

本人が相手方と通じて、虚偽の意思表示をすることを「虚偽表示」といい、民法では虚偽表示にもとづく法律行為を原則として無効としている(民法第94条第1項)。

例えばAが土地を売る意思がなく、Bが土地を買う意思がないのに、相談のうえで仮装の土地売買契約を締結し、土地の所有名義をAからBに移したという場合は虚偽表示に該当するので、AB間の土地売買契約は無効である。
しかし、この場合において、土地の所有名義をAからBに移した間に、Bが所有名義が自分にあることを利用してこの土地を事情を知らない第三者Cに売却し、さらにAB間の土地売買契約が無効であるとすれば、Cは権利のないBから土地を購入したことになるので、Cには土地をAに返還する義務が生じてしまう。しかし、これでは善意の(=事情を知らない)第三者であるCの取引の安全が害される結果となり、不当である。

そこで、民法ではこうした第三者を保護する規定として、民法第94条第2項を設け、「虚偽表示の無効は善意の第三者に対して主張することができない」と定めている。この民法の規定により、上記の例ではAとBは、AB間の土地売買契約の無効を善意のCに対して主張することができない。その結果、Cは問題の土地の所有権を有効に取得できることとなる。

なお、民法第94条第2項では、第三者が保護されるためには第三者が善意であること(事情を知らないこと)を要件としており、第三者が無過失であることまでは要求していない(判例)。
しかし、民法第94条第2項が類推適用される場面では、第三者に善意かつ無過失であることを要求する場合もある。
 (詳しくは民法第94条第2項の類推適用参照)

居室

居室とは「居住、作業、娯楽などの目的のために継続的に使用する室のこと」である(建築基準法2条4号)。

この定義に従えば、一般の住宅の場合、居室とは「居間」「寝室」「台所」である。

その反対に、「玄関」「便所」「浴室」「脱衣室」「洗面所」「押入れ」「納戸」「廊下」は居室ではない。

なお建築基準法では、居住の目的のための居室については、採光に関する基準(建築基準法第28条第1項)と換気に関する基準(建築基準法第28条第2項)をクリアすることを必要としている。

ただし、居室として使用する地下室については採光の基準が適用されず、その代わりに衛生上必要な防湿の措置等を行なうことが必要とされている(建築基準法第29条)。

居住支援協議会

住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居など、住宅セーフティネットの構築や運営に関して協議する組織。地方公共団体、宅地建物取引業者や賃貸住宅管理業者の団体、居住に係る支援を行なうNPOなどによって構成される。

住宅確保要配慮者に対する居住支援は、民間賃貸住宅への円滑な入居、公的賃貸住宅等の整備など、地域の実情に即して関係者が連携して進めることが有効であることから、そのための協議、連絡を担うべく設置されている。

居住制限区域

原子力発電所の事故によって被災して避難指示のもとにある区域のうち、年間積算線量が20ミリシーベルトを超える恐れがあり、被ばく線量を低減する観点から避難を継続することが求められる地域をいう。原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)の指示によって指定される。

この区域では、除染を計画的に実施するとともに、早期の復旧に不可欠な基盤施設の復旧を目指すとされている。また、避難指示によって、区域内への不要不急の立入りを控えるとともに、立ち入る場合には被ばくする放射線量をできるだけ低減するよう行動すべきとされている。

なお、この区域の不動産について価格調査等を行うに当たっては、原発事故等格差修正を適用するなどの注意が必要とされている。

居住調整区域

都市再生を図るため、住宅地化を抑制すべき区域として都市計画で定められる地域。地域地区の一つで、「都市再生特別措置法」に基づく制度である。

居住調整地域は、立地適正化計画区域のうち居住誘導区域以外の区域(市街化調整区域を除く)を対象に定められ、地域内では、3戸以上の住宅等の新改築や住宅等への用途変更、またはそのための開発行為(0.1ha以上のもの)に対して、市街化調整区域と同様の規制が適用される

居住誘導区域

都市再生を図るため、居住を誘導すべき区域として立地適正化計画で定められる区域。「都市再生特別措置法」に基づく制度である。

居住誘導区域内においては、居住環境の向上、公共交通の確保など居住を誘導するための措置が講じられる一方、居住誘導区域外においては、3戸以上の住宅等の新改築や住宅等への用途変更、またはそのための開発行為(0.1ha以上)を行なおうとする場合には、着手の30日前までに市町村長に届け出なければならず、届出に係る行為が住宅等の立地誘導に支障がある場合には、市町村長は立地適正化のための勧告をすることができる。

また、居住誘導地区内で20戸以上の住宅を整備する事業者は、事業実施のために必要な場合には、用途地域、地区計画等の一定の都市計画または景観計画の決定・策定または変更を提案することができる。

居住用財産の買い替え・交換特例

所得税の課税に当たって、不動産の譲渡によって生じた損失(譲渡損失)について、損失発生以降の複数年にわたって所得控除できる制度。所得金額の計算は各年ごとに独立で行なうという原則の例外である。

具体的には、所有期間が5年を超える居住用財産の譲渡損失について、次の2つの場合に、当該年度における損益通算後の損失額を翌年以降3年間、所得から控除することができることとされている。

1. 居住用財産の買い換えのときに発生した損失であって、売却相手先が親族等ではないこと、買い替え資産に係る住宅ローン残高があることなど、一定の要件を満たす場合
2. 居住用財産を譲渡するときに発生した損失であって、譲渡資産に係る住宅ローン残高があることなど一定の要件を満たす場合(当該資産に係る住宅ローン残高から譲渡金額を控除した額を限度とする)

ただし、これらの特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。

切妻屋根

屋根の形式の一つで、棟からその両側に流れ落ちるかたちのもの。屋根は二面、建物の妻側上部が三角形となる。

切土

傾斜のある土地を平らな土地にするために、地面を掘り取ること。

宅地造成工事規制区域の中にある宅地において、高さが2mを超える崖を生じるような切り土をする場合には、着手する前に、知事(または政令市・中核市・特例市の市長)の許可を受けることが必要である(宅地造成等規制法第8条)。

金属板葺き

金属板で屋根を覆うこと。

金属板には、亜鉛メッキ鋼板(トタン)、スズメッキ鋼板(ブリキ)、アルミなどが使用されるが、最近では、銅、ステンレス、チタンなども用いられる。一般住宅では鋼板、アルミが多く使用されている。

金属板葺きには、軽量かつ安価であること、複雑な屋根でも加工しやすいことなどの長所がある。

金属板葺きの工法としては、一文字葺き、瓦棒葺き、横葺きなどがあり、いずれも板同士の継ぎ目を折り曲げて加工し、下地に釘などで止めるものである。
この他に、継ぎ目を溶接する工法が用いられる場合もある。

金属屋根

亜鉛メッキ鋼板(トタン)、スズメッキ鋼板(ブリキ)、アルミ、銅、ステンレス、チタンなどの金属板で葺(ふ)いた屋根のこと。

近隣商業地域

都市計画法(9条)で「近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として60%または80%である。
また容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3.店舗(面積の制限なし)
4.事務所(面積の制限なし)
5.危険や環境悪化の恐れが少ない作業場面積が150平方メートル以下の工場
6.ホテル・旅館(面積の制限なし)
7.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等(面積の制限なし)、客席が200平方メートル未満のミニシアター
8.自動車教習所(面積の制限なし)
9.倉庫業の倉庫

 (建築できないもの)
1.上記に挙げたもの以外の工場
2.上記に挙げたもの以外の遊戯施設・風俗施設

蟻害

シロアリにより主に木材が食い荒らされ、建築物の歪み・傾きなどのさまざまな不具合を引き起こすこと。

シロアリは、アリに似た白色または茶褐色の昆虫で、等翅目(シロアリ目)に属する。蟻とは無縁で、分類的にはむしろゴキブリに近い仲間である。胴体部にくびれがないことから、アリとの区別ができる。シロアリは生殖の時期には羽を持ち、羽アリとなって戸外へと移動する。
日本に生息するシロアリには、ほぼ日本全域に生息するヤマトシロアリ、千葉より西の温暖な海岸地域に生息するイエシロアリ、都市部に生息するアメリカカンザイシロアリのおおむね3種類がある。

特にイエシロアリは、湿潤な木材(主に建物の下部の木材)のみならず、乾燥した木材をも食害する能力を持ち、古材よりも新材を好んで食害し、加害場所から離れた場所に特別な巣を作り、急速に繁殖するため、その被害が大きい。

義務違反者に対する措置 (区分所有法における~)

分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有法の規定により、区分所有者等は、区分所有者全体の「共同の利益」に反する行為をすることが禁止されている(区分所有法第6条)。

このような共同の利益を守るために、区分所有法では「義務違反者に対する措置」という条項を設けている。その内容は次の1.2.のとおりである。

1.区分所有者が共同の利益に反する行為をする場合
この場合には次の3つの措置が用意されている。

1)行為の停止等の請求(区分所有法第57条)
ある区分所有者が、共同の利益に反する行為をした場合(またはその恐れがある場合)には、他の区分所有者は、その行為の停止(またはその行為の結果の除去や、その行為を予防するために必要な措置を行なうこと)を、その区分所有者に請求できる。
これは、迷惑行為をする区分所有者に対して、他の区分所有者は誰でもその迷惑行為の停止等を請求できるという意味であるが、実際には管理規約の定めにより理事長が理事会の決議を経て、理事長からその区分所有者に対して正式に行為の停止等を要求することが多い。
なお、この行為の停止等を理事長等が裁判を起こして請求することも可能だが、裁判を起こす場合には、集会の普通決議が必要である。

2)使用禁止の請求(区分所有法第58条)
 共同生活上の障害が大きく、行為の停止等の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする区分所有者に対して専有部分の一定期間の使用禁止を請求することができる。
この使用禁止の請求をするには、必ず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の賛成)が必要である。

3)競売の請求(区分所有法第59条)
 共同生活上の障害が非常に大きく、使用禁止の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする区分所有者の建物・土地に関する権利を、強制的に競売することができる。
この競売の請求をするには、必ず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の賛成)が必要である。

2.区分所有者の同居人や賃借人が共同の利益に反する行為をする場合
この場合には次の2つの措置が用意されている。

1)行為の停止等の請求(区分所有法第57条第4項)
ある区分所有者の同居人や賃借人(区分所有法では「占有者」という)が、共同の利益に反する行為をした場合(またはその恐れがある場合)には、1.の1)の場合と同様に、他の区分所有者は、その行為の停止等を、その区分所有者に請求できる。
なお、この行為の停止等を理事長等が裁判を起こして請求することも可能だが、裁判を起こす場合には、集会の普通決議が必要である。

2)占有者に対する引渡しの請求(区分所有法第60条)
 共同生活上の障害が大きく、行為の停止等の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする占有者に対して、専有部分の引渡しを請求することができる。
この請求をするには必ず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の賛成)が必要である。
この請求が裁判で認められると、占有者はその専有部分から退去しなければならない。

逆梁工法

ラーメン構造で組み立てた梁は、一般的に天井の下を通るため、室内に梁が出っ張る形になる。この梁の張り出しをなくすと、天井はスッキリし、家具のレイアウトもしやすくなる。また、梁を住戸の外側(一般にバルコニー側)まで移動すれば、天井も開口部も大きく取れる。それを可能にするのが逆梁工法(逆スラブ工法)。

張り出していた下の階の天井が、上の階の床側に出っ張ってくることになり、ここを二重床とすれば配管スペースとして利用でき、上下階の遮音性を高めることもできる。
また、逆梁をバルコニー側にまで移動すれば、そのままバルコニーの壁として利用でき、開口部も従来より高くなるため、天井高さまでサッシ窓などを大きく取ることもできる。

区域区分

都市計画によって、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することをいう。

区域区分は、

1.都道府県が、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があると認めるとき
2.都市計画区域が、指定都市の区域、首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域の全部または一部を含む場合

に定められる。

なお、区域区分が定められていない都市計画区域を「非線引き区域」と呼ぶことがある

杭基礎

直接基礎では十分に建物を支持できない場合に用いられる基礎。
コンクリート製などの杭を打設して硬い地盤まで到達させ、その杭の上に建物の土台を築くものである。

また固い地盤がない場合には、杭自体の摩擦力で、建物全体の荷重を支える方法が取られる。

空中権

2つの意味がある。

1.土地の上空の空間の一部を使用する権利
契約により設定する空間の上下の範囲を定めて土地を独占的に使用する権利をいい、その法的な形式によって「区分地上権」または「区分地上権に準ずる地役権」に分かれる。

区分地上権による空中権は、工作物(例えば空中電線)を所有する目的で上下の限られた空間を排他独占的に使用収益する権利をいう。また、区分地上権に準ずる地役権による空中権は、自己の土地(例えば電柱の設置場所)の便益のために他人の土地の空中を使用する(例えば電線を設置する)権利である。

いずれも、民法上の物権として認められている。

2.未利用の容積率を移転する権利
都市計画で定められた容積率(建物の敷地面積に対する総床面積の割合)のうち、未使用のものを他の土地に移転する権利をいう。

一定の条件のもとで容積率を割増しする方法(実質的に容積率が移転される)としては、「特定街区」「一団地の総合的設計」「高度利用地区」「連坦建築物設計」などの制度があるが、いずれも移転対象建物が隣接していなければならない他、既存建物の未利用容積率を移転することはできない(「連坦建築物設計」を除く)。

もっと広範囲で容積率を移転できる制度としては、「特例容積率適用地区制度」がある。これは、都市計画で一定の区域を定め、その区域内の建築敷地の指定容積率の一部を複数の建築敷地間で移転することを認める制度であり、2001年に創設された。

現在、東京都千代田区の一部が「大手町・丸の内・有楽町地区特例容積率適用地区」(116.7ha)として指定され、東京駅の駅舎敷地で未使用となっている容積率(東京駅は復元改修後、それ以上容積率を使用しないで保存される)を、その周辺の新築ビル(東京ビルディング、新丸ビル、丸の内パークビル、八重洲側の南北グラントウキョウビル等)に移転して、本来の容積率以上の高層ビル化を実現している。

容積率の移転は建築確認によって認められるもので、当事者が空中権を直接に取引する制度が確立しているわけではないが、容積を移転する敷地に対して移転先の敷地所有者が地役権を設定し、移転敷地所有者にその対価を支払うという方法が取られている。

なお、アメリカでは、未利用容積率を移転する権利がTDR(Transferable Development Right:移転可能な開発権)として法制化されている。

空地率

敷地面積から建築面積(建物が建っている部分の面積)を差し引き、敷地面積で割った値のこと。
敷地に占める空地(くうち:敷地のうち建築物が建てられていない部分のこと)の割合を示す数値である。

空地率が高いほど、建築物の周囲の環境が良好になると考えられている。また近年では高い空地率を確保し、空地に歩行用通路・樹木・植栽等を整備することにより、不動産の価値自体を高めるという開発手法が用いられている。

管柱

通し柱が1階から2階以上の階まで1本物の柱で通すのに対し、管柱は階の途中で胴差など桁材で中断されている箇所に用いる短柱をいう。

クッションフロア

プラスチック系床材のうち、塩化ビニル系床材であって、発泡層を含んでいる厚さ2mm前後のプラスチックシートのことを「クッションフロアシート」または「クッションフロア」と呼んでいる。

「クッションフロア」は、表面層と裏打ち層の間に発泡層を挟んでいるため、保温性・衝撃吸収性があり、また水にも強い。そのため、洗面所・脱衣所・台所の床仕上げ材として多用されている。

区分所有

分譲マンションのように、建物が独立した各部分から構成されているとき、その建物の独立した各部分を所有することを「区分所有」という。

 「区分所有」が成立するためには、次の2つの条件を満たす必要がある(区分所有法第1条)。

1.構造上の独立性があること
 これは、建物の各部分が他の部分と壁等で完全に遮断されていることを指している。ふすま、障子、間仕切りなどによる遮断では足りない。

2.利用上の独立性があること
 これは、建物の各部分が、他の部分から完全に独立して、用途を果たすことを意味している。例えば居住用の建物であれば、独立した各部分がそれぞれ一つの住居として使用可能であるということである。

つまり、構造上・利用上の独立性がある建物であれば、分譲マンションに限らず、オフィスビル・商業店舗・倉庫などでも区分所有が成立することができる(詳しくは「区分所有建物」へ)。

区分所有権

分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物を「区分所有建物」という。

この区分所有建物において、建物の独立した各部分のことを「専有部分」という。

区分所有権とは、この専有部分を所有する権利のことである(詳しくは「区分所有建物」参照)。

区分所有者

分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物を「区分所有建物」という。

この区分所有建物において、建物の独立した各部分のことを「専有部分」という。

区分所有者とは、この専有部分を所有する者のことである(詳しくは「区分所有建物」参照)。

区分所有建物

区分所有建物とは、構造上区分され、独立して住居・店舗・事務所・倉庫等の用途に供することができる数個の部分から構成されているような建物のことである。

区分所有建物となるためには次の2つの要件を満たすことが必要である。

1.建物の各部分に構造上の独立性があること
これは、建物の各部分が他の部分と壁等で完全に遮断されていることを指している。ふすま、障子、間仕切りなどによる遮断では足りない。

2.建物の各部分に利用上の独立性があること
これは、建物の各部分が、他の部分から完全に独立して、用途を果たすことを意味している。例えば居住用の建物であれば、独立した各部分がそれぞれ一つの住居として使用可能であるということである。

上記1.と2.を満たすような建物の各部分について、それぞれ別個の所有権が成立しているとき、その建物は「区分所有建物」と呼ばれる。区分所有建物については、民法の特別法である区分所有法が適用される。

代表的なものとしては分譲マンションが区分所有建物である。しかし分譲マンションに限らず、オフィスビル・商業店舗・倉庫等であっても、上記1.と2.を満たし、建物の独立した各部分について別個の所有権が成立しているならば区分所有建物となる。

なお区分所有建物では、建物の独立した各部分は「専有部分」と呼ばれる。
また、この専有部分を所有する者のことを「区分所有者」という。

廊下・エレベータ・階段などのように区分所有者が共同で利用する建物の部分は「共用部分」と呼ばれ、区分所有者が共有する。

また建物の敷地も、区分所有者の共有となる(ただし土地権利が借地権である場合には「準共有」となる)。このとき区分所有者が取得している敷地の共有持分は「敷地利用権」と呼ばれる。

従って区分所有建物においては、区分所有者は、専有部分の所有権、共用部分の共有持分、敷地の共有持分という3種類の権利を持っていることになる。

区分所有法

分譲マンションなどの区分所有建物に関する権利関係や管理運営について定めた法律。正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」。「マンション法」と呼ばれることもある。

 区分所有建物とは、分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物のことであり、通常の建物に比べて所有関係が複雑であり、所有者相互の利害関係を調整する必要性が高い。

このため、1962(昭和37)年に民法の特別法として区分所有法が制定された。これにより、専有部分・共用部分・建物の敷地に関する権利関係の明確化が図られ、規約・集会に関する法制度が整備された。

その後、分譲マンションが急速に普及したことに伴って、分譲マンションの管理運営に関するトラブルが生じたり、不動産登記事務が煩雑になるなどの問題点が生じたので、1983(昭和58)年に区分所有法が大幅に改正された。このときに、区分所有者が当然に管理組合を構成すること、集会での多数決主義、建替え制度、敷地利用権と専有部分の一体化などが定められた。

また、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災において被災マンションの建て替えが課題となったこと、老朽化したマンションの建て替えや大規模修繕を円滑に行なう必要が生じたことから、2002(平成14)年には、復旧決議における買取り請求規定の整備、建替え決議要件の緩和、団地内建物の建替え承認決議の創設などが措置された。

なお、マンションの建て替え等に関しては、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(略称「マンション建替え円滑化法」)」において、合意形成や権利調整についての特別の規定が定められている。

区分建物

一棟の建物のうち、構造上区分されている部分であって、独立して住居等の用途に使用できるものをいう(不動産登記法第2条第22号)。

具体的には、分譲マンションの各住戸が「区分建物」である。

区分建物の登記記録

一棟の建物を区分した各部分のことを、不動産登記法では区分建物と呼ぶ。
この区分建物の登記記録については、普通の建物の登記記録とは異なる特徴がある。

1.表題部が2種類存在する。一棟の建物全体の表題部があり、その次に各区分建物の表題部が置かれる。一棟の建物全体の表題部には、一棟の建物全体の物理的状況が表示され、各区分建物の表題部にはそれぞれの区分建物の物理的状況が表示される。

2.表題部に、建物の物理的状況を、最初に登記をすることを「表題登記」という。一棟の建物全体についてこの表題登記をする際は、その建物に属するすべての区分建物について、同時に表題登記をしなければならない(不動産登記法第48条第1項)。

3.区分建物の敷地は、区分建物所有者全員による共有となる。そのため、敷地の持分と区分建物を別々に売買すること等が法律(建物の区分所有に関する法律)により原則的に禁止されている。
そこで不動産登記法では、区分建物の敷地である土地に「敷地権である旨の登記」という特殊な登記を記載し、その登記がなされた以降は、土地と建物が一体的に処分されることを登記上でも明確にしている(詳細は「敷地権である旨の登記」へ)。

組合

共同の事業を営むために、複数の人が出資し、組合契約を締結することで結成された人の団体のこと(民法667条等)。

組合は法人と同様に人の団体であるが、組合は法人格を持たず、法人は法人格を持つという大きな違いがある。
組合は法人と比較して、団体としての拘束が弱く、構成員の個性が顕著であるといわれている。例えば、組合の財産は全組合員の合有であり、組合の債務に対しては構成員がその個人財産によって弁済する責任を負う。また構成員が組合を脱退する際には持分の払い戻しが認められている。

このように組合は個人の集合としての性格が色濃く、法人とは異なっている(民法第676条、第675条、第681条など)。

繰越控除 (不動産譲渡所得に係る~)

所得税の課税に当たって、不動産の譲渡によって生じた損失(譲渡損失)について、損失発生以降の複数年にわたって所得控除できる制度をいう。所得金額の計算は各年ごとに独立で行なうという原則の例外である。

 具体的には、所有期間が5年を超える居住用財産の譲渡損失について、次の2つの場合に、当該年度における損益通算後の損失額を翌年以降3年間、所得から控除することができることとされている。この措置は、2017(平成29)年12月31日までに生じたものに限って適用される。

1. 居住用財産の買い換えのときに発生した損失であって、売却相手先が親族等ではないこと、買い替え資産に係る住宅ローン残高があることなど、一定の要件を満たす場合
2. 居住用財産を譲渡するときに発生した損失であって、譲渡資産に係る住宅ローン残高があることなど一定の要件を満たす場合(当該資産に係る住宅ローン残高から譲渡金額を控除した額を限度とする)

クルドサック

行き止まり道路の奥がロータリーになっていて、車の方向転換ができるようになっている袋路のこと。クルドサックを用いることにより、住人以外の車の通過を防止し、防災・防犯上の安全が確保できる。

クレセント

引き違いサッシなどの召し合わせ部分に取り付ける、戸締まり用の金物。
片方の側にはフック状部分のある固定金物が、もう一方には取っ手の付いた円盤の縁に螺旋状の突出があり、これを回転させるとフックにかかるようになっている。

ちなみにクレセントとは三日月のことで、形状が似ていることによる。

クロス

天井や壁などの仕上げ材として用いられる薄い布製の装飾用壁紙のこと。布製だけではなく、ビニール製やプラスチック製のものも多く、環境問題を含めた安全性が問われている。

最近ではシックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを含まない壁装用接着剤が使われていたり、環境対応商品や機能性壁紙も登場している。

クローズエンド

投資信託のうち、受益権の買い戻し義務がないもの。

クローズドエンドの場合には、信託の受託者は、受託資金を期限まで安定的に運用できるため、流動性に欠ける資産の運用も可能になる。一方、投資者は、保有する受益権を換金する場合には、受託者に買い戻しを求めることはできず、他者に売却する必要がある。

 会社型の投資信託は大部分がクローズドエンドであり、上場されているREITもこれである。

なお、受益権を買い戻す義務のある投資信託は「オープンエンド」といわれ、契約型の投資信託の大部分はこれである。また、私募REITの大部分もオープンエンドである。

クーリングオフ

一定期間、無条件で契約の申込みの撤回または解除ができる制度。消費者を保護するための措置で、訪問販売、電話勧誘販売などに適用されるが、一定の宅地建物の取引もその対象となる。

クーリングオフの適用があるのは、

1.宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地建物売買契約において、2.その事務所やそれに準ずる場所以外の場所で申込みや締結がされた場合であり、3.撤回または解除ができるのは8日間以内

である。

撤回または解除は書面で通知しなければならないが、その理由などを示す必要はなく、発信日を明確にすれば良い。その通知があったときには、売主は速やかに手付金等受領した金銭を返還しなければならない。

グラスウール

溶融したガラスを短繊維化し綿状にしたものを接着剤で板、筒、帯状に加工したもの。断熱性、保温性に優れている。ガラス繊維(ファイバーグラス)ともいう。

グリーンカーテン

建物の外側を生きた植物で覆ってカーテン状にしたもの。「緑のカーテン」ともいい、壁面緑化の手法のひとつである。

グリーンカーテンは、窓の遮光のほか、外壁の温度上昇の抑制、光合成による二酸化炭素の吸収、外壁の保護、観賞植物の育成などの効果が期待できるとされている。

グリーンカーテンとして通常栽培されるのは、つる植物である。

グリーン投資減税 (建築物に係る省エネルギー設備に関する~)

エネルギー起源の二酸化炭素の排出削減または再生可能エネルギー導入拡大に相当程度の効果が見込まれる設備等を取得した場合の減税措置のうち、建築物に係る省エネルギー設備を対象にしたものをいう。

対象設備を取得し1年以内に事業の用に供した場合には、所得税・法人税について、


1.取得価額の30%相当額の特別償却
2.取得価額の7%相当額の特別控除(中小企業者等に限る)
のいずれかを選択して適用できる。ただし、2011(平成23)年度から13(25)年度までの3年前に限られる。

減税の対象となる建築物に係る省エネルギー設備は、次の通りである。

1.エネルギー使用合理化設備
高効率空気調和設備、照明設備、高効率換気設備、高断熱窓設備(それぞれの設備が現行省エネルギー基準を25%上回るもの)を同時に設置する場合

2.エネルギー使用制御設備
ビルエネルギー管理システム(測定装置、中継装置、アクチュエーター、可変風量制御装置、インバーター、電子計算機により構成)で省エネルギー効率が全体で5%改善する場合

グリーン・ニューディール

環境の保全・改善のための投資を促進することによって雇用を創出し、景気の浮揚を図ろうとする政策をいう。

その特徴は、環境投資と経済政策とを結び付け、「地球環境問題への対応」、「景気回復」、そして「エネルギーの確保」という3つの課題に対応することにある。

1920年代の世界大恐慌において採用されたニューディールは、TVA(テネシー川流域開発公社)設立(アメリカ)やアウトバーン建設(ドイツ)のような公共事業を中心とした投資を推進するものであったが、グリーン・ニューディールにおける投資は、気候変動問題に対応するための技術開発や、エネルギー構造の変革を推進する産業活動に向けられる。

グリーン・ニューディールの目標には、建物の熱効率の改善、建物のカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出ゼロ)化、スマートグリッドの構築などが含まれていて、不動産のあり方にも大きな影響を与える可能性がある。

グルニエ

アティック(attic、アテカともいう)と同意。

 屋根裏部屋のこと。グルニエ・アティックとは、もともと古代建築の記念門の上部につくられた部屋であったが、転じて屋根裏部屋の意味になったといわれている。

グループホーム (認知症対応型共同生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護)

認知症と診断され、要介護度1以上で、ホームのある市町村に住んでいる高齢者が入居し、10人未満の小単位でスタッフとともに共同生活を営む施設。認知症対応型共同生活介護、介護予防認知症対応型共同生活介護ともいう。

 住み慣れた地域で、家庭的で落ち着いた雰囲気で穏やかに過ごすことで認知症の進行を遅らせ、家庭介護の負担を軽減することを目的としており、2006年、介護保険法改正により導入された「地域密着型サービス」の一つに位置付けられた。

グループホームの指定基準は、1事業所当たり共同生活住居(ユニット)が2以下で、1ユニットの定員は5~9人。居室・居間・食堂・台所・浴室・事務所などがあり、居室は原則個室で4.5畳以上と定められている。
 介護職員は、ユニットごとに、常勤で利用者数の3人に対し1人以上、夜間も常時1人以上を配置している。

 比較的小規模な施設なので、住宅を改修したものや社宅・寮を利用したもの、他の介護施設に併設したものなどがあり、運営主体の多くは、民間事業者やNPO法人などの非営利団体である。

 費用は、家賃、光熱費、共益費、食費が掛かり、立地や建物・設備の仕様によって大きな開きがある。このほか、介護保険の1割負担の費用が掛かる。

蹴上げ

階段の一段の高さのこと。階段は足が乗る水平面の板(踏面=ふみづら)と踏面と垂直に交わる蹴上げで構成される。建築基準法では、住宅の場合、幅750mm以上、蹴上げ230mm以下、踏面150mm以上と決められている。

ケアハウス

1989年にスタートした後に登場した比較的新しいタイプの軽費老人ホーム。ケア付となるので、有料老人ホームと同様に、介護保険法の特定施設となれる。

 指定基準を満たす職員が配置され、居室は専有部分が21.6平方メートル以上(共同生活室を設けるユニット型の場合は15.63平方メートル以上)で、トイレ・洗面所・ミニキッチン・収納が備えられている。
 費用は、家賃・事務費・生活費を月額で支払うのが一般的。

ケアマンション

高齢者の居住の利便性を高めた集合住宅のこと。シルバーマンションともいう。

空間の設計や設備が高齢者の居住に適する他、介護、給食など日常生活に対する支援サービスを伴うことが多い。分譲、賃貸の両方のタイプがある。

 高齢者の居住に関しては、

1.バリアフリーやユニバーサルデザインを採用するなどの空間・設備デザインについての工夫、2.生活の手伝いや健康保持・医療サービスのような高齢者向け支援の提供、3.住宅費、生活費、医療費などを含めた経済的な負担の管理に対する支援

を総合的に考えなければならない。

景観行政団体

景観法に基づき行為規制等の権限を行使する都道府県・市町村のこと。具体的には、都道府県、指定都市、中核市を指す。

ただし、指定都市・中核市以外の市町村であっても、都道府県に代わって、景観計画、景観重要建造物、景観重要樹木、景観協定、景観整備機構の事務を処理することにつき都道府県とあらかじめ協議した市町村であれば、景観行政団体となる(景観法第7条第1項)。

景観計画

景観行政団体が策定する良好な景観の形成に関する計画のこと(景観法第8条第1項)。景観計画は、都市、農山漁村その他市街地または集落地域と、これと一体となって景観を形成している区域について定められる。この景観計画が定められた区域のことを「景観計画区域」という。

景観計画では、景観計画の区域(景観計画区域)、良好な景観の形成に関する方針、良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項その他が定められる(第8条第2項)。
特に行為の制限に関する事項(第8条第2項第3号)については、


1.建築物または工作物の形態または色彩その他の意匠の制限
2.建築物または工作物の高さの最高限度または最低限度
3.壁面の位置の制限または建築物の敷地面積の最低限度
4.その他第16条第1項の届出を要する行為ごとの良好な景観の形成のための制限

などの制限のうちで必要なものを定めることができる(第8条第3項)。

景観計画区域

景観行政団体が策定する景観計画で定められた区域のこと(景観法第8条第2項第1号)。
 景観計画区域では、行為の制限に関する事項(第8条第2項第3号)として、建築物・工作物の形態意匠の制限、建築物・工作物の高さの最高限度または最低限度の制限、壁面の位置の制限または建築物の敷地面積の最低限度などのうち必要なものが定められている(第8条第3項)。

 景観計画区域内で次の行為をするときは、30日前までに景観行政団体の長に届出を行なうことが必要である(景観法第16条第1項、第18条第1項)。

1.建築物の新築、増築、改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替または色彩の変更
2.工作物の新設、増築、改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替または色彩の変更
3.開発行為その他政令で定める行為
4.良好な景観の形成に支障を及ぼす恐れのある行為として景観計画に従い景観行政団体の条例で定める行為

この届出に対して、景観行政団体の長は、設計の変更等の措置を命じることができる(景観法第17条第1項)。この命令に従わない場合、景観行政団体の長は、原状回復を命令することができ、それにも従わないときは自ら原状回復等を行なうことができる(景観法第17条第5項、第6項)。
このように景観計画区域内での行為制限には、ある程度の強制力が付与されていることに特徴がある。また原状回復命令(景観法第17条第5項)に違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則が予定されている(景観法第100条)。

景観重要建造物

景観計画区域内の良好な景観の形成に重要な建造物であって、景観行政団体の長が指定した建造物のこと(これと一体となって良好な景観を形成している土地その他の物件を含む)。
景観行政団体の長は、景観計画の景観重要建造物の指定の方針に即して、景観重要建造物を指定する(法第19条第1項)。

景観重要建造物の増築、改築、移転もしくは除却、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替え、または色彩の変更をするには、景観行政団体の長の許可が必要である(景観法第22条)。

なお、文化財保護法の規定により国宝、重要文化財、特別史跡名勝天然記念物または史跡名勝天然記念物として指定され、または仮指定された建造物については、景観重要建造物に指定することができない(法第19条3項) 。

景観地区

都市計画によって定められる地域地区の一つで、市街地の良好な景観を形成するための地区をいう。

その指定要件等は景観法に規定されている。

 景観地区内においては、建築物の形態意匠(デザイン・色彩など)が規制される他、条例によって、工作物の形態意匠の制限、建築物・工作物の高さ限度、壁面の位置等、開発行為等の規制を定めることができるとされている。この場合、形態意匠の規制については、各地区の事情に応じて多面的な基準を定め、その基準に基づいて審査・認定するという方法が採用されている。

なお、都市計画区域・準都市計画区域以外の区域では景観区域を定めることはできないが、条例によって景観区域に準じた規制をすることができるとされている(準景観地区)。

景観法

良好な景観の形成を促進するための施策を定めた法律で、2004年6月に公布、同年12月から施行された。

この法律は、都市部だけでなく農村部等も対象にして、地域の個性を反映した柔軟な規制等によって景観の形成を図るための制度を定めており、景観に関する基本法とされる。

 景観法に規定されている主な制度としては、

1.景観行政を担う主体としての景観行政団体
2.景観計画区域の指定、景観計画の策定、それにもとづく建築等の届出、デザイン・色彩に関する勧告・変更命令など
3.都市計画による景観地区の指定、建築等のデザイン・色彩、高さ等の総合的な規制、景観認定制度など
4.住民合意による景観協定
5.景観重要建造物・樹木の指定・保全

などがある。

珪藻土

藻の一種である珪藻類の遺骸による堆積土で、素材色は白色、灰白色、淡黄色。多孔質で吸水性に富むが、軽くて脆い。もともと研磨材、耐火材、七輪などの材料に使われたが、近年、高い吸放湿性、吸臭・吸音性、断熱性からシックハウス対策として注目され、住宅の内・外壁に使用されることが多い。

漆喰のようにツノマタなどを混ぜた左官塗り用だけでなく、素人でもローラーやハケで簡単に塗れる塗装タイプの製品も開発されている。

競売

債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、その売却代金によって債務の弁済を受けるという制度のこと。

軽費老人ホーム

軽費老人ホームは、地方自治体や社会福祉法人など公的機関が設置・運営する福祉施設。
 無料または低額な料金で入居でき、食事の提供、その他日常生活に必要な支援を提供する老人福祉施設の一つである。

軽費老人ホームは、給食付のA型と自炊タイプのB型、そして「居宅サービス」を提供する機能を持つケアハウスの3種類があるが、2008年にケアハウスへの一元化が決定。A型、B型は建て替え時にはケアハウスへの転換が求められる。
A型には、月収34万円以下という所得制限があり、月額費用も所得に応じて決められる。B型は、自炊できるぐらい自立していることが入居の条件。

軽量鉄骨

正式名称は「軽量形鋼」。
厚さ6mm以下の鋼板を、複雑な形状に折り曲げてつくった鋼材のことである。

この軽量鉄骨には、断面の形状等により多数の種類がある。
最もよく使用されるのは、断面の形状がアルファベットの「C」に似たもの(「リップ溝形鋼」)である。

軽量鉄骨構造

鉄骨構造の一つ。
 軽量鉄骨構造とは、次のような特徴を持つ鉄骨構造である。

1.軽量鉄骨を柱・梁として使用する。
2.ブレース(brace:留め具)で柱・梁を対角線につなぐことにより、水平方向の外力に対抗できる構造をつくる。
3.木質系パネル・軽量気泡コンクリートパネル・窯業系パネルなどで壁・床を構成する。

 従って、「軽量鉄骨構造」とは、在来工法の木造建築物における木造軸組を「軽量鉄骨とブレース」に置き換えたものであると考えることができる。

こうした「軽量鉄骨構造」は、一般住宅やアパートに使用されることが多い。

蹴込み

階段の踏面のあいだを繋ぐ垂直方向の面、あるいは、下段の踏面のうち上段の踏面と重層している部分(下段が上段の端よりも奥に突き入れている場合のその部分)をいう。

また、家の上がり口の前面を言う場合もある。

化粧合板

普通合板の表面をプラスチック材料などで覆ったもの。

欠陥住宅

備えるべき安全性能を欠いている住宅をいう。

その性能としては、風雨、地震、火災に耐える性能、地盤や主要構造部の堅牢性、さらには防音、通気、シックハウス防止等室内環境の水準などがあるが、その確保すべき水準は必ずしも明確ではない。例えば、建築基準法などの法令の規定に違反している場合、常識的な住宅としての性能を欠く場合、請負契約などで予定している性能を満たさない場合などは、欠陥住宅である可能性が大きい。また、欠陥住宅であるという苦情としては、雨漏り、亀裂の発生などに関するものが多い。

欠陥住宅が発生する原因の多くは、設計の誤りか施工時の手抜きやミスである。そこで、その責任を明確にするため、新築住宅の建築請負者や売主に対して、柱などの構造上重要な部分や雨水の侵入を防ぐ部分について、引渡し後10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている。さらに、住宅の性能基準を客観的に評価し、その性能を保証する制度(住宅性能表示制度)も運営されているが、この制度を用いるかどうかは任意である。

結露

空気の温度を徐々に下げていくと、ある温度で空気中の水蒸気が飽和状態になり、さらに下げると過飽和状態になり水滴となる。これを結露という。

住宅の床・壁・天井や窓ガラスなどに結露すると(これを表面結露という)、カビや汚れの原因になる。また、断熱材や構造部材などに結露すると(これを内部結露という)、断熱性能はゼロ状態になるし、建物の耐久性を著しく低下させることになる。

嫌悪施設

近隣に立地することが嫌がられる施設をいう。

住宅地での立地について紛争が発生したり、地価に影響を与える場合がある。

例えば、公害発生の恐れがある施設、不快感や危険感を与える施設、風紀を乱す恐れのある施設、地区のイメージやまち並みを低下させる施設などである。
だが、法令に合致した立地であればその立地を抑制することは財産権の不当な制約となる恐れがあり、また、立地の影響を客観的に評価することも困難である。個別具体的に、立地の当否について社会的な合意を図っていくほかない。

権原

私法上の概念で、ある法律行為または事実行為を正当とする法律上の原因をいう。

例えば、他人の土地に建物を建築する権原は、地上権、賃借権等である。

ただし、占有の場合には、占有を正当とする権利にもとづかないときにもその権利は保護され、占有するに至ったすべての原因が権原となることに注意が必要である。権限と区別して、「けんばら」と読むこともある。

権限踰越の表見代理

表見代理とは、本人に何らかの落ち度(帰責要因)があることを基礎として、その帰責要因をもとに無権代理人が真実の代理人であるかのような外観が作出され、その外観を信頼して取引に入った相手方を保護するという制度である。
表見代理には、代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限踰越の表見代理という3種類がある。

権限踰越の表見代理(民法第112条)とは、代理人が本人から与えられた基本権限の範囲を超えて、基本権限外の行為をした場合に、相手方が基本権限内の行為であると信じ、そう信じることについて正当の理由があるときは、代理人と相手方との取引の効果を本人に帰属させるという制度である。

この権限踰越の表見代理(民法第112条)では、「基本権限」の意味について注意が必要である。
基本権限とは、私法上の法律行為(例えば土地の売却など)に関する代理権であるとされている。しかし、公法上の行為(例えば登記申請手続き)の代理権であっても、基本権限に該当する場合があり得る。
また事実行為の代行を委託したことが、基本権限に該当すると判断されるかどうかについては、判例は否定している(例えば、投資契約の勧誘を委託された勧誘員は基本権限を持たない)。

また「相手方が権限内の行為であると信じ、そう信じることについて正当の理由がある」とは、判例によれば、「代理権の不存在について相手方が善意無過失である」と解釈されている。つまり判例上は、本人の過失は正当の理由(すなわち相手方の善意・無過失)を判断するための材料にならないことに注意したい。
(ただし、学説では本人の過失も含めて正当の理由を判断すべきであるという説が有力である。また判例も、本人に落ち度がある場合(例えば所有権移転登記に必要なすべての書類・委任状・実印等を代理人に所持させている場合など)には、相手方の善意・無過失が認定されやすいようであり、事実上本人の過失を考慮していると見ることもできる)

健康被害が生ずる恐れのある土地の調査

土壌汚染対策法第3条および第4条では、特定有害物質による健康被害を防止するために、土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。
このうち同法第4条では、特定有害物質による土壌汚染により健康被害が生ずる恐れがあると知事が認めた場合には、土地所有者等に対し、土壌汚染状況調査を実施することを知事が命令することができると定めている。これを健康被害が生ずる恐れのある土地の調査という(同法第4条第1項)。

ここで重要なのは、「土壌汚染により健康被害が生ずる恐れがあると知事が認めた場合」とは具体的にどのような場合を指すのか、ということである。
この点については、同法施行令第3条第1号のイ・ロ・ハにおいて、次のような場合が「知事が認めた場合」に該当すると規定している(注:平成15年2月4日付環境省環境管理局水資源部長通達「土壌汚染対策法の施行について」を参考とした)。

1.土壌汚染が明らかになっている土地であって、現に地下水の水質汚濁が生じているもの。
 =これは「使用が廃止された有害物質使用特定施設の敷地等であって、土壌汚染が既に判明して都道府県に報告された土地であり、知事が毎年実施する地下水モニタリングによって地下水汚染が判明しているもの」を基本的に指している(施行令第3条第1号イ)。

2.土壌汚染が明らかになっている土地であって、地下水の水質汚濁が生じることが確実であるもの。
 =これは「使用が廃止された有害物質使用特定施設の敷地等であって、土壌汚染が既に判明して都道府県に報告された土地であって、地下水モニタリング(測定回数3回以上かつ2年以上のモニタリング)によって濃度レベルが増加を続けており、次回のモニタリングでは法定基準に適合しなくなると認められるもの」を指している(第1号イ)。

3.土壌汚染の恐れのある土地であって、現に地下水の水質汚濁が生じているもの。
 =これは「地下水モニタリングに基づき、地下水の流動の状況や土地の履歴(有害物質使用特定施設の敷地であること等)を考慮して、地下水汚染の原因と推定される土壌汚染が存在する可能性が高い土地」を基本的に指している(第1号ロ)。

4.土壌汚染の恐れのある土地であって、かつ当該土地が人が立ち入ることができる土地であること。
 =上記1.2.3.が地下水の観点からの汚染であるのに対して、この4.は関係者以外の人が当該土地に立ち入ることにより直接的に特定有害物質にさらされる危険があるケースを指している(第1号ハ)。

 以上の1.から4.のいずれかに該当すれば、「土壌汚染により健康被害が生ずる恐れがあると知事が認めた場合」にあてはまるので、知事は土壌汚染状況調査を実施することを命令することができる。

ただし実際には、地下水モニタリングの実施地点は全国1万2,000ヵ所に過ぎないので、地下水モニタリングを端緒として知事が土壌汚染状況調査を命令するケースはまれであると予想される。
なお、上記の1.2.3.に該当する土地であっても、汚染された地下水が人の飲用利用に供される可能性がない場合には、知事が土壌汚染状況調査を命令することはできない(土壌汚染対策法施行令第3条、同施行規則第17条)。

また、土壌汚染対策法第3条第1項の「有害物質使用特定施設に係る土地の調査」が行なわれるべきであるにかかわらず、土地所有者等が調査を実施しない場合には、知事は調査を命令することができる(同法第4条第1項)。

検索の抗弁権

保証人が「主債務者には取立てが容易な財産がある」と立証した場合には、債権者は先にその主債務者の財産から取立てをしなければならない。これを「検索の抗弁権」と呼んでいる(民法第453条)。

 例えば、AがBから100万円の借金をし、Aの友人であるCがその借金の保証人になったとしよう。このとき債権者Bが、保証人Cに対して100万円の債務を支払うように請求したとする。

その際に、保証人Cが「主債務者Aには強制執行が容易な銀行預金60万円がある」と証明し、保証人Cが検索の抗弁権を行使したならば、債権者Bはまず主債務者Aから60万円を取り立てなければならない(もし、主債務者Aが取立てに応じない場合には、その銀行預金に対して債権差押などを行なうべきである)。

また、債権者が迅速な取立てを怠ったために、取立て可能であった金銭が取立てできなくなった場合には、その責任は債権者が負う。例えば上記例で、債権者Bが取立てを遅らせたために、他の債権者Dが60万円の銀行預金を取り立ててしまい、債権者Bは預金からの取立てができなくなったとする。このとき保証人Cは、その金額を差し引いた40万円についてのみ保証債務を負うこととなる(民法第455条)。

このように検索の抗弁権は、債権者の立場を弱くするものである。なお連帯保証の場合には、連帯保証人にはこの検索の抗弁権がないことに注意したい。

検査済証

建築工事が完了した建築物について、建築主事等は、検査の申請を受理した日から7日以内に、当該建築物について工事完了検査を行なわなければならない。

この工事完了検査に合格した場合に、建築主事等が建築主に交付する書面が「検査済証」である。

建設協力金

地主が、建物賃借者(テナント)から建設費を借りて賃貸建物を建築する場合の、その借入金をいう。

一般的に、建設された建物は建設協力金の貸主(建物賃借者)に賃貸され、その賃料と建設協力金の返済額とが相殺されることになる。

建設協力金によって不動産賃貸事業を営む方法は、土地活用手法の一つとされ、リースバック方式ともいわれる。

建設業経理事務士

建設業経理に関する知識および処理能力があると認められた者。建設業では、業務の特性に即して簿記や原価計算を行なう必要があり、その必要に応える役割を担う。

建設業経理事務士の資格は、(一財)建設業振興基金が実施する試験によって与えられる。試験は、難易度によって1級から4級までに分かれ、合格者にはそれぞれ「1級建設業経理士」「2級建設業経理士」「3級建設業経理事務士」「4級建設業経理事務士」と称することとなる。

1級および2級の試験は建設業法に基づく「登録経理試験」とされ、その合格者について実務者登録の制度がある。また、1級および2級の試験合格者は、公共工事の入札に係る経営事項審査において、公認会計士等と同様に、経理が適正に行なわれたことを確認する者として認められている。

建設業法

建設業に関する基本的な法律で、1949年に公布・施行された。

この法律には、建設業を営むうえで守らなければならない諸規定が定められており、それによって、建設工事の適正な施工の確保、発注者の保護、建設業の健全な発達の促進を図ることとされている。

 建設業法に規定されている主な制度としては、

1.建設業の営業許可制度
2.建設工事の請負契約に関する、契約内容の義務化、一括下請負の禁止等
3.主任技術者および監理技術者の設置等による施行技術の確保
4.建設業者の経営に関する事項の審査

などがある。

建設工事標準請負契約約款

中央建設業審議会や建設業界の業界団体が制定している、建設工事の請負契約のモデル契約書のこと。

建設業法第19条では工事請負契約の書面化を義務としているが、建設工事標準請負契約約款はこの建設業法第19条に適合する契約書として、現実に建設業界で広く使用されている。

 建設工事標準標準請負契約には次のような種類がある。

1.公共工事に関しては、中央建設業審議会が「公共建設工事標準請負契約約款」を制定している。
2.民間工事に関しては、中央建設業審議会が「民間建設工事標準請負契約約款」を制定している。
3.民間工事に関しては、建設業界の業界団体(全国建設業協会など4つの団体)が2.の約款をベースとして、「四会連合協定工事標準請負契約約款」を制定した。
4.その後、上記3.において2つの団体が加入したため、上記3.の約款の名称が「民間連合協定工事標準請負契約約款」と改められた。

建設住宅性能評価書

登録住宅性能評価機関が、実際に住宅を検査することにより作成した住宅性能評価書を「建設住宅性能評価書」という(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第6条、同施行規則第5条)。

 品確法では、建設住宅性能評価書を交付された新築住宅については、建設住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま売買契約の契約内容になる場合があると規定しており、この規定により買主保護が図られている(詳しくは「住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係」へ)。

 新築住宅について建設住宅性能評価書が作成されるには、「設計住宅性能評価書の作成」「建設住宅性能評価書の作成の申請」「検査の実施」「建設住宅性能評価書の作成」という過程を経る必要がある(詳しくは「新築住宅の建設住宅性能評価書」へ)。

また、既存住宅について建設住宅性能評価書が作成されるには、「建設住宅性能評価書の作成の申請」「現況検査」「個別性能評価」「建設住宅性能評価書の作成」という過程を経る必要がある(詳しくは「既存住宅の建設住宅性能評価書」へ)。

これらの建設住宅性能評価書に記載されるべき事項については、国土交通大臣が基準を定めている(詳しくは「日本住宅性能表示基準」へ)。

なお、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、原則として1万円の費用負担で弁護士会に紛争処理を申請することができる(詳しくは「指定住宅紛争処理機関」へ)。

建築確認

一定の建築物を建築(増改築を含む)しようとするときに、工事の着手前に、建築計画が法令で定められた建築基準(建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準)に適合している旨の確認を受けなければならないとする制度、または当該確認行為をいう。

確認を申請する義務があるのは建築主で、確認を行なうのは建築主事等である。

建築主は、建築確認を受けた場合には確認済証の交付を受ける他、工事を完了したときには検査を受けること、一定の場合には工事の中間検査を受けることなどの義務を負う。また、建築基準に違反した建築物については、建築主、建築工事の請負人等に対して、工事施工の停止や違反を是正するための措置を命じることができる。ただし、特別な場合を除いて、従前から存在する基準に違反の建築物(既存不適格建築物)については、増改築をしない限りはそのまま使用できる。

建築確認制度において重要なのは、建築確認を受けなければならない建築物の建築工事に当たっては、その設計は建築士が当たらなければならず、また建築士である工事監理者を置かなければならないとされていることである。この条件を満たさない建築確認申請は受理されない。つまり、建築基準を確保する仕組みは、建築確認制度と建築士制度とが一体となって初めて実効あるものとなるのである。

なお、建築基準は、都市計画区域および準都市計画区域内の建築物に対してはより厳しい基準が適用されるなど、建物の敷地場所、規模、構造、用途等に応じて詳細に定められているため、その内容については注意深く確認する必要がある。

建築確認 (手続の流れ)

建築主事は、建築確認の申請を受理してから、一般の建築物については7日以内に、一定の特殊な建築物または大規模な建築物については原則として35日以内に、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認した場合には、建築主に文書(確認済証)を交付することとされている。

また、建築計画が法令に適合しないと認めたとき又は申請書の記載によつては建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、7日又は35日以内に、その旨及びその理由を記載した通知書を建築主に交付することになる。

なお建築主は、確認の期限を過ぎた場合であっても、確認済証の交付を受ける前には、工事に着手することはできない。

建築基準法

国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。

遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。

その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。

建築協定

敷地や建築物に関する民間の協定であって、特定行政庁(知事・市長など)の認可を受けたもののこと。

1.建築協定の意義
 建築協定では、ある地域の土地所有者等の全員が合意することにより、「敷地の最低面積」「敷地境界線からの外壁の後退距離の最低限度」「建築物の耐火性」「建築物の用途」「建築物の階数」「建築物の色彩や意匠」「設備の設置場所」などを非常にきめ細かく規制し、統一することができる。このため、建築協定により統一的な良好なまち並みが形成され、環境が保全されるというメリットがある。

 同じようなきめ細かい法的規制である地区計画は、都市計画の決定手続を経なければならないのに対して、建築協定は住民の合意という比較的簡便な手続きで設定できる点も特徴である。

なお、「一人協定」の制度が新設されてからは、宅地分譲業者などが建築協定を最初に設置できるようになったため、さらに使いやすくなっている。1996(平成8)年には、建築協定に不参加のエリアも事後的に協定に参加するための簡便な手続きとして「建築協定区域隣接地」の制度が導入されている。

2.建築協定を締結する手続き
建築協定は、その地域内の土地所有者と借地権者の全員の合意により協定書を作成して、公開による意見聴取を経て、特定行政庁の認可を受けることにより成立する(建築基準法第69条、第73条)。特定行政庁は、一定の基準に協定の内容が適合する場合には、必ず認可しなければならない(同法第73条第1項)。
ただし、借地権の目的となっている土地(いわゆる底地)については、その土地の所有者(いわゆる底地権者)の合意は不要とされている(同法第70条第3項)。建築協定の内容が建築物の借り主に関係するときは、建築物の借り主も合意に参加しなければならない(同法第77条)。
なお、建築協定を締結する前提として、市町村が建築協定の締結に関する条例を設けていることが必要である(同法第69条)。

3.建築協定書の内容
 建築協定書には、「建築協定区域」「建築物に関する基準」「建築協定の有効期間」「建築協定違反があった場合の措置」を必ず記載しなければならない(同法第70条1項)。

4.建築協定の効力
 特定行政庁が認可の公告をした場合、その公告の日以後に土地所有者・借地権者となった者についても効力がある(同法第75条)。ただし、合意していない底地権者から底地権を引き継いだ者には効力がない(同法第70条第3項)。

5.一人協定
 土地所有者が1人(借地権者もいない)であるとき、その唯一の土地所有者が特定行政庁の認可を受けることにより、建築協定を定めることができる(同法第76条の3第1項)。この認可を受けた建築協定は、3年以内にその土地に2人以上の土地の所有者等が存することとなったときから通常の建築協定となる(76条の3第5項)。この規定により、例えば宅地分譲業者が分譲前に建築協定を設定して、その後で宅地分譲することが可能とされている。

6.建築協定区域隣接地からの参加
 「建築協定区域」に隣接する土地であって、建築協定区域内の土地所有者・借地権者が建築協定への将来的な参加を希望するような隣接する土地については、建築協定書において「建築協定区域隣接地」として定めることができる(同法第70条第2項)。
このような「建築協定区域隣接地」の区域内の土地所有者・借地権者は、全員の合意により、いつでも建築協定に加わることができる。建築協定に加わる意思表示をした「建築協定区域隣接地」は、「建築協定区域」の一部となる(75条の2第2項・3項)。

7.建築協定の変更と廃止
 建築協定を変更するには、合意した土地所有者・借地権者の全員の同意が必要。建築協定を廃止するには、合意した土地所有者・借地権者の過半数の合意が必要。変更も廃止も、特定行政庁の認可を受けなければならない(同法第74条・第76条)。

建築許可

市街化調整区域での建築であって、開発行為を伴わないものに対する建築の許可をいう。

 市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域であるから、建築は原則的に禁止されている。ただし、次のような場合には、建築を行なうことができる。

1.開発行為(土地の区画形質の変更)を行なうための許可(開発許可)を受けた区域内で行なう、開発許可条件に適合する建築
2.開発行為を伴わない建築で、都道府県知事の許可を得て行なう建築(都市計画法第43条)(この場合の都道府県知事の許可が「市街化調整区域における建築許可」)

市街化調整区域における建築許可は厳しく運用されていて、開発許可区域以外の区域で建築(改築、用途変更を含む)を行なえるは、次のものに限られている。

1)建築許可を要しない建築
ア.農産物、林産物または水産物の生産、または集荷の用に供する建築物(畜舎、蚕室、温室、育種苗施設など)およびこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築
イ.公益上必要な建築物(鉄道の施設、社会福祉施設、医療施設、学校教育法による学校など)であって、適正合理的な土地利用および環境保全上支障がない建築物の建築

2)建築許可を受けることのできる建築
ア.都市計画事業の施行として行なう建築物の建築
イ.非常災害のため必要な応急措置として行なう建築物の建築
ウ.仮設建築物の新築
エ.通常の管理行為、軽易な行為として行なう次のもの
a.既存の建築物の敷地内において行なう車庫、物置その他これらに類する附属建築物の建築
b.建築物の改築または用途の変更で当該改築、または用途の変更に係る床面積の合計が10平方メートル以内であるもの
c.周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場その他これらの業務の用に供する建築物(その延べ面積が50平方メートル以内のものの新築で、当該市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行なうものに限る)
d.土木事業その他の事業に一時的に使用するための第一種特定工作物の新設

建築構造

「荷重や外力に対抗するために必要な部分の組み合わせ」のことである。
端的にいえば、建築構造とは「建物の骨組」のこと。

建築士

建築物の設計、工事監理等を行なう技術者であって、試験に合格して免許を受けた者をいう。建築士法による資格である。


建築士は、設計等を行なうことができる建物の規模、構造、用途によって、一級建築士、二級建築士、木造建築士に分かれている。例えば、延べ面積が千平方メートルを超え階数が二以上の建築物は、一級建築士でなければ設計をしてはならないし、延べ面積が百平方メートル(木造の建築物にあっては三百平方メートル)を超えまたは階数が三以上の建築物は、一級建築士または二級建築士でなければ設計をしてはならない。

また、一級建築士であって、構造設計または設備設計について高度な専門能力を有すると認められた者は、構造設計一級建築士または設備設計一級建築士としてその専門業務に従事することができるとされている。

建築士の資格は法的に保護さていて、例えば、建築確認の申請に当たって提出する設計図書は建築士が作成しないと受理されないし、建築士の免許を受けることなく建築士の名称を用いて業務を行なう者は罰せられる。

なお、建築士の業務分野は、その専門性に応じて、大きく、意匠設計(主として、建築のデザインや設計の総合性の確保を担う)、構造設計(主として、建築物の構造の安全性確保などを担う)、設備設計(主として、建築設備の設計を担う)、監理業務(主として、工事が設計に適合して実施されるための監督などを担う)に分かれている。

建築主事

建築確認を行なう権限を持つ、地方公務員のこと。

建築主事となるには、一定の資格検定に合格しなければならない。
その後、国土交通大臣の登録を受け、知事または市町村長の任命を受けることが必要である。

 都道府県には必ず建築主事が置かれる。また政令で定める人口25万人以上の市でも、建築主事が必ず置かれる。それ以外の市町村では任意で建築主事を置くことができる(建築基準法第4条)。

建築審査会

建築主事を置いている市町村と都道府県にのみ設置される、5人または7人の委員で構成される組織。

建築審査会は、特定行政庁が建築基準法に関わる許可を与える場合に、特定行政庁に同意を与える等の権限を持っている。

建築条件付宅地分譲

宅地分譲の方法の一つで、宅地の売買契約後一定の期間内に、売主または売主が指定する者との間で当該土地に建物を建築する請負契約を締結することを停止条件として分譲することをいう。

住宅を建築した後に土地とともに分譲する(建売住宅)場合と違って、買主は住宅プランなどを選択する自由があるが、建築請負者があらかじめ決まっていることによる限界がある。見方によっては、建売に伴うリスクを回避しつつ、建築を請け負う利益を享受する手法である。

建築条件付き土地

建て売りといえば、土地とそこに立つ住宅がセットで販売されるものだが、建築条件付き土地の場合は、売り建てともいうように、土地を売るに当たって、一定期間内に売り主または売り主が指定する者との間で当該土地に建物を建築する請負契約を結ぶことを条件にしている。指定期間内に建築請負契約が締結されない場合は、契約は白紙解除となり、預かり金などは全額返還される。

建築設備

建物と一体となって建物の機能を全うさせる設備のことで、空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備、エレベーターなどがこれに該当する。

建築設備は、建築物本体に比べて、その運用のための費用が大きいこと、建物利用の快適性を左右しやすいこと、エネルギー消費を伴い環境に対して大きな影響を与えることなどの特徴がある。
また、一般に、建物本体よりも耐用年数が短い傾向があるほか、建物の維持・改修に当たっては、建築設備の保守・更新を的確に行なうことが重要であるといわれている。

建築設備の設計は、通常、建物の設計と同時一体的に行なわれ、その施工も建物の建築を請け負った建設業者が一括して担うことが多い(ただし、直接の施工は、建築請負業者が設備工事業者に下請発注するのが一般的)。しかし、大規模な建築物については、建築設備の設計・施工を分離して実施する場合(分離発注)もある。

建築設備士

建築設備の知識、技能に関する国家資格。建築士法に基づくもので、国土交通大臣が登録した試験(学科試験および設計製図試験)に合格することによって与えられる。

建築士は、延べ面積が2,000平方メートルを超える建築物の建築設備に係る設計または工事監理を行なう場合においては、建築設備士の意見を聴くよう努めなければならないとされている。また、意見を聴いた場合には、設計図書等にその旨を明示する必要がある。

建築線

それ以上建築物が突出してはならない道路と敷地の境界線をいう。

 通常は現実の道路との境が建築線であるが、建築基準法によって、幅員が1.8m以上、4m未満の道路の場合に、その中心から2m後退した線が建築線として指定されていることがある。また、私道について道路の位置が指定されている場合には、その指定された道路位置との境界が建築線となる。

つまり、民有地の中に建築線が引かれて、それをはみ出して建物を建てるような土地利用はできない(土地所有権を制約することになる)場合が生じるが、これはオープンスペースを確保して生活の安全や環境を守るためであり、受忍すべき規制とされてる。

建築不可

再建築や新たな建築が不可能であることをいう。

例えば、道路に接する距離が2m未満の土地、条例により規制される敷地の形態に適合しない土地はいずれもこれに該当し、その取引に関する広告には、その旨表示しなければならない。

また、市街化調整区域の土地も、開発許可の条件に該当しない限り建築不可である。

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法2条1号)。

これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備

 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

建築物環境計画書制度(東京都の~)

一定の建築物の新築等に当たって、環境への配慮に関する計画書を作成・提出する制度のことで、東京都が条例により実施している。

計画書には、エネルギーの使用合理化、資源の適正利用、自然環境の保全、ヒートアイランド現象の緩和という4つの配慮項目についての評価が記載され、その概要が公表される。
また、マンションについての環境性能表示義務、特別大規模特定建築物(延べ面積1万平方メートル超で住宅、倉庫、工場、駐車場等の用途を除く)についての省エネルギー性能基準遵守義務なども規定されている。
計画書の提出義務が課せられるのは延べ面積5,000平方メートル超の大規模特定建築物であり、2,000平方メートル以上の建築物については任意で提出する。

この制度の特徴は、環境に配慮した建築物が評価される市場の形成や、建築主による自主的な取り組みを促すなど、誘導型の政策手法を活用していることである。

建築物省エネ法

建築物の省エネルギー性能を向上するための措置を定めた法律。正式名は「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」で、2015年7月8日に公布され、施行日は2017年4月1日である(一部は2016年4月1日施行)。

 同法に規定されている主な措置は、次の通りである。

 1 建築主に対する規制措置
 (1)一定規模以上の非住宅建築物について、その新築時等に、省エネ基準(一次エネルギー消費量に関する基準)に適合していることを義務づける。
 (2)一定規模以上の建築物について、その新増改築などを為す場合に、エネルギー消費性能の確保のための構造および設備に関する計画を届け出ることを義務づける。また、その計画が省エネ基準に適合しない場合には、必要に応じて、省エネ性能の向上のための措置を指示・命令することができることとする。
 (3)住宅事業建築主が供給する建売戸建住宅に関する省エネ性能の向上のための基準(住宅トップランナー基準)を定め、一定数以上の住宅を新築する事業主に対して、必要に応じて、省エネ性能の向上を勧告することができることとする。
 2 省エネ性能向上計画の認定
 建物の新築および省エネ性能向上のための改修等に当たって、省エネ性能向上計画を作成し、誘導基準に適合するなどの認定を受ける制度を定める。また、認定を受けた場合には、容積率の特例を適用することとする。
 3 エネルギー消費性能の表示
 建築物の所有者が、その所有する建築物について省エネ基準に適合する旨の認定を受け、エネルギー消費性能を表示する制度を定める。
 4 建築物エネルギー消費性能判定機関等の登録
 建築物の省エネ基準等への適合を判定する業務を実施する機関または建築物のエネルギー消費性能を評価する業務を実施する機関が、それぞれ、国土交通大臣の登録を受ける制度を定める。登録を受けた機関は、それぞれ、「登録建築物エネルギー消費性能評価判定機関」または「登録建築物エネルギー消費性能評価機関」として、建築物省エネ法に基づく判定または評価の業務を実施できることとする。

建築物の耐震改修の促進に関する法律

建築物の耐震改修を進めるための措置を定めた法律。1995(平成7)年に公布、施行された。

 同法は、次のような措置を定めている。
1)耐震化目標、耐震診断・耐震改修の指針、耐震改修促進計画などの策定
2)耐震診断の義務付けと結果の公表、避難路沿道建築物の指定などの規制
3)耐震改修計画の認定、耐震性の認定表示などによる耐震化の促進

建築面積

いわゆる「建坪(たてつぼ)」のこと。

建築物の柱・壁の中心線で囲まれた部分の水平投影面積を指している。
ただし、1m以上突き出た庇(ひさし)や軒等がある場合には、その庇、軒等の先端から1m後退した線までの部分のみを建築面積に算入することとなっている。

建ぺい率

建築面積を敷地面積で割った値のこと。
 例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

 建築する建物の建ぺい率の限度は、原則的には用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

顕名

代理人が「本人のために代理行為を行なう」ことを示すことを顕名という。

例えば、契約を締結する場合に「Aの代理人であるB」として署名することが顕名に該当する。顕名とは「名をあらわす」という意味である。
代理の本質については顕名説と代理権説が対立しているが、通説である代理権説に立つときは、顕名は代理の本質的要素ではないので、仮に顕名がなくとも代理権は有効に成立すると解釈されている(詳しくは他人効へ)。顕名については、次のようないくつかの問題がある。

1.顕名の本質について
民法第100条が顕名を必要としている根拠は、取引の相手方に本人が誰であるかを明示することにより、取引の安全を確保しようとする趣旨である(代理権説の立場から)。

2.顕名がまったくない場合について
例えばAの代理人であるBが、相手方Cとの間で売買契約を締結するとき、うっかりして契約書に「B」とだけ署名した場合には、原則としてその契約はBが自分のために行なったものとみなされる(民法第100条本文)。
ただし、前後の事情から見て、BがAの代理人であることが明らかである場合には、たとえ契約書に「B」とだけ署名したとしても、BはAの代理人として有効に顕名をしたものとされる(民法第100条但書)。これは相手方Cの取引安全を害する可能性がないからである。

3.本人の名前を直接表示した場合について
例えばAの代理人であるBが、相手方Cとの間で売買契約を締結するとき、うっかりして契約書に「A」とだけ署名した場合については、有効な顕名がないことになる。
この場合には民法に明文がないので問題であるが、判例は、前後の事情から代理人であることが明らかであるならば有効な代理行為として成立するとしている。
相手方Cにとっては、仮に代理人Bが本人Aであると誤信していた(人違いをしていた)としても、取引相手がAであるならば契約を行なってよいとの判断のもとに契約したため、実質上の支障はない。よって、Cの取引安全の面からも支障がないこととなる。

権利落ち

配当などを受け取る権利がなくなること。「配当落ち」ともいう。

株主は会社に対して、配当請求権などの権利を行使することができるが、この株主の権利を行使するためには、会社側が設定する一定の期日において株主であることが必要とされている。この一定の期日は「権利確定日」と呼ばれている(通常、権利確定日は決算日と同じ日である)。

ただし、上場株式・上場されている不動産投資信託の場合には、配当や分配金を受け取るためには、権利確定日から3営業日を挟んで、それより前に購入しておくことが必要とされる。これは、証券取引所を通じて売買する都合上、代金の決済等に3営業日が必要とされるためである。

具体例で説明しよう。ある上場不動産投資信託において、投資法人がその決算日である「2004年6月30日(水曜日)」を権利確定日に指定したとする。この場合、次のような日程となる。

6月24日(木曜日)権利付き最終日
6月25日(金曜日)権利落ち日
6月26日(土曜日)休業日
6月27日(日曜日)休業日
6月28日(月曜日)
6月29日(火曜日)
6月30日(水曜日)権利確定日(=決算日)

このように、6月25日(金曜日)、6月28日(月曜日)、6月29日(火曜日)という3営業日が代金決済等のために必要な期間である。従って、分配金を受け取る権利を取得するには「04年6月24日(木曜日)午後3時」までに証券取引所で投資口の売買を成立させておく必要があるのである。

このとき、分配金の権利を取得できる最後の日(6月24日)は「権利付き最終日」、その反対に分配金の権利をもはや取得できない最初の日(6月25日)は「権利落ち日」と呼ばれている。

このようにわずか1日の違いで、分配金の有無が分かれるため、「権利付き最終日」と「権利落ち日」では、投資口の取引価格に差が生じることが多い。

例えば、上記の例で6月24日の投資口の取引価格が55万円、投資家が期待する分配金(=1会計期間である6ヵ月分の分配金)が投資口1口当たり1万円であったとしよう。この場合、翌日の6月25日には、投資口の取引価格が54万円になるという可能性が考えられる。

ただし、実際には投資口の取引価格は、その投資法人の将来の業績を反映するものであるので、決算日に業績の上方修正の公表が期待される場合には、権利落ち日になっても、取引価格があまり下がらない場合もありうる。

例えば上記の例で、その投資法人が次のように予想分配金を公表するものと仮定しよう。

1.04年2月下旬
前期(03年7~12月)の決算(確定値)の発表が行なわれた。それと同時に、今期(04年1~6月)の予想分配金を公表した。このとき予想分配金は「1万円」とされていた。

2.04年6月30日(証券市場終了時間より後)
今期(04年1~6月)の予想分配金を上方に修正して公表した。修正後の予想分配金は「1万7,000円」とされた(すなわち7,000円の上方修正)。

仮に、このように予想分配金が6月30日に大きく上方修正されるとすると、6月25日の権利落ち日においては、投資家の多くがこの上方修正を期待しているならば、投資口の取引価格はさほど下がらない可能性がある。

もちろん6月25日の時点では、6月30日の上方修正は、投資家は知らないのであるが、実際には投資口の取引価格は将来を織り込んで形成されるため、このような現象が起きる場合があり得る。

権利確定日

配当の受取りなどの株主の権利が確定する日のこと。通常は決算日である。

株主は会社に対して、配当請求権などの株主の権利を行使することができるが、この株主の権利を行使するためには、会社側が設定する一定の期日において株主であることが必要とされている。この一定の期日を「権利確定日」と呼んでいる。

不動産投資信託においても同じように「権利確定日」が設定されている。

例えば、ある上場不動産投資信託において、投資法人がその決算日である「2004年6月30日(水曜日)」を権利確定日に指定したとする。
この場合、この投資法人から分配金を受け取るためには、投資主は「04年6月30日」において投資主として名簿に登録されている必要がある(一般的には投資主は保管振替制度を利用するので、投資主の氏名が「実質投資主名簿」に登録される必要がある)。

ただし、ここで注意しておきたいのは、権利確定日において実質投資主名簿に氏名が記載されるためには、投資口の購入は、3営業日を挟んで、それより前に購入を終えておかなければならないということである。つまり上記の例でいえば、「04年6月24日(木曜日)の午後3時」までに証券取引所で投資口の購入が成立する必要がある。

これは、上場株式や上場不動産投資信託の場合には、証券取引所を通じて売買するため、代金決済などの関係から3日間の空白が生じるからである。上記の例でいえば、6月25日(金曜日)、6月28日(月曜日)、6月29日(火曜日)という3営業日が空白期間ということになる。
 (詳しくは「権利落ち」へ)

権利金

土地や建物の賃借権を設定したり譲渡したりするときに、賃借人が地主・家主に支払う金銭をいう。

賃料とは別に授受され、敷金と異なって契約が終了しても返還されることはない。その授受は、都市部で広く見られる社会的な慣行である。

その法的な性格は、

1.所有権類似の法的保護を受ける借地権の対価、2.賃料の一部の一括前払い、3.賃借権の譲渡・転貸に対する事前の承認料

などといわれ、契約の内容で判断しなければならないが、事実として行なわれている。

なお、借地権の取引においては、通常、権利金に相当する額が対価となっていて、その額は地価の7割程度の水準である。また、貸主が受け取る権利金は、課税上、不動産譲渡益と同様に取り扱われている。

権利質

財産権に設定された質権。

質権は原則として動産・不動産に設定されるが、債権・株式などの財産権にも設定することができ、これが「権利質」である。権利質についての民法の適用は、動産・不動産に設定された質権の規定が準用される。

権利証

不動産登記における「登記済証」をいう。「登記済証」を参照。

権利床

市街地再開発事業において、事業前に存在する権利の所有者に対して、その権利に相応して与えられる事業によって建築された建物(施設建築物)の敷地・床をいう。

この場合に、従前の権利の所有者に対して、施設建築物についてどのような権利を与えるかなどを定めるのが「権利変換計画」であり、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払って定めなければならないとされている。

なお、権利床が与えられるのは、事業の施行地区内に、宅地、借地権、権原にもとづき建築物を有する者である。

権利登記

土地・建物に関する権利の状況・権利の変動を表示した登記のこと。
権利登記は、一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録のうち、権利部に記載される。

権利部

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録のうち、所有権・地上権・賃借権・抵当権などの権利に関する状況を記載した部分のこと。
権利部は、さらに甲区と乙区に分かれる。

権利部という用語は、従来は使用されていなかったが、不動産登記法の全面改正(2004(平成16)年6月18日公布・2005(平成17)年3月7日施行)で新たに導入された。

ゲストハウス

中長期にわたって滞在者が利用する居住施設をいう。個室及び居間、浴室、キッチンなど共用の空間・施設を備えた賃貸住宅(シェア住居型ゲストハウス)を指す場合と、ホテルよりも安価なB&Bなどの簡易宿泊施設を指す場合がある。

シェア住居型ゲストハウスは、都市居住のスタイルを選択するときのニーズに応える住宅として利用される場合もあって、賃貸住宅経営の手法として運営される例も見られる。また、シェアハウスとして利用されることもある。

下駄ばきマンション

1階や2階を商店や事務所、駐車場にし、それ以上を住宅にしたマンションの俗称。下駄ばき住宅ともいう。

おおむね昭和40年代以降登場したもので、住宅部分と比較して面積が異なったり壁量が少なかったりするため(駐車場の場合はとくに顕著)、耐震性には十分な配慮が必要になる。

ゲニウス・ロキ

場所に現れている際立った雰囲気・土地特性であって、歴史・文化の蓄積によって生み出される類型化できない固有の価値、あるいはそれを体現している特別な場所をいう。ランドマークと重なることも多い。

ゲニウス・ロキ(Genius Loci)はラテン語で、「場所の精霊」という意味であるが、建築設計や環境設計に際しての空間認識概念として用いられている。

不動産開発に当たって、ゲニウス・ロキを保全し、活かすことには、事業の質を高める上で大事な着眼点であると考えられている。また、地域の歴史文化を継承し、あるいは建築物等を修復・復元するに当たっては、ゲニウス・ロキを尊重することが重要である。

原位置での浄化による土壌汚染の除去

汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合、または土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。

汚染土壌がその場所にある状態で、抽出・分解その他の方法により、当該土壌中から特定有害物質を除去することである(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

原位置封じ込め

汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。

 汚染土壌が存在する区域の側面に、不透水層のうち最も浅い位置にあるものの深さまで地下水の浸出の防止のための構造物を設置し、汚染された地下水の流出を防止することである。

 具体的には、鋼矢板などの遮水壁を土中に垂直に打ち込み、汚染土壌のある区域を遮水壁で囲いこむ。この囲んだ範囲の上部を、厚さ10cm以上のコンクリート、または厚さ3cm以上のアスファルトにより水平に覆い、当該範囲の上面から雨水が浸透しないようにする。
なお、遮水壁の内部において地下水の上昇がないことを事後的に確認し、上部のコンクリート等の雨水の遮断が十分かどうかを検証する必要がある。

さらに、上部の利用用途によりコンクリート等の上面をさらに覆土する必要がある(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

原位置不溶化

汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。
汚染土壌を、当該土地から掘削することなく、特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更することである。

原位置不溶化は、汚染土壌がその場所にある状態で不溶化により法定基準以下の土壌とするものであるが、法定基準に適合する状態となっただけであって特定有害物質が除去されているわけではない。従って「汚染土壌の掘削による土壌汚染の除去」には該当しない。

また、シートによる覆い、覆土、舗装等、地表面からの飛散等の防止のため何らかの措置が必要となる(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

減価償却

企業会計において、長期間にわたって使用される資産(有形固定資産のほか、特許権などの無形固定資産を含む)を費用化する手法をいう。

 例えば、生産設備などは複数の会計年度にわたって使い続けられるため、その取得費を複数年度に分けて費用として計上する必要があるが、そのための手法が減価償却である。
毎年度の減価償却費は、取得費用と耐用年数をもとに、一定の方法(定額法、定率法、級数法、生産高比例法のいずれか)で計算され、それを計上することによって資産が減価し、費用が発生することとなる。

なお、使用によって減価しない資産は減価償却の対象とならない。その代表的な例が、土地や地上権、借地権などである。
一方で、土地等は減価償却の対象とならない代わりに、地価の変動等に応じて再評価する必要がある。

原価法

不動産鑑定評価において、不動産の再調達原価をベースとして、対象不動産の価格を求める手法のこと。

原価法では、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行なって対象不動産の試算価格を求める。この原価法による試算価格は「積算価格」と呼ばれる。

原価法は、対象不動産が「建物」または「建物およびその敷地」である場合に、再調達原価の把握と減価修正を適切に行なうことができるときに有効である。

また、対象不動産が「土地のみ」である場合においても、最近造成された造成地などのように再調達原価を適切に求めることができるときは、この原価法を適用することができる。
この場合において、対象不動産が現に存在するものでないときは、価格時点における再調達原価を適切に求めることができる場合に限り適用することができるものとする。

玄関テラス

外廊下から玄関扉までの間に造られた、植栽などが設置されている空間のこと。

現況有姿

現在あるがままの状態を意味する。

山林や原野などを造成工事をしないで販売することを「現況有姿分譲」といい、市街化調整区域の別荘地などの分譲でよく行なわれる。通常は、電気、ガス、水道などの施設が整備されていないために、そのままでは生活できない。分譲広告の際には、現況有姿分譲地であってそのままでは生活する施設がない旨表示しなければならない。

また、売主の瑕疵担保責任を免れるために、売買契約中に「現況有姿で引渡す」旨記載して取引することがあるが(これを「現況有姿売買」という)、引渡しまでの間に目的物に変化があったときなどまで責任を免れることができるかどうかについては、消極的(直地には免れない)に解する意見が強い。

現況有姿売買

現在あるがままの状態(現況有姿)で土地を売買することをいう。

山林や原野などを造成工事しないで販売することを「現況有姿分譲」といい、市街化調整区域の別荘地などの分譲でよく行なわれる。通常は、電気、ガス、水道などの施設が整備されていないために、そのままでは生活できない。分譲広告の際には、現況有姿分譲地であって、そのままでは生活する施設がない旨を表示しなければならない。

また、売主は瑕疵担保責任を免れるために、売買契約中に「現況有姿で引き渡す」旨を記載して取引することがあるが(現況有姿売買契約)、引渡しまでの間に目的物に変化があったときなどにおいてまで責任を免れることができるかどうかについては、消極的に解する(ただちには責任を免れられないとする)意見が強い。

現況有姿分譲

現在あるがままの状態で分譲する、の意味。

山林や原野などを造成工事をしないで販売することを「現況有姿分譲」といい、市街化調整区域の別荘地などの分譲でよく行なわれる。通常は、電気、ガス、水道などの施設が整備されていないために、そのままでは生活できない。分譲広告の際には、現況有姿分譲地であってそのままでは生活する施設がない旨表示しなければならない。

また、売主の瑕疵担保責任を免れるために、売買契約中に「現況有姿で引き渡す」旨記載して取引することがあるが(これを「現況有姿売買」という)、引渡しまでの間に目的物に変化があったときなどまで責任を免れることができるかどうかについては、消極的(ただちには免れない)に解する意見が強い。

原状回復

ある事実がなかったとしたら本来存在したであろう状態に戻すことをいう。

例えば、契約が解除された場合には、一般に契約締結以前の状態に戻さなければならないとされる(原状回復義務を負う)。また、損害賠償の方法として、金銭で補償するのではなく損害が発生する以前の状態に戻す方法(原状回復による賠償)が認められる場合がある。

借家契約では、退去時の原状回復義務を特約していることが多いが、「本来存在したであろう状態」にまで戻せばよく、借りた当時の状態にする必要はないとされている。つまり、契約に定められた使用方法に従って通常の使用をしていれば、経年劣化があってもそのまま返還すればよい。

国土交通省が公表した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(1998年3月、2004年2月改定)によると、賃借人が負担すべき原状回復費用は、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損」の範囲に限るとしている。また、東京都の「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例(賃貸住宅紛争防止条例、いわゆる東京ルール)」(2004年10月施行)では、重要事項説明の際に、借主に対して退去時の通常損耗等の復旧は貸主が行なうことが基本であること、入居期間中の必要な修繕は貸主が行なうことが基本であること、契約で借主の負担としている具体的な事項などを書面で説明しなければならないとしている。

原状回復義務

賃貸借契約の終了時に、賃借物(たとえば賃貸住宅)を借りてから生じた損傷を回復する義務。原状回復義務は賃借人が負う。

賃借人は、通常の使用収益によって生じた損耗及び賃借物の経年変化については、回復する義務はない。損傷が賃借人の責めに帰すことができない事由によるときにもそれを回復する義務を免れる。

なお、賃貸人は、賃貸物の使用収益に必要な修繕(たとえば賃貸住宅の維持補修)をする義務を負っている。また、賃貸借契約の終了時に、受け取った敷金(賃貸借に基づいて生じた賃借人の債務額を控除した残額)を返還する義務がある。

現状有姿

現況有姿のこと。
現在あるがままの状態を意味。

山林や原野などを造成工事をしないで販売することを「現況有姿分譲」といい、市街化調整区域の別荘地などの分譲でよく行なわれる。通常は、電気、ガス、水道などの施設が整備されていないために、そのままでは生活できない。分譲広告の際には、現況有姿分譲地であってそのままでは生活する施設がない旨表示しなければならない。

また、売主の瑕疵担保責任を免れるために、売買契約中に「現況有姿で引渡す」旨記載して取引することがあるが(これを「現況有姿売買」という)、引渡しまでの間に目的物に変化があったときなどまで責任を免れることができるかどうかについては、消極的(直地には免れない)に解する意見が強い。

原生自然環境保全区域

原生状態を維持している一定以上の面積を有する国や自治体の所有地について、環境大臣が指定する区域(自然環境保全法第14条)。

建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、汚水や廃水の排出、車・馬・動力船の使用と航空機の着陸、植物・動物の採取・損傷、火入れ・焚き火、屋外での物の集積貯蔵、家畜の放牧などがすべて禁止される。

減損会計

資産を収益性にもとづいて評価し、その結果認識された損失を当該資産の帳簿価額に反映させる手続きをいう。回収の見込みがない投資額は、損失として処理すべきであるという考え方(時価主義)にもとづく会計上の仕組みである。

資産評価によって把握した損失を処理する会計手法には、資産の帳簿価額自体を減額する方法と、損益計算において当該損失を計上する手法とがある。前者が減損会計であり、後者が時価会計である。減損会計においては評価価額の増加は計上できないが、時価会計では評価益を計上することができるなどの違いがある。資産の性格や会計の目的に応じて適切な手法を選択すべきとされている。

減損会計の対象となる資産は固定資産、および投資資産であるが、金融商品など時価会計を適用すべきとされている資産は除外される。減損会計の手続きは、

1.対象資産の確定、2.グルーピング(一体的に収益を生む複数の資産を単位化する)、3.減損の兆候の認識、4.減損損失の認識(資産から得られるであろう割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較する)、5.減損損失の測定(帳簿価額を回収可能価額まで減額する、回収可能価額は、資産の使用価値、または正味売却価額のいずれか高い金額)

という順に進められる。

減損会計は、国際会計基準の一部として欧米で早くから取り入れられていたが、日本でも、2005(平成17)年4月1日以後に開始する事業年度からは全面的に適用されることとなった。

現存利益

正当な理由がないのに財産的利得を受け、これによって他人に財産上の損失を与えた場合には、利得を受けた者はその利得を返還する義務を負う(これを不当利得返還義務という)。

この場合において、利得を受けた者が善意のとき(すなわち正当な理由がないことを知らなかったとき)は、利得を受けた者は、利得が現に存在する範囲内で返還すればよいとされている。これを現存利益の返還義務と呼んでいる(民法第703条)。

具体的には、財産を遊興費で浪費してしまった場合にはその浪費分を差し引いた残額が現存利益である。ただし財産を生活費に消費した場合や、財産で借金を返済した場合には、それにより自分の財産の減少を免れているので、生活費や借金返済を差し引かない金額が現存利益となる。

限定承認

相続人が遺産を相続するときに、相続財産を責任の限度として相続を承認することをいう。

相続財産を限度に被相続人の債務を弁済した後、その財産に余りがあればそれを相続できる。限定承認のためには、相続人の全員が共同して、相続人であることを知った日より3ヵ月以内に家庭裁判所に申し述べなければならない。

なお、限定承認または相続放棄のどちらも選択しなかった相続人は、被相続人の債権債務を無限定に承継する相続を承認した(単純承認)とみなされる。

減歩

土地区画整理事業における換地において、従前地の面積と換地後の面積が異なること、あるいはその宅地面積の差をいう。

 土地区画整理事業では、一般に、道路の拡充、公園の整備などのために新たな用地が必要であり、その用地は土地区画整理事業区域内の宅地所有者が平等に提供することが原則とされている。このように用地を提供することが減歩であり、提供する宅地の割合を「減歩率」という。換地後の宅地面積は減少するが、土地区画整理事業によって宅地の価値が増大するため、宅地所有者に損失は生じないと考えられている。

 減歩には、道路、公園等公共用地のための減歩(公共減歩)と、事業費に充てるために売却する用地(保留地)のための減歩(保留地減歩)とがあり、両者を合計したものが合算減歩である。

原野

耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地。人手が加わっていないこと、林地でないことが要件となる。

不動産登記における地目の一つであり、相続税および贈与税の課税での土地価額評価における地目ともなっている。

現状は雑草、かん木類のみが生育していても、耕作の履歴や痕跡があれば、原野と認めないのが一般的な取り扱いである。従って、耕作放棄地は一般に原野ではない。

原野商法

無価値に等しい土地を、将来値上がりするなどと説明して売付ける手口をいう。地価の高騰期に投機的な動機に乗じて行なわれた。値上がり後の転売利益を目的に買ったときなどは、詐欺とはならない場合もある。

なお、最近、過去に原野商法で取得した土地の転売を勧誘し、そのための費用を支払わせるなどの手口による被害が発生している。

公開空地

1971(昭和46)年に創設された総合設計制度に基づいて、ビルやマンションの敷地に設けられた一般公衆が自由に出入りできる空間のことを「公開空地」と呼ぶ。

総合設計制度は、正式には「敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例」という名称である(建築基準法第59条の2)。これは、建築物の敷地内に一定以上の公開空地を有する等の条件を満たす建築物について、容積率や各種の高さ制限を特定行政庁が緩和するという制度である。
言い換えれば、容積率等をボーナスとして与えることにより、開発者に公開空地を作るように促すという制度であるということができる。

この総合設計制度により作られた公開空地は、一般公衆が自由に通行できる空間でなければならず、通路や植栽を整備した快適な空間とすることが多い。

高架水槽

狭義には建築物に給水するために鉄骨造や鉄筋コンクリート造による高い塔をつくり、その上に置く給水タンクのことをいうが、建築物の屋上に設置する高置水槽も含めて広義に高架水槽と称する。

交換差金

金銭以外の財産を交換する場合に、譲渡する財産の価額と取得する財産の価額が同額でないときにその差額を補うために授受される金銭をいう。

また、交換差金を伴う交換を「補足金付交換」という。

民法上、交換契約については売買契約の規定が準用されるが、交換差金については売買代金に関する規定が準用される。
なお、所得税・法人税の課税において、土地や建物を同じ種類の資産と交換したときは譲渡がなかったものとする特例(土地建物の交換特例)があるが、交換差金等の額が譲渡資産の価額と取得資産の価額とのいずれか高いほうの価額の20%相当額を超える場合には、この特例は受けられない。

工業専用地域

都市計画法(9条)で「工業の利便を増進するため定める地域」と定義されている。この用途地域では、建ぺい率の限度は都市計画により30%から60%の範囲内(10%きざみ)である。
また容積率の限度は100%から400%の範囲内(5種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.公衆浴場
2.店舗(面積の制限なし、ただし飲食店等を除く)
3.事務所(面積の制限なし)
4.工場(面積の制限なし)
5.カラオケボックス
6.自動車教習所(面積の制限なし)
7.倉庫業の倉庫

 (建築できないもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院
3.老人ホーム
4.飲食店等
5.ホテル・旅館
6.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場、パチンコ屋・麻雀屋、映画館・劇場、料理店、キャバレー、個室付浴場

工業団地造成事業 (市街地開発事業としての~)

工業団地造成事業は、一般的には工場が立地するのにふさわしい土地を造成する事業をいう。

しかし、都市計画で定められる市街地開発事業の一つとされるのは、そのうちの特定の事業である。

市街地開発事業とされる工業団地造成事業は、首都圏の近郊整備地帯内または都市開発区域内、近畿圏の近郊整備区域内または都市開発区域内において、工場敷地の造成、道路、排水施設等の整備などによって、首都圏や近畿圏の秩序ある工業立地を図る役割を担う。

事業は、事業区域の土地を全面的に買収し(最終的には収用できる)、造成した工場敷地を工場経営者に売却する方法で行なわれる。
 敷地の譲り渡しに当たっては、譲受人の公募、工場建設計画の承認、権利処分の制限などが必要である。

事業の仕組みは、「首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律」または「近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律」に規定されている。

工業地域

都市計画法(9条)で「主として工業の利便を増進するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として50%または60%である。
また容積率の限度は100%から400%(5種類)の範囲内で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.公衆浴場、老人ホーム
3.店舗(面積の制限なし)
4.事務所(面積の制限なし)
5.工場(面積の制限なし)
6.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等(面積の制限なし)
7.自動車教習所(面積の制限なし)
8.倉庫業の倉庫

 (建築できないもの)
1.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院
2.ホテル・旅館
3.映画館・劇場、料理店、キャバレー、個室付浴場

広告規約

不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)のこと。
不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」という。

不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。

この表示規約が最初に作られたのは1963(昭和38)年のことであり、その後10回以上も改正されて、不動産の広告に関する最も詳細な規制として、不動産会社に広く遵守されている。

この表示規約の改正作業や、表示規約に違反した不動産会社への警告などを行なっているのは、全国各地に設立されている「不動産公正取引協議会」である。

工作物

土地に定着する人工物のすべてを指す。従って、建物だけでなく、広告塔なども「工作物」である。

工作物のうち、建築物は当然建築基準法の対象になる。

 広告塔などは、本来建築基準法の対象外のはずだが、一定以上の規模のものは、建築確認の申請が必要であり、建築物と同じように扱われる。

具体的には次の工作物である(建築基準法88条・施行令138条)。

1.高さが2mを超える擁壁(ようへき)
2.高さが4mを超える広告塔
3.高さが6mを超える煙突
4.高さが8mを超える高架水槽
5.高さが15mを超える鉄柱 など

公証人

公正証書の作成、会社設立時の定款の認証、確定日付の付与などの公証事務を行なうために、法務大臣が任命する公務員のこと。全国で約500名が任命されている。

 公証人は、裁判官などを長く務めた実務経験者の中から法務大臣が任命しており、全国の法務局・地方法務局に所属し、公証役場で執務を行なっている。

公証役場

公証人が執務する事務所のこと。全国に約300ヵ所の公証役場が設けられている。

公証役場では、公証人が公正証書の作成、会社設立時の定款の認証、確定日付の付与などの公証事務を行なっている。

更新事務手数料

借家契約の期間更新の際に、借家人に対して請求される費用の一つで、契約更新のための事務費用であるとされている。しかしながら、契約更新事務を依頼しない場合にはその費用を支払う必要はない。

また、契約更新に当たって家賃改定などのための事務を不動産業者等に依頼した場合も、その費用は改定を必要とする方(通常は家主)が負担するのがより合理的であるという意見がある。

更新料 (借地契約における~)

普通借地権や旧法上の借地権に関する借地契約においては、存続期間が満了したとしても、地主の側に契約更新を拒絶するだけの正当事由がない限りは、地主は契約の更新を拒絶することができない(借地借家法第6条)。そのため地主は、契約の更新について異議を唱えない代わりに、借地人に対して更新料を請求するケースが多い。更新料の金額は土地の価額の5%前後であることが多いようである。

更新料 (建物賃貸借における~)

建物の賃貸借契約を更新する際に、借主から貸主に対して支払われる金銭をいう。

支払いを求めるためには、支払いについての合意が必要である。

なお、更新料をめぐっては、その支払い合意は無効であるとの訴訟が提起されているが、最高裁判決(平成23年7月15日、第二小法廷)は、

1.更新料は、一般に、賃料の補充ないし前払い、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当

2.更新料の支払いには、およそ経済的合理性がないなどということはできず、また、一定の地域において、期間満了の際に賃借人が賃貸人に対し更新料の支払いをする例が少なからず存することは公知であること、裁判上の和解手続き等においても、更新料条項は公序良俗に反するなどとしてこれを当然に無効とする取扱いがされてこなかったことに照らすと、賃借人と賃貸人との間に更新料条項に関する情報の質および量ならびに交渉力について、看過し得ないほどの格差が存するとみることはできない

3.賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解するのが相当

として、一定の条件のもとでその適法性を認めた。

公示価格

地価公示法にもとづいて土地鑑定委員会が公表する土地の価格をいう。


適正な地価の形成に資するため、全国の都市計画区域内等に設定された標準地(平成19年地価公示では3万地点)について、毎年1月1日時点のその正常価格を複数の不動産鑑定士が鑑定し、土地鑑定委員会で審査して決定した価格であり、同年3月下旬に公表されている。更地の単位面積当たりの価格として示される。

公共事業のための用地買収価格は、この価格を規準に決めなければならないとされているほか、民間の土地取引においてもこれを指標とするよう努めるべきとされている。

なお、各都道府県も、毎年7月1日時点でほぼ同様の調査を実施し、「都道府県基準地標準価格」として公表している。

 

◆関連サイト:国土交通省「地価公示/都道府県地価調査」

工事完了検査 (完了検査)

建築主は、工事を完了した日から4日以内に、建築主事に「工事完了検査」を申し出る必要がある。この申し出を受けた建築主事は申し出から7日以内に建築物を検査する必要がある。

この検査の結果、建築物が建築基準法に適合している場合は、建築主事は「検査済証」を建築主に交付しなければならない。

公示地価

地価公示により公示された「標準地」の価格のこと。

もっとも代表的な土地評価である地価公示は、地価公示法にもとづき、国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月下旬に公表する土地評価である。

 地価公示では、全国で選定された3万数千地点の「標準地」について、毎年1月1日時点を基準日として各標準地につき2名以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その正常な価格を土地鑑定委員会が判定し、毎年3月下旬に公示する。この公示された価格を「公示地価」という。

 地価公示によって評価された公示地価は、一般の土地取引価格の指標となるだけでなく、公共用地の取得価格の算定基準ともなっている。

 

◆関連サイト:「国土交通省地価公示/都道府県地価調査」

公図

登記所(法務局出張所などのこと)に備え付けられている地図であって、土地が一筆ごとに書かれており、土地の形状や隣接地との位置関係が一目で分かるように作られたもの。登記所で閲覧し、写しを取ることができる。

公図が着色されている場合には、各色が次のような意味である。

赤:道路、 青:水路、 黄色:田、 薄茶色:畑、 黄緑色:原野

公図の信頼性

公図は本来、明治初期に行なわれた租税徴収のための簡易な土地測量図が原型になっているといわれている。その後1892(明治25)年に「土地台帳付属地図」という名称が付けられ、それ以降、登記所が保管してきた。従って現在でも、公図の正式名称は「土地台帳付属地図」である。
このような歴史から分かるように、名前は「おおやけの地図」であっても、実際には明治時代の未熟な測量技術で作成された「土地台帳付属地図」をそのまま使用しているので、土地の形状や土地同士の位置関係が誤っていることが少なくない。

そこで、政府は正しい土地の地図を作成するために、1951(昭和26)年以降、国土調査法に基づいて全国各地で「地籍調査」を実施している。この地籍調査は土地の形状や土地同士の位置関係を最新の技術で測量する調査であり、こうして作られた正確な地図は登記所に送付され、これも「公図」として一般に閲覧されている。

従って、一口に「公図」といっても、明治時代に作られた不正確なものと、1951(昭和26)年以降に作られた極めて正確なものという2種類が存在していることになる。
しかも、地籍調査は都道府県や市町村が主導して行なっているが、市街地では調査が非常に困難であるため、市街地での地積調査は現在でもほとんど進行していない。このため、市街地を管轄する登記所には、明治時代に作られた不正確な公図が備え付けられていることが非常に多いのである。

このため、土地の売買にあたっては公図のみを信頼するべきではないといわれている。
ちなみに1959(昭和34)年以降は、土地の表示登記や分筆登記を申請する際に、「地積測量図」の添付が義務化されたので、もし対象となる土地に「地積測量図」がすでに存在しているのならば、この「地積測量図」を登記所で閲覧することが望ましい。

公正証書

個人や法人からの嘱託により、公証人が公証役場で作成する契約書・合意書などのことをいう。

 公正証書の内容としては、不動産売買契約、不動産賃貸借契約、金銭消費貸借契約、遺言などが一般的であるが、公序良俗に反しない限り、どのような契約や合意であっても公正証書にすることが可能である。

 公正証書を作成するには、当事者全員(または委任状を持参した代理人)が公証役場に出頭し、公証人に案文を提出し、公証人が公正証書を作成し、当事者全員に読み聞かせ、当事者全員が署名捺印するという手続きを踏む。
このため、文書の内容に関して後日裁判になった場合でも、文書の内容が真実であることが非常に強く推定されるので、公正証書に記載された内容がそのまま裁判で証拠になるというメリットがある(これを「証拠力」という)。

また、金銭消費貸借契約に関しては、債務者が一定の事情が発生したときには直ちに強制執行に服するという旨の陳述(これを「執行認諾約款」という)が記載されている場合には、この公正証書は裁判所の確定判決と同等の効力を持つこととされている。

このため、「約束の支払い期日までに債務者が債務を返済しない場合には債務者および連帯保証人は直ちに強制執行を受けても何ら異議はない」という旨の執行認諾約款のある公正証書が存在すれば、裁判を経ないで、直ちに債務者と連帯保証人の財産に対して強制執行を開始することができるというメリットがある。

このような強い効力を持つ公正証書であるが、その作成手数料は低額であり、利用しやすい制度となっている。

公正証書の作成手数料

公証人が、公正証書等を作成した場合に支払わなければならない手数料。「公証人手数料令」によって定められている。

 手数料は消費税は非課税で、原則として、公正証書等を受け取るときに現金で支払う。また、金銭消費貸借契約、土地の賃貸借契約、土地の売買契約等には、公正証書に印紙税法による印紙の貼付が必要となる。

 法律行為に係る証書作成の手数料は、原則として、その目的価額に応じて次のように定められている。

 目的の価額    手数料
100万円以下      5,000円
100万円を超え200万円以下       7,000円
200万円を超え500万円以下     11,000円
500万円を超え1.000万円以下       17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下    23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下    29,000円
5,000万円を超え1億円以下    43,000円
1億円を超え3億円以下    43,000円に5,000万円までごとに13,000円を加算
3億円を超え10億円以下    95,000円に5,000万円までごとに11,000円を加算
10億円を超える場合    249,000円に5,000万円までごとに8,000円を加算

なお、目的価額を算定することができないときは、一般に500万円とみなすとされている。

売買契約のように双方が義務を負う場合は、双方が負担する価額の合計額(売買の場合は売買価格の2倍)が目的価額となる。また、数個の法律行為が1通の証書に記載されている場合にはそれぞれの法律行為ごとに別々に手数料を計算しその合計額を目的価額とし、法律行為に主従の関係があるときには従たる法律行為は目的価額の計算対象には含まれない。

厚生地区

特別用途地区の一つ。
 医療機関や社会福祉施設の周囲において、好ましくない業種(例えばパチンコ店や風俗店など)の進出を規制するという地区である。

市町村が指定する地区であり、建築規制の内容は市町村ごとの条例で定められる(建築基準法第49条)。
 従って、厚生地区の詳細を知りたい場合には、市区町村役所の建築確認担当部署に問い合わせる必要がある。

更正登記

不動産登記において、登記された時点ですでに誤りがある場合に、当事者が申請して、または登記官が職権で、登記を訂正することができる。これを「更正登記」という。

 不動産登記法第67条(2005(平成17)年3月7日施行)では、登記に錯誤または遺漏があることを登記官が発見した場合には、登記官はすぐに登記名義人にその旨を通知しなければならない。このような仕組みにより、当事者が更正登記を申請するよう促す制度となっている。

また、同じく、不動産登記法第67条(2005(平成17)年3月7日施行)では、錯誤または遺漏が「登記官の過誤」によるものであるときは、当事者の申請がなくとも、登記官が職権で更正しなければならないとしている。
ただしこの職権更正では、登記上の利害関係のある第三者(例えば所有権移転登記の更正における抵当権者)がいる場合には、登記官はその第三者の承諾を得なければならない。

構成部分

ある物の部分を構成する物を構成部分という。


例えば、土砂は土地の構成部分であり、屋根は建物の構成部分である。
また定着物は土地の構成部分であるとされている。

高層住居誘導地区

都市計画法第8条に列挙されている地域・地区の一つ。
容積率の限度が400%と定められている用途地域の中において、建築物の用途を「住宅」としたときには容積率の限度を最高で600%にまで拡大するという地区。

 容積率のボーナスを与えることによって、人口が減少しつつある都心において高層住宅の建設を促進し、都心に人を呼び戻そうとする制度である。

この高層住居誘導地区において、容積率のボーナスを受けるには、建築物の延べ床面積の3分の2以上を住宅とし、また敷地面積の下限が設けられているときは、その下限より大きな敷地を確保する必要がある(都市計画法第9条第15項)。

公租公課

国または地方公共団体により賦課される公の負担の総称。その賦課について当事者の同意は不要で、強制力を伴う。

公租は国税・地方税を、公課は租税以外の負担(負担金・分担金・使用料など)を指すとされる。

構造計算

構造物に関して、自重、地震、強風などの加重によって発生する応力や変形を計算することをいう。その結果に基づいて構造物の安全性等を判断する。

建築確認申請に当たっては、構造や規模に応じて定められている一定の建物について、構造計算書を添付して、構造計算適合性の判定を受けなければならない。この場合の計算方法や、想定する加重、必要とする耐力などは、建物の構造、規模、用途等によって異なる。

なお、構造計算の適合性の確保を含めて建築物の構造をデザインする業務を構造設計と言い、建築士が責任を負うべき重要な業務のひとつとされている。耐震設計もこれに含まれる。

構造計算適合判定

建築物の構造計算が適正であることを判定することで、一定規模以上の建築物についてその実施が義務づけられている。判定は、都道府県知事または指定構造計算適合性判定機関が行なう。

 構造計算適合判定が義務づけられているのは、
・高さが20mを超える鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物
・地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物
・高さが13m又は軒の高さが9mを超える木造の建築物
・これらと同様なものとして国土交通省が定める建築物
である。

なお、
・許容応力度等計算、保有水平耐力計算又は限界耐力計算を行なったもの
 ・構造計算または許容応力度計算で、大臣認定プログラムによるもの
 についても構造計算適合性判定が必要である。

構造耐力

建築物には、自重(建築物そのものの重さ)、積載荷重(人間・家具・設備の重さ)、積雪という垂直方向の力がかかり、また地震力・風圧力という水平方向の力がかかる。
これらの垂直方向・水平方向の力に対して、建築物が垂直方向の力を支え、水平方向の力による変形に対抗することができるということを「構造耐力」と呼んでいる。

また、特に水平方向の力による変形に対抗することができるということを「水平耐力」と呼んでいる。
この水平耐力を備えるように筋かいを入れ、または構造用合板などを張った壁は「耐力壁」と呼ばれている。

建築基準法では、すべての建築物が十分な構造耐力を備えるように、詳しい技術的な基準を設けている(建築基準法第20条第1号、建築基準法施行令第36条から第80条の3まで)。
また、木造3階建てなどの建築物については十分な構造耐力を持つことをチェックするために、設計段階で構造計算を行なうことを義務付けている(建築基準法第20条第2号、建築基準法施行令第81条から第99条まで)。

構造用合板

壁などの強度をつくり出すことができる合板のこと。

在来工法や枠組壁工法の木造建築物において、耐力壁、床板、屋根の野地板などとして使用される。

広大地

その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法の開発行為に当たって公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいう。

相続税等の課税における財産評価の際に、一定の算式によって減額評価される。ただし、大規模工場用地に該当するものおよび中高層マンション等の敷地用地に適しているものは除かれる。

この場合、「著しく地積が広大」であるかどうかは、原則として、自治体の定める開発許可を要する面積基準(例えば三大都市圏の市街化区域では500平方メートル、それ以外の地域の市街化区域では1,000平方メートル)以上であるかどうかで判断されるが、その地域の標準的な宅地の地積と同規模である場合には広大地に該当しないとされている。

耕地の造成 (土地収用法における~)

土地所有者または土地に関する関係人(土地に関する担保権者を除外)は金銭の代わりに、土地そのもの(または土地に関する所有権以外の権利)を損失補償として要求することができる。これを「替地による補償」という(土地収用法第82条)。

替地による補償を要求する際、収用される土地が「耕作目的」であるときは、替地となるべき土地について、耕地の造成を行なうように要求できる。これを「耕地の造成」という(土地収用法第83条)。この耕地の造成は、権利取得裁決で裁決される。

公道

公共の用に供されている道路をいう。

これに対して、私的に所有・利用される道路を「私道」という。

道路法の道路(高速自動車国道、国道、都道府県道、市町村道)のほか、農道、林道なども公道に含まれる。公道の交通に対しては、道路交通法が適用される。

なお、建築基準法においては、私道等が「道路」とされる場合があり(位置指定道路、2項道路)、このような道路も公道と呼ぶことがあるので注意が必要である。

高度浄水処理

水道事業において、臭気物質、トリハロメタン前駆物質、色度、アンモニア性窒素、陰イオン界面活性剤等、通常の浄水処理方法では十分に対応できない物質を処理することをいう。

通常の浄水処理は、凝集、沈でん、ろ過、消毒の過程を経るが、高度浄水処理の場合は、これに、オゾン処理、活性炭処理、生物処理の過程を単独または組み合わせて加える。また、膜ろ過技術によっても同様の処理が可能となる。高度浄水処理を経ることによって、かび臭やカルキ臭などの異臭味を除去し、トリハロメタンの発生を抑えることができ、「おいしい水道水」の供給が実現できるとされる。現在、多数の水道事業において導入されている。

ただし、良質の水道水を供給するための基本は、公共用水域の水質保全であることに変わりはない。

高度地区

高度地区は、用途地域の中で定められる地区である。
高度地区では、市街地の環境維持のために建築物の高さに最高限度が設定される。
またごく少数ではあるが、土地の利用を促進するために、建築物の高さの最低限度を定める高度地区も存在する(都市計画法第8条、第9条)。

高度地区の具体的内容は市町村が決定することとされているので、詳細を知りたい場合には市区町村役所の建築確認担当部署に問い合わせる必要がある。

高度地区

高度地区は、用途地域の中で定められる地区である。
高度地区では、市街地の環境維持のために建築物の高さに最高限度が設定される。
またごく少数ではあるが、土地の利用を促進するために、建築物の高さの最低限度を定める高度地区も存在する(都市計画法第8条、第9条)。

高度地区の具体的内容は市町村が決定することとされているので、詳細を知りたい場合には市区町村役所の建築確認担当部署に問い合わせる必要がある。

高度利用地区

高度利用地区は、用途地域の中で定められる地区である。
この高度利用地区では、容積率の最高限度、容積率の最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度が必ず定められる。

これにより、狭小な建物の建築を排除することが可能となり、将来的に都市再開発事業を実施しやすい環境が創出されることになる(都市計画法第8条、第9条)。

公売

納税者が国税・地方税を納税しない場合に、国または地方公共団体が納税者の財産を差し押さえたうえで自ら売却し、その売却代金から税金の支払いを受けるという制度のこと。

勾配天井

天井の中央が両端より高くなったもの、つまり勾配が付いた天井のこと。船底天井や屋形天井などがある。

船底天井とは、船底を上にしたような形状に由来する呼び名で、数寄屋住宅や浴室などに使われている。勾配をより強くしたのが屋形天井。

公簿売買と実測売買

土地の売買契約における取引価額の確定に用いる土地面積の違いによる区別で、土地登記簿の表示面積を用いて価額を確定する公簿売買、実測面積によって確定する場合を実測売買という。

とりあえず登記簿の表示面積で金額を定めて契約し、後ほど実測面積による金額との差額を精算する方法も、実測売買である。

 公簿売買は測量が不要で簡便な方法であるが、実測面積が小さいと判明したときには紛争となりやすいため、それを回避するべく、契約において、実測面積と差異が生じても取引金額は変更できない旨を定めることが多い。
しかし、実測面積との違いが大きく、買主が取引の目的を達成できないときには、錯誤であるとして契約の無効を主張する恐れがある。

鋼矢板

矢板とは土止めをするための板のこと。鋼矢板とは鋼製の矢板のことである。

高優賃

「高齢者向け優良賃貸住宅」の略称。

 高齢者の居住に適する構造、設備を備え、緊急時に対応したサービスを提供する住宅として都道府県知事の認定を受けた賃貸住宅をいう。

 規模、バリアフリー化、緊急時サービスなどの基準を満たして認定されると、その整備に要する費用の一部について国および地方公共団体の補助を受けることができるほか、家賃の減額に要する費用の助成、税制上の優遇措置、融資に際しての優遇などがある。

 高齢者向け優良賃貸住宅は、高齢者円滑入居賃貸住宅(高齢者の入居を拒まない賃貸住宅)としての登録が義務付けられている。

なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。

高齢者円滑入居賃貸住宅

高齢者の入居を拒まない賃貸住宅として、都道府県知事(またはその指定を受けた登録機関)に登録されている住宅をいう。

高齢者の入居に適する構造、設備となっているとは限らないが、家賃について債務保証を受けることができる。また、登録情報は一般に公開されている。


なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。

高齢者居住法

「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の略称。

 高齢者の居住の安定の確保を図るための措置を定めた法律で、2001(平成13)年4月に公布された。

その主要な内容は、

1.高齢者の入居を拒まない民間の賃貸住宅の登録制度の創設、2.高齢者居住に適する賃貸住宅の建築や適する住宅にするための改良に対する支援措置、3.賃借人の死亡に至るまで契約が存続する賃貸借契約制度の創設

である。

1.によって登録された住宅が「高齢者円滑入居賃貸住宅」、2.の支援の対象となる住宅が「高齢者向け優良賃貸住宅」、3.による住宅の賃貸借が「終身建物賃貸借」である。

高齢者専用賃貸住宅

高齢者の入居を拒まない賃貸住宅(高齢者円滑入居賃貸住宅)として登録されたもののうち、専ら高齢者を賃借人とする賃貸住宅として登録されたものをいう。

高齢者専用賃貸住宅の登録に当たっては、介助を考慮した住宅の構造や設備であるなど、高齢者円滑入居賃貸住宅として登録するための一定の要件を備えていることに加えて、前払家賃の取扱い、各住戸における台所、水洗便所、浴室等の有無、日常生活に係るサービスの有無などを登録しなければならない。

また、高齢者専用賃貸住宅として登録された賃貸住宅のうちで、各戸の床面積が25平方メートル以上、原則として各戸に台所、水洗便所、浴室等があるなどの一定の要件を満たすもの(適合高齢者専用賃貸住宅)については、介護保険法に規定する特定施設入居者生活介護の対象となることもある他、老人福祉法に規定する有料老人ホームの届出が不要とされている。

なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。

高齢者の居住の安定確保に関する法律

高齢者の居住の安定の確保を図るための措置を定めた法律で、2001(平成13)年4月に公布された。

その主要な内容は、


1.高齢者の入居を拒まない民間の賃貸住宅の登録制度の創設、2.高齢者居住に適する賃貸住宅の建築や適する住宅にするための改良に対する支援措置、3.賃借人の死亡に至るまで契約が存続する賃貸借契約制度の創設

である。

1.によって登録された住宅が「高齢者円滑入居賃貸住宅」、2.の支援の対象となる住宅が「高齢者向け優良賃貸住宅」、3.による住宅の賃貸借が「終身建物賃貸借」である。

高齢者向け優良賃貸住宅

高齢者の居住に適する構造、設備を備え、緊急時に対応したサービスを提供する住宅として都道府県知事の認定を受けた賃貸住宅をいう。

 規模、バリアフリー化、緊急時サービスなどの基準を満たして認定されると、その整備に要する費用の一部について国および地方公共団体の補助を受けることができる他、家賃の減額に要する費用の助成、税制上の優遇措置、融資に際しての優遇などがある。

 高齢者向け優良賃貸住宅は、高齢者円滑入居賃貸住宅(高齢者の入居を拒まない賃貸住宅)としての登録が義務付けられている。

なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。

国税徴収法

国税の徴収に関する手続きの執行について必要な事項を定めた法律。1959年に公布・施行された(旧国税徴収法は1897(明治30)年制定)。

 例えば、国税と抵当権等との優劣関係の調整、差押の要件・手続き・効力、差押財産の換価手続きなどを規定している。

国税優先の原則

国税は原則として、他の債権に優先して、納税者の財産から徴収される。これを国税優先の原則という(国税徴収法第8条)。

しかし、この原則の例外として次の3つなどは、国税よりも優先して、債権者が納税者の財産から給付を受けることができる。

1.法定納期限よりも以前に設定されていた抵当権等
2.納税者が譲受した財産に関して、譲受した際にすでに設定されていた抵当権等
3.不動産保存の先取特権、不動産工事の先取特権

国税優先の原則

国税は原則として、他の債権に優先して、納税者の財産から徴収される。これを国税優先の原則という(国税徴収法第8条)。

しかし、この原則の例外として次の3つなどは、国税よりも優先して、債権者が納税者の財産から給付を受けることができる。

1.法定納期限よりも以前に設定されていた抵当権等
2.納税者が譲受した財産に関して、譲受した際にすでに設定されていた抵当権等
3.不動産保存の先取特権、不動産工事の先取特権

国定公園

国立公園に準ずる優れた自然の風景地であって、環境大臣が区域を定めて指定したものをいう。その管理は、原則として都道府県知事が担う。
 国定公園の区域内で次の行為をしようとする場合には、30日以上前に都道府県知事に届けなければならない。
 一定規模以上の工作物の新築・改築・増築、土地の形状変更、水面の埋立等、鉱物や土石の採取、特別地域内の河川・湖沼の水位・水量の増減、広告物の設置等、一定区域での海底の形状変更

この場合、都道府県知事は、風景を保護するために必要な限度において、届出のあった行為を禁止・制限・必要な措置の実施を命ずることができる。

また、公園の風致を維持するため都道府県知事が国定公園区域内に指定した「特別地域」においては、次の行為について許可が必要である。

 工作物の新築・改築・増築、木竹の伐採、土地の形状変更、水面の埋立等、鉱物・土石の採取、物の集積・貯蔵、河川・湖沼の水位・水量の増減、湖沼への汚水等の排出、広告物の設置等、屋根・壁面等の色彩の変更、指定地域での車馬等の乗り入れ、高山植物等の採取・損傷、植物の植栽・播種、動物の捕獲・殺傷、動物の卵の採取・損傷、動物の放出(家畜の放牧を除く)

そのほか、特別地域内に指定された「特別保護地区」、国定公園区域内に指定された「海域公園地区」においては、それぞれの景観を保全するために一定行為について都道府県知事の許可が必要である。また、特別地域又は海域公園地区内に指定された「利用調整地区」においては、風致又は景観の維持とその適正な利用を図るため、原則として地区内への立入りが禁止されている。

国土形成計画

国土の利用・整備・保全を推進するための総合的かつ基本的な計画で、国土形成計画法に基づき策定される。計画は、全国計画と広域地方計画で構成される。

 全国計画は、2008(平成20)年7月に閣議決定され、新しい国土像として、多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築するとともに、美しく、暮らしやすい国土の形成を図ることとし、その実現のための戦略的目標、各分野別施策の基本的方向等を定めている。
 戦略的目標は、

1.東アジアとの円滑な交流・連携、2.持続可能な地域の形成、3.災害に強いしなやかな国土の形成、4.美しい国土の管理と継承、5.「新たな公」を基軸とする地域づくり

の5つが掲げられている。

また、広域地方計画は、首都圏、近畿圏、中部圏、東北圏、北陸圏、中国圏、四国圏、九州圏について策定することとされ、2009(平成21)年8月に決定された。
 広域地方計画の策定方針は、

1.広域ブロックごとに特色のある戦略を描くこと、2.各ブロックが交流・連携して活力を発揮すること、3.各地域が相互に補い合って共生すること、4.文化・伝統や個性ある景観など美しい国土を再構築すること

とされている。

 国土形成計画は、従前策定された全国総合開発計画に代わるものであるが、社会資本投資との連携や計画の拘束力は弱い。

国土形成計画

国土の利用・整備・保全を推進するための総合的かつ基本的な計画で、国土形成計画法に基づき策定される。計画は、全国計画と広域地方計画で構成される。

全国計画は、2008(平成20)年7月に閣議決定され、新しい国土像として、多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築するとともに、美しく、暮らしやすい国土の形成を図ることとし、その実現のための戦略的目標、各分野別施策の基本的方向等を定めている。
戦略的目標は、

1.東アジアとの円滑な交流・連携、2.持続可能な地域の形成、3.災害に強いしなやかな国土の形成、4.美しい国土の管理と継承、5.「新たな公」を基軸とする地域づくり

の5つが掲げられている。

また、広域地方計画は、首都圏、近畿圏、中部圏、東北圏、北陸圏、中国圏、四国圏、九州圏について策定することとされ、2009(平成21)年8月に決定された。
広域地方計画の策定方針は、

1.広域ブロックごとに特色のある戦略を描くこと、2.各ブロックが交流・連携して活力を発揮すること、3.各地域が相互に補い合って共生すること、4.文化・伝統や個性ある景観など美しい国土を再構築すること

とされている。

国土形成計画は、従前策定された全国総合開発計画に代わるものであるが、社会資本投資との連携や計画の拘束力は弱い。

国土法

「国土利用計画法」の略称。

 計画的な国土の利用を図るための法律で、国土形成計画法とともに総合的な国土の利用や保全を推進するための枠組みを定めている。1974(昭和49)年に制定された。

 国土利用計画法が定める規定は、大きく、土地利用計画の策定と土地取引の規制に分かれる。土地利用計画の中心となるのは、都道府県ごとに作成される土地利用基本計画であり、全国を、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の5つの類型に区分している。

 土地取引の規制の仕組みとしては、

1.一定の土地取引について都道府県知事に届けなければならないとし、土地の利用目的等に関して勧告できる制度(土地に関する権利の移転等の届出)

2.地価の急激な上昇の恐れがあるときには、規制区域を指定して土地に関する権利の移転等について許可に係らしめる制度(規制区域)

3.地価の上昇の恐れがあるときには、注視区域又は監視区域を指定して土地売買等の契約に関する勧告をできる制度(注視区域・監視区域)

4.取引された土地が遊休土地である旨通知して、その利用処分計画の届出を課し、助言などをする制度(遊休土地に関する措置)

がある。

なお、土地に関する権利の移転等の届出1.を要するのは、原則として、取引面積が、市街化区域にあっては2,000平方メートル、都市計画区域(市街化区域を除く)にあっては5,000平方メートル、それ以外の区域にあっては1万平方メートル以上の取引である。

国土法の届出

土地の取引に関する届出で、国土利用計画法に基づき義務付けられているものをいう。

 

届け出なければならない取引は、次の3つの場合である。

 

1.一定面積以上の土地取引を行った場合(事後届出)

届出を要する面積は、市街化区域2,000平方メートル以上、その他の都市計画区域5,000平方メートル以上、都市計画区域外10,000平方メートル以上

2.注視区域において一定面積以上の取引を行おうとする場合(事前届出)

届出を要する面積は、1.と同じ面積。

3.監視区域において一定面積以上の取引を行おうとする場合(事前取引)

届出を要する面積は、1.未満の面積で都道府県知事が定める面積

 

なお、一般的に「国土法の届出」というときには、区域を限定せずに義務付けられている1.の事後届出を指すことが多い。

国土利用計画

国土利用に関する計画で、全国計画・都道府県計画・市町村計画の3つから構成され、国土利用計画法に従って策定される。

 例えば全国計画では、国土利用の基本方針、利用目的(農地、森林、住宅地等)ごとの規模の目標、目標達成のための措置などが記載されている。

国土利用計画法

計画的な国土の利用を図るための法律で、国土形成計画法とともに総合的な国土の利用や保全を推進するための枠組みを定めている。1974(昭和49)年に制定された。

 国土利用計画法が定める規定は、大きく土地利用計画の策定と土地取引の規制に分かれる。土地利用計画の中心となるのは、都道府県ごとに作成される土地利用基本計画であり、全国を、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の5つの類型に区分している。

 土地取引の規制の仕組みとしては、

1.一定の土地取引について都道府県知事に届けなければならないとし、土地の利用目的等に関して勧告できる制度(土地に関する権利の移転等の届出)

2.地価の急激な上昇の恐れがあるときには、規制区域を指定して土地に関する権利の移転等について許可に係らしめる制度(規制区域)

3.地価の上昇の恐れがあるときには、注視区域又は監視区域を指定して土地売買等の契約に関する勧告をできる制度(注視区域・監視区域)

4.取引された土地が遊休土地である旨通知して、その利用処分計画の届出を課し、助言などをする制度(遊休土地に関する措置)

がある。

なお、土地に関する権利の移転等の届出1.を要するのは、原則として、取引面積が、市街化区域にあっては2,000平方メートル、都市計画区域(市街化区域を除く)にあっては5,000平方メートル、それ以外の区域にあっては1万平方メートル以上の取引である。

国立公園

日本の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地(海域の景観地を含む)であつて、環境大臣が区域を定めて指定したものをいう。その管理は、原則として環境大臣が担う。

国立公園の区域内で次の行為をしようとする場合には、30日以上前に環境大臣に届けなければならない。
一定規模以上の工作物の新築・改築・増築、土地の形状変更、水面の埋立等、鉱物や土石の採取、特別地域内の河川・湖沼の水位・水量の増減、広告物の設置等、一定区域での海底の形状変更

この場合、環境大臣は、風景を保護するために必要な限度において、届出のあった行為を禁止・制限・必要な措置の実施を命ずることができる。
また、環境大臣が公園の風致を維持するため国立公園区域内に指定した「特別地域」においては、次の行為について許可が必要である。

工作物の新築・改築・増築、木竹の伐採、土地の形状変更、水面の埋立等、鉱物・土石の採取、物の集積・貯蔵、河川・湖沼の水位・水量の増減、湖沼への汚水等の排出、広告物の設置等、屋根・壁面等の色彩の変更、指定地域での車馬等の乗り入れ、高山植物等の採取・損傷、植物の植栽・播種、動物の捕獲・殺傷、動物の卵の採取・損傷、動物の放出(家畜の放牧を除く)

そのほか、特別地域内に指定された「特別保護地区」、国立公園区域内に指定された「海域公園地区」においては、それぞれの景観を保全するために一定行為について環境大臣の許可が必要である。また、特別地域又は海域公園地区内に指定された「利用調整地区」においては、風致又は景観の維持とその適正な利用を図るため、原則として地区内への立入りが禁止されている。

戸境壁

マンションやアパートなどの集合住宅で、各住戸を区切る壁のこと。界壁ともいう。

防火や遮音などの性能が求められる。

腰壁

窓の下枠から床までのあいだを塞ぐ部分壁。「腰」には、中ほどから下の部分という意味がある。   

個人情報保護法

個人情報の適正な取り扱いに関する規定を定めた法律。正式な名称は「個人情報の保護に関する法律」で、2003(平成15)年5月に公布された。

この法律は、高度情報社会の進展に伴って個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑みて、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するために制定された。そこでは、個人情報は個人の人格尊重の理念のもとに慎重に取り扱われるべきものとしている。

個人情報保護法の規定のなかで重要なのは、個人情報のデータベース等(たとえば顧客リスト)を事業の用に供している者(個人情報取扱事業者)に対する個人情報の取り扱いに関する規制である。

個人情報取扱事業者には、個人情報の取り扱いについて、
ⅰ)利用目的の特定
ⅱ)利用目的の範囲を超えた利用の禁止
ⅲ)不正手段による取得の禁止
ⅳ)取得に際しての利用目的の通知
ⅴ)情報の正確性確保
ⅵ)情報の安全管理措置
の義務が課されている。さらに、
ⅶ)第三者への提供が制限され、
ⅷ)本人による情報開示請求、訂正請求、利用停止請求を規定して原則としてその請求に従わなければならない
とされている。

また、同法は、個人情報取扱事業者の個人情報の取扱いについては、個人情報保護委員会(2016(平成28)年度までは主務大臣)が監督することとし、その監督に従わない場合には罰則に処すことができること、政府は個人情報の保護に関する基本方針を定めなければならないことなども規定している。

誇大広告等の禁止

宅地建物の取引に関する広告についての規制の一つで、著しく事実と違ったり、実際のものよりも著しく優良・有利であると誤認させるような表示の禁止をいう。

 誇大に広告してはならないとされる表示は、物件の所在、規模、形質、利用の制限等、環境、交通などの利便、代金の額や支払方法、金銭の貸借の斡旋などである。
 
なお、不動産の表示に関する公正競争規約では、実際に確認できるデータに基づかないで、「完全」「当社だけ」「最高級」「特選」「格安」といった用語を使用することを禁じている。

固定金利型

住宅ローンなどにおいて、返済終了時まで返済利率が変わらない方式をいう。これに対して、市況等に応じて返済利率が変化する方式を「変動金利型」という。

 固定金利型の借入れにおいては、借入金完済までの資金計画が確定し、金利が高くなるリスクを負担する必要がない一方、変動金利型よりも利率が高めである。また、市場金利が大幅に低下した場合には、借り換えなどによって利息負担を軽減できるが、その実施について一定の制約が課されている場合が多い。

固定金利選択型住宅ローン

住宅ローンの種類の一つで、期間を定めて固定金利か変動金利かを選択する方法による住宅金融をいう。

当初一定期間を固定金利とし、固定期間終了後に、改めて見直した固定金利か変動金利かを選ぶタイプが多いが、最近はローン期間全体のなかでその一部分を固定か変動かの選択の対象にするタイプが現れるなど、その方法が多様化している。

将来の金利水準の変化など対する対応の幅が広がるが、負担すべき総額は確定しない。また、完全な固定金利や変動金利によるローンの場合と金利の決め方が異なることもあるので注意が必要である。

固定資産課税台帳

固定資産税の課税対象となる土地・家屋について、次の事項等を記載した帳簿のことである。

1.土地・家屋の所有者の氏名・住所
2.土地・家屋の属性(土地の地番・地目・地積、家屋の家屋番号・構造・床面積など)
3.宅地の区分(小規模住宅用地、一般住宅用地、住宅用地以外の宅地)
4.土地・家屋の固定資産税評価額
5.土地・家屋の固定資産税課税標準額
6.土地・家屋の固定資産税額

この固定資産課税台帳には、毎年一定期間の「縦覧期間」が設けられている。この縦覧期間内において、納税義務者、同居の家族および納税義務者からの委任を受けた代理人は、この固定資産課税台帳を市町村の役所で縦覧することができる。

ただし縦覧できる部分は、固定資産課税台帳の中の自己の資産に関する部分に限定されており、他の資産に関する部分を見ることはできないとされている。

しかしながら、平成15年度からはこうした固定資産課税台帳の縦覧制度が大幅に見直され、自己の所有しない他の資産に関する情報も見ることができるようになる。

固定資産課税台帳の縦覧制度

固定資産課税台帳は、固定資産税の納税義務者や固定資産税評価額などを記載した帳簿である。
この固定資産課税台帳は、2002(平成14)年度までは毎年3月(自治体によっては4月)に縦覧期間が設けられており、市町村の担当窓口において、固定資産課税台帳の記載事項を確認することができるという制度が存在した。

しかし、この2002(平成14)年度までの縦覧制度においては、実際に縦覧することができるのは、納税義務者、同居の家族および納税義務者からの委任を受けた代理人のみに限定されていた。
さらに縦覧できる部分は、固定資産課税台帳の中の「自己の資産に関する部分」に限定されており、「他の資産に関する部分」を見ることはできないとされていた。

こうした問題点を解消するために、2002(平成14)年に地方税法が改正され、平成15年からは次のような新しい「固定資産課税台帳の縦覧制度」が実施されることが決定している。
2003(平成15)年から実施される新しい縦覧制度の概要は次の通りである。

1.縦覧の範囲
 自己の資産だけでなく、他の資産についても縦覧可能とする。この目的のために新たに「縦覧帳簿」を整備する。

2.縦覧帳簿の記載事項
 新たに整備される「縦覧帳簿」には、資産相互の固定資産税評価額の比較を可能とするために「資産の所在地」と「固定資産税評価額」が登載される。ただし、納税義務者の氏名等は登載されない。

3.縦覧期間の拡大
 縦覧期間を「4月20日」または「その年度の最初の納期限の日」のどちらか遅い日までとする。

4.固定資産評価審査委員会への不服審査申出期間の拡大
 納税通知書の交付を受けた日の後60日まで、固定資産税評価額に関する不服審査を申し出ることができることとする。

5.借地人・借家人による閲覧制度の創設
 従来は、固定資産課税台帳の記載事項を見ることができるのは、納税義務者本人等に限定されていたが、2003(平成15)年からは「借地人および借家人」が、その借地・借家に関する部分について、固定資産課税台帳の閲覧をすることができるようになる。

固定資産税

毎年1月1日現在において、土地・家屋等を所有している者に対し、市町村が課税する地方税のこと。
不動産の所在地の市町村が課税の主体となるので、実際の徴収事務は市町村の税務担当部署が行なう。

固定資産税の納付方法については、年度初めに市町村から土地・家屋の所有者に対して、固定資産税の「納税通知書」が送付されてくるので、それに従って年度内に通常4回に分割して納付することとされている(ただし1年分をまとめて先に支払うことも可能である)。

固定資産税の税額は原則的に「固定資産税課税標準額の1.4%」とされている。
ただし、一定の新築住宅については固定資産税額の軽減措置が実施されている。また、住宅用地については固定資産税課税標準額そのものが6分の1または3分の1に圧縮されている。

固定資産税は毎年1月1日において、固定資産課台帳に所有者として登録されている者に課税される。
従って、年の途中で不動産の売買が行なわれて、所有者が変わった場合であっても、納税義務者は元の所有者となる。こうした場合には不動産売買契約書において、その年度分の固定資産税額の一部を新所有者が負担するという特約を設けることが多い。

固定資産税課税標準額

固定資産税を課税する対象となる金額のこと。
 固定資産税の税額は、原則的に「固定資産税課税標準額の1.4%」とされている。

建物の場合、固定資産税課税標準額と固定資産税評価額は通常一致する。
しかし土地の場合には、固定資産税課税標準額と固定資産税評価額は異なる額となる。
その理由は次の通りである。

1.住宅用地に係る課税標準額の特例
 住宅用地については、その土地の課税標準額を次のように圧縮する措置が取られている。
 小規模住宅用地の場合:固定資産税評価額×1/6=固定資産税課税標準額
 一般住宅用地の場合:固定資産税評価額×1/3=固定資産税課税標準額
 (詳しくは「固定資産税の軽減措置(住宅用地)」参照)

2.土地に関する負担調整率
 土地の固定資産税評価額は3年に1度評価替えが行なわれている。この評価替えにおいて、固定資産税評価額が急激に上昇すると、納税者の税負担が急に増大し、納税の困難を招く恐れがある。
そこで法律(地方税法)では、土地の固定資産税評価額が大きく上昇したときでも、土地の固定資産税課税標準額はわずかな上昇率にとどめるという措置を講じている。この上昇率を「負担調整率」という。

 具体的には、次の式により今年度の土地の固定資産税課税標準額を定めている。

「前年度の固定資産税課税標準額×負担調整率=今年度の固定資産税課税標準額」

 上記1.および2.の理由により、土地の固定資産課税標準額は、土地の固定資産税評価額よりも非常に低い額となっている。
ごく普通の住宅用地(200平方メートル以下のもの)では、固定資産税課税標準額は、固定資産税評価額の6分の1から10分の1程度である。

固定資産税額の据え置き

当該年度の固定資産税額を前年度と同額に据え置く措置のことで、土地の固定資産税の負担水準を均衡化するために行なわれる。

 固定資産税は評価額をもとに税額を算出するが、土地については、評価替えによって税額が急激に増えることのないように負担調整措置が適用されている。これは、評価額を実態に合わせる政策に伴って、地価が下落しているにもかかわらず固定資産税額は上昇するという現象が生じたことへの対応である。

その具体的な手法は、前年度の課税標準額に対する当該年度の価格(住宅用地の特例等を適用したのちの価格)の割合(負担水準)を算出し、その値に応じて当該年度の課税標準額を定めるという方法による。例えば2008年の住宅地については、負担水準が100%以上であれば本来の課税標準を適用(前年度よりも負担が減る)、80%以上100%未満であれば前年度課税標準額に据え置き(これが固定資産税額の据え置きに該当する)、80%未満であれば徐々に引上げ、というように調整される。

なお、負担調整において、評価額の下落率が全国平均以上であるときに一定の配慮をする措置は、06年に廃止された。

固定資産税の軽減措置 (新築住宅)

新築住宅に対する固定資産税の課税額を、新築後一定期間、減額する特例。

特例が適用されるのは次の2つの場合で、それぞれ固定資産税額が2分の1に減額される。
1)一般の住宅については、新築後3年間、床面積120平方メートル相当部分について
2)中高層耐火住宅については、新築後5年間、床面積120平方メートル相当部分について

対象となる住宅は、床面積が50平方メートル(戸建て以外の賃貸住宅は40平方メートル)以上280平方メートル以下のものに限られる。

ただし、これらの特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。

また、認定長期優良住宅については、軽減する期間が、一般住宅については5年間に、中高層耐火住宅については7年間に延長される。この適用期限も同様である。

固定資産税の軽減措置 (住宅用地)

住宅用地に対する固定資産税の課税標準を減額する特例をいう。

 住宅用地であれば課税標準を3分の1に減額するほか、特に200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)に対する課税標準は6分の1に減額することとされている。

つまり、面積A平方メートル(A>200)の住宅用地に対する固定資産税額は、
固定資産税評価額/A ×(200×1/6+(A-200)×1/3)×税率(原則1.4%)
となる。

なお、この特例の適用については期限が定められていない。

固定資産税の引き下げ

固定資産税について、本来の課税額よりも税額を引き下げる措置のことで、土地の固定資産税の負担水準を均衡化するために行なわれる。

 地価水準が高く、住宅用地の特例措置が適用されない商業地等に対して適用され、2008年においては、負担水準(前年度の課税標準額に対する当該年度の価格の割合)が70%超である場合には、当該年度の課税標準額は課税標準額の70%まで引き下げることとされている(ただし、条例でこの割合を引き下げている場合がある。例えば東京都の23内の商業地等については、65%が適用される)。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産課税台帳に記載された土地・家屋の評価額のことである。

この固定資産税評価額は、毎年度の初めに市町村から送付されてくる固定資産税の「納税通知書」に添付されている「課税資産明細」に記載されている。

また、毎年の一定期間内において所有者等は、固定資産課税台帳を市町村の窓口で縦覧して、固定資産税評価額を確認することができる(詳しくは固定資産課税台帳の縦覧制度へ)。

なお、土地・家屋の固定資産税評価額については3年に1度「評価替え」が実施されており、この評価替えの年度を「基準年度」という。
この固定資産税評価額は、基準年度の評価額が次年度および次々年度にそのまま引き継がれるのが原則である。

ただし、次の1.または2.の事情等があるときは、基準年度以外の年度であっても、土地の固定資産税評価額を変更するものとされている。

1.分筆、合筆、地目の変更により土地の区画・形質が変化したこと
2.著しい地価の下落があったこと

コテージ

田舎や郊外に建てられた別荘風の小住宅。通常、一階建て・戸建ての住宅で、家具、トイレ、家電品などが設置され、短期的な賃貸に供される場合も多い。英語でcottage。

コテージに対して、家具やトイレを備えないキャンプ用の建物を「バンガロー」という。

古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法

略称は「古都保存法」。京都・奈良・鎌倉等の古都の伝統的環境を保全することを目的として、1966年に制定された法律。

この法律では、古都の歴史的風土を保存するために「歴史的風土保存区域」や「歴史的風土特別保存地区」を定め、建築行為等を届出制や許可制のもとに統制している。

なお、「古都」とは京都市、奈良市、鎌倉市、天理市・橿原市・桜井市・斑鳩町・明日香村、逗子市、大津市を指している(同法第2条)。

個別利用区(市街地再開発事業における~)

市街地再開発事業において定める既存建築物を存置または移転することができる区域。都市再開発法に基づく制度である。

 市街地再開発事業においては、事業区域内の建物等はすべて除去するのが原則であるが、個別利用区内の既存建物は存置することができ、あるいは他の土地にある既存建物を個別利用区内に移転することができる。

 個別利用区は、第一種市街地再開発事業の施行者が事業計画において定め、一定の建築物に係る地権者の申出に応じて、その権利が、再開発ビルに関する権利ではなく、個別利用区内の宅地に関する権利に変換される(権利変換の特例)。また、区域内の土地については、申出によって権利変換の対象となる土地以外は、事業施行者に帰属するよう計画で定めることとされている。

コミュニティビジネス

地域やコミュニティのニーズ・課題に応えて、市民が地域の人材、ノウハウ、資金などを使ってビジネスの手法で取り組む活動をいう。

その活動対象は、高齢者の介護・福祉、子育て支援、環境保全、まちづくりなど、多様である。

コミュニティビジネスの特徴は、

1.活動主体が企業だけでなく、市民団体、NPO、ボランティア組織など幅広いこと
2.地域に密着して活動が展開されること
3.活動がビジネスとして管理・運営されていること
4.地域における起業や雇用を通じて、地域活性化に寄与する可能性があること
5.地方自治体との連携によって、行政サービスを補完・充実する役割を果たす場合があること

などである。

コミュニティビジネスは、地域に根ざしたビジネスとして注目されているが、その背景として、脆弱化したコミュニティ機能を回復する必要があること、市民の社会活動への参加意欲が高まっていること、身近できめ細かい公共サービスの提供が求められていることなどの事情があると考えられている。

古民家

建築後、長い年月を経過した住宅。地域の歴史や風土を反映しやすく、単に「民家」と呼ばれることが多い。

その価値に着目して、移築や再利用されることもある。

小屋裏

小屋組の内部のこと。屋根と天井との間にできる空間である。
屋根裏部屋などとして利用される場合もある。

小屋組

木造または鉄骨造の建築物の屋根において、屋根の荷重をささえる骨組のこと。

和小屋と洋小屋の2種類に分かれる。

コルクタイル

コルク砕粒や鋸屑に接着剤を混入し圧縮したコルク板を、一定寸法に切断したもの。薄手のものが多く、床・壁において防振・断熱の効果がある。

コレクティブ住宅

コレクティブハウスのこと。

都市における集合住宅の一つの型式として、個人生活のプライベートな領域の他に共用生活スペースを設けた協同居住型集合住宅のこと。もともとは北欧で生まれた居住スタイルといわれている。複数の家族が共同の台所等を使い、家事・育児を分担し、助け合うスタイルがつくられる。これにより、高齢者・単身者等のさまざまな世代間で豊かなコミュニティが生まれるとされている。

コンクリート

セメントに、水、砂利、砂を加えて混ぜ合わせることにより、化学反応(水和反応)を起こし、固体化させたもの。

圧縮に対する強度が非常に大きく、主に建築物の荷重を支える構造材として多用されている。

コンクリート技士

コンクリートの製造、施工、配合設計など、コンクリート技術に関する業務を実施する能力があることを証する資格。国家資格ではない。
 (公社)日本コンクリート工学会が実施する試験に合格した者が称する。

なお、コンクリート技士の能力に加えコンクリート技術に関する指導などを実施する能力もあることを証する資格として、「コンクリート主任技士」がある。

コンクリート技士またはコンクリート主任技士であることは、「コンクリート診断士」の資格試験受験のための要件とされている。

コンクリート診断士

コンクリート構造物の診断・維持管理に関して知識、技術を有することを証する資格。国家資格ではない。

(公社)日本コンクリート工学会が実施する試験に合格した者が称する。

混構造建築物

異なる構造を併用している建物。木造、鉄筋コンクリート造、組積造などの併用がある。併用の方法に応じて構造が多様で、標準化が難しい。

混構造建築物で一定規模以上のものは、建築基準法上、構造計算適合判定を必要とする。

混合水栓

給水栓の一つで、湯と水とを一つの吐水口から出すもの。用途別に浴室用、キッチン用、洗面用があり、湯と水それぞれのハンドルのあるツーハンドル、一つのレバーで操作できるシングルレバーなどがある。

コンバージョン

建物の用途を変更すること。

例えば、空きオフィスを集合住宅に変更する、社員寮を有料老人ホームに変更する、というような変更を指す。構造、設備、防災法規など、法的、技術的にクリアしなければならない点も多い。

コンパクトシティ

都市の中心部にさまざまな都市機能を集約し、都市を稠密(ちゅうみつ)な構造とする政策・考え方をいう。

 「集約型都市構造化」といわれることもある。

その実現のための手法としては、

1.都市郊外での開発を抑制する
2.都市の中心部に居住空間を確保する(都市居住の推進)
3.中心部に都市サービス機能を集積する(住みやすさと賑わいの再生)
4.公共交通や歩道・自転車道を充実する(自動車交通の抑制)

などの政策の組み合わせが有効であるとされる。

コンパクトシティが提案される背景には、人口の高齢化や減少、都市環境や都市アメニティへの関心の高まり、中心市街地の衰退、環境負荷削減の要請などがある。また、コンパクトシティは、持続可能な都市を目指す上での有力な手法であるとも考えられている。

コンピュータ庁

不動産登記事務をコンピュータで処理している登記所を「コンピュータ庁」という。

コンピュータ庁では、従来からのバインダーに紙を綴じ込んだ建物登記簿・土地登記簿に代わって、コンピュータの磁気ディスクによって電子的に登記簿を作成している。

コーナーガラス

建物の出隅部分に桟なしではめ込まれた、L型のガラスのこと。

コーナーには構造体が配置されることが多いが、これらをずらすことにより生まれるスペースに配置されたもの。採光を確保しやすく、開放的で、パノラマ景観を楽しむことができる。

コーポ

共同住宅に付けられる名称のひとつで、英語のcooperative house(共同住宅)の一部をとった和製英語。アパートの名称として使われることが多い。 

コーポラティブハウス

土地・建築物を共有し、居住することを前提に、入居予定者が事前に組合を結成、その組合員による協同建設方式で造られた住宅のこと。

土地の入手から建物の設計・建設・管理等における諸問題をその組合で対処していく。自分たちで話し合い、解決するため大変なことが多いが、独自性のある家づくりを可能とし、協同製作の楽しさも味わうことができる。

合意更新

借家契約において、当事者の合意によって契約期間を更新することをいう。

借家契約の期間を合意で更新する場合、契約期間の制限はないが、期間を1年未満としたときには期間の定めがないものとみなされることになる。
また、合意更新においては、更新に当たって契約条件等を変更することは原則的に自由であるが、借地借家法の強行規定に反する特約で借家人に不利なものは無効となる。

なお同様に、借地契約についても合意更新が行なわれるが、借地契約の更新後の契約期間は、最初の更新時には最低20年、以後の更新にあっては最低10年とされている。
また、強行規定に反する特約で借地人に不利なものが無効となるのは借家契約と同様である。

合板

ベニヤ板ともいう。


薄く切った木材を奇数枚貼り合わせたもの。木材を交互に直交させることにより、強度を高めている。

合板は、普通合板、構造用合板などに区別される。

合有

ある財産が団体の所有となっているが、その団体による拘束が弱い状態であることを「合有」という。

具体的には、組合の財産は構成員の合有とされている。

ある団体の財産が「合有」であるときは、各構成員はその団体財産に対して持分分割請求をすることができない。
しかし、各構成員が団体から脱退する際には、各構成員は持分の払

5棟10室基準

不動産の貸し付けにおいて、その貸し付けの戸数が一戸建ての貸し付けで5棟以上、アパートの貸し付けで10室以上に達して いるとき、この不動産の貸し付けは「事業的規模」に達したという。
このような判定基準のことを「5棟10室基準」と呼んでいる。

ちなみに「5棟10室」とは「5棟または10室」という意味であり、一戸建て1棟とアパート2室を同等とみなしている。従って、一戸建ての1棟とアパート 8室を賃貸する場合には、「事業的規模」に達したものと判定される。

5%ルール(不動産の流動化における)

特別目的会社に不動産を譲渡することにより当該不動産を資金化する場合に、会計処理に当たって、その取引が不動産の売買か、金融取引かを判断するためのルールであり、日本公認会計士協会が定めた。
これによると、流動化する不動産の譲渡時の適正な価額(時価)に対するリスク負担の金額(劣後部分)の割合がおおむね5%程度以内ならば、リスクと経済価値のほとんどが移転していると判断して、売買取引(真正売買)として扱うとされている。

このようなルールが必要となるのは、不動産の譲渡後も譲渡人が当該不動産に継続的に関与し続けるような場合には、その実態は資金の供与を受ける取引(譲渡担保)と変わらず、当該不動産を譲渡人の倒産等から隔離できないからである。このルールは2000(平成12)年7月に公表され、これによって、会計処理上不動産の売却と認められるためには、リスクと経済的価値の大部分が投資家に移転する必要があることが明確となった。

また、譲渡人の子会社である特別目的会社を譲受人として流動化する場合には売却取引として会計処理することはできない。一方、いったん特別目的会社に不動産を売却し、改めて当該不動産を賃借する場合には、適正な賃借料を支払うという条件を満たせば真正の売却として取り扱われる。

 注意を要するのは、一般に「5%ルール」という場合には、証券取引ルールの一つである、株券等の大量保有の状況に関する開示のルールを意味することである。公開会社の発行済株式総数の5%を超えて実質的にその株式を取得した者は、原則として、取得日から5日以内に大量保有報告書等を提出しなければならないことなどを内容とするが、このルールと、不動産の流動化における5%ルールとはまったく異なる。

娯楽・レクリエーション地区

特別用途地区の一つ。
 娯楽・スポーツなどを振興するため、そうした施設の建築をしやすくし、また娯楽・スポーツなどに障害となる業種の進出を規制する地区である。市町村が指定する。

さ行

再開発等促進区

市街地内のまとまった低・未利用地など相当程度の土地の区域であって、土地利用の円滑な転換を推進するため、良好な都市資産の形成に資するプロジェクトや良好な中高層の住宅市街地の開発整備を誘導するべく指定される区域。地区計画において都市計画決定される。

 

1.趣旨
 地区計画は、特定の区域におけるまちづくりを誘導するために市町村が定める計画である(詳しくは地区計画へ)。この地区計画の区域の内部において、市街地の再開発・開発整備を実施すべき区域を定めることができ、この区域を「再開発等促進区」と呼んでいる。

 

2.再開発等促進区の決定
 再開発等促進区は、地区計画の内容の一つとして、都市計画で決定される。再開発等促進区となるための条件としては次の1)から4)をすべて満たすことが必要である。
1)用途地域が定められている区域であること
2)現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、または著しく変化することが確実であると見込まれること
3)適正な配置および規模の公共施設がないこと
4)高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献すること

 

3.再開発等促進区で定めるべき事項
 再開発等促進区では、通常の地区計画の区域において定めるべき事項に加えて、次の事項をも定める必要がある。
1)土地利用に関する基本方針
2)施設(道路、公園、緑地、広場その他の公共空地)の配置および規模
ところで、この2)の「施設」からは、都市計画施設および地区施設は除外される。ここで都市計画施設とは「都市計画で決定されている都市施設」をいう。また、地区施設とは「主として街区内の居住者等の利用に供される道路・公園・緑地・広場などの公共空地であって、地区整備計画で定められているもの」をいう。

 

4.施設の配置および規模を定めない場合
 上記3.の2)の「施設」については、その施設の整備事業が行なわれる見込みがないなどの特別の事情がある場合には、「施設」の配置および規模を定めなくてよいとされている(都市計画法第12条の5第5項)。

 

5.建築等の規制

再開発等促進区において、土地の区画形質の変更、建築物の建築などを行おうとするときには、着手する日の30日前までに、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日などを市町村長に届け出なければならない。

災害危険区域

津波、高潮、出水等による危険の著しい区域として指定された区域。

地方公共団体が条例によって指定し、その区域内では、災害を防止・軽減するため、条例の定めるところにより建物の用途、地盤高・床高、構造等が規制される。建築基準法に基づく制度である。

再建築不可

建替えや増改築ができない状態であることをいう。

 例えば、接道義務を満たしていない敷地、既存不適格建築物はいずれも再建築不可である。

 宅地建物取引業務においては、不動産広告および重要事項説明書に必ず「再建築不可」である旨の記載をしなければならない。

採光

建築基準法によれば、住宅の居室においては、採光のために、窓その他の開口部を設けなければならない(建築基準法28条1項)。
この住宅の採光のための開口部の面積は、居室の床面積の7分の1以上でなければならないとされている。

ふすま、障子などの常時開放できるもので仕切られた2つ以上の居室は、1つの居室とみなすこととされている(建築基準法28条4項)。従って、1つの居室には必ず1つの窓が必要というわけではなく、障子で仕切られた2つの居室について1つの窓でもよいということになる。

ところで、住宅の販売広告等では、窓のない部屋はこの採光の規定(建築基準法28条)を満たしていないため、「居室」と表示することはできない。その代わりに、「納戸(なんど)」「サービスルーム」などと表示することは可能とされている。

また、地階に設けた居室についてはこの限りではないとされているので、居室として使用される地下室では採光のための開口部を設ける必要はない(建築基準法28条1項但し書き)。
ただし、こうした地下室では衛生上の要請から「ドライエリア(からぼり)」等の設備を設ける必要がある(建築基準法29条)。

再生可能エネルギー

短期間に再生し、あるいは消滅しない燃料源から取り出されるエネルギーをいう。

そのような燃料源として、太陽光、風、流水、植物・バイオマス、地熱などがある。

一般に、再生可能エネルギーは資源としての持続性に優れ、また、その発生に伴う環境への影響も小さいと考えられている。そのため、気候変動への対応や安定的なエネルギー資源の確保のために、再生可能エネルギーの開発・活用が推進されている。

なお、再生エネルギーの燃料源はさまざまであるが、通常は、電力の形で取り出されている。

サーキュレーター

室内の暖房の空気等を循環させる装置。天井などに取り付け、冷暖房と併用する。

暖房時には上部に溜まりやすい暖かい空気を下方へ、冷房時には下部に溜まる冷たい空気を循環させる。すなわち、室内の空気の質・温度を均一にする道具である。

サービスアパートメント

日常生活に必要な設備・サービスを備えた賃貸住宅。和製英語。

家具、食器などが備えられているほか、リネン類の交換などのサービスが提供されることもある。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

規模や設備面で高齢者が生活しやすいバリアフリーな住宅(ハード)に、介護・医療などのサービス(ソフト)が付いた住まいをいう。

ハード・ソフトの基準は以下の通り。

1. 規模・設備(ハード)
1)各専用部分の床面積は原則25平方メートル以上であること(ただし、居間、食堂、台所その他の住宅部分が、高齢者が共同して利用するのに十分な面積を有する場合は18平方メートル以上)
2)各居室部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること(ただし、共用部分に共同利用に適した台所、収納設備または浴室を備えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各戸に台所、収納設備または浴室を備えずとも可)
3)バリアフリー構造であること

2.サービス(ソフト)
1)安否確認サービスと生活相談サービスを提供すること
2)ケアの専門家(社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業者等の職員、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、ホームヘルパー1級または2級の資格保持者)が少なくとも日中、建物に常駐してサービスを供給すること

契約方式は、「賃貸借方式」と「利用権方式」の2種類。新制度では、利用権方式のトラブルを未然に防ぐために、前払金算定の基礎や返還債務の算定方法を明示するとともに、入居3ヵ月以内に契約解除または入居者死亡による契約終了となった場合に、前払金(利用控除分を除く)を返還することが定められた。

なお、従来の高齢者向け優良賃貸住宅制度(高優賃)、高齢者円滑入居賃貸住宅制度(高円賃)、高齢者専用賃貸住宅制度(高専賃)の3つが廃止、新制度に一本化され、さらに基準を満たした有料老人ホームも登録が可能となっている。

サービスヤード

いわゆる裏庭、側庭、勝手庭のこと。台所と直結した庭園の一部分で、洗濯、物干し、ゴミ置%E

シェアハウス

複数の居住者・家族が一定の生活空間を共用する住宅をいう。一般に、台所、浴室、居間などを共用し、居住者同士のコミュニケーションが生まれることとなる。賃貸住宅として供給されているが、居住スタイルの選択肢の拡大に応える住宅形態のひとつである。

浴槽の中の穴から気泡を含んだ湯を勢いよく噴出し、マッサージ効果を発揮する風呂のこと。

都市計画によって定められた、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。

一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まる。

市街化区域内では、必ず用途地域が指定されている。

市街化調整区域

都市計画によって定められた、市街化を抑制すべき区域をいう。

一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まる。

市街化調整区域内で土地の区画形質の変更をする場合には、原則として許可を要する(開発許可)。そして開発許可に当たっては特別な事情にある場合を除いて住宅のための宅地造成等は許可されないなど、市街化調整区域内での開発・建築行為を抑制する規制が適用される。

市街地再開発事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、市街地の合理的で高度な利用と都市機能の更新を目的として実施される事業をいう。

 

既成市街地において、細分化されていた敷地の統合・共同化、共同建築物の建設、公共施設の整備などを行なうことにより、都市空間の高度な利用を実現する役割を担う。

 

事業の方法は、第一種市街地再開発事業と第二種市街地再開発事業の2つがある。

 

第一種市街地再開発事業は、従前の権利を、原則として事業により新たに建設された共同建築物に対する相応の権利に変換する方法(権利変換方式)で行なわれる。このようにして与えられた建物に対する権利を「権利床」という。

 

一方、第二種市街地再開発事業は、第一種市街地再開発事業よりも緊急性が大きいと認められる場合に実施される。施行区域内の土地・建物等を事業施行者がいったんすべて買収し(最終的には収用できる)、買収によって権利を失う者は、希望により、事業によって新たに建設される建物に対する相応の権利を得る方法(管理処分方式)で行なわれる。

 

いずれの方法によっても、既成市街地における輻輳(ふくそう)したさまざまな権利を建物に対する権利へと変えるという権利調整が必要となる。

 

また、事業に要する資金は、原則として新たに建設する建物の処分によって賄うことになる。

 

なお、事業の仕組みは、「都市再開発法」に規定されている。

敷金

建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、次のような目的のために預けられる金銭。

1.賃料の不払い・未払いに対する担保
2.契約により借主が負担すべき修繕費用や原状回復費用の前払い

将来契約が終了した場合には、上記1.や2.の金額を控除した残額が、借主に対して退去後に返還される。なお、関西等では「敷引」の慣行がある。

敷金返還請求権

借主が貸主に対して敷金の返還を請求できる権利。賃貸借契約が終了して貸主が建物の返還を受けたときや、賃借権を譲渡したときに請求できる。

特に、賃借権が譲渡された場合には(譲渡について貸主の承諾が必要)、旧借主は、譲渡によって賃貸借関係から離脱するので敷金の返還を請求することができ、その敷金返還請求権は新賃借人に承継されないことに注意が必要である。

敷地権

一棟の区分所有建物の敷地に関する権利をいい、登記によって確定する。

 

分譲マンションなどの区分所有建物を所有するには、建物自体の所有権(区分所有権)と建物の敷地を利用する権利(所有権や借地権であり、敷地利用権といわれる)とを必要とするが、この区分所有権と敷地利用権は原則として分離して処分できないとされており、そのような分離不能な敷地利用権として登記された権利が敷地権である。

 

敷地権が登記されれば、建物の専用部分の権利変動等の登記に当たっては、敷地利用権に関する登記は省略される。両方の権利が一体化されている効果であり、区分所有建物の取引に伴う手続きが簡略なものとなる。

敷地面積の制限

第一種・第二種低層住居専用地域では、建築物の敷地面積を一定以上としなければならない場合がある。この「敷地面積の制限」は都市計画で 規定される。

 

「敷地面積の制限」は、1つの広い敷地を複数に分割してしまうようなミニ開発を防止し、良好な住環境を保存するために 設けられた制度である。

都市計画で「敷地面積の制限」が規定された場合、その都市計画が定められた区域内では、建築物を建築する敷地は最低限度以上の面積でなければならないこと になる。

 

この敷地面積の最低限度は、100平方メートルと定められることが多いようである。法律によればこの最低限度は最大でも200平方メートルとされて いる(建築基準法54条の2)。

 

なお、都市計画で「敷地面積の制限」が定められると、すでに存在している敷地面積の狭い建築物は都市計画に適合せず、違法となってしまうが、法律ではこのよう なケースには「敷地面積の制限」を適用しないという救済措置を設けている(建築基準法54条の2)。ただし、このような敷地面積の最低限度を下回る既存建築物については、敷地の分割をすることはできなくなる(建築基準法54条の2)。

敷地面積

敷地の水平投影面積のこと。

従って、傾斜地・崖地等では敷地面積はあくまで水平面に投影して測定した面積である(建築基準法施行令2条1項1号)。

 

また、いわゆる2項道路に接している土地では、土地の一部を「敷地面積」に算入することができない(建築基準法施行令2条1項1号但し書き)。

従って、2項道路に面した土地では、建築物を建てる際には、見た目よりも敷地が狭いものとして取り扱われることになるので注意したい。

敷地利用権

分譲マンションのような区分所有建物において、区分所有者が持っている土地に関する権利のことを「敷地利用権」という(区分所有法第2条)。

 

区分所有建物では、その敷地は区分所有者全員の共有とされている。

従って、敷地利用権とは、区分所有者が持っている「土地の共有持分」といい換えることができる。

敷引

借主から貸主に対して交付された敷金のうち、契約時点で一定の部分を借主に返還しないことを特約する慣行がある場合の、この返還しない部分をいう。

関西地方の慣行であるとされる。

仕口とは

水平材・垂直材・斜材をさまざまに組み合わせて使用するとき、それらの材同士の接合部を「仕口」という。

「仕口」は軸組全体の強度を大きく左右するものであるので、一般に金物で補強することとされている。

システムキッチン

調理のための設備・器具を一体化した台所をいう。調理台、流し台、コンロ、収納スペースなどの部材を組み合わせたうえで、天板をのせることによって全体が一つにまとめられている。これによってデザインの統合や空間の有効利用を図ることができるとされる。

なお、システムキッチンという言葉は、和製英語である。

漆喰

消石灰に糊剤を混ぜたもの。

日本古来の左官材料として使用される。

指定避難所

災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまでの間滞在させ、または災害により住居に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるために市町村長が指定した施設をいう。指定避難所は災害の種類を問わず指定することとされ、公示される。

指定された避難所の管理者は、施設の廃止や重要な変更について届け出なければならないとされ、この制限は、宅地建物取引の営業における重要事項説明の対象とされている。

私道負担

不動産の売買において、対象となる土地の一部が「私道の敷地」となっているとき、その私道の敷地の部分を「私道負担」と呼んでいる。

 

私道負担に関する事項は、重要事項として説明しなければならない。また、不動産広告では、区画面積と私道負担面積とを分けて表示しなければならないとされている。例えば、「土地面積100平方メートル、別に、私道負担面積5平方メートル」のように、わかりやすく表示する必要がある。

支払督促

民事訴訟法第382条から第396条に規定されている、金銭債権を回収するための簡易な請求手続きのことである。支払命令・督促命令と呼ばれることもある。

 

支払督促を行なうには、債権者は、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に対して、請求する金額や請求の原因などをごく簡単に記載した支払督促申立書を提出し、通常の裁判費用の半額に相当する印紙を納付する必要がある。

 

簡易裁判所ではこの申立書にもとづき、支払督促を発令し、債務者に支払督促正本が郵送される。債務者が正本送達の翌日から2週間以内に異議申立てを行なえば、正式な裁判に移行することになるが、異議申立てを行なわなければ、債権者は2週間が経過した日の翌日から30日以内に、仮執行宣言の申立てをすることができる。

 

債権者が仮執行宣言の申立てをすると、簡易裁判所は、仮執行宣言付支払督促を発令し、仮執行宣言付支払督促正本が債務者に送達される。これに対して、2週間以内に債務者からの異議申立てがなければ、支払督促は確定判決と同一の効力を得ることとなる。

 

このように、早ければ申立書提出から1ヵ月程度で確定判決と同一の効力が発生し、しかも費用が通常裁判の半分であるので、支払督促は、主に少額の融資を迅速に回収する手段として多用されている(なお売掛金・未収金・未払金の回収など、金銭債権すべてについて利用できる)。

借地権

借地権とは次の2つの権利のどちらかのことである(借地借家法第2条)。

1.建物を所有する目的で設定された地上権
2.建物を所有する目的で設定された土地賃借権

従って、資材置場にする目的で設定された土地賃借権は「借地権」ではない。
また、青空駐車場とする目的で設定された土地賃借権も「借地権」ではないことになる。

消石灰に糊剤を混ぜたもの。

借地権および建物の賃貸借契約などに関して特別の定めをする法律で、民法の特別法である。1991年公布、92年8月1日から施行されている。

 

従前の借地法、借家法を統合したほか、定期借地権等の規定が創設された。借地借家法では、借地権の存続期間や効力等、建物の賃貸借契約の更新や効力等について、借地権者や建物の賃借人に不利にならないよう一定の制限が定められている。

借家

借りて住む家屋。「借家する」と言うように、家を借りることを指す場合もある。これに対して、自らが所有して住む家屋は「持ち家」である。

 

住宅・土地基本調査では、借家を、公営の借家、都市再生機構・公社の借家、 民営借家、給与住宅に分類している。

 

なお、賃貸借契約に基づいて住む借家については、借地借家法が適用される。

借家権

建物の賃借権をいう。

 

建物の賃借権は、通常の賃借権と異なって、借家人を保護するために特別の取扱いを受ける。

 

主要な保護措置として、

 

1.登記がなくても家屋の引渡しを受ければ第三者に対抗できること

2.家主の解約や契約更新拒絶には正当事由がなければならないこと

3.契約終了時の造作買取請求権が認められること

4.内縁の妻など同居者による借家権の継承が認められること

などがある。

なお、定期借家権については、原則としてこのような保護の対象とはならない。

遮光カーテン

光の透過を遮断する性能(遮光性能)を備えたカーテン。

遮光性能は遮光率(1−(試験片装着時の照度または輝度÷試験片を装着しない場合の照度または輝度)×100)で測定される。一般に遮光率99.40%以上の性能を備えている。また、遮光率が99.99%以上のものは「完全遮光」とされる。

その作り方には、カーテン生地の裏側を樹脂などでコーティングする方法と、生地に黒い糸を織り混ぜる方法とがある。また、通常のカーテンに遮光性の高い裏地をつけて遮光カーテンと同様の性能を付加することもできる。

シャワーカーテン

浴槽の周りに取り付ける防水カーテン。和製英語である。

シャワーの湯水が浴槽の外に飛び散ることを防ぐ。

シャワーヘッド

シャワーの先端に取り付けて水を分散噴射する器具。英語のshower head。

シャワーヘッドは交換でき、水圧を選択するほか、節水・止水機能、浄水機能、マイクロバブル機能(微細な泡による洗浄機能)などを備えたものを取り付けることもできる。また、その形状もさまざまである。

シャワールーム

シャワーのみが設置された水浴のためのスペース。浴槽が無い。英語では、shower roomのほか、shower bathとも言う。

シャワールームは、建築工事によって設置するほか、ユニットとなった設備を購入・設置することもできる。

設置する場合には、あわせて排水・防水設備が必要となる。また、上階に設置する場合には、下の階と関係に十分注意しなければならない。

シャンプードレッサー

洗髪や化粧にも使える洗面台をいう。

例えば、大きめの洗面ボウル、シャワー機能付きの水栓、三面鏡、収納スペースなどを備えた多機能型の洗面台がこれに当たる。

収益還元法

不動産鑑定評価において、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される収益をベースとして対象不動産の価格を求める手法のこと。この収益還元法による試算価格を「収益価格」という。

 

収益還元法は、さらに直接還元法とDCF法に分けることができる。

 

直接還元法とは、ある一期間の純収益(総収益から総費用を控除した残額)をある一定の利回り(これを「還元利回り」という)で割ることで、収益価格を求める方法である。

またDCF法とは、連続する複数の期間におけるそれぞれの期間の純収益を、各期間に対応した割引率で割ることにより現在価値へと換算し、それらの現在価値の合計値を収益価格とする方法である。

収益物件

賃料収入を得る目的で所有される不動産。不動産投資の収益源である。

守秘義務

知り得た秘密を守る義務。法律によって、一定の職務・業務について課せられている。

この義務が課せられている職務には、公務員のほか、弁護士、医薬剤師、公認会計士などがあるが、宅地建物取引士についても、宅地建物取引業法に基づいて課せられている。守秘義務違反については原則として罰則が適用される。

この場合、どのような事項が守るべき秘密であるかが問題となるが、判例では、公知の程度や秘密として保護しなければならない事情を実質的に判断して決すべきとされている。

なお、業務を受託するときなどに、契約によって守秘を約束する場合もある。

シューズインクローゼット

土足で入ることができる収納空間。和製英語である。

靴類が収納されるほか、物置コート類の収納スペースとして利用されることもある。

また、出り口を2つ設けて、シューズインクローゼットから直接に室内に入ることができる構造のものもある。

シューズボックス

履物をまとめて収納するための家具。玄関に造り付ける場合もある。「下駄箱」も同じ意味で使われる。

なお、Shoes-boxは和製英語で、英語のShoe boxは靴一足を入れる直方体の紙箱をさす。

照明

光で照らして明るくすること。照明のためには、光源を選択し、その配置などを決めなければならない。

照明の光源は、一般に、白熱灯、蛍光灯、LEDなどの電力灯が使われているが、ガス灯、ろうそく、灯油ランプなどを光源とする照明もある。また、照明の方法には、光源の位置に応じて、天井灯、壁面灯、吊下灯、卓上灯、街灯、提灯などが、光のあて方に応じて、全域照明、スポットライト、間接照明、サーチライトなどがある。さらには、シャンデリアのような装飾性や、光量調節の可否などの機能性を備えた照明もあって、その種類は多様である。

初期費用

不動産の購入や賃借に際して、当初に発生する費用。

たとえば、賃貸住宅を借りる場合の初期費用は、敷金(退去するときの原状回復費用に充てるため前もって預ける金銭)、礼金(家賃とは別に賃借当初に支払う金銭、不要な場合もある)、前家賃(入居する当月の家賃)、仲介手数料、火災保険料、家賃保証のための保証料(保証人が保証する場合には不要の場合もある)、引っ越し費用などである。そのほかに、入居時に家具や家電を購入する場合には、その費用も加わる。

賃貸住宅に入居するための初期費用は、一般的に、家賃の5〜6ヵ月分程度とされている。

ショールーム

商品の陳列室。英語のshowroom。

商品見本を展示して、顧客の関心を引きつける場所として使われる。従って、陳列の際には、実際の利用状態を示して商品理解を深めるなど、展示に工夫がなされていることが多い。

たとえば、マンションのショールームとして展示されるモデルルームは、家具や小物などを置いて生活感を漂わせる演出がなされている。

新築

建物を新たに建築することをいう。これに対して、従来の建物を建て直すことを「改築」という。両者を併せて「新改築」ということもある。

法令上は、一般的に、新築と改築とで取扱いが異なることはないが、新築の場合は敷地の整備を伴うことが通例であるのに対して、改築の場合は敷地整備を行わないことが多い。

CRE

Corporate Real Estate の略で、「企業不動産」をいう。

企業は、事業のために事務所、店舗、工場、福利厚生施設など各種の不動産を所有・賃貸借しているが、それらすべての不動産がCREである。

CREが注目されているのは、企業経営において、不動産の活用によって企業の価値を高めることができるという認識が高まったことによる。この場合、不動産の売買や賃貸借だけを考えるのではなく、経営戦略の一環として不動産を活用することが重要であるとされ、そのような視点で企業不動産を運用することを「CRE戦略」という。

そのような業務を実施するためには、企業経営と結びついた不動産マネジメントの能力が必要であるとされている。

CSアンテナ

CS(通信衛星:Communication Satellite)を利用した放送を受信するためのアンテナ。

衛星放送には、CS放送とBS放送(放送衛星:Broadcasting Satelliteを利用した放送)とがあるが、受信アンテナの形態などに違いはなく、ひとつの衛星放送用アンテナで両方の放送を受信することができる。

CLT

木材板を積層接着した厚型のパネル。英語のCross Laminated Timberの略で、和訳は「直交集成板」である。

CLTは、板の層を繊維方向が直交するように交互に張り合わせたもので、高い寸法安定性、優れた断熱性があるほか、CLTを柱や梁とする構造は軽量で耐震強度を確保できるとされている。

シーリング

建物の継ぎ目や隙間を埋める工事をいう。これによって、継ぎ目や隙間からの雨水の侵入を防ぎ、構造物が振動し変位した際の伸縮性を確保することができる。

建物の大規模修繕に当たっては、一般的にシーリングをやり直す。
シーリングに使う充填材は、充填後に硬化し、防水性、伸縮性を発揮する必要があるが、成分の違いによって多くの種類がある。

シーリングファン(天井扇)

天井に取り付ける回転羽根をいう。

室内の空気を循環させて、上下の温度差を少なくする機能を発揮する。天井扇ともいわれる。

風量を調節したり、羽根の回転にゆらぎを加えたりできるものもある。また、実用性だけでなく、室内装飾としての効果もあるとされる。

地上

事業用地を確保するために、不動産会社が土地などを購入することをいう。

自らの事業のための購入のほか、依頼を受けて土地等を買収することも含まれる。買収を依頼されたときの方法には自ら買収した後依頼者に転売する場合と、依頼者の買収を媒介する場合とがある。

地上げの目的は土地を事業の用に供することであり、そのために必要となる、地上権の解消、家屋の撤去、借家人の立ち退きの実現などもその業務に含まれる。また、権利関係が複雑な市街地の開発などにあたっては、その調整等のため専門的な能力が要請されることもある。

公共事業のための用地買収も地上げと類似するところがあるが、買収価格は用地補償基準従って決められた価格でなければならず、最終的には土地収用に至ることなど、その性質は異なる。

ジェットバス

浴槽の中の穴から気泡を含んだ湯を勢いよく噴出し、マッサージ効果を発揮する風呂のこと。

直床工法

鉄筋コンクリートの床スラブにカーペットやフローリングを直張りすること。
歩行性や遮音性向上、また転倒時の安全性確保のために、クッション性のある材料を採用した方がよい。

床面が均一であることが絶対条件であることはいうまでもないが、フロア全体を均一に仕上げる(バリアフリー)ためには、スラブと床の間に収蔵する配管類のスペース分スラブを下げることも必要となる。

地形

土地の平面的な形状をいうが、傾斜、起伏などの状態を含めていうのが普通である。「じぎょう」と呼ばれることもある。

平坦で正方形に近ければ「整形」、いびつな形であれば「不整形」であるとされ、同じ面積でも価格が異なる。

軸組

垂直材(柱)と水平材(梁など)を組み合わせたもの。

 

木造の建築物の「骨組」のことである。

時効

ある事実状態が一定期間継続した場合に、そのことを尊重して、その事実状態に即した法律関係を確定するという制度を「時効」という。

 

時効は「取得時効」と「消滅時効」に分かれる。取得時効は所有権、賃借権その他の権利を取得する制度であり、消滅時効は債権、用益物権、担保物権が消滅するという制度である。

 

時効は時間の経過により完成するものであるが、当事者が時効の完成により利益を受ける旨を主張すること(これを援用という)によって初めて、時効の効果が発生する。

 

また、時効の利益(時効の完成によって当事者が受ける利益)は、時効が完成した後で放棄することができる。これを時効利益の放棄という。

 

また時効は、時効の完成によって不利益を受ける者が一定の行為を行なうことにより、時効の完成を妨げることができる。これを時効の中断という。

事故物件

権利について争いがあったり、浸水、自殺、倒産などの事故の場所となったりした宅地建物をいう。

取引価格は、事情を反映して低くなることが多い。

実印

個人の印鑑であって、市区町村長に対してあらかじめ印鑑登録を行なった印鑑のこと。

印鑑証明の発行を受けることができる印鑑である。

住居番号

「住居表示に関する法律」により、各建物に付された番号のこと。

土地登記簿に記載された地番とは異なる。

住居表示

1962(昭和37)年以前は、土地登記簿に記載されている地番に基づいて、各建物を表示していたため、郵便の集配等で混乱が生じていた。

そこで1962(昭和37)年に「住居表示に関する法律」が施行され、各建物を合理的に表示するために、各建物ごとに新しい番号(これを住居番号という)を付けることとなった。これによる建物の新しい表示の方法のことを「住居表示」と呼んでいる。

 

建物ごとに新しい番号を付ける方式としては、街区方式と道路方式が定められている。

重説

 「重要事項説明」の略で、宅地建物取引業者が、売買契約・賃貸借契約の締結に先立って、買主・借主に対して契約上の重要な事項を宅地建物取引業法第35条にもとづき説明すること。

 

この重要事項説明において宅地建物取引業者が買主・借主に対して交付する書面を「重要事項説明書」という。

 

不動産の買主・借主は、契約しようとする物件に関して十分な情報を持っていない事がほとんどで、また買主・借主が一般人である場合には不動産に関する法律知識が不十分であるため、思わぬ損害を受けてしまう可能性がある。

 

そこで、宅地建物取引業法第35条では、売買契約・賃貸借契約を締結するよりも前に、不動産取引を代理・媒介する(または自ら売主として取引する)宅地建物取引業者が、買主・借主に契約上の重要な事項を説明するように法律で義務付けているのである。

 

重要事項説明にあたっては、説明する重要事項をすべて書面に記載し、買主・借主にその書面(重要事項説明書)を渡す必要があるとされている。この重要事項説明書には、宅地建物取引士が記名押印しなければならない。

 

さらに宅地建物取引業者は、宅地建物取引士を通じて、重要事項説明書の内容をわかりやすく買主・借主に説明しなければならない(このとき宅地建物取引士は宅地建物取引士証を提示しなければならない)。このように、一定以上の知識経験を有すると認められる有資格者(宅地建物取引士)が説明することにより、買主・借主に誤った説明がされないよう配慮されているのである。

 

重要事項説明書に記載すべき事項は、非常に広範囲にわたる。また契約の種類・物件の種類によっても説明すべき事項に多くの違いがある。

重説IT化

不動産取引における重要事項説明を、インターネット等を活用して対面以外の方法で行なうこと、またはその方法を導入すること。

 

重要事項説明は、宅地建物取引士が対面で行ない、書面を交付しなければならないとされている(宅地建物取引業法)。しかし、情報技術を活用すれば、インターネット等を利用して説明し、電磁的方法で書面を交付することができる。そこで、政府においてその導入の可能性等が検討されている。

 

検討においては、① 取引士により重要事項説明が行なわれ、取引士証が提示されること、② 重要事項説明を受ける者が契約者本人であること、③ 取引士が、必要な内容について伝達すること、④ 取引士と重要事項説明を受ける者とのやり取りに十分な双方向性があること、を満たす必要があるとされている。そこで、社会実験によって導入の可能性を検証するとされている。その際には、売買か賃貸かというような取引の類型や、契約の相手方が個人か法人かというような属性の違いについても留意することになっている。

住宅の品質確保の促進等に関する法律

住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人および新築住宅の売り主に対して、住宅の一定部位について10年間の瑕疵担保責任を義務付けることにより、住宅の品質確保をめざす法律。「品確法」ともいう。

 

主な内容は次のとおりである。

1.住宅性能評価書

国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。

 

登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない。

 

住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売り主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買い主に引き渡す義務を負うことになる。

 

2.弁護士会による紛争処理・住宅紛争処理支援センター

建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる。紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である。

 

また、弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターを設置することとされ、「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣により指定されている。住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。

 

3.10年間の瑕疵担保責任の義務付け等

新築住宅の売買または建設工事における契約不適合責任(瑕疵担保責任)として、次の義務を定めた。

(1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売り主・工事請負人は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。

(2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。

この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。

重要事項説明

宅地建物の取引において、宅地建物取引業者が取引当事者に対して契約上重要な事項を説明することをいう。

また、その際に、説明の内容を記載して当事者に交付する書面を重要事項説明書という。

重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約を締結するよりも前に行なわなければならない。また、説明に当たるのは宅地建物取引士でなければならず、さらには、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある。

説明を要する事項は、売買か賃貸かなどの取引内容に応じて異なるが、大きく分けて、

1.取引対象不動産の権利関係、2.取引対象不動産に係る法令上の制限、3.取引対象不動産の状態やその見込み、4.契約の条件

に関する事項とされている(詳細は必ず直接に法令(宅地建物取引業法第35条およびその関連法令)に当たって確認されたい。また、臨機に改正も予想されるので留意が必要である)。

重要事項説明は、不動産の特性や取引の形態に起因して取引当事者に不利益が発生することを防ぐための仕組みとされ、その適正な実施が強く求められている。

重要事項説明書

宅地建物取引業務における重要事項説明に当たって、取引の相手となる当事者に対して交付して説明しなけばならない書面をいう(「重要事項説明」についての詳細は当該用語を参照)。

重要事項説明書には説明を要する重要事項を記載しなければならず、また、書面は、宅地建物取引士が、記名押印して交付しなければならないとされている。

重量鉄骨

「重量鉄骨」とは、厚さが6mmを超える鋼材のことである。

その反対に、厚さが6mm以下の鋼材は「軽量鉄骨」という。

 

重量鉄骨は、重量鉄骨構造の建物において柱・梁として使用される。

浄化槽(し尿浄化槽)

便所からのし尿と、台所等からの雑排水を一緒に浄化する水槽のこと。沈殿、バッキ、消毒の処理を行なう機能を持っている。

下水道の完備した区域(処理区域という)ではないエリアでは、し尿浄化槽を必ず設置して、し尿を浄化してから、雨水管へ放流しなければならないとされている(建築基準法31条2項)。

GPS

Global Positioning Systemの頭文字を取ったもの。「地球測位システム」と訳される。

人工衛星から電波を発信し、電波を発信した時刻とその電波を受信した時刻との差を計算することによって、受信者と人工衛星との距離を割り出し、さらに複数の人工衛星について同様に距離を割り出すことにより、受信者の現在位置を知ることができるという位置測定技術。もともとは冷戦時代に米国国防総省が開発した軍事技術である。そのため民生用に使用されている人工衛星の電波は精度が低く、位置測定において最大100mの誤差が生じるといわれている。

こうしたGPSの精度の問題点を克服するため、1997年12月にわが国の科学技術庁(現・文部科学省)航空科学研究所では「リアルタイム・キネマティック」方式という新しいGPS技術を開発した。この方式は頭文字を取って、RTK-GPSとも呼ばれている。
RTK-GPSでは、あらかじめ位置が正確にわかっている位置基準点と、移動可能な受信機が、ともにGPS衛星からの電波を受信する。それと同時に、位置基準点から受信機へと無線により補正用のデータが送信される。こうして、受信機側では位置のずれを自動的に修正し、受信機の正確な位置を高精度で測定することができる。その誤差はわずか数cmで、精度は通常のGPSのおよそ1,000倍に達する。
そのため、土木・建築の測量においても、RTK-GPS受信機を使用することにより、カーナビのような感覚での精密測量が可能となる。また、RTK-GPSはリアルタイムで高精度の位置情報が得られることから、高度道路交通システム(ITS)への応用が期待されている。

こうしたRTK-GPSを活用するには、RTK-GPS用の受信機が普及すると同時に、あらかじめ位置が正確に分かっている位置基準点が多数整備されることが必要である。この点について、国土交通省国土地理院は2002年度から3年計画で、RTK-GPSに対応する「電子基準点」の整備を進めている。電子基準点は高さ約5mのステンレス製の塔で、アンテナ、受信機および通信用機器で構成される。電子基準点の位置は毎日精密に測定され、地殻変動によるずれが補正されている。このような電子基準点の位置情報をリアルタイムで提供するサービス(「GPS民間活用基盤」という)も、一部地域ですでに稼動している。

こうしたRTK-GPSの実用化に伴って、95年から各省庁が連携して検討を進めてきたGIS(Geographic Information Systems:地理情報システム)の推進にも拍車がかかるものと予想される。
GISでは「世界測地系」に準拠した地図情報の集積が必要となるが、RTK-GPSは「世界測地系」に準拠したデータシステムである。しかも、RTK-GPSでは前述のように高精度の測量が可能となるので、これまで困難とされてきた各種の地図情報を統合するデータベースの構築が進展するものと期待されている。

水害保険

洪水、高潮、土砂崩れなどの水害による被災損失に対して補償する損害保険。火災保険の補償対象に含める形で設定されていて、例えば、「住宅総合保険」「オールリスクタイプの火災保険」などは水害も補償対象となっているが、「住宅火災保険」には水害に対する補償はない。
保険補償額は、全損であっても保険金額の7割を限度とし、床上浸水による一部損ではその被害の状況に応じて支払限度額が定められているのが一般的である。

なお、マンションの上層階では一般に水害保険は不要であるし、浸水が予想される地域では水害リスクが高いなど、保険の加入について選択が働きやすいこと、洪水等がいったん起きれば広い範囲で被災することから、水害保険の設計には難しい要素を伴うとされている。

水道

人の飲用に適する水を供給する施設の総称で、取水施設、貯水施設、浄水施設、配水施設などから構成される。下水道に対して、上水道といわれることもある。

水道事業を営む者は、その給水区域内の需要者から給水契約の申し込みを受けたときは、正当の理由がなければ契約を拒んではならないとされている(給水義務)。

スキップフロア

1.勾配のある土地、または住宅の一部を地下とする場合等で、建築物の室内において、半階ずらした床を設け、空間に変化を付ける空間構成手法。室内に段差が生じるため、バリアフリーには適さない。

2.集合住宅において、1または2階おきに廊下を設け、エレベーターは廊下のある階にだけ停止し、その上下階の住戸へは階段を利用するようにした型式。廊下のない階ではプライバシーが確保でき、通風も良い。また、エレベーターの停止階が少ない分だけ、その分のエレベーターホールが不要、通路面積も小さくできるといった利点もある。

ストックビジネス

継続的に収入を得ることのできる事業手法。和製英語である。資産(ストック)が生む価値を源泉とする事業である。

ストックビジネスの典型は、不動産賃貸で、空室が生じない限り継続的に賃料収入を得ることができる。あるいは、装置型サービスの供給(電力業、通信業など)、長期融資、機器の保守、資格・基準の認証などは、料金や利子を継続的に得ることができ、ストックビジネスとして展開できる。

一般に安定的に営むことができるとされる一方、提供する価値に対する需要が持続する必要がある。また、サービスなどを提供し続ける責任を負わなければならない。

なお、ストックビジネスに対して、時々の取引に依存する事業手法を「フロービジネス」という。

住み替え

住居を変えること。通常、不動産取引を伴う。

住み替えの理由は、就職、転職、結婚、出産、退職などのライフステージの変貌のほか、生活パターン、価値観などを含むライフスタイルのチェンジ、住み心地の向上等々、多様である。

スロープ

一般には傾斜を表し、建築学上では「斜路」をいう。

廊下や通路の高低差は普通階段で処理するが、身体障害者が車椅子等で通行できるよう傾斜で処理する。不特定多数が利用する公共施設やホテル、ビルなどにはハートビル法等でスロープの設置が義務付けられている。

制限能力者

行為能力を欠くために、単独で行なった法律行為を事後的に取り消すことが可能とされている者のこと。
具体的には、未成年、成年被後見人、被保佐人、被補助人が制限能力者である。

制限能力者は、その保護者(法定代理人、成年後見人、保佐人、補助人)の同意がない場合には、有効に法律行為を行なうことができないとされている(同意を得ない法律行為は事後的に取り消すことが可能である)。

清算金

土地区画整理事業において、換地計画によって金銭により清算すると定められた場合のその金銭をいう。

清算金が定められるのは、同意による換地の不交付や技術的な事情によって換地等に不均衡が生ずると認められる場合で、その金額は、従前の宅地等および換地等の、位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等を総合的に考慮して決定される。

石綿

蛇紋石・角閃石など繊維状ケイ酸塩鉱物の総称。英名アスベスト(Asbestos)。

繊維質であるため紡績することができる。また、耐久力があり、溶融点が1,300度程度と高く、熱絶縁性が大きく、耐薬品性も大きいなど、安価で優れた性質を持つため、さまざまな用途に使用されてきた。建築素材としても、断熱材、保温材、耐火材として大量に利用された。

しかし、石綿の繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることがわかり、1975年には吹き付け使用が禁止され、以後、段階的に使用の規制が強化されて2006年には全面的に輸入・製造・使用等が禁止された(代替品が確立していない特定の部材については例外的に確立までの間は禁止が猶予されている)。

建物の解体などの際には、使用されていた石綿が飛散するなどの恐れがあり、それに伴う健康被害を予防するため、作業方法などについて一定の基準が定められている。

接道義務

建築基準法第43条の規定によれば、建築物の敷地は原則として、建築基準法上の道路と2m以上の長さで接しなければならない。これは消防活動などに支障をきたすことがないように定められたものである。この義務のことを「接道義務」と呼んでいる。
(なお建築基準法第43条では、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物等については、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可したものについては、接道義務を免除することができるとも定めている)

また、多数の人が出入りするような特殊建物物(学校・ホテルなど)や大規模建築物(3階建て以上の建築物など)については、防火の必要性が特に高い等の理由により、地方自治体の条例(建築安全条例)において、より重い接道義務を設けていることが多いので注意したい。

専属専任媒介契約

宅地または建物の売買または交換の媒介の契約(媒介契約)のうち、専任媒介契約であって、かつ依頼者は、依頼した宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買等の契約を締結することができない旨の特約が付いた契約をいう。

つまり、依頼者は取引の相手方を自分で発見しても、媒介を依頼した宅地建物取引業者の媒介なしには契約できないことになる。

専属専任媒介契約を締結した場合には、宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、5日以内に、媒介の目的物に関する事項を指定流通機構に登録しなければならないとされている。

洗濯機パン

洗濯機の下に置く防水のための受け皿。「防水パン」ともいう。

排水口と直結し、洗濯機から漏れた水や結露水を溜めて排水するほか、振動が床に伝わるのを和らげる機能もある。

洗濯機パンは、床を保護するために有効で、また、2階以上では階下への水漏れを防ぐためにも設置すべきと考えられている。

洗面化粧台

洗面台(洗面ボール、給水栓、鏡を備えている)と収納スペースとが一体化した設備。通常、照明器具やコンセントも備えていて、身だしなみを整えるためのニーズに応えるように作られている。

専有部分

分譲マンションなどの区分所有建物において、それぞれの区分所有者が単独で所有している建物の部分のことを「専有部分」と呼ぶ(区分所有法第1条・第2条)。

分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部が「専有部分」に該当する。

この反対に、区分所有建物において区分所有者が全員で共有している部分(例えば廊下・階段・バルコニーなど)は「共用部分」と呼ばれる。

専用庭

分譲マンションにおいて敷地に設けられた庭やテラスであって、1階部分の区分所有者が排他的に使用できるもののこと。1階部分の区分所有者のために専用使用権が設定されていることが多い。

絶対高さの制限

第一種・第二種低層住居専用地域では、住環境を良くするために、建築物の高さが10mまたは12m以下に制限されている。これを「絶対高さの制限」と呼んでいる(建築基準法55条)。

この絶対高さの制限が「10m以下」と「12m以下」とのどちらになるかは、都市計画で規定される。

なお、この絶対高さの制限には例外がある。建築審査会が同意して特定行政庁が許可した場合には、絶対高さの制限を上回る高さの建築物を建築することができる。

全部事項証明書

不動産登記簿に記載されている総ての内容を表示し、それが真正であることを証明する書面。登記簿が登記用紙によって調整されていたときの登記簿謄本と同じである。誰でも登記所に申請して交付を受けることができる(オンラインで申請することも可能)。

全部事項証明書には過去の履歴(所有権の移転、抵当権の設定・抹消など)も含めた記載内容が総て表示されている。

なお、登記簿の記載内容を表示する書面には、全部事項証明書のほか、現在有効である内容のみを表示し証明する「現在事項証明書」、内容の表示のみで証明を欠く「登記事項要約書」などがある。

相殺

2人の者が互いに相手に対して同種の債権を持っているとき、相手方への意思表示によってその債務を対当額で消滅させることをいう。

一方の財産状態が悪化した場合に、相殺の意思表示によって確実に債権を回収できる(自らの債務の範囲ではあるが)から、債権担保の機能も果たすとされる。

相殺ができるのは、1.同種の債権が債権者・債務者の間に相対立して存在し、2.双方の債権がともに弁済期にある(実際には、相殺しようとする者がその債務について期限の利益を放棄すれば、債権と弁済期を同じにできる)状態にある場合で、そのような状態にあることを「相殺適状」という。意思表示をすれば、双方の債務は相殺適状の時に遡って対当額で消滅する。

ただし、相殺禁止の特約があるときなど一定の場合には、相殺が許されない。

相続

死者の有した財産上の一切の権利義務を、特定の者が包括的に承継することをいう。

相続は、死亡のみによって、意思表示を要せず一方的に開始される。ただし、遺言により相続の財産処分について生前に意思を明らかにし、相続に反映させることができるが、この場合には、遺留分の制約がある。

財産の継承者(相続人)は、1.子・直系尊属・兄弟姉妹がこの順で先順位の者が(同順位者が複数あるときには共同して均等に)、2.配偶者は1.の者と同順位で常に、その地位を得る。子・兄弟姉妹の相続開始前の死亡や相続欠格等の場合には、その者の子が代わって相続人となる(代襲相続)。
また、相続人は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に、相続の承認、限定承認、相続放棄のいずれかの意思表示が必要である(意思表示がないときには相続の承認とみなされる)。

遺言の指定がないときの相続分(法定相続分)は、1)配偶者と子のときには、配偶者2分の1、子2分の1、2)配偶者と直系尊属のときには、配偶者3分の2、直系尊属3分の1、3)配偶者と兄弟姉妹のときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1である。

なお、法定相続分は遺言がない場合の共同相続人の権利義務継承の割合を定めたもので、遺産分割は相続人の協議等によってこれと異なる割合で行なうことができる。

粗大ごみ

地方公共団体が収集する一般廃棄物のうち、大きさが一定以上であって、収集の依頼が必要なものをいう。その大きさは、ごみ処理事業を行なう地方公共団体によって異なる。

通常のゴミ収集車で収集することが困難であることから、事前に収集を申し込むと共に、手数料を負担しなければならないとされている。

家電リサイクル法の対象となっているテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などや、資源有効利用のために回収することとされているパソコンなどは、販売店を通じてメーカーが回収するため、粗大ごみ収集の対象にはならない。また、事業に用いた廃棄物(産業廃棄物)は一般廃棄物ではなく、地方公共団体のごみ処理事業の対象ではない。

外断熱

室外側に断熱層を設け、室内への外気温移動の影響を少なくする構法のこと。

建物の外壁に使われるコンクリートは雨風を防ぎ、堅牢であるために耐久性、防犯性などに優れているが、太陽熱を蓄熱し、夜間にはその熱を空中に放熱するため、都市部の熱帯夜の主要原因ともいわれている。
鉄筋コンクリート造やブロック造などの構造躯体の外側に断熱材を張れば、外壁のコンクリートは室内側に近い温度になり、外気の影響を受けにくく、劣化も進みにくくなる。従来は、室内側に断熱材を取り付ける内断熱構法が一般的であったが、近年は断熱効率を上げるために外断熱構法を採用するケースが増えている。

ソファベッド

寝台兼用のソファ。英語のsofa-bed。ソファの背もたれを倒したり、ソファの座面を引き出したりすることで簡易な寝台として使うことができる。  

損害賠償

違法行為によって損害が生じた場合に、その損害を填補することをいう。

債務不履行や不法行為などの違法な事実があり、その事実と損害の発生とに因果関係があれば損害賠償義務を負うことになる。その損害は、財産的か精神的かを問わず、積極的(実際に発生した損害)か消極的(逸失利益など)かも問わず填補の対象となる。
ただし、その範囲は、通常生ずべき損害とされ、当事者に予見可能性がない損害は対象とはならない(相当因果関係、因果の連鎖は無限に続くため、予見可能性の範囲に留めるという趣旨)。

損害賠償は原則として金銭でなされる。また、損害を受けた者に過失があるときは賠償額は減額され(過失相殺)、損害と同時に利益もあれば賠償額から控除される(損益相殺)。

なお、同じように損害の填補であっても、適法な行為(公権力の行使)によって生じた不利益に対する填補は、「損失補償」といわれて区別される。

損害賠償額の予定

不動産の売買契約において、当事者の一方が債務を履行しない場合に備えて、あらかじめ損害賠償の金額を取り決めておくことがある。このような予定された賠償金額のことを「損害賠償額の予定」と呼ぶ。

「損害賠償額の予定」を契約に盛り込むことにより、売買契約の当事者は、将来に債務の不履行が発生した場合には、実際の損害額を立証しなくとも、所定の金額の損害賠償を請求できるというメリットがある。

また、実際の損害額が、予定された賠償額よりも少ない場合であっても、債務を履行しない債務者には予定された賠償額を支払う責任が生ずるので、債務者にとっては過剰な支払いとなる可能性がある。

このように「損害賠償額の予定」に関する契約条項は、当事者の一方に不利なものとなる可能性があるので、宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者が売主となる宅地建物の売買契約においては、「損害賠償額の予定」と「違約金」との合計額が売買代金の2割を超えてはならないと定めている(宅地建物取引業法第38条)。

この宅地建物取引業法第38条により、売買取引に精通していない一般の買主が不利にならないように保護しているのである。ただし宅地建物取引業者同士の売買取引については、この宅地建物取引業法第38条は適用されない。

増床

既存の建物において、増築しないで特定の目的のための床面積を拡大することをいう。

増床の方法には、デッドスペースの有効利用、建物空間の用途転換、同一建物内の他者が所有する空間の買収・賃借などがある。

また、企業や商業施設などが、オフィスや売り場面積を増やすこともいう。

造成宅地防災区域

造成された一団の宅地のうち、地震等によって地盤の滑動などの災害が発生する恐れが大きいとして指定される区域をいう。

その指定要件、手続きなどは、宅地造成等規制法で定められている。

造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者等は、災害防止のための擁壁等を設置するなどの責務を負うほか、都道府県知事等が、所有者等に対して、災害の防止のため必要な措置を講じるよう勧告や改善命令を行なうことがある。

なお、宅地建物取引業務における重要事項説明に際しては、取引する宅地建物が造成宅地防災区域にあるときには、その旨を説明しなければならない。

贈与

当事者の一方がある財産権を相手方に無償で移転する意思を表示し、相手方がそれを受諾する意思を表示し、双方の意思が合致することによって成立する契約のこと(民法第549条)。

贈与は諾成契約とされている。つまり、当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引き渡されたときに成立するのではない)。また、贈与は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。

本来、贈与は好意・謝意などの動機で行なわれるものであるから、契約ではないとする考え方もあるが、わが国の民法では、贈与も契約であると構成したうえで、「書面による贈与」と「書面によらない贈与」に区分し、異なった取扱いをするという方法を採用している。

「書面による贈与」とは、贈与者による贈与の意思が現れた書面が存在する贈与である。書面による贈与は書面が存在する以上、もはや撤回することができない。
「書面によらない贈与」は、原則的にいつでも撤回することができるが、履行が終わった部分については撤回できないとされている(民法第550条)。

た行

耐火建築物

建築基準において、その主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)が耐火性能を満たし、かつ、延焼の恐れのある開口部(窓やドア)に防火戸など火災を遮る設備を有する建築物をいう。

この場合に、耐火性能を満たすというのは、

1.主要構造部が耐火構造であること

2.屋内で発生する火災、および周囲で発生する火災による火熱に、当該火熱が終了するまで耐えることができるとする技術基準で定める性能(構造耐火力、上昇温度などに関する一定の要件)に適合すること

である。

一定の特殊建築物や、都市計画で定められた防火地域内の一定の建築物は、耐火建築物としなければならない。

耐火構造

建築基準において、壁、柱、床その他の建築物の部分の構造が、耐火性能に適合する建築物の構造をいう。

この場合の耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、当該火災による建築物の倒壊、および延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能のことである。その技術的な基準としては、各構造部分の種類や建物の階数に応じて定められる一定時間(おおむね1~3時間)の間、火熱を加えても、各構造部分が構造耐火力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであることなどの要件が定められている。

例えば、鉄筋コンクリート構造やれんが造は、原則として耐火構造である。

対面キッチン

ダイニングルームと開放的に向き合う配置となっている調理台。

調理室とダイニングルームとの間に大きな窓を設けて設置する方法、ダイニングの一角にキッチンを据え付ける方法などがある。

高さ制限

建物の高さの限度をいう。

いくつかの種類があるが、大きくは、建物全体の高さの制限と、相隣関係などによる斜めの線による制限(斜線制限)に分かれる。

建物全体の高さの制限には、都市計画で定められた、1.低層住居専用地域における高さの限度、2.高度地区における高さの最高限度または最低限度がある。

斜線制限には、1.道路高さ制限、2.隣地高さ制限、3.北側高さ制限、4.日影規制がある。詳しくは「斜線制限」参照。

その適用の有無や具体的な数値などは、用地地域等に応じて異なるため、個々の都市計画等に照らして確認しなければならない。

宅地(宅地建物取引業法における~)

宅地建物取引業法では、宅地の定義を次のように定めている(宅地建物取引業法第2条第1号、施行令第1条)。

1.用途地域内の土地について
都市計画法で定める12種類の用途地域内に存在する土地は、どのような目的で取引する場合であろうと、すべて宅地建物取引業法上の「宅地」である。
従って、例えば用途地域内に存在する農地を、農地として利用する目的で売却する場合であっても、宅地建物取引業法では「宅地」として取り扱う。

2.用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路の用地について
用途地域内の土地のうちで、5種類の公共施設の用に供されている土地については、「宅地」から除外する。具体的には、道路・公園・河川・広場・水路という5種類の公共施設の用地は「宅地」から除外される(ただし下記の補足1を参照のこと)。

3.建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地について
建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地は、土地の原状の用途に関係なく、すべて宅地建物取引業法上の「宅地」である。
従って、例えば土地登記簿上の地目が「田」「畑」「池沼」「山林」「原野」である土地であっても、その土地を、建物の敷地に供する目的で取引するならば、宅地建物取引業法上はすべて「宅地」として取り扱われる。
これについては、土地の所在がどこであろうと適用される判断基準である。従って、都市計画区域外の山林や原野を、建物の敷地に供する目的で取引する場合には、その山林や原野は「宅地」として取り扱われる。

(補足1)用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路の用地を、建物の敷地に供する目的で取引の対象とする場合について:
例えば、用途地域内の道路用地である土地を、建物の敷地に供する目的で取引する場合には、上記3.の基準が適用される。従って、この場合は、用途地域内の道路用地が、宅地建物取引業法上の「宅地」に該当することになる。

 

宅地建物取引業

宅地建物取引業とは「宅地建物の取引」を「業として行なう」ことである(法第2条第2号)。

ここで「宅地建物の取引」と「業として行なう」とは具体的には次の意味である。

 

1.「宅地建物の取引」とは次の1)および2)を指している。

1)宅地建物の売買・交換

2)宅地建物の売買・交換・賃借の媒介・代理

 

上記1.の1)では「宅地建物の賃借」が除外されている。このため、自ら貸主として賃貸ビル・賃貸マンション・アパート・土地・駐車場を不特定多数の者に反復継続的に貸す行為は、宅地建物取引業から除外されているので、宅地建物取引業の免許を取得する必要がない。

またここでいう「宅地」とは、宅地建物取引業法上の宅地を指す(詳しくは「宅地(宅地建物取引業法における~)」を参照のこと)。

 

2.「業として行なう」とは、宅地建物の取引を「社会通念上事業の遂行と見ることができる程度に行なう状態」を指す。具体的な判断基準は宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の「第2条第2号関係」に記載されているが、主な考え方は次のとおりである。

1)取引の対象者

広く一般の者を対象に取引を行なおうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。

2)取引の反復継続性

反復継続的に取引を行なおうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行なおうとするものは事業性が低い。

宅地建物取引業協会・宅建協会

宅地建物取引業者が設立した業界団体の一つで、都道府県ごとに設立されている。

 

業界団体の設立は本来自由であるが、宅地建物取引業法は、宅地建物取引業の適正な運営の確保と健全な発達を図るため、宅地建物と取引者が各都道府県ごとに「宅地建物取引業協会」と称する社団法人を設立することができるとし、併せて全国を単位とする宅地建物取引業連合会および名称使用制限を設けている(同法74・75条)。

宅地建物取引業者

宅地建物取引業者とは、宅地建物取引業免許を受けて、宅地建物取引業を営む者のことである(宅地建物取引業法第2条第3号)。

 

宅地建物取引業者には、法人業者と個人業者がいる。

なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。

宅地建物取引業者名簿

宅地建物取引業者に関する一定の事項を登載した名簿のこと。

都道府県知事または国土交通大臣は、下記の1.から8.の事項を登載した宅地建物取引業者名簿を作成しなければならない(宅地建物取引業法第8条)(※末尾参照)。

 

1.免許証番号・免許を受けた年月日(法第8条第2項第1号)

2.商号または名称(法第8条第2項第2号)

3.事務所の名称と所在地(法第8条第2項第5号)

4.宅地建物取引業者が法人である場合には、その法人の役員の氏名および事務所の代表者の氏名(法第8条第2項第3号)

5.宅地建物取引業者が個人である場合には、その者の氏名および事務所の代表者の氏名(法第8条第2項第4号)

6.事務所に置かれる専任の宅地建物取引士の氏名(法第8条第2項第6号)

7.宅地建物取引業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類(施行規則第5条第2号)

8.過去に指示処分(法第65条第1項、第3項)または業務停止処分(法第65条第2項、第4項)を受けた場合には、その内容および処分の年月日(施行規則第5条第1号)

 

上記2.から7.までは免許申請書の記載事項(法第4条第1項)と同じである。

また上記2.から6.に関して変更があったときは、宅地建物取引業者は免許権者である知事または大臣に対して、宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出(法第9条)を行なう必要がある。

 

※宅地建物取引業者が、不動産投資信託等に関して取引一任代理等の認可を国土交通大臣から得ている場合にはその旨も宅地建物取引業者名簿に登載される(法第50条の2、法第8条第2項第7号)。

大臣と知事では、宅地建物取引業者名簿を作成する範囲が異なっている。

国土交通大臣は、国土交通大臣が免許を与えた宅地建物取引業者の名簿のみを作成する。

各都道府県知事は、その都道府県知事が免許を与えた宅地建物取引業者の名簿と、その都道府県内に本店を置く国土交通大臣が免許を与えた宅地建物取引業者の名簿を作成する(法第8条第2項本文)。

宅地建物取引業者名簿等の閲覧

宅地建物取引業法では、都道府県知事または国土交通大臣は、宅地建物取引業者名簿などの一定の書類を広く一般の閲覧に供しなければならないと定めている(宅地建物取引業法第10条)。

 

これは、宅地建物取引業者の業歴、信用状況、行政処分歴などを公開することにより、宅地建物の取引の円滑化を図る制度であるということができる。具体的には次のとおり。

 

1.閲覧できる書類の範囲

次のように広い範囲の書類が閲覧対象とされている(法第10条)

1)宅地建物取引業者名簿

2)免許申請書

3)免許申請書の添付書類

4)宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出に係る書類

 

上記1)には指示処分、業務停止処分の履歴が登載されており、行政処分歴が把握できる。

また上記3)には、貸借対照表および損益計算書(施行規則第1条の2第6号)、資産に関する調書 (施行規則第1条の2第7号)などの財務書類が含まれており、信用状況の把握に役立つ。

 

2.閲覧の方法

誰でも閲覧できることとされている。具体的な閲覧の方法は、閲覧場所ごとに閲覧規則を定めて規定している(施行規則第5条の2)。これにより閲覧可能な時間帯、閲覧申請書の記入方法などが個別に定められている。

 

3.閲覧場所

宅地建物取引業者が都道府県知事から免許を受けた場合(知事免許)は次の1)の場所で、国土交通大臣から免許を受けた場合(大臣免許)は次の2)の場所で、それぞれ閲覧できる。

 

1)知事免許の場合

各都道府県の宅地建物取引業を所管する部署において、上記1.の書類が閲覧できる。

例えば、東京都知事免許の宅地建物取引業者であれば、東京都庁の宅地建物取引業所管課で上記1.の書類が閲覧できる。

2)大臣免許の場合

この場合には次の2ヵ所で上記1.の書類が閲覧できる。

a)その宅地建物取引業者の本店の所在地を管轄する都道府県の宅地建物取引業所管課

b)全国の国土交通省地方整備局の宅地建物取引業所管課(注)

 

例えば、大阪府に本店・東京都に支店を置く大臣免許の宅地建物取引業者であれば、大阪府庁および全国の地方整備局において上記1.の書類が閲覧できることになる。

(ただ、し支店所在地である東京都庁では閲覧できないことに注意)

 

(注)地方整備局とは、「北海道開発局」「東北地方整備局」「関東地方整備局」「北陸地方整備局」「中部地方整備局」「近畿地方整備局」「中国地方整備局」「四国地方整備局」「九州地方整備局」「沖縄総合事務局」のこと。

宅地建物取引業法

宅地建物取引の営業に関して、免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を定めた法律。1952年に制定された。

 

この法律に定められている主な内容は、宅地建物取引を営業する者に対する免許制度のほか、宅地建物取引士制度、営業保証金制度、業務を実施する場合の禁止・遵守事項などである。これによって、宅地建物取引業務の適正な運営、宅地および建物の取引の公正の確保および宅地建物取引業の健全な発達の促進を図ることとされている。

宅地建物取引業保証協会

宅地建物取引業により生じた債権の弁済(弁済業務)、債務の連帯保証(一般保証業務)、苦情の解決、研修などを行なう社団法人(現在は、公益社団法人または一般社団法人)で、国土交通大臣の指定したものをいう。

 

その社員は、営業保証金の供託を必要としないかわりに、弁済業務保証金分担金(主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円)を納付しなければならない。

 

 現在指定を受けているのは、(公社)全国宅地建物取引業保証協会および(公社)不動産保証協会の2つの団体である。

宅地建物取引士

宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けて、宅地建物取引士証の交付を受けた者のこと。

 

宅地建物取引士は、一定以上の知識・経験を持つ者として公的に認められた者である。宅地建物取引業者は、事務所ごとに従事者5名に対して1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければならない(詳しくは宅地建物取引士の設置義務へ)。

 

宅地建物取引において特に重要な次の3つの業務は、宅地建物取引士だけが行なうことができるとされている(宅地建物取引士ではない者はこれらの業務を行なうことができない)。

 

1.重要事項説明

2.重要事項説明書への記名・押印

3.37条書面への記名・押印

 

宅地建物取引士となるためには、具体的には次の1)から5)の条件を満たす必要がある。

 

1)宅地建物取引士資格試験に合格すること

宅地建物取引業に関して必要な知識に関する資格試験である宅地建物取引士資格試験に合格することが必要である。なお、一定の要件を満たす者については宅地建物取引士資格試験の一部免除の制度がある。

2)都道府県知事に登録を申請すること

この場合、宅地建物取引に関して2年以上の実務経験を有しない者であるときは、「登録実務講習」を受講し修了する必要がある。

3)都道府県知事の登録を受けること

登録を受けるには一定の欠格事由に該当しないことが必要である。

4)宅地建物取引士証の交付を申請すること

宅地建物取引士証の交付を申請する日が宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「法定講習」を受講する義務がある。

5)宅地建物取引士証の交付を受けること

氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている宅地建物取引士証の交付を受けて初めて正式に宅地建物取引士となる。

 

宅地建物取引士は、宅地建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護および円滑な宅地建物の流通に資するよう公正誠実に業務を処理するほか、信用・品位を害するような行為をしないこと、必要な知識・能力の維持向上に努めることとされている。

宅地建物取引士証

都道府県知事の行なう宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者は、登録をしている都道府県知事に対して申請することにより、宅地建物取引士証の交付を受けることができる(宅地建物取引業法第22条の2)。

 

宅地建物取引士証は顔写真付のカードであり、氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている。

有効期間は5年であり、申請により更新することができる(宅地建物取引業法第22条の3)。

 

取引士証の交付を受ける際に、取引士証の交付を申請する日が宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、「法定講習」を受講する義務が生じるので注意が必要である(宅地建物取引業法第22条の2第2項)。

宅地建物取引士証の提示義務

宅地建物取引士は、不動産取引の当事者から請求があったときは、宅地建物取引士証を必ず提示しなければならない(宅地建物取引業法第22条の4)。

 

また、宅地建物取引士は、不動産取引の当事者に重要事項説明を行なう際には、説明の相手方に対して、宅地建物取引士証を必ず提示しなければならない(宅地建物取引業法第35条)。

宅地建物取引士の設置義務

宅地建物取引業者が、その事務所等に、「成年の専任の宅地建物取引士」を置かなければならないという義務のこと。

 

1.取引士を置くべき場所と人数

最低設置人数は、その場所の種類で異なることとされており、具体的には次のとおり。

 

1)「事務所」に設置すべき成年の専任の宅地建物取引士の最低設置人数は、事務所の「業務に従事する者」(以下「従事者」という)の数の5分の1以上である。

例えば、事務所における従事者が11人ならば、その5分の1は2.2人であるので、成年の専任の宅地建物取引士を3人(またはそれ以上)置かなければならない。

なお従事者の範囲については、詳細なガイドラインが設けられている(別項目の「従事者」を参照のこと)。

2)「事務所以外で専任の宅地建物取引士を置くべき場所」に設置すべき成年の専任の宅地建物取引士の最低設置人数は、その場所の従事者の人数に関係なく、1名以上である。

 

2.置くべき取引士の要件

上述の1.において置くべき宅地建物取引士は「成年」かつ「専任」でなければならないとされている。

 

ここで「専任」とは、国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方によれば、原則として、宅地建物取引業を営む事務所に常勤(宅地建物取引業者の通常の勤務時間を勤務することをいう)して、専ら宅地建物取引業に従事する状態をいうと解説されている。

ただし、当該事務所が宅地建物取引業以外の業種を兼業している場合等で、当該事務所において一時的に宅地建物取引業の業務が行なわれていない間に他の業種に係る業務に従事することは差し支えないものと解説されている。

 

また、「成年」とは満20歳に達したことをいうが、民法第753条により未成年でもいったん結婚すると成年に達したものとみなされる(詳しくは別項目の「成年」へ)。

 

3.置くべき取引士の要件に関する特例措置

役員(個人業者の場合には業者本人)が、宅地建物取引士であるときは、その者が「成年の専任の宅地建物取引士」とみなされるという特例措置が設けられている。

 

従って、例えば、ある宅地建物取引業者において、18歳の役員である宅地建物取引士(婚姻はしていない者)がいて、主として専らある事務所の業務に従事している場合には、その役員がその事務所の「成年の専任の宅地建物取引士」とみなされることになる。

 

なお、ここでいう「役員」とは、取締役よりも広い範囲を指している。具体的には「役員とは、業務を執行する社員、取締役、執行役、またはこれらに準ずる者」とされている。ちなみに監査役はここでいう「役員」から除外されている。

 

4.設置義務違反の是正措置

上述の1.の最低設置人数に違反する状態になった場合には、宅地建物取引業者は早急に是正しなければならない。

具体的には、既存の事務所等がこの成年の専任取引士の設置義務に違反する状態となったときは、2週間以内に設置義務を満たす必要があるとされている。

宅地建物取引主任者

「宅地建物取引士」の従前の名称。平成272015)年41日に改称された。

宅配ボックス・宅配ロッカー

不在時に荷物などを受け取るための設備。配達人がロッカーに荷物を入れると鍵がかかり、荷宛人は暗証番号や認証カードを用いて受け取る。

宅配ボックスは、一般に、マンションの共用部分に設置されている。

床の敷物で、わらを芯に藺(い)の茎を編んだ表をつけたものをいう。部屋の広さを示す単位(「◯畳の間」など)としても使われる。

広さの単位として使われる場合には、地域によってその大きさに違いがあることに注意しなければならない。たとえば京間は6尺3寸×3尺1寸5分、江戸間・田舎間は6尺×3尺(いずれも内法)を単位にして畳数で表示される(1尺=0.30303m=10寸=100分)。

このような違いがあることなどから、不動産広告における面積の表示はメートル法によるのを原則とし、居室等の広さを畳数で示す場合には、各部屋の壁心面積を畳数で割った値が1.62平方メートル以上となるようにしなければならないとされている(不動産の表示に関する公正競争規約細則)。

宅建免許

宅地建物取引業を営もうとする者は、都道府県知事または国土交通大臣に宅地建物取引業の免許を申請し、免許を受けることが必要である(宅地建物取引業法第3条)。

 

不正の手段で宅地建物取引業の免許を受けた者や、無免許で宅地建物取引業を営んだ者には、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金という罰則が予定されている(法第79条第1号、第2号)(詳しくは無免許営業等の禁止へ)。

 

免許を受けるには、宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、一定の不適格な事情(欠格事由)に該当しないことが要件とされている(法第5条第1項)。

この免許の欠格事由は、法律により詳細に規定されている(詳しくは免許の基準へ)。

 

また、宅地建物取引業の免許を受けるには、免許申請書および免許申請書の添付書類を都道府県知事または国土交通大臣に提出する必要があり、その記載事項等は詳細に法定されている(法第4条第1項、第2項、施行規則第1条の2)。

 

なお、宅地建物取引業の免許の有効期間は5年とされている(法第3条第2項)。

免許の有効期間の満了後、引き続き宅地建物取引業を営むためには、有効期間満了の日の90日前から30日前の期間内に免許の更新の申請書を提出する必要がある(法第3条第3項、施行規則第3条)。

建て替え

建物を改築すること。全面的な建て替えのほか、建物の一部を建て替える場合もある。

 

マンションの建て替えには、区分所有者およびその議決権の各5分の4以上の多数による決議(建替え決議)が必要である。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。

具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

建物状況調査

既存の建物について、構造耐力上の安全性や雨漏り・水漏れ等の観点からその状態を確認すること。インスペクションともいう。

 

建物状況調査は、既存住宅売買瑕疵保険に加入するときなどに実施されている。

 

宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法に基づき、2018(平成30)年4月1日以降、建物状況調査に関して次のことを行なわなければならない。

 

・媒介依頼者に交付する媒介契約書に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載すること

・重要事項として、買い主等に対し、建物状況調査の実施の有無、その結果の概要、建物の建築・維持保全の状況に関する書類の保存状況を説明すること

・売買等の契約の成立時に交付する書面に、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載すること

建物登記簿

1個の建物ごとに作成される登記記録のこと。

短期賃貸借

賃貸借契約のうち、その期間が限定されているものをいう。

 

被保佐人もしくは被補助人(いずれも精神上の障害により事理弁識の能力が不十分(「被保佐人」は著しく不十分)であるとして家庭裁判所の審判を受けた者、「準禁治産者」を参照)であるため処分行為能力が制限されている者または権限の定めのない代理人等の処分権限を有しない者が賃貸借する場合には、賃貸借契約の目的物に応じてその期間が制限されている。例えば、山林以外の土地については5年、建物については3年である。

 

従来、この期間を超えない賃貸借については、抵当権の登記後に登記したものでも抵当権者に損害を与えない限りこれに対抗できるとされていたが、この規定を悪用する例があるため、その特例は廃止された(「占有屋」参照)。

第一種住居地域

都市計画法(9条)で「住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として50%、60%または80%である。
また容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3.店舗(3,000平方メートル以下のものに限る)
4.事務所(3,000平方メートル以下のものに限る)
5.危険や環境悪化の恐れが非常に少ない作業場面積が50平方メートル以下の工場
6.ホテル・旅館(3,000平方メートル以下のものに限る)、
7.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場等(3,000平方メートル以下のものに限る)
8.自動車教習所(3,000平方メートル以下のものに限る)

(建築できないもの)
1.上記に挙げたもの以外の店舗
2.上記に挙げたもの以外の事務所
3.上記に挙げたもの以外の工場
4.上記に挙げたもの以外のホテル・旅館
5.上記に挙げたもの以外の遊戯施設・風俗施設
6.上記に挙げたもの以外の自動車教習所
7.倉庫業の倉庫

第一種中高層住居専用地域

都市計画法(9条)で「中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は30%から60%の範囲内(10%きざみ)で用途地域で指定され、容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3.店舗(日用品販売店舗、喫茶店、理髪店、物品販売店舗、飲食店、銀行など)
4.2階以下で作業場の面積が50平方メートル以下のパン屋等の工場

(建築できないもの)
1.上記に挙げたもの以外の店舗
2.事務所
3.上記に挙げたもの以外の工場
4.ホテル・旅館
5.遊戯施設・風俗施設
6.自動車教習所
7.倉庫業の倉庫

第一種低層住居専用地域

都市計画法(9条)で「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。

この用途地域では、建ぺい率の限度は30%から60%の範囲内(10%きざみ)で都市計画で指定され、容積率の限度は50%から200%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。

また良好な住環境を確保するため、建築物の高さが10m(または12m)以下に制限されていることがこの用途地域の大きな特徴である。これを「絶対高さの制限」と言う。なお制限が10m・12mのいずれになるかは都市計画で定められている。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、公衆浴場、老人ホーム

(建築できないもの)
1.大学、専修学校、病院
2.店舗
3.事務所
4.工場
5.ホテル・旅館
6.遊戯施設・風俗施設
7.自動車教習所
8.倉庫業の倉庫

代位弁済

債務を債務者以外の者が弁済し、その弁済者が債務者に対して求償権を取得する場合の弁済をいう。

債権者からみれば債務者に代わる者(代位する者)から弁済を受けることになり、債権者の求償権は弁済者に移るのである。

代位弁済には大きく2つ場合がある。
一つは、保証人、連帯債務者、抵当不動産の第三取得者など、弁済について正当な利益を持つ者による弁済で、この場合は弁済によって当然に求償権が移転する(法定代位)。

もう一つは、利害関係のない第三者が弁済する場合で、この場合にはその代位について債権者の承諾が必要である(任意代位)。

大規模修繕

分譲マンションの性能を維持し老朽化を防止するために、計画的に行なわれる修繕であって、多額の費用を要する修繕のことである(これに対して多額の費用を要しない計画的な修繕は「小規模修繕」という)。

具体的には、鉄部塗装工事・外壁塗装工事・屋上防水工事・給水管工事・排水管工事などの各種の修繕工事を指している。

これらの修繕工事を適切に行なうためには、分譲マンションの管理組合が「長期修繕計画」を作成し、修繕積立金を積み立て、大規模修繕を実施することが不可欠である(修繕工事の実施時期・費用等について詳しくは長期修繕計画へ)。

なお、大規模修繕を実施するためには、管理組合の集会で大規模修繕の実施を可決しなければならない。一般に、大規模修繕はマンションの形状や効用の著しい変化を伴わないため、区分所有者数の過半数かつ議決権の過半数の賛成で可決される。

代襲相続

被相続人の子または兄弟姉妹が、相続開始前に死亡などによって相続できないときに、その者の子が、その者に代わって相続することをいう。代わって相続する者が「代襲者」である。民法に定められている制度である。

また、代襲者が相続開始前に死亡などによって相続できないときも、代襲者の子は代襲者に代わって相続できる。これを「再代襲」という。

代襲者の相続分は被代襲者の相続分と同じで、代襲者が複数いるときにはそれを均等に相続する。

大臣免許

宅地建物取引業者が国土交通大臣から免許を受けていること。

 

宅地建物取引業を営もうとする者が、2以上の都道府県において事務所を設ける場合には、国土交通大臣から免許を受けることが必要とされている(宅地建物取引業法第3条第1項)。この規定にもとづき、国土交通大臣から免許を受けることを、一般に「大臣免許」または「国土交通大臣免許」と呼んでいる。

 

なお、2001(平成13)年1月6日より前は、国土交通省ではなく建設省が所管していたため、2001(平成13)年1月6日より前にこうした免許を受けた場合は「建設大臣免許」である。

第二種住居地域

都市計画法(9条)で「主として住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。

この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として50%、60%または80%である。

また容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。

この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

 

(建築できるもの)

1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館

2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム

3.店舗(面積の制限なし)

4.事務所(面積の制限なし)

5.危険や環境悪化の恐れが非常に少ない作業場面積が50平方メートル以下の工場

6.ホテル・旅館(面積の制限なし)

7.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等(面積の制限なし)

8.自動車教習所(面積の制限なし)

 

(建築できないもの)

1.上記に挙げたもの以外の工場

2.上記に挙げたもの以外の遊戯施設・風俗施設

3.倉庫業の倉庫

第二種中高層住居専用地域

都市計画法(9条)で「主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。

この用途地域では、建ぺい率の限度は30%から60%の範囲内(10%きざみ)で都市計画で指定され、容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。

この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

 

(建築できるもの)

1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館

2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム

3.店舗(2階以下かつ1,500平方メートル以下のものに限る。すべての業種が可能)

4.事務所(1,500平方メートル以下のものに限る)

5.2階以下で作業場の面積が50平方メートル以下のパン屋等の工場

 

(建築できないもの)

1.上記に挙げたもの以外の店舗

2.上記に挙げたもの以外の事務所

3.上記に挙げたもの以外の工場

4.ホテル・旅館

5.遊戯施設・風俗施設

6.自動車教習所

7.倉庫業の倉庫

第二種低層住居専用地域

都市計画法(9条)で「主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。

この用途地域では、建ぺい率の限度は30%から60%の範囲内(10%きざみ)で都市計画で指定され、容積率の限度は50%から200%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。

 

また良好な住環境を確保するため、建築物の高さが10m(または12m)以下に制限されていることがこの用途地域の大きな特徴である。これを「絶対高さの制限」という。なお制限が10m・12mのいずれになるかは都市計画で定められている。

この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

 

(建築できるもの)

1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館

2.幼稚園、小学校、中学校、高校、公衆浴場、老人ホーム

3.店舗(日用品販売店舗、喫茶店、理髪店等のみ)

4.2階以下で作業場の面積が50平方メートル以下のパン屋等の工場

 

(建築できないもの)

1.大学、専修学校、病院

2.上記に挙げたもの以外の店舗

3.事務所

4.上記に挙げたもの以外の工場

5.ホテル・旅館

6.遊戯施設・風俗施設

7.自動車教習所

8.倉庫業の倉庫

脱衣所

入浴のための準備や入浴後の作業を行なうためのスペース。通常、浴室に隣接する。

衣類のほか、入浴・洗濯・洗面・化粧用品など多くの備品が扱われるため、収納のための利便が大事であるとされる。

地域継続計画(DCP)

大震災時に、業務地区等において被災者や帰宅困難者を支援するための計画をいう。DCP(District Continuity Planning)と略称される。

その主要な内容は、非常食の備蓄、避難場所の確保、交通情報等の伝達提供などで、JR東京駅の周辺地区、丸の内地区等において検討されている。
DCPは、被災者や帰宅困難者を支援する役割を果たすだけでなく、救援活動や物資輸送などを円滑に実施することにも資すると考えられている。

なお、内閣府・中央防災会議の推計では、首都直下地震が発生した場合の帰宅困難者は最大で約650万人にのぼるとされる。

域地区

都市計画において、土地利用に関して一定の規制等を適用する区域として指定された、地域、地区または街区をいう。

 

指定する地域地区の種類に応じて、その区域内における建築物の用途、容積率、高さなどについて一定の制限が課せられる。

 

地域地区の種類は、次の通りである。

 

1.用途地域

2.特別用途地区

3.特定用途制限地域

4.特例容積率適用地区

5.高層住居誘導地区

6.高度地区または高度利用地区

7.特定街区

8.都市再生特別措置法による都市再生特別地区、居住調整地域または特定用途誘導地区

9.防火地域または準防火地域

10.密集市街地整備法による特定防災街区整備地区

11.景観法による景観地区

12.風致地区

13.駐車場法による駐車場整備地区

14.臨港地区

15.古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法による歴史的風土特別保存地区

16.明日香村における歴史的風土の保存および生活環境の整備等に関する特別措置法による第一種歴史的風土保存地区または第二種歴史的風土保存地区

17.都市緑地法による緑地保全地域、特別緑地保全地区または緑化地域

18.流通業務市街地の整備に関する法律による流通業務地区

19.生産緑地法による生産緑地地区

20.文化財保護法による伝統的建造物群保存地区

21.特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法による航空機騒音障害防止地区または航空機騒音障害防止特別地区

地役権

地役権とは、他人の土地を自分の土地の利便性を高めるために利用することができるという権利である(民法第280条)。「通行地役権」などがある。

地価公示

最も代表的な土地評価である地価公示は、地価公示法にもとづき、国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月下旬に公表する土地評価である。

地価公示では全国で選定された3万数千地点の「標準地」について、毎年1月1日時点を基準日として各標準地につき2名以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その正常な価格を土地鑑定委員会が判定し、毎年3月下旬に公示する。この公示された価格を「公示地価」という。

地価公示によって評価された公示地価は、一般の土地取引価格の指標となるだけでなく、公共用地の取得価格の算定基準ともなっている。
 

築年数

建物完成後の経過年数をいう。

 

通常、建物登記簿の表題部に記載された「登記原因及びその日付」をもとに判断できる。

 

一般に、築年数が古いほど、建物の老朽化や損傷、設備の陳腐化がより進行しているが、日常的な管理の状況や、リフォームの有無、マンションの大規模修繕の時期などによってその程度に大きな違いがある。

 

なお、不動産広告では、建築年月が表示されている

知事免許

宅地建物取引業者が、都道府県知事から免許を受けていること。

 

宅地建物取引業を営もうとする者が、一つの都道府県内においてのみ事務所を設ける場合には、その都道府県の知事から免許を受けることが必要とされている(宅地建物取引業法第3条第1項)。この規定にもとづき、都道府県知事から免許を受けることを、一般に「知事免許」と呼んでいる。

地上権

建物や工作物を所有する目的で、他人の土地を使用する権利のこと(民法第265条)。

 

土地賃借権と地上権は非常によく似ているが、次のような違いがある。

 

1.土地賃借権は債権だが、地上権は物権である

2.地上権は、土地所有者の承諾がなくても、他人に譲渡することができる。

3.地上権を設定した土地所有者には登記義務があるので、地上権は土地登記簿に登記されているのが一般的である。

地番

土地登記簿の表題部に記載されている土地の番号のこと(不動産登記法第79条)。

 

民有地には地番が付されているが、公有地は無番地であることが多い。

なお、分筆された土地の場合には、原則として分筆の旨を示す記録・記号が付けられている。

地目

登記所の登記官が決定した土地の主な用途のこと。

 

土地登記簿の最初の部分(表題部という)には、土地の所在、地番、地目、地積(土地面積)が記載されている。

 

地目は、現況と利用状況によって決められることになっており、次の23種類に限定されている。

 

田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、

墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、

堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地

仲介手数料

媒介報酬(仲介報酬)とも。

 

宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと(詳しくは報酬額の制限へ)。

仲介報酬

媒介報酬とも。宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと(詳しくは報酬額の制限へ)。

駐車場

車両を停め置く場所。原則として道路外に確保する。

 

その構造によって平面駐車場と立体駐車場に分類できる。

 

平面駐車場は、地上にそのまま駐車する形のもので、その多くは車両を覆う構造物がない(青空駐車場)。

 

立体駐車場は、立体的な構造物の中に駐車する形のもので、地下駐車場や屋上駐車場も含まれる。駐車できる車両の高さや幅などに制限がある。

 

立体駐車場は、さらに自走式と機械式に分けることができる。自走式立体駐車場は、階の間をつなぐ車路を自ら走行して駐車するかたちとなっている。一方、機械式立体駐車場は、無人の車両を機械によって運搬し収納するかたちのものをいう。機械式立体駐車場はさらに、運搬の方法によって、ピット式、昇降横行式、垂直循環式などに分類することができる。

 

なお、都市計画で定められた駐車場整備地区においては、駐車場整備計画に基づいて路上・路外の駐車場が整備されるほか、商業地域内などにおいて一定規模以上の建築物を新増築する場合には、条例で駐車施設の設置が義務付けられることがある(附置義務駐車場)。

駐輪場

多数の自転車を停め置く施設。鉄道駅付近などに公共的に設置されているほか、大規模な商業施設について設置が義務づけられている。また、集合住宅に付置されていることも多い。

 

駐輪場の形式は、平面式のほか、立体式、地下式、機械式などがある。

長期優良住宅

長期にわたり使用可能な質の高い住宅をいう。

 

その具体的な基準は明確には定まっていないが、単に物理的に長寿命であるだけでなく、ライフスタイルの変化などへの対応、住環境への配慮など、社会的に長寿命であることが必要であるとされる。「200年住宅」ともいわれる。

 

 長期優良住宅の開発・普及は、優良な住宅ストックを形成するための重要な政策の一つであると考えられている。

2008年には、長期優良住宅の普及のために「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅普及促進法)」が制定された。それによると、

 

1.耐久性、耐震性、可変性、維持保全の容易性などについての一定の性能を有し、維持保全に関する計画が作成されるなどの要件を満たす住宅を認定する制度を創設し、

2.そのような住宅の普及のために、建築確認の特例、税制上の優遇、超長期住宅ローンなどの措置を図ること

 

とされている。

 

 同時に、法律とは別に、

 

3.長期間使用可能な住宅の先導的なモデルの開発

4.住宅の建築確認、点検、保全工事などの情報(住宅履歴情報)を記録・保存する仕組みを整備し、その活用などによって優良な住宅の円滑な流通を促進すること

 

の検討なども推進されている。

貯水槽水道

水道事業者から給水される水道水を一旦水槽に貯水し、そこから給水する方式をいう。マンションや事務所ビルでよく使われている給水方法で、貯水槽内の水及びそこから配水される水の水質等については、貯水槽の設置者が管理責任を負う。

 

なお、貯水槽の有効容量が立方メートルを超える貯水槽水道を「簡易専用水道」という。

賃借権

賃貸借契約によって得られる借主の権利をいう。

 

借主は契約の範囲で目的物を使用し収益できる一方、貸主に賃料を支払わなければならない。民法上、債権とされる。

 

賃借権は債権であるので、

 

1.登記しなければ第三者に対抗できない(賃貸人に登記義務はなく、登記がなければ対抗要件を欠くので、例えば目的物が譲渡されると新たな所有者は賃借権に拘束されない)

 

2.賃貸人の承諾なしに賃借権の譲渡・転貸ができない(承諾なしに第三者に使用・収益させたときには賃貸人は契約を解除できる)

 

など、物権に比べて法的な効力は弱い。

 

しかし、不動産の賃借権は生活の基盤であるため、賃借人の保護のために不動産の賃借権について特別の扱いを定めている(賃借権の物権化)。

 

すなわち、対抗力については、借地に関してはその上の建物の保存登記、借家に関しては建物の引渡しによって要件を満たすこととした。また、譲渡・転貸の承諾については、借地に関しては、建物買取請求権を付与し、さらには裁判所による承諾に代わる譲渡等の許可の制度を設け、借家に関しては造作買取請求権を付与した(いずれも強行規定である)。

 

そのほか、契約の更新拒絶や解約において貸主の正当事由を要件とすることを法定化し、判例においては、賃借権の無断譲渡・転貸を理由とした契約解除を厳しく制限する、賃借権にもとづく妨害排除請求権を承認するなど賃借人保護に配慮している。

 

一方で、借地借家の供給促進の観点から定期借地権、定期借家権が創設され、賃借権の多様化が進みつつある。

賃貸借

ある目的物を有償で使用収益させること、あるいはそれを約する契約をいう(賃貸借契約)。

 

賃貸借契約の締結によって、貸主(賃貸人)は目的物を使用収益させること、目的物を修繕すること等の債務を、借主(賃借人)は賃料を支払うこと、目的物を返還する際に原状回復すること等の債務をそれぞれ負うことになる(従って双務契約である)。

 

民法では、あらゆる賃貸借契約について、

 

1.契約期間は最長でも20年を超えることができない、2.存続期間の定めがない場合にはいつでも解約の申し出ができる、3.賃貸人の承諾がない限り賃借人は賃借権の譲渡・転貸ができない、4.目的物が不動産の場合には賃借人は登記がない限り第三者に対抗できない(賃貸人には登記義務がないとされるから結果として賃借人は対抗力を持つことができないこととなる)

 

等と規定している。

 

しかしながら、不動産の賃貸借は通常は長期にわたり、また、居住の安定を確保するために賃借人を保護すべしという社会的な要請も強い。そこで、不動産の賃貸借については、民法の一般原則をそのまま適用せず、その特例として、

 

1.契約期間を延長し借地については最低30年とする、2.契約の更新を拒絶するには正当事由を必要とする、3.裁判所の許可による賃借権の譲渡を可能にする、4.登記がない場合にも一定の要件のもとで対抗力を認める

 

等の規定を適用することとされている(借地借家法。なお、契約期間等については、定期借地権など特別の契約について例外がある)。

賃料

賃貸借契約によって賃借人が支払う対価をいう。

 

特約がない限り後払いである。また、地代・家賃については、事情変更による増減請求権が認められている。

 

なお、借主が実質的に負担するのは、賃料に保証金、預かり金等の運用益を加えた額(実質賃料)である。また、共益費など賃料以外の負担を求められることも多い。

通気筒

建物の室内と外気とをつないで気流を確保する太めの管をいう。換気、排煙、厨房排気、空調などのために多量の空気を円滑に流す役割を果たす。

通気筒には、一般に、ダンパ、ファンなど風量をコントロールするための装置が取り付けられている。また、通気筒を外付けすることなく、躯体構造と一体化して設置する場合もある。

月極駐車場

ひと月単位で賃貸される駐車場。通常、書面によって賃貸借の契約が締結される。また、常時駐車が可能であれば、当該駐車場は車庫証明における保管場所として認められる。

 

月極駐車場の賃貸借を仲介する場合に宅地建物取引業法が適用されるかどうかは、利用の様態に応じて判断されるが、駐車場設備を利用するだけであって土地を占有する権利等が発生しないような態様であれば、同法は適用されない。

津波災害警戒区域

津波が発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずる恐れがあり、津波による人的災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべきとして指定された土地の区域をいう(津波防災地域づくりに関する法律)。

指定は、国土交通大臣が定める基本指針に基づき、津波浸水想定を踏まえて、都道府県知事が行なう。

津波警戒区域内では、津波の発生時における避難施設の指定など、警戒避難のために必要な措置が講じられる。

 

また宅地建物取引業者は、対象不動産が津波災害警戒区域内であるかどうかを重要事項として説明しなければならない。

津波災害特別警戒区域

津波災害警戒区域のうち、津波が発生した場合に建築物が損壊し、又は浸水し、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずる恐れがあると認められ、一定の開発行為および一定の建築物の建築又は用途の変更の制限をすべきとして指定された土地の区域をいう。

指定は、国土交通大臣が定める基本指針に基づき、津波浸水想定を踏まえて、都道府県知事が行なう。

 

津波災害特別警戒区域内では、特に防災上の配慮を要する者が利用する一定の施設等を建築するための開発行為や同施設等の建築(用途変更を含む)について、都道府県知事等の許可を得なければならない。

 

また宅地建物取引業者は、対象不動産が津波災害特別警戒区域内であるかどうかを重要事項として説明しなければならないほか、区域内であるときにはそれに伴う開発・建築行為の制限についても説明しなければならない。

土地面積や部屋の広さを測るときの単位。1坪おおよそ3.3平方メートルに相当する。

 

土地の売買契約においては、一般的に「1辺を6尺(約1.818m)とする正方形」が1坪であるという慣行が成立しているものと思われる。この慣行に従えば、1坪とは約3.3058平方メートルであるということができる。

 

なお不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によれば、土地の面積や建物の床面積を広告で表示する場合には、必ずメートル法によって表示することとされている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第19号)。

 

ただしメートル表示と同時に、坪表示も併せて表示することは可能である。

吊り戸棚

壁上部や天井に直接取付けられた棚。キッチンなどで流し台等の上部の空いた空間に設置され、小物の収納に利用する場合が多い。

2×4(ツーバイフォー)工法

北米で生まれた木造建築の工法。わが国における正式名称は「枠組壁工法」である。

 断面が2インチ×4インチの木材を使用することから、このような名称が付けられた。

 

このツーバイフォー工法の最大の特徴は、木材で組んだ「枠組」に構造用合板を打ち付けることで、構造全体の強度を得ることである。

定款

一般社団法人、一般財団法人、株式会社等の基本的な規則またはそれを記した記録をいう。

 

それぞれの法人の設立の際に定められるのが通例である。

 

定款で定められる事項は、法人の種類等によって異なるが、目的、事務所所在地、組織、会計などが規定されている。

定期借地権

1992(平成4)年8月1日に施行された新借地借家法では、借地権を普通借地権と定期借地権に区分した。

 

普通借地権とは、借地権の存続期間が満了した際に、地主側に土地の返還を請求するだけの正当事由が存在しなければ、借地人が更新を望む限り自動的に借地契約が更新されるというものである。

 

これに対して定期借地権とは、借地権の存続期間が満了した際に、地主側の正当事由の有無にかかわらず、借地人は借地を地主に返還しなければならないというものである。

 

定期借地権には「一般定期借地権」「建物譲渡特約付き借地権」「事業用借地権」の3種類がある。

定期借家契約

契約期間の満了によって賃貸借関係が確定的に終了する借家契約。借地借家法に基づく契約類型である。

 

 一般の借家契約は、借り主を保護するために、貸し主は正当事由がない限り契約の更新を拒絶できないとされているが、定期借家契約においてはそのような制約がない。

 

 定期借家契約を締結するには、次の要件を満たさなければならない。

1)契約期間を確定的に定めること

2)公正証書による等書面によって契約すること

3)貸主が借主に対して、契約の更新はなく期間の満了とともに契約が終了することを、あらかじめ書面(契約書ではないもの)を交付して説明すること

 

中途解約の可否等は特約で定めることとなるが、やむを得ない事情により生活の本拠として使用することが困難となった借家人(床面積が200平方メートル未満の住宅に居住している借主に限る)は、特約がなくても中途解約ができる。また、契約を延長する場合は、当事者双方の合意による再契約が必要である。

 

また、契約は期間の満了によって終了するが、期間が1年以上の場合は、賃借人に対して、期間満了の1年前から6ヵ月前までのあいだ(通知期間)に契約が終了する旨を通知しないと強制力が働かない。ただし、通知期間後に契約終了の旨を通知すれば、通知後6ヵ月を経過したあとは契約の終了を強制できる。

 

 定期借家契約は契約更新が無い契約であるから、契約を延長する場合は、当事者双方の合意による再契約が必要である。

 

なお、賃料の改訂に関して特約があれば、借地借家法に定める家賃増減請求権の規定(契約条件にかかわらず、税負担等の増減、経済事情の変動、近傍家賃との不相応による家賃改訂を請求することができる旨の規定)は適用されない。

定期建物賃貸借

契約の更新がないことを特約した建物の賃貸借をいう。

 

「定期借家」ともいう。

 

通常の建物賃貸借契約は、その更新拒絶や解約に際して正当事由が必要とされ、賃貸借関係が長期化しやすい。そこで、借家の供給を容易にするなどのため、2000(平成12)年3月から、賃貸借期間を定めその後期間の更新をしない旨の特約をすることが認められた。この契約による賃貸借が、定期建物賃貸借(定期借家)である。

 

定期建物賃貸借契約を締結するには、貸主はあらかじめその旨を書面で借主に説明しなければならず、契約は公正証書による等書面でしなければならない。また、契約期間の終了に当たっては、期間満了の1年前から6月前までの間に賃借人に対し契約が終了する旨の通知をしなければならないとされている(その後の通知については、通知後6月の経過で契約を終了できる)。

定型約款

不特定多数の者を相手にする画一的な内容の取引において、特定の者が契約の内容としてあらかじめ準備する条項の総体をいう。たとえば、旅客運送約款、銀行取引約款、保険約款、電気供給約款などがこれに該当する。

これらの取引においては、不特定多数の者に対して個々の取引ごとに契約の内容について合意を得ることが困難で、また当時者の一方が特定の者であって契約内容が画一的であることから、不特定多数の者に対してあらかじめ準備した内容で契約するか否かのみについて意思決定を求め、合意を得るのが合理的であると考えられている。定型約款は、この場合の特定の者があらかじめ準備した契約内容である。

あらかじめ特定の者が準備し表示された定型約款に合意したときには、当事者は約款の個別条項についても合意したものとされる。ただし、定型約款のうち相手方の権利制限や義務加重を定める条項であって、信義誠実の原則に反して相手方の利益を一方的に害するものは、合意しなかったとみなされる。

また、定型約款を変更する場合に、その変更が相手方の一般的な利益に適合し、又は変更が契約目的に反せず合理性を有することなどの条件を満たす場合であって、変更に関して適切な方法で周知されたときには、変更について合意があったとみなされる。

このルールは、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって明確化された。

抵当権

債権を保全するために、債務者(または物上保証人)が、その所有する不動産に設定する担保権のこと。債務者(または物上保証人)がその不動産の使用収益を継続できる点が不動産質と異なっている。

 

債権が弁済されない場合には、債権者は抵当権に基づいて、担保である不動産を競売に付して、その競売の代金を自己の債権の弁済にあてることができる。

手数料

法令上は、公的組織が特定の者に役務を提供するとき、その費用を賄うなどのために徴集する料金をいう。

例えば、許認可、試験、検定などに関する手数料で、法令によって定められている。

一方、私人間でも、役務の提供に対する報酬を手数料と呼ぶことがある。宅地建物の取引を媒介したときの報酬も手数料と呼ばれることが多い。

鉄筋コンクリート構造(鉄筋コンクリート造)

鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。

 

鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。

また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。

 

この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。

鉄骨構造(鉄骨造)

鉄骨造、S造とも。

 

柱と梁を「鉄骨」で作り、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル」「窯業系パネル」など使用した構造のこと。

 

主要な構造を形成する鉄骨の種類により「軽量鉄骨構造」と「重量鉄骨構造」に分けることができる。

テナント

事務所ビルや商業スペースの賃借人をいう。大型商業ビルにおいて、集客の中心となるのが「キーテナント」である。

テナントの業種構成や配置、賃料の設定などは、ビルの性格を決め、その収益性を左右する。

テラス

庭の一部にコンクリートやレンガ等を敷き詰め、住宅から自由に出入できるようにした場所のこと。

転貸借

所有者(A)から目的物を借りた賃借人(B)が、それを第三者(転借人、(C))に使用収益させることをいう。

 

いわゆる「また貸し」であり、賃借権の譲渡は転貸借とはいわない。

 

転貸借されてもAB間の賃貸借関係は残る。CはAとの契約関係はないが、Aに対して直接に賃料の支払い等の義務を負う。転貸借には、Aの承諾が必要で、これに反して転貸借がなされた場合には、AはAB間の契約を解除できるし、Cに対して目的物の引渡しを請求できる。

 

ただし、目的物が宅地建物である場合には、転貸借に関して特別の取扱いがされている。つまり、

 

1.承諾がない場合であっても当事者間の信頼関係が壊されない限りAの契約解除を許さない(判例による)

 

2.借地の転貸借について、裁判所がAの承諾に代わって許可を与えることができる

 

3.Aが承諾しない場合、Bに対して建物買取請求権、造作買取請求権を与えるという特例である。

 

なお、賃借権を第三者に譲渡する場合も、転貸借と同様に目的物の所有者の承諾が必要で、宅地建物についての承諾に関して特例があるのも同じである。

ディンプルキー

シリンダーの作動によって制御される錠(シリンダー錠)の一つで、シリンダー内に並べられたピンの制御を、表面に多数の小さなくぼみ(ディンプル)が付いている鍵によって行なうものをいう。

鍵のパターンが非常に多く、鍵の複製が難しいのでピッキング(鍵穴に器具を差し込んで解錠すること)対策に優れているとされる。

DIY

自分自身でモノの製作や修理を行なうこと。Do It Yourself(あなたが自ら行なえ)の略語。

日曜大工、設備や器具の自己組み立て・自己修繕などは、おおむねDIYである。

なお、「自分でできることは自分で行なう」という考え方や態度をさす場合もある。この場合には、モノの製作などだけでなく、サービス活動も含めて広く捉えられている。

出窓

外壁から外部に突き出した窓のこと。

 

建築基準法では、外壁から外側に突き出した長さが50cm未満であれば、この突き出し部分は床面積から除外することとしている。このため、出窓の突き出しは50cm以下であることが多い。

田園住居地域

都市計画における住居系用途地域の一つで、農業の利用の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域。都市計画法に基づく制度である。

 

 田園住居地域は、都市の構成要素としての農地を都市計画に本格的に位置付ける制度であって、生産緑地以外の市街化区域内農地について建築等を規制し、農業利用と調和した低層住宅の良好な住居の環境を保護する仕組みである。

 

 田園住居地域における規制の概要は、次の通りである。

 (1)開発規制

 農地である区域内において、1)土地の形質の変更、2)建築物・工作物の建築、3)一定の土石等の堆積を行おうとする場合には、市町村長の許可を必要とする。市町村長は、規模300平方メートル未満の行為については許可しなければならない。

 (2)建築規制

・区域内での建築物の用途は、低層住居専用地域に建築可能なもの(住宅、老人ホーム、診療所等)又は農業用施設(農業の利便増進に必要な店舗・飲食店等で面積500平方メートル以内のもの、農産物の生産・集荷・処理・貯蔵に供するもの、農産物の生産資材の貯蔵に供するもの)に限る。

・区域内の建築物について、容積率、建ぺい率、高さ、外壁後退を、低層住居専用地域と同様に制限する(これによって、日影等の影響を受けずに営農継続が可能となる)。

電気温水器

割安な深夜電力を利用して夜間に高温の温水を沸かし、貯湯タンクに蓄えておいて、台所・洗面台・風呂・シャワーなどへの給湯を賄う電気機器のこと。

 

深夜電力は通常の電灯料金の約3分の1と割安であり、また電気ヒーターで加熱するので二酸化炭素が発生せず、燃焼音がなく静かに湯を沸かすことができるというメリットがある。

 

近年では、湯を使用すると同時に必要な量の湯を自動的に追加して沸かすタイプや、給湯圧を高めて2階でも湯の出る勢いを高めたタイプなどさまざまな製品が普及している。また配管を電気温水器本体部に内蔵し、配管工事の手間を軽減した製品が主流となっている。標準的な貯湯タンクの容量は3人家族で300L程度が目安とされている。

 

浴槽への給湯については、給湯のみを行なうタイプ、自動的に風呂釜への湯はりを行なうタイプ(オートタイプ)、自動湯はりだけでなく自動追いだき・自動足し湯も行なうタイプ(フルオートタイプ)という3種類がある。

 

なお、電気温水器の「風呂追いだき機能」については昼間電力を使用するためコストが高いなどの課題があったが、近年は深夜電力の蓄熱を利用して熱交換方式で追いだきをすることにより、低コストかつスピーディな追いだきができる製品が2000(平成12)年に開発されており、ガス給湯器に劣らない性能となっている。

電子署名

電磁的な記録(電子文書)について、その作成者および作成された記録が改竄されていないことを保障する仕組みをいう。

 

電子署名がなされた電子文書は、署名押印された文書と同様に、真正に成立したものとみなされる(電子署名及び認証業務に関する法律)。

 

電子署名の方式はいくつかある。いずれも暗号化技術の応用であるが、一般には公開鍵暗号方式を基本とした仕組みが利用されている(詳しくは、「暗号化」を参照)。

 

なお、電子署名において公開鍵を公開する場合に、その信頼性を確保するため、公開鍵がその持ち主のものであることを第三者が証明すること(認証業務)が有効であると考えられており、一定の要件を満たす認証業務(特定認証業務)を行なう者を認定する制度が整備されている。

トイレ

便所。英語のtoiletを短縮した和製英語である。

 

洋式と和式に二大別できる。また、水洗式であるかどうかの区別もある。

 

洋式の水洗トイレは、便器・便座・水タンクで構成されている。その種類としては、この三つを組み合わせた通常のトイレ、水タンクがなく水道に直結するタンクレストイレ、三つが一体となっているシャワートイレ一体型、水タンクをキャビネットに収めた収納一体型トイレがある。

登記記録

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記の記録のこと。

 

従来は紙であったため「登記用紙」と呼ばれていたが、現在はほとんどの登記所でハードディスク上のデータとなっているため、現在の不動産登記法では「登記記録」という用語が使用されている(不動産登記法第2条第5号)

登記簿

登記記録が記録される帳簿のこと。

従来は、登記簿とはバインダーに閉じられた登記用紙の帳簿を指していたが、新しい不動産登記法(2005(平成17)年3月7日施行)では、磁気ディスクなどをもって調製される帳簿を、登記簿と呼ぶことが原則になった。

登記簿謄本

ある不動産に関する1組の登記用紙のすべての写しのこと。

 

登記簿謄本の末尾に登記官が押印することにより、その内容が正しいことを証明している。

土地の場合、登記簿謄本はその土地に関する「表題部」「権利部」(甲区・乙区)の写しである。また建物の場合、登記簿謄本はその建物に関する「表題部」「権利部」(甲区・乙区)の写しである。

 

なお、1組の登記用紙の一部のみの写しは「登記簿抄本(とうきぼしょうほん)」という。

コンピュータシステムを導入している登記所では、登記簿謄本に代わるものとして「登記事項証明書」を交付している。

登録(宅地建物取引士の~)

宅地建物取引士資格試験に合格した者が、宅地建物取引士として業務に従事するのにふさわしい資格等を有していることを都道府県知事が確認する手続きのこと(詳しくは宅地建物取引士の登録へ)。

特定優良賃貸住宅制度

「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」により定められた制度で、居住環境が良好な賃貸住宅を中堅所得者等に対し供給するための仕組みをいう。

  

 民間の土地所有者等が賃貸住宅を建設しようとする場合に、建設計画、入居者資格、賃貸条件などを内容とする供給計画について都道府県知事による認定を受けたときには、建設費の一部および家賃減額のための費用に対して補助を受けることができるとされ、そのようにして供給されるのが特定優良賃貸住宅(特優賃)である。

 認定を受けるためには、住宅の規模・構造・設備が一定の建設基準に適合するほか、入居者を公募・抽選で決定する、敷金は3ヵ月以内で礼金なし、家賃は市場家賃以下、一定の法人等が住宅を管理するなどの賃貸・管理に関する条件を満たさなければならない。

  

なお、この制度は、地方公共団体等が同様な賃貸住宅を建設・管理する場合にも同じように適用される。

特優賃

「特定優良賃貸住宅」の略。

 詳しくは「特定優良賃貸住宅制度」参照。

都市ガス

市街地に配管したガス管によって広域に供給されるガス燃料。

供給されるガスは、大半がメタンを主成分とする液化天然ガス(LNG)である。発熱量等に応じて規格が定まっていて、ガス器具もそれぞれの規格に適合していなければならない。規格の種類はいくつかあるが、ほとんどの都市ガスの規格は「13A」である。

なお、液化天然ガスは無色、無臭であるが、安全のために匂い(ガス臭)がついている。また、空気よりも軽い。

都市計画

土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画であって、都市計画の決定手続により定められた計画のこと(都市計画法第4条第1号)。

具体的には都市計画とは次の1.から11.のことである。

 

1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2)

2.都市再開発方針等(同法第7条の2)

3.区域区分(同法第7条)

4.地域地区(同法第8条)

5.促進区域(同法第10条の2)

6.遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3)

7.被災市街地復興推進地域(同法第10条の4)

8.都市施設(同法第11条)

9.市街地開発事業(同法第12条)

10.市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2)

11.地区計画等(同法第12条の4)

 

注:

・上記1.から11.の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8.の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。

・上記4.の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。

・上記1.から11.の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。

都市計画区域

原則として市または町村の中心部を含み、一体的に整備・開発・保全する必要がある区域。

原則として都道府県が指定する。

 

1.都市計画区域の指定の要件

都市計画区域は次の2種類のケースにおいて指定される(都市計画法第5条第1項、第2項)。

1)市または一定要件を満たす町村の中心市街地を含み、自然条件、社会的条件等を勘案して一体の都市として総合的に整備開発保全する必要がある場合

2)新たに住居都市、工業都市その他都市として開発保全する必要がある区域

 

1)は、すでに市町村に中心市街地が形成されている場合に、その市町村の中心市街地を含んで一体的に整備・開発・保全すべき区域を「都市計画区域」として指定するものである(※1)。なお、1)の「一定要件を満たす町村」については都市計画法施行令第2条で「原則として町村の人口が1万人以上」などの要件が定められている。

2)は、新規に住居都市・工業都市などを建設する場合を指している。

(※1)都市計画区域は、必要があるときは市町村の区域を越えて指定することができる(都市計画法第5条第1項後段)。また、都市計画区域は2以上の都府県にまたがって指定することもできる。この場合には、指定権者が国土交通大臣となる(都市計画法第5条第4項)。

 

2.都市計画区域の指定の方法

原則として都道府県が指定する(詳しくは都市計画区域の指定へ)。

 

3.都市計画区域の指定の効果

都市計画区域に指定されると、必要に応じて区域区分が行なわれ(※2)、さまざまな都市計画が決定され、都市施設の整備事業や市街地開発事業が施行される。また開発許可制度が施行されるので、自由な土地造成が制限される。

(※2)区域区分とは、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分することである。ただし、区域区分はすべての都市計画区域で行なわれるわけではなく、区域区分がされていない都市計画区域も多数存在する。このような区域区分がされていない都市計画区域は「区域区分が定められていない都市計画区域」と呼ばれる。

 

4.準都市計画区域について

都市計画区域を指定すべき要件(上記1.の1)または2))を満たしていない土地の区域であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、市町村はその土地の区域を「準都市計画区域」に指定することができる。準都市計画区域では、必要に応じて用途地域などを定めることができ、開発許可制度が施行されるので、無秩序な開発を規制することが可能となる(詳しくは準都市計画区域へ)。

都市計画法

都市計画に関する制度を定めた法律で、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、1968(昭和43)年に制定された。

 

この法律は、1919(大正8)年に制定された旧都市計画法を受け継ぐもので、都市を計画的に整備するための基本的な仕組みを規定している。

 

主な規定として、都市計画の内容と決定方法、都市計画による規制(都市計画制限)、都市計画による都市整備事業の実施(都市計画事業)などに関する事項が定められている。

都市洪水想定区域

都市河川において、洪水予防の目標となるべき降雨が生じた場合に洪水(破堤、溢水による外水の流入)による浸水が想定される区域をいい、「特定都市河川浸水被害対策法」に基づいて国土交通大臣または都道府県知事が指定する。

 

都市洪水想定区域については、市町村地域防災計画において、浸水の発生または発生の恐れに関する情報の伝達方法、避難場所など、都市洪水が生じたときの円滑かつ迅速な避難の確保を図ることとされている。

 

なお、同様の降雨によって都市浸水(下水道等の排水施設や公共の水域に雨水を排出できないことによる内水による浸水)が想定されるとして指定される区域を「都市浸水想定区域」という。

内水排除によって河川水位が上昇するなど、都市洪水と都市浸水とは相互に影響を及ぼす関係にあることから、都市の浸水被害対策に当たっては両者を一体的に考えなければならない。

取引士証

「宅地建物取引士証」の略称。

 

都道府県知事の行なう宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者は、登録をしている都道府県知事に対して申請することにより、宅地建物取引士証の交付を受けることができる(宅地建物取引業法第22条の2)。

 

宅地建物取引士証は顔写真付のカードであり、氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている。

有効期間は5年であり、申請により更新することができる(宅地建物取引業法第22条の3)。

 

取引士証の交付を受ける際に、取引士証の交付を申請する日が宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、「法定講習」を受講する義務が生じるので注意が必要である(宅地建物取引業法第22条の2第2項)。

取引態様

不動産広告における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のこと。

 

不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によれば、不動産広告を行なう際には、不動産会社の取引態様が「売主」「貸主」「媒介」 「代理」のどれに該当するかを明確に表示しなければならないとされている。

 

ただし、「媒介」については「仲介」という言葉でもよいこととされている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第1号)。

取引態様の明示

宅地建物取引業者が、取引の広告および取引の受注において、その取引態様を明示することをいう。

 

「取引態様」とは宅地建物の取引の形式をいい、

 

1.自己が契約の当事者となる(自己取引)、2.代理人として契約交渉等に当たる(代理取引)、3.媒介して契約を成立させる(媒介)

 

の3つに分かれる。

 

広告および取引の受注の際にそれに明示することは、宅地建物取引業者の基本的な義務である。取引態様に応じて、宅地建物取引業者の立場は、自己取引であれば自分が売主等、代理取引であれば自分は売主等の代理人であり、媒介であれば自分は契約当事者とならない、などという重要な違いが生じるからである。

 

また、取引形態が変われば、速やかに明示し直さなければならない。

ドアスコープ

玄関などのドアに取り付け、外の様子を見ることのできるのぞき穴。穴に広角レンズがはめ込まれている。ドアスコープは和製英語で、英語ではpeephole(ピープホール)という。

道路高さ制限

建築基準法によれば、建物の各部分の高さは、その部分から前面道路までの距離が長いほど高くすることができる。これを道路高さ制限と呼んでいる(建築基準法56条)。

中層以上の建築物で道路に面した壁の一部が、垂直でなく、斜面になっていることがあるのは、道路高さ制限を守るために、そのような形に設計したものである。

 

道路高さ制限の具体的な内容は、建築基準法56条と建築基準法別表第3で細かく規定されている。概要は次の通りである。

 

1.建物の各部分の高さの限度は、「前面道路の幅」と「その部分から道路までの距離」との合計の1.25倍または1.5倍である(住居系の用途地域(7種類)では1.25倍、それ以外の用途地域では1.5倍である)。

 

2.上記1.の建物の各部分の高さの限度は、前面道路とその向かいの敷地との境界線から一定の距離以上離れた建物の部分には適用されない。この道路高さ制限の適用を免除される距離は、建築基準法56条と建築基準法別表第3で細かく規定されている。

 

一例を挙げると、第二種中高層住居専用地域で容積率が150%であるときは、この道路高さ制限の適用を免除される距離は20mと規定されている。従ってこのときは、前面道路と向かいの敷地との境界線から20m以上離れた地点では、道路高さ制限は適用されず、建物の高さを自由に高くしてよいということになる。

独立型キッチン

他の部屋から独立して設置する調理のためのスペース。調理室。調理に伴う臭いなどが居室や食事室に波及しない一方、調理中のコミュニケーションに難があるとされる。   

 

独立型キッチンに対して、他の部屋と一体となった調理スペースを「オープンキッチン」という。

土砂災害警戒区域

急傾斜地の崩壊等が発生した場合に住民等の生命または身体に危害が生ずる恐れがあると認められ、警戒避難体制を特に整備すべきとして指定される土地の区域をいう。

 

その指定要件、手続きなどは、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)で定められている。

 

土砂災害は、急傾斜地の崩壊、土石流および地滑りによって生じるとされるが、土砂災害警戒区域については、高齢者、障害者、乳幼児等の災害時要援護者の利用する施設に対する情報伝達方法を定める、土砂災害ハザードマップを配付して周知を徹底するなど、警戒避難体制が整備される。

 

なお、宅地建物取引業務における重要事項説明に際しては、取引する宅地建物が土砂災害警戒区域にあるときには、その旨を説明しなければならない。

土砂災害特別警戒区域

土砂災害警戒区域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に建築物に損壊が生じ住民等の生命または身体に著しい危害が生ずる恐れがあると認められ、開発行為の制限や建築物の構造の規制をすべきとして指定される土地の区域をいう。

 

その指定要件、手続きなどは、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)で定められている。

 

土砂災害特別警戒区域内においては、住宅地分譲等のための開発行為(特定開発行為)について許可を要する、居室を有する建築物の建築確認について土砂災害を防止・軽減できる構造であることが必要、建築物の安全な区域への移転等の勧告・支援などの措置が講じられる。

 

なお、宅地建物取引業務においては、特定開発行為について許可を受けた後でなければ当該宅地の広告、売買契約の締結等をしてはならず、また、重要事項説明に際しては特定開発行為の許可に関する概要を説明しなければならない。

な行

内見

不動産物件を実地に見学・調査すること。一般に、購入または賃借を検討するために実施する。

「内覧」とはほぼ同じ意味で使われている。

内容証明郵便

差出人が送った手紙(書面)の写しを郵便局が保存することにより、郵便局が手紙(書面)の内容を公的に証明するという制度である。

 

ただし、内容証明郵便はあくまで手紙の内容を証明するだけであり、その手紙が相手方に到達したことまで証明するものではない。そのため、通常は「配達証明付の速達書留内容証明郵便」として郵送するのが一般的である。

 

内容証明郵便を出すことができるのは、地方郵便局長が指定する郵便局に限られており、小さな郵便局では取り扱わない。

 

内容証明郵便を書く要領は次のとおりである。

 

1.紙に次の字数で文章を書く(句読点も1字として計算する)。

1)縦書きの場合:1枚につき1行20字以内、1枚26行以内(520字以内)

2)横書きの場合:1枚につき20字×26行、13字×40行、26字×20行以内(520字以内)

2.使用できる文字は原則としてひらがな、カタカナ、漢字、および数字である。アルファベットは、氏名、会社名、地名、商品名などの固有名詞だけに使うことができる。また一般的に使用されている記号は使うことができる。

3.紙の大きさや種類は自由である。B5、A4、B4、コピー用紙、ワープロ用紙などでよい。また、手書きでもワープロ打ちでもプリンターからの出力でもよい。

4.上記1.2.3.の要領で作成した手紙のコピーを普通のコピー機で2部作成する。

5.手紙が2枚以上の紙になるときは、綴目(とじめ)に契印(けいいん)を押す(2枚以上からなる手紙の1枚目と2枚目にまたがって印鑑を押すことを「契印」という。契印に使用するのは、実印や代表者印である必要はなく、認印〔会社の場合は社印〕でよい)。

6.一つの封筒に、手紙に書いた相手方の住所氏名・自分の住所氏名と同一のものを書く。

 

内容証明郵便を郵便局で発送する手続きは次のとおりである。

 

1.用意した封筒、手紙、そのコピー2部、印鑑(実印や代表者印である必要はなく、認印〔会社の場合は社印〕でよい)を郵便局に持参する。印鑑を持参するのは、契印を忘れたときや郵便局で指摘を受け訂正をするために必要になる可能性があるからである。

2.書留、配達証明付き、内容証明、速達で郵送の手続きをする。料金は、手紙の枚数および封筒の大きさ・重量に応じて異なる。

3.コピーの1部に「この郵便物は○年○月○日第○号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。○○郵便局長」と押印されたものが返却される。この押印されたコピーは、手紙の差出人が保管する(残りのコピー1部は郵便局に5年間保管される。手紙そのものは相手方に郵送される)。

内覧

一般の人への公開に先立って、限定した人々に非公式に披露すること。

 

展覧会やイベントにおいて行なわれる場合が多いが、販売予定のマンション等を、あらかじめ登録した者などの見学に供することも内覧である。     

 

「内見」とはほぼ同じ意味で使われている。

中庭

建物に囲われたオープンスペースをいう。

 

坪庭、アトリウムなど住宅内の屋根のない空間、建物の内側にある庭園、コートハウスの内部空地、複数の建物に囲われて共同で利用する空間など、多様な形態がある。また、その機能・利用形態も、換気や採光、静穏やプライバシーの確保、庭園、社交の場などさまざまである。

 

マンションの居住環境を高めるために中庭を設ける場合もある。

長屋建

1棟の建物を水平方向に区切って独立の住戸とする建て方またはその建築物をいう。「タウンハウス」ともいわれる。

 

 各住戸の玄関がそれぞれ直接に建物外に接していること、隣の住戸と壁を共有していることなどが特徴である。古くは木造住宅であったが、近年は鉄筋コンクリート造のものも多い。

長押

柱の側面や鴨居の上部などに取り付ける化粧材のこと。

 

壁を装飾するための水平材で、断面は台形である。本来は、軸組を引き締める効果もあったとされている。取り付ける位置によっては天井長押、内法長押などと呼ぶ。

納戸

もともとは屋内に設けた衣類などを収納する部屋という意味であるが、不動産広告では採光のための窓がない(または窓が小さい)部屋のことを「納戸」と表示する。

 

建築基準法によれば、住宅の居室には、採光のための窓などを居室の床面積の7分の1以上の大きさで設けなければならない(建築基準法28条1項)。

 

従って、住宅の構造上、採光のための窓を設けにくい部屋は、建築基準法上の「居室」となることができない。そこで、住宅の販売広告等ではこうした部屋を「納戸」と表示することにしているのである。

 

また最近は「サービスルーム」、さらにはその頭文字を取って「S」と表示されることも多い。

 

なお、不動産広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、建築基準法の採光等の規定をクリアしていないために「居室」となることができない部屋は「納戸」等と表示することと定めている。

NAR

NATIONAL ASSOCIATION OF REALTORSの略。「全米リアルター協会」と訳される。

アメリカで最大の不動産業者界団体で、約1,500の地方組織と85万人の会員を持つ(2006年現在)。

設立は1908年(設立時の名称はNational Association of Real Estate Exchanges)であり、独自の倫理規定を制定し、会員の専門能力を研鑽・認定し、会員が共同で取引する仕組みを確立・運営するなどによって、アメリカの不動産業の発展に寄与している。また、情報通信技術を活用した共同仲介のシステム構築を先導してきた。

その会員は、REALTORと称することができ、その名称は登録されている会員以外は使うことができない。

二戸一

独立した複数の住宅が、一つの建物として水平に連続している住宅の形態をいう。

 

連続建ての住宅を一般に「長屋」というが、それよりも各戸の独立性が高く、隣接する住戸と壁を共有しない例も多い。しかしながら、建築確認等においては、一つの建物として取り扱われる。

二重サッシ

2つの窓を重ねた形式の窓をいう。外窓と内窓で構成されている。「二重窓」も同じ意味である。寒冷地で普及している形式である。

 

断熱効果や防音性能に優れているが、設置費用が嵩む。

 

なお、ペアガラスは、ガラスが二重となっているのであって、二重サッシではない。

二重譲渡

同一物を複数の者に譲渡することをいう。

 

例えば、AがBに不動産を譲渡した後、Aが同じ不動産を第三者たるCに譲渡する場合はこれに該当する。

 

不動産の譲渡は、登記によって対抗要件を備えるため、Bの所有権が登記される前にCに譲渡することは可能とされる(登記完了までは、譲渡は完全には終了しない)。そして、最終的な譲受人となるのは、先に登記した者である。しかし、CがAB間の譲渡を知っていて(悪意)、信義則に反する動機等があるときには、登記がなくともBはCに対抗できるとされている。

 

なお、登記が遅れて不動産の引渡しを受けることができない被譲渡人は、Aに対して損害賠償などを請求することができる。また、動産についても二重譲渡はあり得るが、動産の対抗要件は占有である。

二重床工法

防振・遮音・断熱(防寒)を目的として床板を二重に張り、床板の間に空間をつくるもの。

 

スラブの上に根太、支柱を配置した「置き床工法」、床板を弾力性のある防振材で支持し、主要構造体と絶縁することによって音の伝搬を遮断する「浮床工法(単に浮き工法ともいう)」がある。

24時間換気システム

給気又は排気を、常時、機械によって行なう仕組み。新築住宅を建築する場合に設置が義務付けられている。

 

機械によって吸気・排気する換気効果が高い方法(第1種換気、難点は運転のためのコストが高いこと)、機械で吸気し自然に排気するクリーンルームなどで採用されている方法(第2種換気、難点は結露などの恐れがあること)、自然に吸気し機械で排気する住宅に多く使われている方法(第3種換気、難点は部屋ごとに吸気口を設置しなければならないこと)がある。

二世帯住宅

親世帯と子世帯が一緒に住まう住宅で、その状況を考慮された造りのものをいう。

少子化に伴う親子関係の密着度の増加、限られた土地の有効活用等が一緒に住まう理由の一つとして挙げられる。形状的にはいくつかのパターンがあり、それぞれのライフスタイルに合うものとする。いずれも税金や公的融資上の優遇措置がある。

二地域居住

都会に暮らす人が、週末などを定期的に、あるいは、年間の一定期間(1ヵ月以上とされる)を農山漁村で過ごす生活様式をいう。

団塊の世代の退職後の生活スタイルとして提唱されている。

日影規制

建築物に対する斜線制限の一つで、日影の量を一定以下にするよう建築物の高さを制限することをいう。

 

日影の量は、冬至日において建築物が8時から16時(道の区域内においては9時から15時)までの間に発生する時間で規制され、敷地境界から5m・10mの測定ラインを設定して(ラインは地盤から一定の高さに設定する)、そのラインを越えて一定時間以上の日影を生じさせないようにしなければならないとしている。

 

具体的な規制基準(規制対象となる建築物、日影を生じてはならない時間数、測定すべき地盤からの高さ)は条例で定めるとされているが、用途地域の種類や建物の階層等によって異なる。日影規制に適合するには、建築物の高さが一定の斜線内に収まるようにしなければならない。

 

(右図は、日影規制の考え方を示す平面図である。5mラインでは4時間以上、10mラインでは2.5時間以上、日影を生じてはならないという規制がある場合に、この建築物の高さはその基準を満たしている。なお、図中の「日影線」は、冬至日にそれぞれの時間以上の間、日影を生じる境界を示す)

200年住宅

「長期優良住宅」と同じ。詳しくは「長期優良住宅」参照。

日本住宅性能表示基準

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづき、国土交通大臣が定めた住宅性能の表示に関する基準のこと。

 

登録住宅性能評価機関はこの基準に従って、住宅性能評価書に住宅性能の評価の結果を表示しなければならない(品確法第3条、第5条)。

この日本住宅性能表示基準は、国土交通大臣が必要に応じて公聴会を開催し、社会資本整備審議会の議決を経て、告示したものである(同法第3条)。

 

具体的には、2000(平成12)年7月19日の告示により、この日本住宅性能表示基準が定められた。その後、住宅性能評価の対象として既存住宅(建設工事完了後1年以上が経過した住宅や、建設工事完了後1年以内に人が住んだことがある住宅のこと)が追加されたことにより、日本住宅性能表示基準は2002(平成14)年8月20日に大幅に改訂されている。

 

この日本住宅性能表示基準の内容は次の1.2.のとおりである。

 

1.新築住宅に関する表示基準

日本住宅性能基準では、新築住宅に関する住宅性能評価書に表示すべき事項を下記の9分野(29項目)と定めている(同基準別表第1)。

1)構造の安定に関すること

2)火災時の安全に関すること

3)劣化の軽減に関すること

4)維持管理への配慮に関すること

5)温熱環境に関すること

6)空気環境に関すること

7)光・視環境に関すること

8)音環境に関すること

9)高齢者等への配慮に関すること

 

新築住宅に関する住宅性能評価書には「設計住宅性能評価書」と「新築住宅の建設住宅性能評価書」という2種類が存在するが、どちらの評価書においても表示すべき事項の範囲と表示方法はまったく同一である(ただし上記6)のうち「室内空気中の化学物質の濃度等」に関しては「建設住宅性能評価書」だけで表示すべき事項とされている)。

 

新築住宅に関する住宅性能評価書には、原則として上記1)から9)のすべての事項を記載するべきである。ただし、依頼者の要望により上記8)のうちの「重量床衝撃音対策」「軽量床衝撃音対策」「透過損失等級(界壁)」「透過損失等級(外壁開口部)」と、上記6)のうちの「室内空気中の化学物質の濃度等」に関しては、性能評価を実施しないことができる(同法施行規則第3条第2項および国土交通省告示「住宅性能評価を受けなければならない性能表示事項を定める件」より)。

 

2.既存住宅に関する表示基準

既存住宅に関する住宅性能評価書は「既存住宅の建設住宅性能評価書」である。この既存住宅の建設住宅性能評価書に表示すべき事項は、次の1)および2)である(同基準別表2-1より)。

1)現況検査により認められる劣化等の状況

2)個別性能に関すること

このうち2)の個別性能については「構造の安定」「火災時の安全」「維持管理への配慮」「空気環境」「光・視環境」「高齢者等への配慮」という6分野(21項目)の表示事項が定められているが、どの分野について評価を行なうかは依頼者の自由意思に委ねられている。

 

また、新築住宅に関する表示事項のうち「劣化の軽減」「温熱環境」「音環境」という3分野については、既存住宅の表示事項からそもそも除外されている。

このため、既存住宅の建設住宅性能評価書においては「劣化の軽減」「温熱環境」「音環境」という3分野に関する表示を行なうことができない。ただし、登録住宅性能評価機関が法律外の独自のサービスとしてこれら3分野の査定を実施することは可能である。

入居審査

住宅を賃貸するときに、賃借人としての適否を判断することをいう。貸し主またはその代理人が賃貸契約の締結に先立って行なう作業である。

 

入居審査に当たっては、賃借料の支払い能力、住宅利用の適切さなどを確認するのが一般的であるが、定まった基準はない。契約は双方の自由意志によるから、貸し主として自由に判断してよいが、不当な差別や人権侵害となることは避けなければならない。

 

また、宅地建物取引業者は、

ア)賃貸住宅の申込みに際して「本籍」欄や「国籍」欄のある申込書は使用しないこと

イ)入居審査のために得た情報について、目的外に使用しない、第三者に提供しない、安全に管理すること

などが求められる。

任意規定

法律の規定であって、当事者の意思によって適用しないことができるような規定のことを「任意規定」という。

 

また同じ意味で「任意法規」ということもある。

 

この反対に、当事者の意思に左右されずに強制的に適用される規定は「強行規定」と呼ばれる

認定長期優良住宅

長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられているとして、行政庁が認定した住宅をいう。

長期優良住宅として認定されるためには、次の基準を満たさなければならない。

 

1)構造躯体が少なくとも100年程度の間継続して使用できる措置(劣化対策)、大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制する措置(耐震性)、ライフスタイルの変化等に応じて構造・設備の変更を容易にする措置(可変性)、内装・設備の維持管理を容易に行なうために必要な措置(維持管理・更新の容易性)、バリアフリー改修に対応するためのスペースの確保(バリアフリー性)、断熱性能等の省エネルギー性能の確保(省エネルギー性)が、それぞれ講じられていること(長期使用構造等に関する基準)

2)地区計画、景観計画、建築協定等と調和していること

3)良好な居住水準を確保するために必要な住戸面積が確保されていること

4)維持保全計画を策定し、構造耐力上の主要部、雨水の浸入を防止する部分、給水・排水設備について、少なくとも10年ごとに点検すること

 

認定長期優良住宅の新築等に対しては、性能強化費用の一部についての所得税額の特別控除など、税制上の優遇措置がある。

NISA

一定額の個人投資に係る収益について非課税とする仕組み(小額投資非課税制度)をいう。2014年1月から2023年末までの間適用される。Nippon Individual Savings Accountの略語。

 

20歳以上の個人が特別の口座を開設して投資する場合に、毎年100万円までの新規投資(投資総額は最大500万円まで)に係る配当金や売買益等について最長5年間非課税にする制度である。2014年から特定口座に係る分離課税の税率特例が廃止されることなどに伴って創設された。

 

NISAを利用する場合には、損益通算・損失繰越ができないこと、非課税枠の再利用(投資対象の入れ替え)ができないことなどに注意しなければならない。

壁面において、柱同士を水平方向につなぐ材のこと。

伝統的な日本家屋の真壁では、貫を利用して壁の下地を設けていた。

抜き行為

ある依頼者(売主・買主・貸主・借主)が、ある宅地建物取引業者との間で媒介契約または代理契約を締結しているにもかかわらず、他の宅地建物取引業者がその依頼者を誘引して媒介契約または代理契約を締結することを「抜き行為」という。

 

依頼者の側から見た場合、先行する宅地建物取引業者と後行する宅地建物取引業者との間で二重に媒介契約または代理契約を締結することになる場合もあれば、先行する宅地建物取引業者との媒介契約または代理契約を解除して、後行する宅地建物取引業者との間でのみ媒介契約または代理契約を締結する場合もある。

 

いずれにしても、先行する宅地建物取引業者からすれば、依頼者を「抜かれた」ものと捉えることができるため、トラブルを招きやすい行為である。

 

なお、依頼者と先行する宅地建物取引業者との間で締結されていた媒介契約が「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」である場合には、依頼者は当該媒介契約に従って違約金を支払うこととなる可能性があるので、注意が必要である。

 

また、依頼者と先行する宅地建物取引業者との間で締結されていた媒介契約が「一般媒介契約(明示型・非明示型)」である場合には、依頼者は明示義務や通知義務を怠れば、当該媒介契約に従って違約金を支払うこととなる可能性がある。

ヌック

住宅の片隅にあるこじんまりとした居心地の良い場所。英語のnook。

 

建築設計によって設置するというよりは、ライフスタイルによって自然に生まれるような空間である。

 

ヌックとなる場所は、キッチンの奥、リビングとキッチンの間、廊下の隅、階段下などの小さなスペースで、居心地がよく寛げることが重要な条件となっている。

布基礎

連続フーチング基礎ともいう。

 

建物の土台に沿って、切れ目なくフーチングを築造した形状の基礎である。

建物の土台と布基礎は金物で緊結されている。

なお、布基礎は通常は鉄筋コンクリート造である。

ぬれ縁

屋根や壁などがなく、建物の外側に設けられる雨ざらしの縁側のこと。

 

木口を見せる、すなわち縁と直角方向に縁板を張ることが多く、長手方向に張る普通の縁側(内部)の場合とは異なる。「雨縁」、「縁」ともいう。

根切り

地盤を掘削することをいう。

建築のために深さ1.5m以上の根切りを行なう場合など一定の根切り工事に関しては、建築基準法に基づき、施工図の作成、山留め(崩落を防ぐための壁)の設置など、施工に伴う危害を防止するために必要な措置を講じなければならないとされている。また、条例の定めによって、根切り工事の着工前に、工事計画を届け出なければならない場合もある。

ネット銀行

インターネットを介した取引のみに特化した銀行。「インターネット専業銀行」の略語である。

現金や預金証書等の受け渡しをする実店舗を設置せず、インターネットを介したオンラインでの情報のやり取り(ネットバンキング)で取引する。この場合、現金の出入金は、提携している銀行、コンビニエンスストアのATMなどを利用することとなる。

ネット銀行での取引は、時間的空間的な制約がない点が特徴。また、一般の銀行に比べて人件費や店舗の運用費用を抑えることができるため、取引手数料が安いとされる。一方で、利用に当たっては、インターネット取引に特有のリスクに注意し、セキュリティ対策を講じなければならない。たとえば、フィッシング詐欺やコンピュータウイルス感染によって個人識別用IDやパスワードが流出し、不正送金などに利用される被害が起きている。

なお、一般の銀行の中には、オンラインだけで取引する「インターネット支店」を開設しているところもある。また、通常の取引のほかネットバンキングのサービス(「◯◯ダイレクト」のようなサービス)を付加している銀行も増えている。しかしこれらを行なう 銀行はインターネット取引に特化しているわけではなく、従ってネット銀行ではない。

熱効率

投入した熱エネルギーが仕事や有用なエネルギー(電力など)に変換される割合をいう。

 

この割合を高めることでエネルギー消費がより合理化できると考えられており、給湯機器や空調機器の性能を評価する指標とされる。

 

なお、熱効率は、1を超えることはできず、また、熱エネルギーを取り出すときに使用する熱源の温度によって決まる次の効率(カルノーサイクルの理論的熱効率)を超えることもない。

 

カルノーサイクルの理論熱効率=1-(低熱源の絶対温度/高熱源の絶対温度)

 

内燃機関の正味熱効率は30%程度、火力発電所の平均熱効率は40%程度とされている。

 

今後、建物や建築設備等について環境負荷の削減が要求されるようになるが、熱効率は、その場合の評価指標の一つとして使われることになる。

根抵当

継続的な取引によって生じる不特定の債権を担保するための仕組みをいう。

 

契約によって極度額を定め、増減し変動する多数の債権について、極度額の範囲内で担保することができる。これらの債権は将来確定するものであるが、債権が消滅しても、根抵当権は極度額の範囲で存続することとなる。

 

根抵当が認められるためには、担保する債権の範囲および債務者をあらかじめ定めておかなければならず、根抵当権の対象となる債権は、

 

1.指定した特定の継続的取引契約または取引の種類から生じる債権

 

2.特定の原因によって継続する債権

 

3.手形・小切手債権

 

に限られる。例えば、金融機関との信用取引や商社等との継続的な購入契約により生じる債権がこれに該当する。しかし、一切の債権を一括して担保するような抵当権(包括根抵当権)は認められていない。

 

なお、根抵当の対象となっている債権が譲渡されたときには、根抵当権はこれをカバーしない(随伴しない)が、あらかじめ定めた期日の到来や取引の終了等によって元本(担保の対象となる債権)が特定されると(元本の確定)、通常の抵当権と同様、債権の移転とともに抵当権も移転することになる。

根抵当権

継続的取引などによって生じる不特定の債権について、定めた限度額を限度として担保する抵当権をいう。担保する債権が特定されないことに特徴がある。民法の規定に基づく権利である。

 

根抵当権を設定するには、限度額の他、担保する債権の範囲及び債務者を定めなければならない。

 

通常の抵当権と違って、個々の債権に対する附従性(主たる権利と運命を共にする性質)や随伴性(主たる権利の移転に従って移転する性質)がない。ただし、根抵当権が担保すべき元本が生じない状態になったとき(根抵当権の確定時)以降は、通常の抵当権と同様に附従性や随伴性を帯びることとなる。

 

なお、根抵当権は、根抵当権設定者の承諾を得れば、譲渡、分割、一部譲渡(共有化)することができる。この場合、譲渡された根抵当権は、譲渡人の債権ではなく、譲受人の債権をその担保すべき債権の範囲で担保することとなる。

年金

定期的に一定の金銭を給付する制度。給付される金銭をいうこともある。一般に、労働年齢のあいだに拠出し、高齢期に受給する形となっていて、給付期間は、有期の場合と終身の場合とがある。

 

政府が運営する年金には、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」がある。これらは、公的年金とされ、該当者は必ず加入しなければならない。

 

国民年金は、日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての人が加入する年金で、本人が定額の年金保険料を納付し、原則として65歳から終身で年金が支給される。厚生年金は、一定の被雇用者がすべて加入する年金で、被雇用者および雇用者が、加入者の給与額の一定割合を年金保険料として折半で拠出し、原則として65歳から終身で年金が支給される。

 

公的年金以外の年金は、私的に運営する年金(私的年金)である。私的年金への加入は任意であり、運営形態もさまざまである。主なものとして、国民年金基金、確定給付型企業年金、確定拠出年金がある。

 

なお、年金受給権を相続または遺贈により取得した場合には、相続税または贈与税が課税される。

年末調整

所得税は、毎月の給料や賞与からあらかじめ概算の税額を差し引いておく仕組みになっており、この概算の税額を「源泉徴収税額」という。

この源泉徴収税額はあくまで概算なので、1年の終了時点では、所得税の払い過ぎ(または不足)が発生するのが普通である。
この払い過ぎの部分を、翌年1月の給料において、勤労者に戻すこと(または不足の部分を追加徴収すること)を「年末調整」と呼んでいる。

燃料電池

電気化学反応によって発電する装置であるが、特に、水素と酸素を化学反応させ、このとき発生する電気エネルギーを取り出すものをいう。

乾電池等と違って、原料として水素と酸素を供給しなければならないが、供給が続く限り発電が持続する。

二酸化炭素が発生しない、エネルギー変換において熱が介在しない(効率を高くできる)、比較的小規模な装置で発電できるなどの特徴があるとされる。また、発電に伴って熱が発生することから、併せてそれを利用することができる。

燃料電池において化学反応を媒介する役割を果たす物質を「電解質」というが、電解質の違いによって燃料電池にはいくつかのタイプがある。
主なものは、次の通りである(分類は、日本ガス協会資料による)。

1.固体高分子形:イオン交換膜を用い、常温~90度で作動する
2.リン酸形:リン酸を用い、150~200度で作動する
3.溶融炭酸形:溶融した炭酸塩を用い、600~700度で作動する
4.固体酸化物形:イオン伝導性セラミックス(安定化ジルコニア)を用い、750~1,000度で作動する

従って、用途に応じて、これらのタイプを選択することができる。

燃料電池は、住宅の電力源の一つとしても活用できると考えられている。

農業委員会

市町村に設置される独立の行政委員会で、農業者の代表機能を持つ合議体組織。公選された委員と推薦された委員とで構成される。

 

農地の権利移動許可、転用許可などに関して専属的な行政権限を持つ他、耕作放棄地の解消などの実施機能も担っている。

また、市街化区域内の農地転用に際しては、農業委員会に届け出ることが必要である。

農業振興地域

農振法(農業振興地域の整備に関する法律)により、知事が指定する地域のこと。

 

農業振興地域は、相当規模の農地があり、農業経営が近代化しやすいような条件の整っている広い地域について指定される。

 

農業振興地域に指定されると、市町村は「農業振興地域整備計画」を作成しなければならず、この計画により農業関係の公共投資が大規模に行なわれることとなる。

農業生産法人

農業経営を行なうために農地の取得が認められる法人をいい、株式会社等の会社法人と農事組合法人の2つの形がある。

 

法人による農業経営は、経営管理能力や取引信用力の向上、雇用労働関係の明確化、労働者の福祉の増進、新規就農者の確保などが期待できるとされる一方、耕作者が農地を所有することで維持されてきた農地・農村秩序との調整が必要であるともされる。

 

なお、会社法人である農業生産法人については、役員の一定割合が農業に常時従業することなど、その構成員等について一定の要件を満たさなければならない。

農振法

総合的に農業の振興を図るべき地域の整備に関し、必要な施策を計画的に推進するための措置を定めた法律である「農業振興地域の整備に関する法律」の 略称。1969(昭和44)年に制定された。

 

この法律では、農用地の確保や農業経営の近代化等を図るべき地域を農業振 興地域に指定し、その地域に関して、農用地区域等の指定、農業基盤の整備、農業上の土地利用の調整などを内容 とする農業振興地域整備計画を定めることとしている。

 

さらには、その計画を達成するため、土地の交換分合、農用地区域内における開発行為の制限などの措置を規定する。

納税証明書

税金を納めたことを証明する書類。税金の種類や証明内容に応じていくつかの種類があり、納税を担当する部署に申請して交付を受ける。

 

たとえば、所得税や法人税の納税証明書は税務署が交付するが、(1)納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明、(2)所得金額の証明(個人は申告所得税または申告所得税及び復興特別所得税に係る所得金額、法人は法人税に係る所得金額)、(3)未納の税額がないことの証明、(4)証明を受けようとする期間に滞納処分を受けたことがないことの証明の4種類がある。

 

なお、税金の賦課に関する証明書には、納税証明書のほか、課税証明書(住民税の課税額の証明)や公課証明書(固定資産税等の課税証明)がある。

農地

一般的には「耕作の目的に供されている土地」を「農地」と呼ぶ(農地法第2条第1項)。

 

実際には、ある土地が「農地」であるかどうかをめぐって争いがあることが少なくない。ちなみ、過去の裁判例では次の1.2.のような基準が設けられている。

 

1.「農地」であるかどうかは、登記簿上の地目とは関係がない。たとえ地目が「原野」であっても、現状が「耕作目的の土地」であれば「農地」となる。

2.「農地」とは継続的に耕作する目的の土地である。住宅を建てるまでの間、一時的に野菜を栽培しているような家庭菜園などは「農地」ではない。その反面、たとえ休耕地であっても将来にわたって耕作する目的のものは「農地」である。

 

実務的には、宅地であるのか農地であるのか判断が分かれるような土地について取引を行なう場合には、市町村の農業委員会において確認を受けることが最も安全である。

農地の転用制限

農地を農地以外の目的に利用する(これを、「農地の転用」と呼ぶ)場合に課せられる制限をいう。

 

農地法では、土地利用の調整と優良農地確保のために、農地転用に当たっては、原則として農林水産大臣または都道府県知事の許可を要すると規定しているが、これが農地の転用制限である。

 

農地の所有者が自分自身で転用する場合(自己転用)および転用を目的として農地の売買等をしようとする場合(転用目的の権利移動)には、面積の多少にかかわらずいずれも許可が必要である(農地法の根拠条文に即して、自己転用の許可を「4条許可」、転用目的の権利移動の許可を「5条許可」と呼ぶことがある)。ただし、重要な例外として、市街化区域内の農地の転用に関しては、農業委員会に届出すれば、許可は必要がないとされている。

 

市街化区域内農地以外の農地転用の許可に当たっては、

 

1.農用地区域内の農地、土地改良事業の対象となった農地等は原則的に不許可、市街化が見込まれる区域内の農地等は原則的に許可というような、農地の属性に応じた基準

 

2.周辺農地の営農に支障を生ずる恐れがない、当該農地に代えて周辺の他の土地を供することにより当該申請に係る事業の目的を達成することができないなどの条件を満たすかどうかという、転用の目的等に基づく基準(1.および2.の基準を合わせて「農地転用許可基準」と呼ぶ)

 

に照らして判断される。農地転用許可基準は、転用の状況に応じて詳細に規定されているので、宅地建物の取引等に当たっては十分な注意が必要である。

 

なお、農地法においては、自己転用や転用目的の権利移動のほか、農地を農地のままで売買等することについても、原則として許可が必要である(これを「3条許可」と呼ぶ)。また、許可を要するにもかかわらず許可を得ないでした売買契約等は、無効である。

農地の売買・賃貸借等

農地(市街化区域内の農地を含む)を農地として売買、賃貸借等をする場合には、原則として、農業委員会(権利取得者が当該農地の所在市町村外に居住している場合は都道府県知事)の許可が必要である。

 

許可の要件は、権利取得者が、

 

1.農地のすべてを効率的に利用すること

2.個人の場合は農作業に常時従事すること

3.法人の場合は農業生産法人であること

そして、権利移動によって、

4.周辺地域における農地の効率的、総合的な利用の確保に支障がないこと

 

である。

 

ただし、農地の賃貸借については、継続的、安定的な農業経営が見込まれるなどの条件を満たせば、2.3.の要件は課せられない。従って、一般の会社やNPO等も、農地を賃借して農業経営に参加できる。

また、遺産の分割により、相続人等が農地を取得する場合には許可は不要である。

 

なお、必要な許可を得ないで農地の売買、賃貸借等を行なった場合には、その契約は無効となる(法律的な効果が生じない)。

農地法

農地の権利移動や転用の制限、利用関係の調整、遊休農地に関する措置などを定めた法律。1952(昭和27)年に制定された。

耕作者の地位の安定と農業生産の増大を図り、食料の安定供給の確保に資することを目的としている。

 

2009(平成21)年の法改正によって、農地の賃貸借に関して大幅に制限が緩和され、農業生産法人だけでなく、一般の法人、NPO等が、農地を借りて営農できるようになった。

一方、農地について所有権、賃借権等を有する者は、その適正で効率的な利用を確保する責務を負う旨の規定も追加された。

農用地利用計画

農振法(農業振興地域の整備に関する法律)に基づいて指定される農用地区域においては、農業上の11種類の用途区分を定めなければならない。この用途区分を定めた計画を「農用地利用計画」という。

農林水産省

中央省庁の一つで、食料の安定供給の確保、農林水産業の発展、農山漁村及び中山間地域等の振興、森林や水産資源の保全など任務とする行政機関。林野庁および水産庁も農林水産省に属する組織である。

 

農林水産省の業務のうち不動産と関係の深いものとしては、たとえば、農地の転用、農住組合、農業振興地域整備計画、木材など林産物の生産、流通、消費に関する業務がある。

延べ面積

建築物の各階の「床面積」の合計のこと。

 

なお、容積率を算出する際には、次の部分の床面積は延べ面積から「除外」できる扱いとなっているので、注意する必要がある。

 

1.自動車車庫・自転車置場に供する部分の床面積(床面積の合計の5分の1まで)

2.建築物の地階(その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものに限る)の住宅の用途に供する部分の床面積(住宅の用途に供する床面積の合計の3分の1まで)

3.共同住宅については、共同住宅の共用廊下・共用階段・エントランスの部分の床面積(限度なし)

延床面積

建築物の各階の「床面積」の合計のこと。

 

なお、容積率を算出する際には、次の部分の床面積は延べ面積から「除外」できる扱いとなっているので、注意する必要がある。

 

1.自動車車庫・自転車置場に供する部分の床面積(床面積の合計の5分の1まで)

2.建築物の地階(その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものに限る)の住宅の用途に供する部分の床面積(住宅の用途に供する床面積の合計の3分の1まで)

3.共同住宅については、共同住宅の共用廊下・共用階段・エントランスの部分の床面積(限度なし)

法地

宅地として使用できない斜面部分のことをいう。

 

自然にできたもの、切り土や盛り土の際に人工的につくられたものの両方を含む。また、敷地補強等のための擁壁設置に伴う斜面も法地である。「法面」と呼ぶこともある。

 

 不動産広告において表示される宅地面積は、法地を含む平面投影面積であるが、一般的には法地面積が別途表示されることはない。ただし、

 

1.傾斜地を含む土地であって、傾斜地の割合が土地面積のおおむね30%以上を占める場合(マンションおよび別荘地等を除く)または傾斜地を含むことにより土地の有効な利用が著しく阻害される場合(マンションを除く)は、その旨およびその面積

 

2.土地の有効な利用が阻害される著しい不整形画地および区画の地盤面が2段以上に分かれているなどの著しく特異な地勢の土地についてはその旨

 

3.土地が擁壁によっておおわれない崖の上または崖の下にあるときはその旨

 

を、それぞれ明示すべきとされる(不動産の表示に関する公正競争規約による)。

暖簾

部屋の仕切りとして吊り下げる布。もともとは、日差し、風塵、人目などを遮るためのものであるが、インテリアとして用いられる場合も多い。

また、商家や飲食店が、目印のために屋号などを染めて軒先に垂らす布も暖簾である。

なお、企業会計において、企業結合・企業買収の際に買収会社の投資額が被買収会社の受入純資産の額を上回った場合には、その差額を「のれん」と呼び、無形固定資産として計上され償却の対象となる。

ノンスリップ

すべり止めのための部材。階段踏板の先端部分などに取り付けられ、摩擦力を増す役割を担う。

金属や合成樹脂を素材に加工されているが、その形式はさまざまである。

ノンバンク

預貯金業務をせず、貸出業務(信用供与)のみを行なう金融機関をいう。英語のnon-bank financial institution。

 

消費者ローン、信販、クレジットカード、リース、ベンチャー・キャピタルなどの事業形態がある。

 

営業する場合には、一般に、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介を行なう事業として「貸金業法」に基づく登録を必要とする。また、同法によって、利息制限法の上限金利(元本10万円未満の場合は年利20%、10万円〜100万円の場合は年利18%、100万円以上の場合は年利15%)を超える利息(礼金、割引金、手数料、調査料その他の名目を問わない)を受け取ってはならないとされている。そのほか、貸金営業について、業務に関して取得した資金需要者等に関する情報を適正に取扱うこと、貸金業務取扱主任者の設置、重要な事項を告げない行為の禁止、不確実な事項について確実であると誤認させる恐れのあることを告げる行為の禁止などの業務規制が課せられている。

ノーマライゼーション

障害者が一般の人と同様の日常生活を送ることのできる環境を整備し、その人権を保障する考え方。英語のNormalization。

ノーマライゼーションは、1950年代ごろにヨーロッパで提起され、1981年の国際障害者年をきっかけに広く認知された。最近は、障害者だけでなく、社会的なマイノリティや高齢者を含めた幅広い社会的弱者を対象とする考え方に拡大され、福祉の基本理念とされるようになっている。

ノーマライゼーションが目指すのは、社会的弱者が普通(ノーマル)に暮らせるように社会環境を整備し、誰もが人として当たり前の日常生活を営むことであって、自立を支援することではない。

は行

ハイカロリーバーナー

標準的なガスバーナーの2倍以上の火力を持つガスバーナーを「ハイカロリーバーナー」という。

また、ハイカロリーバーナーを組み込んだ2口以上のバーナーを持つガスコンロ(ガステーブル)のことを「ハイカロリーバーナー」と呼ぶこともある。

標準的なガスバーナーは、強火の場合で1時間当たり約2,000キロカロリーの熱量を発生させる。この熱量とは、20度の2Lの水を約5分で100度に沸騰させるという熱量のことであるが、実際には外部に逃げる熱量が50%以上あるため、10分近くかかる。

これに対して、ハイカロリーバーナーは1時間当たり4,000キロカロリー以上の熱量を発生させることができ、調理時間を大幅に短縮するだけでなく、中華料理のような強い火力を必要とする調理も家庭でできるようにしたものである。

またハイカロリーバーナーでは、火力が外部に逃げることを防ぎ、かつ鍋の取っ手が加熱されることを防止するために、炎が上向きに立ち上がるようにしたタイプや炎を内向きにしたタイプなど、熱効率を大幅に高めた機種が開発されている。

また、高火力による油の飛び散りへの対策として、ガスコンロ(ガステーブル)の表面をフッ素樹脂加工や結晶ガラスとし、調理後の掃除を簡単にしたタイプも発売されている。

ハイサッシ

高さが床面から天井まである背の高いサッシ。

 

ハイサッシは開口部を広く取ることができ、リビングに設けられることが多い。マンションでハイサッシを設けることができるかどうかは梁の位置に左右されるが、窓上部に梁が張り出さない工法であれば設置可能である。

排出水

水質汚濁防止法では、有害物質や生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、水質汚濁防止法施行令第1条で指定された101種類の施設のことを「特定施設」と定義している。

 

こうした特定施設を設置する工場・事業場等(「特定事業場」という)から、河川・湖沼・沿岸等の公共用水域に排出される水のことを「排出水」と呼んでいる。

ただし、特定事業場から公共下水道に放出される水は「排出水」ではない(水質汚濁防止法第2条)。

排水基準

排出水に含まれることが許容される有害物質等の濃度に関する基準のこと。水質汚濁防止法にもとづく政令(=排水基準を定める省令(昭和46年総理府令第35号))により制定された基準である。

 

水質汚濁防止法では、有害物質や生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、水質汚濁防止法施行令第1条で指定された101種類の施設のことを「特定施設」と定義する。

 

こうした特定施設を設置する事業者については、水質汚濁防止法では次の2つの方法により、上記の排水基準を遵守するよう監視する仕組みとなっている。

 

1.特定施設を設置する際に、事業者が事前に都道府県知事に特定施設設置等の届出を行なうことを義務付け、その届出において報告する事項により、排水基準を満たす構造等を備えていることを確認する。

 

2.特定施設を設置する事業者に対して、排出水および特定地下浸透水の汚染状態の測定を義務付け、排水基準を遵守していることを記録させる。

ハウスクリーニング

住宅の清掃サービス。特に、換気扇、壁紙、浴室、トイレなど、技能が必要な箇所を掃除する場合に活用されている。また、賃貸住宅の退去に当たって清掃が必要な場合に、それを代行するサービスもハウスクリーニングである。

 

なお、ハウスクリーニングは和製英語である。

ハウスメーカー

住宅の生産を工業システム化し、住宅建設事業を広域に展開している建設会社を指す言葉であるが、明確な定義はない。

 

住宅建設は発注者の注文に従って工事を進めるため、用いる材料や工事方法は区々であるが、ハウスメーカーは、建築資材や工法を規格化して、住宅生産を工業生産システムに似たかたちで実施する体制を整えている。その結果、生産効率を高め、大量生産、品質確保、工期短縮、コスト低減を図ることができるとされる。一方で、建物の設計は規格化された生産システムや資材・工法に従わなければならず、注文者の幅広いニーズへの対応、立地条件との調整、周辺環境との調和の確保など、個別の事情に応えることについては限界があるとされる。

 

ハウスメーカーが建設する住宅はほとんどが一戸建て住宅である。また、ハウスメーカーの特徴は生産を規格化・システム化することであって、実際の工事のほとんどは、工務店や大工が下請負として施工している。

 

なお、住宅建設会社には、ハウスメーカーのほか、ハウスビルダー、工務店、大工店などがある。それぞれの定義は明確ではないが、事業展開の範囲、工法、工事体制などに違いがある。

掃き出し窓

床面まで開いている窓。窓の下枠位置が床より低く、室内の塵埃をそのまま屋外に排出できる。

ハザードマップ

自然災害による被害予測および避難情報を表示した地図をいう。

災害の種類に応じて、洪水、津波、火山、土砂災害などのハザードマップが作成・公表されている。

ハザードマップには、災害発生時に予測される被害の範囲・程度などの他、避難経路や避難場所が示されている。

災害を防ぐには、その発生を防止するだけでなく、発生後の被害を軽減すること(減災)も有効であり、そのために活用される。また、地域のリスクを管理する上での情報基盤としての役割も果たす。

はめ殺し窓

開閉できない、枠に直接ガラスなどが固定された窓。「はめ殺し」ともいう。

小屋組や床組の荷重を二点支持により水平や斜めの状態で支える横材のこと。

 

柱などと連結して、上方からの荷重を鉛直方向に流し、地面に力を伝える重要な構造部材である。

媒介

私法上の概念で、他人間の契約等法律行為の成立に向けて行う事実行為をいう。代理や取次と違って、法律行為ではないとされる。

 

不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)の一つでもあり、不動産の売買・交換・賃貸借について、売主と買主(または貸主と借主)との間に立って取引成立に向けてなす活動がこれに該当する。

 

なお、「仲介」は「媒介」と同じ意味である。

媒介契約

不動産の売買・交換・賃貸借の取引に関して、宅地建物取引業者が取引当事者の間に立ってその成立に向けて活動するという旨の契約をいい、売主または買主(賃貸借取引の場合には、貸主または借主)と宅地建物取引業者との間で締結される。

 

宅地建物取引業法は、媒介契約について、契約内容を記した書面の交付義務、媒介報酬の制限などを規定しているほか、媒介契約に従って行なう活動の方法等についてそのルールを定めている。

媒介契約書

宅地建物取引業者は、媒介契約を締結したときは、遅滞なく、一定の事項を記載した書面を作成し、宅地建物取引業者がその書面に記名押印し、依頼者(売主・買主・貸主・借主)にその書面を交付しなければならない。

このとき交付される書面のことを「媒介契約書」と呼んでいる(宅地建物取引業法第34条の2第1項)。

 

また、媒介契約書に記載されるべき事項は詳細に法定されている。

媒介報酬

宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約に基づき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。

 

この報酬の額は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者と宅地建物取引業者の間で約定されるものである。

またこの報酬の額の上限は、宅地建物取引業法により国土交通大臣が告示で定めるものとされており、宅地建物取引業者はその告示の規定を超えて、報酬を受けてはならないという制限がある。

 

このような宅地建物取引業法の規定を受けて建設省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額を定める件」(いわゆる報酬告示)が定められている。

 

報酬額の制限の概要は次の通りである。

 

1.報酬が発生する場合

宅地建物取引業者の媒介または代理により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は依頼者に報酬を請求することができる。しかし、宅地建物取引業者自らが売主または貸主として売買・交換・貸借が成立した場合には、その売主または貸主である宅地建物取引業者は取引当事者の立場にあるので、買主または借主に報酬を請求することはできない。

また、この報酬は成功報酬と解釈されており、原則として売買・交換・貸借が媒介または代理により成立した場合にのみ報酬請求権が発生するとされている(標準媒介契約約款の規定等による)。

 

2.売買の媒介における報酬額の上限

売買の媒介の場合に、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることができる報酬額の上限は、報酬に係る消費税相当額を含めた総額で、次の通りである(報酬告示第二)。

 

1)売買に係る代金の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)のうち200万円以下の部分について…5%+これに対する消費税額

2)200万円を超え400万円以下の部分について…4%+これに対する消費税額

3)400万円を超える部分について…3%+これに対する消費税額

 

例えば、売買に係る代金の価額(建物に係る消費税額を除外)が1,000万円の場合には、200万円の5%、200万円の4%、600万円の3%に、それぞれに対する消費税額を加えた額が依頼者の一方から受ける報酬額の上限となる(ただし、この額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

 

3.交換の媒介における報酬額の上限

交換の媒介の場合には、交換する宅地建物の価額に差があるときは、いずれか高い方を「交換に係る宅地建物の価額(ただし、建物に係る消費税額を除外する)」とする(報酬告示第二)。

 

例えば、A社がX氏と媒介契約を結んでX氏所有の800万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介し、B社がY氏と媒介契約を結んでY氏所有の1,000万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介して交換が成立したとすれば、A社の報酬額の上限は800万円でなく、1,000万円をもとに計算する。(ただし、この額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

 

4.貸借の媒介の場合

宅地または建物の貸借の媒介において、宅地建物取引業者が依頼者双方から受けることのできる報酬の上限は、合計で借賃(借賃に係る消費税額を除外する)の1月分+これに対する消費税額である(この額には報酬に係る消費税相当額を含む)。ただし、居住の用に供する建物の賃貸借については、依頼者の一方から受け取ることのできる報酬は、媒介依頼の際に当該依頼者の承諾を得ている場合を除いて、借賃の1月分の0.5倍+これに対する消費税額以内でなければならない(報酬告示第四)。

 

なお、宅地または非居住用の建物(店舗・事務所など)の賃貸借において、権利金が授受されるときは、その権利金の額を上記2.の「売買に係る代金の額」とみなして、売買の媒介の場合と同様に報酬額の上限を算出することが可能である(報酬告示第六)。

 

5.代理の場合

売買・交換・貸借の代理において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬額の上限は、上記2.3.の2倍である(報酬告示第三)。また、賃借の代理においては、一方から受け取ることのできる報酬額の上限は借賃の1月分+これに対する消費税額であり、取引の他方からも媒介等の報酬を得る場合には、両者からの報酬の合計額はこの額を超えてはならない(報酬告示第五)。

 

なお、双方代理は、民法で原則として禁止されていることに注意が必要である。

 

6.複数の宅地建物取引業者の関与

複数の宅地建物取引業者が一個の売買等の媒介・代理に関与する場合には、報酬額の上限の規定は、それらの業者の受ける報酬額の合計額について適用する。

 

7.特別の依頼に係る広告費用

依頼者が特別に依頼した広告の料金に相当する額は、上記の1.~6.のほかに、宅地建物取引業者が依頼者から受けることができる(報酬告示第七)。

売買契約

当事者の一方が、ある財産権を相手方に移転する意思を表示し、相手方がその代金を支払う意思を表示し、双方の意思が合致することで成立する契約のこと(民法第555条)。

売買契約は諾成契約とされている。つまり、当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引き渡されたときに成立するのではない)。
また、売買契約は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。
さらに、売買契約は財産権を移転する契約であるが、その対価として交付されるのは金銭でなければならない(金銭以外の物を対価として交付すると「交換契約」となってしまう)。

当事者の双方の意思の合致により売買契約が成立したとき、売主には「財産権移転義務」が発生し、買主には「代金支払義務」が発生する。両方の義務の履行は「同時履行の関係」に立つとされる。

バリアフリー

高齢者や身体障害者など、体の不自由な人々の行動を妨げる物的・心理的障害を取り除くという意味。

 

バリアフリーデザインはその障害となる物を除去し、生活しやすいよう設計されたものである。段差をできる限りつくらずにスロープ等を用いることも一つの手法である。

バルコニー

建物の壁面から突き出した床の部分。ベランダともいう。

 

バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共用部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。

 

またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。

PS

上下水道管(さらにはガス湯沸器など)を収納したスペースのこと。住戸の外部(玄関脇など)に設置されているのが一般的である。

 

このパイプスペースの中に電気・ガス・水道のメーターを納めているときは、「MBPS」と表示されることがある。

 

なお、このPSやMBPSは、住戸の外部にあるときは住戸の使用面積(専有面積、賃貸面積)には一般的に算入されない。

パッシブ換気

建物内外の温度差を利用して、機械動力に頼らず換気する方法。パッシブは英語のpassive(受動的)である。

 

家屋の床下から取り入れた空気を暖め、暖気が上昇し、冷気が下降する性質を動力にして室内を循環させることによって換気する。このとき、排気は、暖気の一部を煙突などを利用して屋外に逃すことによって行なう。

 

なお、機械動力に頼らない別の換気方法として「自然換気」があるが、これは換気口を設けるだけである。

パラペット

次の2つの意味がある。

 

1.陸屋根(水平な屋根)の周囲を取り囲むように設置された低い壁

2.店舗の屋上や、店舗の正面の上方に取り付ける壁

 

1.の意味のパラペットは、落下防止や雨水の浸入を防止するために設置されるものであり、2.の意味のパラペットは主に看板を取り付けるために設置されるものである。

パラボラアンテナ

衛星からさまざまな情報を受信するためのお椀型のアンテナのこと。一般的には、衛星放送受信用のアンテナ(BSアンテナ)のことを指す。

最近のマンションでは、各住戸でそれぞれ設置する必要がないよう、あらかじめ共用のパラボラアンテナを設置し、各住戸への配線によって衛星放送が見られるようにしたものも多い。

パラボラとは放物線のことで、アンテナの内部が放物線の用に半円を描いているところから、この名前がついた。放物線の焦点は光が集まる点としての性質を持っており、この原理を生かし、アンテナに届いた電波は、中央部に設置された受信機に集められる。

パラボラアンテナは電波指向性が高いため、アンテナを電波のくる方向へある程度正確に向ける必要がある。

パントリー

食料品や食器を入れておく小室、または配膳室のこと。

厨房に隣接して配置する場合と、食事をとる部屋に近付ける場合があり、配膳における一連の動作がスムーズに進むように設計すると良い。

パーキング

駐車場。不特定多数に対する短期的な貸付け営業の用に供するものを指すことが多い。英語のparking lotの略。

 

パーキングは、永続的な設備として設置されるほか、空き地の活用や建築予定地の一時的な利用のために設置される場合がある。

 

公共の用に供するパーキングであって、駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものの構造および設備は、建築基準法のほか、駐車場法で定める基準によらなければならない。また、都市計画区域内にこれを設置するときには、設置者は、あらかじめ、規模、構造等を都道府県知事等に届け出なければならない。

パーゴラ

イタリア語で葡萄棚という意で、蔦・藤などのつる性植物を絡ますように造ったトンネル状の棚のこと。

開放的であると同時に、植物による日除けのスペースであり、庭園における景観的美しさも兼ね備えている。

パース

透視図法、すなわちある点から放射状に線を引いて投影した図のこと。

物を立体的に表現し、平・立面図に比べてイメージを把握しやすい。従って、建築物の完成予想図としてよく用いられる。描く部分によって外観透視図・室内透視図がある。「パースペクティブ」とも。

引き戸

戸板を溝やレールで導き、横に滑せて開閉する戸。開閉の方式には、一枚の戸板を滑らす「片引き」、二枚の戸板を一筋の溝・レールによって滑らす「両引き」、二筋以上の溝・レールでそれぞれ戸板を滑らす「引き違い」などがある。

引渡し

物を支配する権能(占有権)を相手に移転すること。売買や賃貸借によって生じる民法上の概念である。現実に占有状態を実現することだけでなく、占有を移転する旨の意思表示も引渡しとされる。

 

引渡しを受けることは、動産に関する物権譲渡の対抗要件とされている。一方、不動産に関する物権譲渡の対抗要件は登記であって引き渡されることではないが、引渡しを受けることは、譲渡された事実を確定する上で重要な行為である。

 

建物の引渡しは、通常、鍵を渡すことによって行なわれる。

 

土地の引渡しは、建物付きであるか更地であるかによって費用の負担や手続きが異なる。たとえば、建物付きの土地を更地で引渡す場合には、引渡し前に、建物を解体し、埋蔵物を確認し、建物の滅失を登記するなどの作業が必要となる。一方、現況での引渡しであればこれらの手続きは不要である。いずれの場合も、引渡しを受けたら占有の事実を示す標識等を設置することが望ましい。

非線引き区域

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。

法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」である。

 

一つの都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することを「区域区分」(または「線引き」)と呼ぶが、この「区域区分」がされていない都市計画区域が「区域区分が定められていない都市計画区域」である。

 

「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも呼ばれている(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが2000(平成12)年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)。

 

1.趣旨

都市計画法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定しているので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に存在している(詳しくは「区域区分」へ)。

「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域であるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可の規制も緩やかである。

 

2.土地利用の規制について

「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることができるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていない都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれることがある。なお、この「非線引き白地地域」では用途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。

 

3.都市施設等について

「区域区分が定められていない都市計画区域」では、都市施設のうち少なくとも「道路、公園、下水道」を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。

また市街地開発事業、促進区域を定めることも可能である(都市計画法第13条第1項第13号・第8号)。

 

4.開発許可について

「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用される。ただし、開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000平方メートル以上」とされている。ちなみに、市街化区域では開発許可を受けるべき開発の面積は「1,000平方メートル以上」である。

 

ただし、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都市計画法施行令第19条)。

また、開発許可の基準については、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに都市計画法第33条の基準(技術的基準)だけを満たせば、開発許可が与えられる。つまり、区域区分が定められていない都市計画区域に対しては、都市計画法第34条の基準(市街化調整区域の開発許可の基準)は適用されない。

引越し

居住する場所を移転すること。「転居」「家うつり」などともいう。

住民票の住所変更が必要で、他の市区町村に引っ越す場合には「転出届」「転入届」を、同一市区町村内に引っ越すときには「転居届」を提出する。届出は、転出については転出14日前以降に、転入・転居については転入・転居後14日以内に提出しなければならない。

また、引越しの際には、電気・ガス・水道・固定電話などの契約変更や、銀行口座、郵送先、火災保険、運転免許証などの住所変更も必要となる。

避難危険度

地震時に避難する場合の危険性をいう。

 

東京都が公表しているもので、定期的に町丁目ごとに避難危険度を測定している(2003年分まで)。

 

避難危険度は、避難場所に到達するまでに要する時間と、避難する人の数を組み合わせて評価され、避難場所までの距離が長く、避難道路沿いに避難の障害となる要因が存在し、避難する人の数が多いほど高くなり、危険度の高い地域においては、避難場所や避難路の確保が重要となる。評価結果は、町丁目ごとに段階5でランク分けして公表されている。また、耐火建築物が連なっている地区では、広域的な避難の必要はなく「地区内残留地区」として指定される。

避難指示解除準備区域

原子力発電所の事故によって被災して避難指示のもとにある区域のうち、年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実であると確認された地域をいう。原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)の指示によって指定される。

この区域では、復旧・復興のための支援策を迅速に実施して、住民が帰還できるための環境整備を目指すとされている。ただし、避難指示は継続していて、原則として宿泊ができないなどの制限が課せられている。

なお、この区域の不動産について価格調査等を行うに当たっては、原発事故等格差修正を適用するなどの注意が必要とされている。

被保佐人

精神上の障害があるために、保佐人を付けられた者のこと。

保佐とは「たすける」という意味である。

 

精神上の障害により物事を判断する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「保佐開始」の決定をし、「保佐人」を職権で選任する(民法第11条、第876条の2)。

こうした手続きにより保佐人を付けられた者のことを「被保佐人」と呼ぶ。

 

この「被保佐人」の制度は、2000(平成12)年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「準禁治産者」という名称であった。

 

被保佐人は、財産に関わる重要な法律行為(不動産売買や不動産賃貸借など)を自分だけでは有効に行なうことができない。

こうした重要な法律行為を行なうには保佐人の同意が必要であり、もし保佐人の同意を得ないで重要な法律行為を行なった場合には、後でその法律行為を取り消すことが可能である。

ただし重要でない法律行為や、日用品の購入などは有効に自分だけで行なうことができる(民法第12条)。

 

従って、被保佐人との契約を行なうには、その保佐人の同意を必ず取得するべきである。

被補助人

精神上の障害があるために、補助人を付けられた者のこと。

 

精神上の障害により物事を判断する能力が不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「補助開始」の決定をし、「補助人」を職権で選任する(民法第14条、第876条の7)。

こうした手続きにより補助人を付けられた者のことを「被補助人」と呼ぶ。

 

この「被補助人」の制度は、精神上の障害の程度が軽微な人について、法律行為を円滑に行なうことができるように、2000(平成12)年の民法改正によって創設された制度である。

 

被補助人は、精神上の障害の程度が軽微であるので、重要な法律行為であっても基本的には単独で有効に行なうことができるが、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な法律行為について、補助人の同意が必要とされたり、補助人が法律行為を代理する場合がある(民法第16条、第876条の9)。

 

どのような法律行為について「同意」や「代理」を必要とするかは、本人、配偶者、親族などの請求によって家庭裁判所が審判する(民法第16条、第876条の9)。

 

従って、被補助人との契約を行なうには、その補助人と事前に協議するべきである。

表見代理

無権代理による取引(権限のない代理人が行なった契約など)は、本人に対する関係では本来無効である。しかし取引の相手方が、無権代理人を真実の代理人だと誤信したことについて、何らかの正当な理由がある場合には、その取引は有効なものとされる。この制度を表見代理という。

 

表見代理には、代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限踰越の表見代理という3種類がある。

 

これら3種類の表見代理は、本人に何らかの落ち度(帰責要因)があることを基礎として、その帰責要因をもとにあたかも真実の代理人であるかのような外観が作出され、その外観を信頼して取引に入った相手方を保護するものである

標識の掲示

免許証番号などを記載した「標識」を、宅地建物取引業者の事務所その他の一定の場所に掲示することを「標識の掲示」という。

 

1.趣旨

無免許営業を防止すること、責任の所在を明確にすること等の目的で、宅地建物取引業者に義務付けられたものである(宅建業法第50条第1項)。

 

2.標識に記載すべき事項

標識に掲示すべき事項は、免許証番号、免許有効期間、商号、代表者氏名、主たる事務所の所在地など(施行規則第19条第2項)。

 

3.標識を掲示すべき場所

標識を掲示すべき場所としては、次の1)から3)の3種類の場所が法定されている。

1)事務所(法第3条第1項)

2)事務所以外で専任の宅地建物取引士を置くべき場所(施行規則第15条の5の2)

3)1)および2)以外の場所であって標識を掲示すべき場所(法第50条第1項、施行規則第19条第1項)

 

4.標識を掲示すべき場所についての説明

上記の1)と2)については、別項目の「事務所」「事務所以外で専任の宅地建物取引士を置くべき場所」に詳しい説明があるのでそちらを参照のこと。

上記の3)の場所は、施行規則第19条第1項において法定されている。具体的には上記の3)の場所とは、次のa)からe)の場所のことである。

a)継続的に業務を行なうことができる施設を有する場所で事務所以外のもの

b)宅地建物取引業者が一団の宅地建物の分譲をする場合における当該宅地または建物の所在する場所(ここで「一団」とは「10戸以上または10区画以上」を指す。次のc)とd)でも同じ(施行規則第15条の5の2による))

c)一団地の宅地建物の分譲を案内所を設置して行なう場合には、その案内所

d)他の宅地建物取引業者が行なう一団の宅地建物の分譲の代理または媒介を案内所を設置して行なう場合には、その案内所

e)宅地建物取引業者が業務に関し展示会その他これに類する催しを実施する場合には、これらの催しを実施する場所

 

5.標識を掲示すべき場所についての説明の補足

上述の3.の2)の場所と3)の場所は、要件が非常によく似ているので区別がつきにくい。

区別するための判断基準は、2)の場所では、契約の締結または契約の申込みを受けるという業務を行なうことが要件になっているのに対して、3)の場所ではそうした契約に関する要件がないという点である。

 

例えば、ある10区画の宅地の分譲の案内所について、その案内所で契約の締結を行なうかまたは契約の申込みを受けるのであれば、その案内所は2)の場所となり、専任の宅地建物取引士を1名以上設置するとともに、標識を掲示しなければならない。

しかし、その案内所において、契約の締結を行なうことも契約の申込みを受けることもしないのであれば、その案内所は3)の場所となるので、専任の宅地建物取引士を設置する義務はないが、標識は必ず掲示しなければならない、ということである。

 

また上述の4.の場所のうちb)の場所(すなわち一団の宅地建物の分譲をする場合における当該宅地または建物の所在する場所)については、専任の宅地建物取引士を設置する場所になることはあり得ないが、標識は必ず掲示しなければならないことに注意したい。

表示行為

内心的効果意思(具体的にある法律効果を意欲する意思)を外部に表示する行為のこと(詳しくは意思表示へ)。

表題登記

一筆の土地または一個の建物に関して、最初になされる表示登記のこと。

新築された建物などの場合、登記記録そのものが存在していないので、登記記録そのものを新規に作成する手続きが必要になる。

この場合、新規に登記記録を作成するには手順として、まず表題部を作成する必要があり、このような登記を「表題登記」と呼んでいる。

 

建物の新築の場合、表題登記は建築後1ヵ月以内に申請しなければならない。1ヵ月以内に申請しない場合は過料に処せられる(ただし、1ヵ月経過後も表題登記の申請はでき、申請義務がある)。

 

なお「表題登記」という用語は、従来は使用されていなかったが、不動産登記法の全面改正(2005(平成17)年3月7日施行)により新たに導入されたもの。

表題部所有者

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録において、まだ所有権の保存の登記がされていない時点で、表題部に所有者として表示されている者のこと。

表題部(不動産登記簿における)

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録のうち、土地・建物に関する物理的状況を表示した表示登記が記載されている部分のこと。

 

それ以外の権利に関する状況が記載されている部分は、権利部という。権利部はさらに甲区と乙区に分かれる。

 

土地に関する登記記録の場合、「表題部」には「所在」「地番」「地目」「地積」「原因」「所有者」が記載されている。

また建物に関する登記記録の場合、「表題部」には主たる建物の「所在」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」「原因」「所有者」が記載され、さらに付属建物についても同様の内容が記載される。

 

なお区分所有建物の登記記録の表題部には、上記の他に敷地権を表示する欄が設けられている。

このうち「原因」とは、その土地や建物が生じた理由などを書く欄であり、「○○番から分筆」「○年○月○日新築」のように記載される。

また「所有者」とは、その土地・建物の登記記録を初めて作成した時点での所有者を書く欄である。ただし、後に所有権の保存の登記をすれば、この表題部に記載された所有者は抹消される。

平入り

二つの屋根面が山の形に合わさった側(「妻」という)と直角をなす側(「平」という)に出入り口がある建物構造。これに対して、妻に出入り口がある構造を「妻入り」という。

品確法

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の略称。住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人及び新築住宅の売り主に10年間の瑕疵担保責任を義務付けるなどを規定している。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」を参照。

ヒートアイランド現象

都市部の高温化現象のこと。

 

この現象を防止するには、日中のコンクリートの熱吸収を抑制するとともに、蒸発する水分量を増やして熱の放散を促進することが必要である。

建築物の屋上に設けた緑地(屋上緑化)は、その両面で大きな効果を発揮する。

美観地区

都市計画で定める地域地区のひとつで、「市街地の美観を維持するために定める地区」であるが、景観法の制定(2004年)によって廃止された。

 

その役割は、景観地区に引継がれている。景観地区を参照。

ビットコイン

インターネット上で発行、取引される仮想通貨の一つ。英語でBitcoin。通貨単位はBitcoin (BTC)で、2010年から取引が始まっている。

 

ビットコインの信用を支えているのは政府などの組織ではなく、取引する人々相互の信頼関係である。そのしくみは、帳簿などを集中的に管理することなく、各端末間で直接に情報を交換する技術(Peer to Peer技術)と暗号技術を組み合わせて、取引などをネットワークによって分散的に処理する方法による。また、発行には膨大な労力が必要で、発行者には報酬が与えられるが、発行量は一定量に制限されている。このしくみは、取引の改ざんなどを防ぐことができ、安全性が高いと考えられている一方、大きな先行者利益、コストの外部転嫁(取引当事者以外もコストを負担する)などの問題が指摘されている。

 

ビットコインは、個人間での送金や決済手段として使われているほか、その時価(法定通貨との交換価値)が変動することから、投資用資産としても売買されている。

 

なお、ビットコインなどの仮想通貨を売買・交換する業務については、資金決済法に基づき業者登録義務が課せられるなどの規制がある。

ビルトインガレージ

建物の内部に設置した駐車スペース。

車を屋内に収納することとなるため、風雨、風雪からの保護、盗難防止、乗降車の利便などに優れている。一方、建物の1階部分の居住面積が狭くなることや、排気対策が必要となることに留意しなければならない。

ビルトイン浄水器

流し台の下にカートリッジ(浄水フィルター設備)を設置する方式の浄水器。設備が露出しないほか、大きなカートリッジを設置できる。

 

なお、浄水のための設備を露出しない方法として、ビルトイン浄水器のほか、蛇口部分にカートリッジを組み入れる「浄水器一体型」がある。

BEI(省エネルギー性能指標)

非住宅建築物の省エネルギー性能を評価する指標の考え方。Building Energy-efficiency Indexの略。既存建築物への適用、省エネルギー基準との整合性などに配慮され、標準的な評価指標として利用されるべく提案されている。

 

評価は、設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量、に基づいて行ない、図面が残っていない場合のデフォルト仕様の選択、旧省エネ基準等からの読み替えが可能となっている。

BS

企業の一時点の財産の状態を表す書類で、財務諸表のひとつである。BSは、英語のbalance sheet(バランスシート)の略。

 

左右に分かれていて、左側(借方)には資産が、右側(貸方)には負債と純資産とが計上されている。そして、資産の額は、負債額と純資産額の和と等しい関係にある。

 

BSの資産の部に計上されるのは、

ア)流動資産(現金・預金、売掛金、商品・製品、貸倒引当金等)

イ)固定資産(土地・建物、備品、投資有価証券等)

ウ)繰延資産(開業費、新株発行費、社債発行費、開発費、試験研究費等)

の額である。

 

また、負債の部に計上されるのは、

ア)流動負債(買掛金、未払金、未払費用、短期借入金等)

イ)固定負債(長期借入金、社債、長期前受収益等)

の額である。

 

純資産の部に計上されるのは資産と負債の差額であるが、これは、

ア)資本金

イ)剰余金(資本準備金、利益準備金、その他の剰余金に区分)

に区別される。

 

これらの額は、複式簿記の記録をもとに分類・計算され記載されている。

 

BSの作成方法は、企業会計原則によって定められている。また、株式会社は、BSを含む財務諸表を公告しなければならない。

 

いわば、企業の状態を財産のストックで捉えた書類といえる。一方、財務諸表のもう一つの構成要素であるPL(損益計算書)は、企業活動の状態を財務上のフローで捉えた書類で、両者が相まって企業の活動状態を定量的に示すこととなる。

BS(BS放送)

静止衛星を利用した放送サービス。BSは英語のBroadcasting Satellitesの略語。

 

BS放送は、衛星から直接に電波を受信するため、テレビ塔などから受信する地上波放送に比べて、電波が建物や地形の影響で乱れることがないとされているほか、大容量の情報を伝達できるためチャンネル数が多い。

 

受信のためにはパラボラアンテナが必要であるが、パラボラアンテナで受信した信号を、光ファイバー、ケーブル、インターネットなどで配信するサービスを利用することもできる。

 

なお、衛星放送には、BS放送のほか、CS(Communication Satellites)放送がある。BS放送は放送専用の衛星を利用しているが、CS放送は通信事業用の衛星を利用するという違いがある。放送のしくみはほぼ同じである。

ピクチャーレール

額縁などを吊り下げるために壁面に設置されたレール。英語のpicture rail。額長押ともいう。レールにはフックが付いていて、そのフックに吊り紐を掛ける。

ピッキング

錠前を、鍵を使わず器具を用いて開錠すること。英語ではlock picking(ロックピッキング)という。

 

ピッキングによる犯罪に対処するために高性能シリンダー錠などが開発されているが、これは通常のシリンダー錠に比べて防犯効果が相当に高いとされている。

 

なお、鍵を使わない開錠方法には、ピッキングのほか、錠を破壊して開ける破錠、室内側のサムターンを外側から回す手法(サムターン回し)などがある。

ピロティ

本来はフランス語で「杭(くい)」のこと。そこから派生して、建築物を柱だけで支え、1階部分が自由に通り抜けできるようになった建築スタイルのことを「ピロティ」と称するようになった。

現在の建築用語では、1階部分の一部にあり、2階の重みを柱だけで支えた空間のことを「ピロティ」と呼んでいる。

このピロティは駐車スペースや作業場に使用しやすいので、オフィスビルやマンションで多用されている。

また一戸建て住宅でも、2階部分を1階部分より大きくすることで、1階にピロティを設け、駐車スペースとすることがある。

 

PRE

Public Real Estateの略で、「公的不動産」をいう。

 

地方公共団体等が保有する各種の不動産に着目して、その管理・活用を合理的なものにすべきという認識を背景にしてつくられた用語である。

地方財政を運営する視点から、遊休・未利用の不動産の活用、非効率な不動産利用の見直しなどの取組みがなされているが、そのような取組みを「PRE戦略」ということもある。

 

しかしながら、地方公共団体等が保有する不動産は、企業不動産(CRE)とは違い、公共・公益目的のために利用しなければならないと考えられることから、その活用についてはより慎重で幅広い検討が必要である。

PC造

プレキャストコンクリートを使用した建築構造のこと。

 

鉄骨の骨組にプレキャストコンクリートをはめ込むことによって造られる建築構造である。

 

この建築構造は工事期間とコストが少なくて済むため、賃貸マンションなどに多用されている。

Pタイル

プラスチック系床材であって、タイル状に成型されているものを「プラスチックタイル」または「Pタイル」という。

Pタイルには、その材料によって、塩化ビニル系タイル、アスファルト系タイル、ゴム系タイルなどの種類がある。

ただし、一般的に「Pタイル」という場合には、塩化ビニル系タイルのうち硬質のもので、大きさが30cm×30cmのものを指していることが多い。

この一般的な意味でのPタイルは、硬質で耐久性・耐磨耗性に優れており、学校、オフィス、商業施設で多用されている。

FC

家族の衣類をまとめて収納する空間やタンス類をいう。ファミリークローゼットは和製英語である。

ファミリークローゼットを設ける場合には、一般に、部屋ごとのクローゼットは設置しない。

ファンコンベクター

室外から温水を導入して空気を暖め、ファンで室内に送風する暖房器具。英語のfan-convectorで、convectorとは、対流式の暖房器具のことである。

利用する温水は、室外の熱源機で加熱され、配管によって室内の温水コンセントまで導かれたのち、コンセント接続でファンコンベクターに流入する。そして、空気を暖めたのち、再びコンセントを通じて室外機に還流する。

熱源はガスによる場合が多いが、室外で燃焼するため換気の必要性が低い。
また、ファンコンベクターは移動できるが、接続のために温水コンセントを設置しなければならない。

なお、循環する熱媒体として、温水ではなく不凍液を使うものもある。

FIX窓

「はめ殺し窓」を参照。

風除室

玄関の外側に設置された小さな部屋。「玄関フード」ともいわれる。

外気の流入や風の吹きつけを緩和し、室内の温度を保つ効果がある。北海道などで、冬季に風雪や冷気が流入するのを防ぐために設置されることが多い。また、冷暖房の効率を高めるために、ビルディングの入口に設置されることもある。

風致地区

風致地区は「都市の風致を維持するために定める地区」である(都市計画法第9条)。

 

風致地区は、都市の内部にありながら公園・庭園・寺院・神社などを中心として緑豊かな環境が残っているエリアについて、環境の保護のために指定されることが多い。

 

風致地区では、地方公共団体の条例によって、建築物の高さ、建ぺい率などが厳しく規制され、緑豊かでゆとりのある環境が維持されている(都市計画法第58条)。

フェンス

柵囲い。英語のfence。支柱を並べ、横木を通す構造になっていて、支柱や横木の素材には、木材や竹のほか、金属が使われることもある。

 

塀と比べて開放感があるとされ、エクステリアの設備として用いられることも多い。

付加一体物

抵当権の効力は「不動産に付加してこれと一体を成したる物」に及ぶとしており、これを通常「付加一体物」と呼んでいる(民法第370条)。

この付加一体物とは、具体的には、土地の附合物、建物の附合物、建物の従物、土地の従物である。

 

1.附合物

附合物とは不動産に附合した動産をいう(民法第242条)。

 

具体的には、分離できない造作は建物の附合物であり、取外しの困難な庭石は土地の附合物である。従って、附合物は「構成部分」といい換えることもできる。

なお、権原のある者が附合させた物は、附合物であっても、抵当権の効力は及ばない。

不完全履行

債務不履行の一つ。債務の履行がなされたが、債務者の故意または過失により、その履行が完全なものでないことをいう。

吹抜け

2つ以上の層にまたがって設けられる室やスペースのこと。

階段室は言うまでもなく吹抜けだ。風や熱の吹抜けが容易で、また遮蔽するものがないために、開放的で快適な空間を生み出す。冷暖房効果を高めるために、天井扇を付けることが望まれる。

復元(建築物の)

建物等の欠損している部分を補って元の構造やデザインを取り戻すこと。この場合、どのような状態が元の構造やデザインであるのか、どの程度手を加えるのが適切かなどが問題となるのは、絵画など芸術作品の保存・修復における困難な問題(保存、予防、保護、補修、復元等の選択問題)と同様である。

 

用語上議論があるものの、「復元」は元のかたちに戻すのを目的とするのに対して、現状を維持するのが「保存」、新たなものの付加を伴う場合が「修復」である。

復代理

代理人がその代理権限の範囲内で、さらに代理人を選任することを「復代理」という。この場合に選任された代理人は「復代理人」という(民法第104条から第107条)。

 

1.任意代理の場合

任意代理では、代理人が復代理人を選任するには、本人の許諾またはやむを得ない事情があることが必要である。代理人は、復代理人の選任・監督について責任を負う。

 

2.法定代理の場合

法定代理では、代理人はいつでも復代理人を選任できるが、その反面、代理人は原則として復代理人の行為のすべてについて責任を負う(ただし、やむをえない事情あったときは選任・監督の責任のみを負う)。

 

3.復代理人と本人の関係

復代理人は代理人と同様に、復代理権の範囲内において、直接本人を代理する。

復代理人

代理人は、本人から与えられた権限内の行為の全部または一部を、他の者を選任して行なわせることができる。

このとき、代理人から選任された他の者を「復代理人」という。

 

1.復代理人の代理権の範囲

復代理人の権限は、本来の代理人(原代理人という)から与えられた範囲に限定される。このため、原代理人が与えた権限の範囲を復代理人が逸脱した場合には、復代理人の行為は無権代理となる。また、原代理人の代理権が消滅すれば、復代理人の代理権も消滅するものと解されている。

 

2.復代理人の代理行為の効果

復代理人の代理行為については、その法律効果は、直接、本人に帰属することとされている。つまり復代理人は、原代理人を代理するのではなくて、本人を直接的に代理するものとされている(民法第107条第1項)。

 

3.復代理人がいるときの原代理人の地位

復代理人を選任した後においても、原代理人が本人を代理することには何ら変化がない。原代理人の代理権は従来のとおり存続する。

 

4.原代理人(任意代理人)による復代理人の選任と監督責任

本人と原代理人の関係が「任意代理」である場合は、本人は原代理人を特別に信任しているため、原代理人が復代理人を選任することは原則的に許されない。選任できるのは「本人の許諾があるとき」と「やむを得ない事情があるとき」に限られる(民法第104条)。

こうして復代理人を選任した場合には、原代理人は選任したことの反面として、復代理人の非行(例えば義務違反)に対して、原代理人が責任を負わなければならない(民法105条第1項)。ただし「本人の許諾があるとき」は、原代理人の責任は軽減されている(民法第105条第2項)。

 

5.原代理人(法定代理人)による復代理人の選任と監督責任

本人と原代理人の関係が「法定代理」である場合は、原代理人は法律上当然に代理人となったのであり、その代理権の範囲も広範・多岐にわたる。そのため、原代理人が復代理人を選任することは自由とされている(民法第106条)。

こうして復代理人を選任した場合には、原代理人は選任したことの反面として、復代理人の非行(例えば義務違反)に対して、原代理人が責任を負わなければならない(民法105条第1項・第106条)。なお、原代理人の責任を軽減する民法第105条第2項の規定は、法定代理人である原代理人には適用されない(民法第106条)。

袋地

ある土地が他の土地に囲まれているために、公道に出るには他の土地を必ず通行しなければならない場合には、この囲まれている土地のことを「袋地」という。

木の骨組みの表裏に紙や布を張った引き戸で、和室の間仕切りとして使われる建具の一つである。通常、骨組みの枠となる縁と開け閉めのための引手が付けられている。「襖障子」「唐紙」も同じ意味である。

表面に文様や図案を描いて、部屋を装飾する役割も担っている。たとえば、襖絵はその一例である。

負担水準

土地の固定資産税課税標準額を決定する際に用いられる数値をいい、その土地の課税標準額が固定資産税評価額との比較から見てどの程度の水準にあるかを示す指標である。

 

具体的には、次の算式によって算出される。

 

「負担水準=前年度の固定資産税課税標準額 ÷ (今年度の固定資産税評価額×課税標準の特例率)×100」

 

負担水準が低い場合には、固定資産税額が急激に増加しないように一定の調整がなされる(「固定資産税額の据え置き」を参照)。

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。

定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

不動産買取

不動産の売買を支援する方法のひとつで、不動産業者が売却希望の不動産を一旦買取り、買取りを希望する者に売却することをいう。仲介との違いは、不動産事業者自らが取引の当事者となることである。

 

不動産買取による取引支援は、売却者が売却のリスクを転嫁できること、買取り者(不動産事業者)が売却者と直接交渉できることなどの特徴がある一方、不動産事業者が取引の当事者となることによって自己利益を図る恐れがある。自己勘定取引(ディーリング)と媒介取引(ブローカリング)の隔離によって、利益相反を回避する必要がある。

不動産価格指数

不動産価格の動向を示すべく指数化した統計データ。国土交通省が2012年8月から公表している。

 

これは、金融・経済危機を背景に、IMF等からG20諸国に対して国際的に共通の指針に基づいて不動産価格の動向を迅速、的確に把握・公表すべきとの勧告がなされ、それを受けて作成・公表されるものである。

 

不動産価格指数は、同勧告によって作成された国際指針(Residential Property Price Indices Handbook)に従って、実際の取引価格情報をもとに、物件の立地や特性による影響を除去するなどの統計的な操作を加えて作成されている。公表されるのは、住宅に関する、更地・建物付土地・マンション別、全国・ブロック・都市圏別の毎月の指数である(速報値)。また、現地調査の結果を加味した確報値も公表されている。

 

地価公示は地点単位での土地の正常な価格水準を把握するのに対して、不動産価格指数は広域的な不動産取引の趨勢(時間的変化)を把握するという違いがある。

 

なお、作成・公表されているのは住宅に関する指数であるが、商業用不動産に関する指数についても開発が進められている。

不動産鑑定士

国土交通省が毎年実施する不動産鑑定士試験のすべてに合格し、国土交通大臣への登録を受けた者を不動産鑑定士という。

 

不動産鑑定士の登録を受けるには、不動産鑑定士試験の3次試験に合格し、2年以上の実務経験があることが必要である。

 

不動産鑑定士は職務上高度な倫理が求められるので、法律(不動産の鑑定評価に関する法律)の規定により、故意に不当な鑑定評価をした場合には、登録抹消などの厳しい懲戒処分が行なわれる。

 

また不当な鑑定評価をした疑いが生じた場合には、誰でも知事または国土交通大臣に対して調査等を行なうように要求することができる(不動産の鑑定評価に関する法律第42条)。

不動産鑑定評価基準

不動産鑑定士が不動産を鑑定評価するときに常に準拠すべき規範。国土交通省が制定している。1964年に初めて制定された。現行の評価基準は、2002年に全部改正されたもので、その後も一部改正が加えられている。

 

不動産鑑定評価基準は、評価の実質的かつ統一的な規範とされており、これに準拠しない鑑定は不適切である。また、準拠しない鑑定を行なった不動産鑑定士は、懲戒処分に処せられることがある。

 

不動産鑑定評価全般にわたる実務指針である「総論」と不動産の種別及び類型に応じた評価手法等の具体的な指針である「各論」で構成されている。

 

総論では、例えば、不動産の鑑定評価とは「現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格」を的確に把握する作業であるとし、その作業の手順を次のように示している。

(1)鑑定評価の対象となる不動産を的確に認識する

(2)必要とする関連資料を十分に収集・整理する

(3)不動産の価格を形成する要因及び不動産の価格に関する諸原則について十分に理解する

(4)鑑定評価の手法を駆使する

(5)収集・整理した関連諸資料を具体的に分析し、対象不動産に及ぼす自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の影響を判断する

(6)対象不動産の経済価値に関する最終判断に到達し、これを貨幣額をもって表示する

 

また各論では、価格、賃料、証券化対照不動産の価格に分けて、それぞれの評価手法を示している。

不動産公正取引協議会

不動産広告の適正化を目的として、全国9ブロックで設立されている不動産会社の団体のこと。例えば、首都圏ブロックでは「公益社団法人首都圏不動産公正取引協議 会」が設立されている。

 

不動産公正取引協議会には、そのブロックのほとんどすべての不動産会社が加盟しており、加盟する不動産会社が広告規約に違反した広告を行なった等の場合に は、不動産公正取引協議会が警告を行ない、さらには最大で500万円以下の違約金を徴収することができるとされている。

不動産取得税

不動産を有償または無償で取得した場合や改築等により不動産の価値を高めた場合に、その取得者等に課税される地方税のことである。

不動産の所在地の都道府県が課税の主体となるので、実際の徴収事務は都道府県が行なうこととされている。

 

不動産取得税の税率は原則的に「不動産の固定資産税評価額の4%」とされている。

 

ただし「住宅の建物部分」に係る不動産取得税については「建物部分の固定資産税評価額の3%」とされている(地方税法附則第11条の2)。

ちなみにここでいう「住宅」には別荘を含まない。ただし、週末を過ごすため郊外に購入した2つめの住宅や、勤務地の近くに購入した2つ目の住宅といったいわゆる「セカンドハウス」はここでいう「住宅」に含まれる。

 

なお、一定の要件を満たす「住宅の建物部分」や一定の要件を満たす「住宅用土地」については、不動産取得税の税額そのものの大幅な軽減措置が設けられている。

 

不動産取得税は原則的には、不動産を取得した者に対して、不動産の取得の日において課税される(地方税法第73条の2第1項)。

ただし、新築によって建物を取得した場合には「最初に使用された日」または「譲渡された日」が「取得の日」とみなされて、その日における所有者が納税義務を負うケースがある(地方税法第73条の2第2項)。具体的には次の通りである。

 

1.「最初に使用された日」が「取得の日」となるケース

賃貸業を行なう個人が、建築業者に賃貸建物を新築させた場合には、新築の日ではなく、最初に借家人が使用した日が「取得の日」となる。

また、一般の個人が建築業者に自己の居住用の建物を新築させた場合には、新築の日ではなく、最初にその個人が入居した日が「取得の日」となる。

 

2.「譲渡された日」が「取得の日」となるケース

建売分譲業を行なう会社が、建築業者に建売住宅を新築させた場合には、新築の日ではなく、建売住宅が販売された日に課税される。このとき納税義務者は建売住宅の購入者となる。

 

なお、上記1.2.の場合において、新築の日から6ヵ月を経過しても、最初の使用や譲渡が発生しない場合には、その6ヵ月を経過した日が「取得の日」とみなされる。

不動産所得

不動産の貸し付けによる不動産収入がある場合において、次の計算式で求めた金額のことを「不動産所得」と呼ぶ。

 

「 不動産収入-不動産所得の必要経費=不動産所得 」

 

このような不動産所得がある場合には、必ず確定申告を行なう必要がある。

 

なお不動産所得で赤字が生じた場合には、その赤字の全部または一部は、給与所得の黒字と相殺することができる(詳しくは「損益通算の特例」)。

不動産登記簿

不動産の物的状況や権利関係を公示するために、登記所(法務局、地方法務局、出張所など)に備え付けられた書類をいう。

 

不動産登記簿には、土地登記簿と建物登記簿の2種類があり、どちらもその不動産を管轄する登記所に保管されている。

 

それぞれの登記簿は、表題部、甲区、乙区に区分されていて、表題部には土地または建物の所在地番、面積などが、甲区には所有権に関する事項が、乙区には所有権以外の権利(抵当権、地上権、賃借権等)に関する事項が記載されている。登記簿は、従前は書類の形でバインダーに綴られていたが、1988年から電磁的に記録されることとなった(コンピュータ化という)。

 

不動産登記簿に記録されている事項は、何人も自由にその記録内容を証明した書面(登記事項証明書)の交付を受けることができる。なお、登記情報は、インターネットを利用して取得することもできる。

不動産投資

資金を不動産(土地・建物)の購入・賃貸に充てて運用し、収益を得ることをいう。運用益は、不動産価格の上昇益(キャピタルゲイン)または賃貸料収入(インカムゲイン)として得ることになる。

 

不動産投資は、自らが不動産を購入・賃貸する方法によるほか、不動産投資信託(REIT)のように投資の判断・運用を専門家に委ねる方法もある。

 

専門家が投資を判断・運用する方法による場合には、投資家は、あたかも株式を売買するように、不動産を証券化した金融商品を売買するかたちで投資するのが一般的である。

 

投資は一般に、高利回りの投資は大きなリスクを伴い(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さい投資は利回りが低い(ローリスク・ローリターン)とされている。

不動産投資信託

投資信託のうち、不動産を運用の対象とするものをいう。

 

アメリカではREIT(Real Estate Investment Trust)、日本ではその日本版という意味でJREITと称される。

 

不動産投資信託は、不動産の証券化手法の一つであり、その仕組みとして、

 

1.資金を信託したうえでその資金を不動産投資として運用する方法(契約型)

 

2.投資家が特定の法人を設立して不動産投資を行なう方法(会社型)

 

とがある。実際に日本で行なわれている不動産投資信託の大部分は会社型であり、その担い手を投資法人と呼ぶ。

 

投資信託によって得る利益の原資は、投資対象となる不動産の賃料等から得られる収益である。また、不動産の証券化に当たっては、倒産隔離、導管体機能などを確保することが必要となるが、投資信託は、制度的にこれらの要請を満たしている。

 

不動産投資信託は、日本では2000(平成12)年に解禁された。また、会社型の不動産投資信託は証券取引所に上場することができるとされ(銘柄は投資法人、上場して取引されるのは投資口である)、初めて上場したのは2001(平成13)年9月10日である。

不動産特定番号

土地、建物に付与されている番号をいう。

この番号は、すべての土地建物に付与されている。

不動産の表示に関する公正競争規約

不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」という。

 

不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。

 

この表示規約が最初に作られたのは1963(昭和38)年のことであり、その後、10回以上も改正されて、不動産の広告に関する最も詳細な規制として、不動産会社に広く遵守されている。

 

この表示規約の改正作業や、表示規約に違反した不動産会社への警告などを行なっているのは、全国各地に設立されている「不動産公正取引協議会」である。

不動産の流動化

不動産の取引が容易になるように工夫する手法の一つで、

 

1.不動産の価値を物理的なモノから分離独立させること、2.取引の単位を細分化すること

 

を特徴とする。

 

その有力な方法が不動産の証券化(不動産の価値を有価証券に転嫁すること)であるが、それにとどまらず幅広い手法が工夫されている。それらの手法を類型化すれば、次の表のようになる。

不動産ファンド

投資家から資金を集めて運用し、その収益を出資額に応じて配分する仕組みのなかで、不動産投資を主とするものをいう。

 

投資に係るリスクとリターンはすべて投資家に帰属する。「不動産投資信託」と呼ばれることもある。

 

狭い範囲の投資家を対象に資金を集めるもの(私募ファンド)、不動産特定共同事業として実施するもの、信託制度を活用するものなど、形は多様である。運用の対象については、株式投資などと組み合わせる場合、特定の種類の不動産のみを対象とする場合などさまざまであり、運用に関しても、インカムゲインを重視するかキャピタルゲインを期待するかという違いがある。しかしどのようなものであれ、投資によって生じた損失は、投資家が一身に引き受けることはファンドに共通する性質である。

不法行為

私法上の概念で、他人の権利・利益を侵害し、それによって生じる損害を賠償する責任(債務)が生まれる行為をいい、民法に規定されている。

 

不法行為責任が生じるのは、1)故意・過失を伴うこと(特定の行為については無過失でも責任が生じる)、2)保護すべき他人の権利を侵害したこと、3)損害が発生したこと(発生の恐れがある場合に行為の差し止めを命ぜられることがある)、4)行為と損害との間に因果関係があること、5)責任能力があること(責任無能力者の行為における監督責任などを含む)という要件を満たす場合であるとされている。一方、これらの要件を満たしていても、正当防衛、緊急避難等一定の場合には、責任を負う必要はないとされる。

 

不法行為があった場合には、被害者は加害者に対して損害賠償請求権を得る。賠償の対象となる損害には、財産的損害だけでなく精神的な損害も含まれ、また、賠償は、金銭支払によるのが原則であるが、名誉毀損においてはその回復措置としての謝罪広告による賠償も認められている。

 

なお、使用者責任、工作物責任、製造物責任など、不法行為の成立について特別の扱いが適用される場合がある。

フリーレント

建物等の賃貸契約において、一定期間賃料を無料とすることをいう。

 

賃料相場等への影響を避けながら実質的に賃料を割安にする手法であり、販売促進の方法の一つである。

 

主として事務所ビルの賃貸に際して採用されることがあるが、住宅賃貸においても採用する例が現れている。

フレックスウォール

建築物の内部空間を区画するために設けられる開閉可能な間仕切りのこと。可動間仕切りとも呼ばれる。

 

フレックスウォールは、一つの部屋を必要に応じて2つに仕切ることができる。

フレックスウォールには、アコーディオン式(折り戸式)のものや、引き戸式のものなどさまざまなな種類がある。

 

また小窓のついた家具調のものや、床から天井まで隙間なく覆う壁のようなものなど、形状もさまざまである。

フローリング

木板や木質材料による床板のことを一般に「フローリング」という。

フローリングには、単層フローリング(無垢材(一枚の厚い天然木単板)を多数敷き詰めたもの)と、複合フローリング(単板を重ねて表面に天然木単板を接着した板材を多数敷き詰めたもの)の2種類がある。

近年では、コストが安く、変形・伸縮が少ない複合フローリングが主流となっている。

フローリングには下階に床衝撃音が響くという短所がある。これを克服するには、フローリングとクッション材を複合した商品(複層フローリング)を使用することが有効である。

VR

情報技術を活用して、人工的に現実感を作り出すこと。英語のVirtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略語で、「仮想現実」「人工現実感」などと翻訳されている。

 

高度なシミュレーションの大部分はVRである。あるいは、実際に現地に行かずに建物や都市の中を歩き回る体験や、遺跡の元の姿を復元して現実に存在するかのように示すことなどは、いずれもVRの利用である。

 

なお、VRは現実感を人工的に生み出すのに対して、ARAugmented Reality)は現実をベースに人工的な情報を重ねて現実感を広げるという違いがある。

物権

物を直接に支配する権利をいう。

 

その典型は所有権である。

 

そもそも財産を支配する権利には、「物権」と「債権」の2つの類型がある。物権は、すべての人に対して権利を主張できる絶対的な財産支配権であるのに対して、債権は、特定の人にある要求をする権利であって第三者には権利を主張できない相対的な請求権である。このように、物権の基本的な性格は、その絶対的排他性にある。

 

絶対的排他性を確保するため、物権には、

 

1.後に成立した物権や内容が抵触する債権に優先する効力(優先的効力、ただし借地借家の賃借権(債権である)などの例外がある)

 

2.物権の内容の円満な実現が妨げられ、または妨げられる恐れがある場合に、妨害を除去・予防するため必要な行為を請求する権利(物権的請求権または物上請求権と呼ばれる。具体的には、返還、妨害排除、妨害予防の請求権)

 

が与えられている。また、排他性の帰結として、同一物に対して同一内容の物権は一つしか成立しない(一物一権主義、だからこそ、土地を筆に分けて各筆をそれぞれに一物とするのである)。

 

また、すべての人に対する権利であることから、物権の変動は公示しないと第三者に対抗できないとされる(公示の原則)。対抗要件は、不動産に関する権利変動については「登記」、動産に関する物権譲渡については「引渡し」である。

 

さらには、物権は、法律で定められた以外のものを新たに創設することはできないとされている(物権法定主義)。民法で定められているのは、所有権のほか、地上権(他人の土地を借りて使用できる権利)、地役権(他人の土地を自己の土地のために供し得る権利)、抵当権(優先的に弁済を受ける権利)、占有権(物に対する事実上の支配により認められる権利)などである。また、慣習法上の物権も判例により認められており、温泉権や流水利用権はこれに当たる。

物上代位

私法上の概念で、担保物権の効力が、その目的物に代わる物や金銭に及ぶことをいう。

 

担保物権の目的物が売却、賃貸、滅失、破損等により金銭債権等に転化した場合に、それに対しても優先弁済の効力を及ぼすことによって目的物の価値の減少を防ぐという意味がある。

 

先取特権、質権、抵当権について認められているが、留置権については認められない。

 

例えば、抵当権を設定した建物が火災で滅失した場合には、建物所有者に支払われる火災保険金に対して抵当権の効力が及ぶ。これが物上代位である。

物上保証

ある人(A)が他の人(B)に対して債権を有している場合に、Aがその債権を担保する手段の一つとして、「第三者(C)の財産に対してAが抵当権をつける」ことがある。

これは第三者Cが、Cの財産をBのために差し出すということであり、このような方法による債権の担保を「物上保証」という。

物上保証人

ある人(A)が他の人(B)に対して債権を有している場合に、Aが債権を保全する手段の一つとして、「第三者(C)の財産に対してAが抵当権を付ける」ことがある。

これは第三者Cが、Cの財産をBのために差し出すということであり、このような方法による債権の担保を「物上保証」という。また、このときのCを「物上保証人」という。

ブレース構造

鉄骨構造のうち、柱、梁のほかに「筋かい」を使ったものをいう。ブレースは英語のbraceで、「筋交い」のことである。

 

なお、鉄鋼構造の種類には、ブレース構造のほか、柱と梁のみで構成するラーメン構造、多数の三角形を組み合わせたトラス構造がある。

分譲

土地や建物を分割して譲渡すること。たとえば、「宅地分譲」は広い土地の一部を宅地として売り渡すこと、「分譲マンション」は一棟の建物及びその敷地を複数に区分して売り渡された住戸(区分所有している建物)である。

 

通常、分割した土地や建物の所有権を売買契約によって移転する方法で行なわれる。

分譲賃貸

分譲用の住戸を賃貸すること。もっとも、建築設計上は、分譲用住戸と賃貸用住戸との違いはない。

分電盤

配電盤より配電された幹線を、分岐する箇所に設置する装置。分岐配線するという役目だけではなく、保守点検を行ないやすくするという利点も兼ね備えている。

分配金

不動産投資信託の投資法人において、利益の分配として投資家に対して支払われる金銭のこと。通常の株式会社でいえば「配当金」に類似する。

 

分配金は、投資法人の会計期間の終了後に支払われる。不動産投資信託の投資法人の会計期間は通常6ヵ月に設定されているので、不動産投資信託の購入者(すなわち投資主)は、通常、年2回「分配金」を受け取ることができる。

 

分配金の原資となるのは原則として、投資法人の「当期純利益」である。当期純利益とは、その会計期間中の所得(税引前当期利益)から、法人税等を差し引いた後に残る、最終的な利益を指している。

 

また分配金の原資に関しては、出資総額(通常の会社でいえば資本金・資本準備金に相当)を原資に充てることも法律上は可能である。これは「出資の払い戻し」と呼ばれる。ただし現在のところ、上場されている不動産投資信託では出資の払い戻しは行なわれていない。

 

ところで、投資法人には投資法人の課税の特例(租税特別措置法第67条の15)により、法人税が事実上ほぼ免除されるという特長がある。

すなわち投資法人では、税引前当期利益(税法上の所得)の90%超に相当する額を、投資主へ分配金として支払うならば、その分配金に相当する額を法人税法上の「経費」として計上することができる。

 

具体的には、例えばある投資法人の1会計期間(6ヵ月)の税引前当期利益(税法上の所得)が100億円、分配金が99億円、法人税等の税率が40%であったとしよう。

この場合、分配金を損金(経費)扱いできるので、投資法人が支払うべき法人税等は(100億円-99億円)×40%=4,000万円となる。その結果、当期純利益は100億円から4,000万円を差し引いた残額、すなわち99億6,000万円となる。

 

このような「投資法人の課税の特例」により、法人税等が事実上ほぼ免除されるので、投資法人では「税引前当期利益」、「分配金」、「当期純利益」がほぼ等しいという現象が起きる。上記の設例でいえば、税引前当期利益は100億円、分配金は99億円、当期純利益は99億6,000万円である。

 

実際に、上場されている不動産投資信託では、税引前当期利益(税法上の所得)の100%近くを分配金に充てていることが多い。

 

なお、分配金の金額は、会計期間終了後2ヵ月以内に投資法人の役員会で正式に決定される。

上場された不動産投資信託の過去の実績を見ると、投資口価格(いわゆる株価に相当)に対して3~5%に相当する金額が、(投資口1口当たりの)分配金の1年間の合計として支払われている。

プレキャストコンクリート

英語表記は「Precast Concrete」。

工場であらかじめ製作された鉄筋コンクリートパネルのことである。

 

現場で鉄筋コンクリートの壁等を製作するには時間と費用がかかるが、プレキャストコンクリートを使用することによって建築に要する時間とコストを大幅に削減することが可能となった。

プレハブ住宅

現場での施工の前に、あらかじめ工場で部材の加工、組立てを行ない、それを現場で組み立てる住宅。

生産性の向上、質の均一性、精度の向上を目的とし、現場作業を軽減させることから工期も短縮できる。また、工場生産により価格が抑えられることなどの特徴がある。

プロパティマネジメント

委託を受けて不動産の管理・運用を行なう業務をいうが、特に収益性の確保・向上をめざした業務をさすことが多い。

 

その業務は、大きく、運用計画の立案、賃料の設定、テナントの募集・契約などの運用業務と、不動産や設備の維持・保全、予算・収支の管理などの管理業務に分けられるが、両者を総合化して、当該不動産から得られる収益を最適化することが最も重要であるとされる。不動産の証券化などにおいて、その能力が問われる業務でもある。

プロパンガス

プロパンやブタンを主成分とするガス燃料。プロパンやブタンは液化石油ガス(LPG)である。高圧で液化してボンベに充填し、ボンベを配送する方法で供給される。家庭用燃料として供給されるプロパンガスの成分規格は、添加物の違いはあるものの基本的にひとつだけで、家庭用プロパンガス器具はこの規格に適合するよう製造されている。

無色、無臭であるが、安全のために匂いがついている。また、空気よりも重い。

なお、都市ガスに比べて単位容量あたりの発熱量が大きいが、ガス器具の構造によって燃焼量が調整されているため、使用に当たっての火力は都市ガスとほとんど同じで、安全性も同等である。

プロムナード

遊歩道、散歩道のこと。タイル舗装したり、洒落たストリートファニチャーを設置したり、植裁を施したりして、商店街の活性化を図り、またビルの間道をやすらぎ空間として利用する事例が増えてきている。

敷地の境界などに設置された連続した壁。材料によって、築地塀、土塀、練り塀、板塀、煉瓦塀、ブロック塀などの種類がある。

 

地震などで倒壊しないように設置しなければならないほか、街区景観との調和などが求められる。また、組積造及び補強コンクリートブロック造の塀については、高さ、厚さ、構造などに関して建築基準が定められている。

閉鎖登記簿

一筆の土地または一個の建物の登記記録が閉鎖された場合に、その閉鎖された登記記録が保存される帳簿(または磁気ディスク)のこと。

一筆の土地または一個の建物に登記記録が閉鎖されるのは、土地が合筆される場合、建物が滅失した場合などがある。

 

また、登記所がコンピュータ化し、従来の紙の登記簿が磁気ディスクの登記簿へ置き換えられるのに伴い、従来の紙の登記簿そのものが閉鎖される。これも「閉鎖登記簿」という。

 

こうした閉鎖登記簿は、土地登記簿で50年間、建物登記簿で30年間保存されている。希望すれば、閉鎖登記簿の閲覧や、閉鎖登記簿の謄本(閉鎖謄本)の交付を受けることもできる。

閉鎖謄本(不動産登記における~)

閉鎖登記簿の写し(謄本)のこと。

 

現在、全ての登記所はコンピュータ化され、従来の紙の登記簿は、磁気ディスクの登記簿へ置き換えられている。

しかし従来の紙の登記簿は、従来どおり登記所に閉鎖登記簿として保管されており、希望すれば閲覧したり、写し(謄本)の交付を受けたりすることができる。

閉鎖謄本の交付を受けるには、登記事項証明書・登記簿謄本抄本交付申請書の中に、「閉鎖登記簿」というチェック欄があるので、その欄をチェックし、必要事項を記入して提出する。

壁心

建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。

 

この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。

 

建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用しているということができる(建築基準法施行令2条1項3号)。

 

なおこの「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。

壁面収納

部屋の壁面全体を収納に利用すること。そのための収納家具をさす場合もある。

部屋の広さを大きく妨げることなく大容量の収納場所を確保できるとされている。壁面加工の要否、収納スペースの形、収納部材の材質などに応じて、その様態はさまざまである。

HEMS

住宅のエネルギーを管理するシステムをいい、Home Energy Management Systemの略。

 

住宅で使用されている家電や冷暖房などのエネルギー消費の状況を把握・表示し、それを最適化すべく制御するシステムである。さらにこれに、太陽光発電や熱供給などを組み込んで、より効率性の高い制御を実現する試みもある。

 

なお、同様の考え方によって業務用ビルディングのエネルギーを管理するシステムを、BEMS(Building and Energy Management System)という。

変更の登録(宅地建物取引士の~)

宅地建物取引士の登録を受けた者は、宅地建物取引士資格登録簿に登載された事項に変更があったときは、変更登録申請書を遅滞なく提出しなければならない。これを変更の登録という。

(詳しくは宅地建物取引士資格登録簿へ)

変更の届出

宅地建物取引業者に関する一定の事項を登載した名簿(宅地建物取引業者名簿)の登載事項について変更が生じた場合に、宅地建物取引業者が行なうべき届出のこと(宅地建物取引業法第9条)。

 

都道府県知事または国土交通大臣は一定の事項を登載した宅地建物取引業者名簿を作成するが、この名簿の登載事項のうち一部の登載事項について変更があったときは、宅地建物取引業者は30日以内に変更の届出を行なう義務を負う。具体的には次のとおり。

 

1.変更の届出を行なうべき事項

次の1)から5)の事項に変更が生じたとき、宅地建物取引業者は変更の届出を行なう必要がある(法第9条)(※参照)。

1)商号または名称(法第8条第2項第2号)

2)事務所の名称と所在地(法第8条第2項第5号)

3)宅地建物取引業者が法人である場合には、その法人の役員の氏名および事務所の代表者の氏名(法第8条第2項第3号)

4)宅地建物取引業者が個人である場合には、その者の氏名および事務所の代表者の氏名(法第8条第2項第4号)

5)事務所に置かれる専任の宅地建物取引士の氏名(法第8条第2項第6号)

※●宅地建物取引業以外の事業を営んでいるとき、その兼業している事業の種類(施行規則第5条第2号)については、変更の届出を行なう義務がない。

●役員・事務所の代表者・専任の宅地建物取引士の氏名の変更があったときは届出の必要があるが、住所の変更があったときは届出の必要がない。

●事務所の新設・移転・廃止は、「事務所の名称、所在地」の変更(法第8条第2項第5号)に該当するので、新設・移転・廃止を行なってから30日以内に届出が必要である。

●法人の場合、資本金の額や定款は、そもそも宅地建物取引業者名簿の登載事項ではない。従って資本金の額の変更や定款変更は、届出が不要である。

 

2.届出期間・届出の相手方

変更が生じてから30日以内に、免許権者(知事免許ならばその知事、大臣免許ならば国土交通大臣)に対して、宅地建物取引業者名簿登載事項変更届出書(施行規則様式第3号)を提出しなければならない(施行規則第5条の3第1項)。

この際に、役員・事務所の代表者・専任の宅地建物取引士の増員・交代については、成年被後見人および被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書を提出するなど、さまざまな添付書類が必要となる場合がある(施行規則第5条の3第2項)。

変動金利型

住宅ローンのうちで、借入れ期間中に借入れ金利が変動するものをいう。

変動する場合の金利は、長期プライムレート等に一定率を上乗せしたもの(住宅ローンプライムレート)を基準として決定され、原則として年2回見直しされる。返済金額は金利が変動するごとに変わるが、返済金額の増減を一定期間反映させない(つまりその期間中は返済金額が一定である)という方法が取られることもある。

 

変動金利型に対して、借入れ期間の金利が固定されている住宅ローンもあり、これを「固定金利型」という。一定の条件の下で、固定金利と変動金利を選択できる「固定金利選択型住宅ローン」もある。

ベイウィンドウ

出窓(張出し窓)のこと。

 

もともとはサンフランシスコで湾の景色を見るために設けられたベイビューウィンドウのことであったが、現在は出窓の総称として使われる。

長方形、多角形、弓形等がある。

べた基礎

基礎の底部が隙間なく連続し、基礎の底部が一枚の板状になっている基礎のこと。

ベランダ

建物の壁面から突き出した床の部分。バルコニーともいう。

 

バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共用部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。

BELS

建築物のエネルギー消費の状態を第三者が一定の方法で評価し、当該建築物の省エネルギー性能を表示する制度をいう。Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略語。

 

BELSの評価に用いる指標および手法は、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」によって、住宅、非住宅に分けて定められているが、基本的には、建築設備(冷暖房・照明等の設備で家電・OA機器等を除く)によって生じるエネルギー量および建物外皮における熱収支を測定し、基準と比較する方法による。また、省エネルギー性能の表示は、一般に、性能水準に応じて星印による5段階のマークで示される。

 

「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」は、建築物の販売・賃貸事業者に対して省エネ性能を表示する努力義務を課しているが、BELSによって表示すれば、これを満たすことになる。

弁済業務保証金準備金

宅地建物取引業保証協会が積み立てる金銭等で、還付充当金の納付がなかったときに弁済業務保証金の供託に充てるためのものをいう。

 

宅地建物取引業保証協会は、その社員と取引した者が有する債権に関して一定の範囲で弁済業務保証金を還付する義務を負っているが、それが実行されたときには、還付された額に相当する弁済業務保証金を供託しなければならない。この場合、供託に要する金銭等はその還付に係る社員が協会に納付する還付充当金を充てることとなるが、その納付がなかったときにはこの弁済業務保証金準備金を充当することとなる。

 

なお、弁済業務保証金から生じる利息または配当金は、準備金に繰り入れなければならないとされている。

弁済業務保証金分担金

宅地建物取引業者がその取引により生じた債務に関して当該業者に代わって弁済する業務を行なう団体(宅地建物取引業保証協会)に対して、その加入者が負担する金銭をいう。     

 

宅地建物取引業者は、原則として営業保証金を供託しなければならないが、宅地建物取引業保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納入すればその必要はない。

 

協会が弁済する価額の限度は営業保証金によって弁済される価額の限度と同じであるが、業者が負担する分担金額は営業保証金よりも少ない額に設定されている。また、協会は、納付された分担金に相当する金銭を供託しなければならない。

ペアガラス

複層ガラスともいう。

遮音性・断熱性を高めるため、ガラスを二重にしたサッシのこと。結露を防ぐ性能を持つタイプもある。

ペデストリアンデッキ

高架で設置された歩行者専用通路をいう。

 

通常、建物の入り口まで続く構造となっていて、横断歩道橋と区別される。市街地再開発事業や街区の一体的な開発において設置されることが多い。

ペンション

家族などによって専業で経営される洋風の宿泊施設。旅館よりも低料金で、自然が豊かな観光地に立地していることが多く、食事が提供される。和製英語である。

ペンションの多くは、旅館業法上はホテル営業として許可を受け、一般に1泊2食付きの料金体系を採用している。

「民宿」と違って専業で経営されていて食事が提供され、「B&B(Bed & Breakfast)」と異なり1泊2食付きの料金体系である。

ペンダントライト

吊り下げ形式の照明。英語のpendent lump。ペンダントライトに対して、天井に固定する形式の照明を「シーリングライト」という。

ペンダントライトは、一般に照明範囲が局所的になるが、シャンデリアのように広い範囲を照らすものもある。また、その形状は、シンプルな一点照明灯から複数のランプを組み合わせた装飾性の高いものまで多様である。

ペントハウス

次の2つの意味がある。

 

1.建物の最上階に設けられた非常に高級な部屋

2.建物の屋上に造られた階段室・昇降機塔などのこと

わが国では、主に2.の意味で用いられる。

 

なお、わが国の建築基準法では、建築面積の8分の1までの広さのペントハウス(2.の意味)は、建築物の高さおよび階数に原則的に算入しないという特例がある(建築基準法施行令第2条)。

報告義務(媒介契約依頼者に対する)

宅地建物取引業者が不動産取引の媒介を依頼されたときに、依頼した者に対してその業務の処理状況を報告しなければならないとされる義務。宅地建物取引業法に基づく義務である。

 

報告義務を負うのは、専属専任媒介契約または専任媒介契約によって業務を行なう場合で、専属専任媒介契約においては1週間(休業日を含む)に1回以上、専任媒介契約においては2週間(休業日を含む)に1回以上報告しなければならない。

報酬額の制限

宅地建物取引業者が受け取ることのできる報酬額について限度が定められていることをいう。

 

宅地建物取引業者による媒介または代理によって、宅地建物の売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者から所定の報酬を受け取ることができ、その報酬の額は、媒介契約または代理契約において、依頼者と宅地建物取引業者の間で約定される。

 

この場合に、宅地建物取引業法は、報酬の額の上限を国土交通大臣が告示で定めるものとし、宅地建物取引業者はその告示の規定を超えて、報酬を受けてはならないという制限を課している。これに基づいて定められているのが、国土交通省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」である。

 

定められている報酬額の制限の概要は次のとおりである。

 

1 報酬が発生する場合

宅地建物取引業者の媒介または代理により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は依頼者に報酬を請求することができる。しかし、宅地建物取引業者自らが売主または貸主として売買・交換・貸借が成立した場合には、その売主または貸主である宅地建物取引業者は取引当事者の立場にあるので、買主または借主に報酬を請求することはできない。

また、この報酬は成功報酬と解釈されており、原則として売買・交換・貸借が媒介または代理により成立した場合にのみ報酬請求権が発生するとされている(標準媒介契約約款の規定等による)。

 

2 売買の媒介における報酬額の上限

売買の媒介の場合に、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることができる報酬額の上限は、報酬に係る消費税相当額を含めた総額で、次のとおりである。(報酬告示第二)

 

1)売買に係る代金の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)のうち200万円以下の部分について…価額の5%+これに対する消費税額

2)200万円を超え400万円以下の部分について…価額の4%+これに対する消費税額

3)400万円を超える部分について…価額の3%+これに対する消費税額

 

例えば、売買に係る代金の価額(建物に係る消費税額を除外)が1,000万円の場合には、200万円の5%、200万円の4%、600万円の3%に、それぞれに対する消費税額を加えた額が依頼者の一方から受ける報酬額の上限となる(この額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

 

3 交換の媒介における報酬額の上限

交換の媒介の場合には、交換する宅地建物の価額に差があるときは、いずれか高いほうを「交換に係る宅地建物の価額(ただし、建物に係る消費税額を除外する)」とする。(報酬告示第二)

例えば、A社がX氏と媒介契約を結んでX氏所有の800万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介し、B社がY氏と媒介契約を結んでY氏所有の1,000万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介して交換が成立したとすれば、A社の報酬額の上限は800万円でなく、1,000万円をもとに計算する。(この額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

 

4 貸借の媒介の場合

宅地または建物の貸借の媒介において、宅地建物取引業者が依頼者双方から受けることのできる報酬額の上限は、合計で借賃(借賃に係る消費税額を除外する)の1月分+これに対する消費税額である(この額には報酬に係る消費税相当額を含む)。ただし、居住の用に供する建物の賃貸借については、依頼者の一方から受け取ることのできる報酬は、媒介依頼の際に当該依頼者の承諾を得ている場合を除いて、借賃の1月分の0.5倍+これに対する消費税額以内でなければならない。(報酬告示第四)

 

なお、宅地または非居住用の建物(店舗・事務所など)の賃貸借において、権利金が授受されるときは、その権利金の額を上記2の「売買に係る代金の額」とみなして、売買の媒介の場合と同様に報酬額の上限を算出することが可能である。(報酬告示第六)

 

5 代理の場合

売買・交換・貸借の代理において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬額の上限は、上記2または3の2倍の額である。ただし、売買・交換の相手方からも報酬を受ける場合には、報酬の合計額は2または3によって算出した額の2倍を超えてはならない。(報酬告示第三)

 

また、賃借の代理においては、一方から受け取ることのできる報酬額の上限は借賃の1月分+これに対する消費税額である。ただし、取引の他方からも媒介等の報酬を得る場合には、両者からの報酬の合計額はこの額を超えてはならない。(報酬告示第五)

 

なお、双方代理は、民法で原則として禁止されていることに注意が必要である。

 

6 低廉な空家等の売買・交換に関する特例

代金の額が400万円以下の宅地建物であって、通常の媒介・代理と比較して現地調査等の費用を要するもの(低廉な空家等)の取引の媒介・代理に当たっては、依頼者たる売主または交換を行う者から受ける報酬について、当該現地調査等に要する費用を加えることができる。ただし、現地調査等に要する費用を加えた合計報酬額は、18万円+これに対する消費税額を超えてはならない。(報酬告示第七・第八)

 

7 複数の宅地建物取引業者の関与

複数の宅地建物取引業者が一個の売買等の媒介・代理に関与する場合には、報酬額の上限の規定は、それらの業者の受ける報酬額の合計額について適用する。

 

8 特別の依頼に係る広告費用

宅地建物の売買・交換・貸借の媒介・代理に関しては、上記の1〜7によるほか報酬を受け取ってはならないが、依頼者が特別に依頼した広告の料金に相当する額については、この限りではない。(報酬告示第九)

法人

私法上の概念で、自然人以外で、法律上の権利・義務の主体となることを認められた団体・財産をいう。

 

法人の設立は、法律の規定によらなければならないとされている。

 

例えば、一般社団法人、一般財団法人、株式会社、学校法人、宗教法人、管理組合法人などはすべて法人である。

法定共用部分

区分所有建物において、区分所有法の規定に基づき共用部分としなければならない建物部分をいう。壁・支柱・基礎・屋根など建物の主要構造部分、共同で使う配管・配線、廊下・階段室・玄関など構造上共用とされる部分がこれに当たる。

 

なお、法定共用部分ではないが、管理規約によって共用に供する建物部分を「規約共用部分」という。

法定講習

宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者が、宅地建物取引士証の交付を申請する際に、取引士証の交付を申請する日が宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「講習」を受講する義務が生じる(宅地建物取引業法第22条 の2第2項)。

この宅地建物取引業法第22条の2にもとづく講習を「法定講習」と呼ぶ。

 

また、宅地建物取引士証の有効期間の更新を希望する場合にも、この「法定講習」を有効期間満了の前に受講することが義務付けられている。

 

「法定講習」を実施するのは都道府県知事であるが、実際には知事が指定した実施機関が講習を実施している。

どのような機関が実施機関となるかは各都道府県により異なっているので、法定講習を受講する際には、各都道府県の宅地建物取引業法を所管する課や、宅地建物取引業の業界団体へ問い合わせる必要がある。

法定敷地

区分所有建物が必ず必要とする敷地をいう。

 

区分所有建物を所有するためにはその敷地に対して権利(所有権、借地権など)を必要とするが、その権利の対象となる敷地が法定敷地である。

 

区分所有建物の専有部分を所有するための土地に対する権利を敷地利用権(専有部分の所有者が共有する権利とされる)という。このとき、必ず敷地利用権が必要となる土地が法定敷地である。

一方、法定敷地以外の土地で、管理組合の規約によって区分所有建物の敷地であると定めたものを「規約敷地」という。

法定代理

本人・代理人の意思に関係なく、法律の規定にもとづいて発生する代理権のこと。

 

具体的には、子に対する親権者の権限、成年被後見人に対する成年後見人の権限などが法定代理である(詳しくは法定代理人へ)。

法定地上権

土地とその上の建物を同じ所有者が所有している場合に、競売等により土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際に、民法などの規定により建物のために地上権が自動的に発生することとされている。このように土地建物が強制的に分離処分される際に、法律の規定により建物のために発生する地上権を「法定地上権」と呼ぶ。

 

民法第388条では、抵当権の実行(いわゆる任意競売)により、土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際に、建物のために法定地上権が発生すると規定する。また民事執行法第81条では、競売(いわゆる強制競売)の際にも、建物のために法定地上権が発生すると規定する。また、租税徴収法では租税滞納による物件売却(いわゆる公売)の際にも、建物のために法定地上権が発生すると規定している。

 

このように、各法律で法定地上権を規定している理由は、競売等により土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際には、建物が敷地を利用する権利がいったん消滅することとなり、建物を土地から撤去しなければならないという不都合が生じるので、そうした不都合を回避するために、建物に地上権(法定地上権)を付与するという趣旨である。

法務局

法務省の地方支分部局の一つで、登記、公証、人権などに関する事務を担当する。

 

法務局は全国に8ヵ所設置されている。また、その他の県庁所在地等には地方法務局(全国で42ヵ所)が置かれている。さらに、法務局、地方法務局は、所管する地域内にその支局および出張所を置いていて、全体では全国で約500ヵ所の事務所が存在する。

 

事務所の種類等によってその扱う事務の範囲が異なるが、不動産登記および供託に関する事務は、すべての事務所で取り扱われるため、事務所を一般的に「登記所」と呼ぶ(商業登記は、原則的に法務局または地方法務局のみで扱う)。

法律行為

法律関係を変動させようとする意思にもとづく行為のこと。

 

具体的には、契約、単独行為、合同行為が法律行為である。

なお、意思表示は法律行為の主要な要素であるとされている。

保佐人

被保佐人に対して、保佐開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する保佐人のことである(民法876の2条)。

 

保佐とは「たすける」という意味である。

保佐人は、重要な財産行為について同意する権限を持つ(民法12条)。

保証会社審査

家賃等の保証契約を締結する際になされる審査をいう。連帯保証人なしで住宅を賃借する場合に必要となることが多い。

 

保証契約は、家賃滞納等があった場合に、保証会社が賃借人に代わって賃貸人へ代位弁済を行ない、弁済金を賃借人へ請求する旨を約するもので、賃貸人、賃借人、保証会社の三者が締結する。この契約に当たって、保証会社は、賃借人について、家賃を負担する能力があるか、賃借した住宅を適切に利用するか、迷惑行為などをなさないかなどを審査するが、これが「保証会社審査」である。

 

保証会社審査をパスしないと賃貸契約を締結することができないから、この審査が実質的に入居審査の役割を果たす場合が多い。

 

なお、保証会社は、賃貸借の保証人ではなく、賃貸借契約には関与しない。

保証金(賃貸の〜)

建物の賃貸借契約時に、借主が貸主に支払う一時的な金銭。その法的な意味は一様ではないので、内容を十分に確認する必要がある。

 

保証金には、敷金と同じように借主に対する賃料債務等を担保するものであって債務がなければ退去時に返還されるものと、権利金、礼金と同じように一時的な対価として支払われ退去時に返還されないものとがある。

 

また、保証金の一部として「敷引」が定められている場合には、礼金と同じようにその金額は返還されない。

保証金の保管替え

宅地建物取引業の主たる事務所を移転した場合に、移転前の事務所最寄りの供託所に供託していた営業保証金を、移転先事務所最寄りの供託所に移管することをいう。

 

 金銭のみで供託していた場合に限って認められ、移管の請求は移転前の供託所に対して行なう。

 

なお、有価証券を含む供託の場合は、移転先最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託した後、移転前の供託所から供託金の返還を受ける必要がある。

保証債務

主たる債務者の債務を、別の者が保証したとき、この保証人の債務を「保証債務」という。

 

例えばAがBから借金をし、Aの友人であるCがその借金の保証人になったとしよう。このときAは主債務者、Bは債権者、Cは保証人、AB間の債務は「主債務(しゅさいむ)」、BC間の債務は「保証債務」と呼ばれる。

 

保証債務とは、正確には「主債務者Aが債務を履行しない場合に、保証人CがAの代わりに債務を履行するという保証人Cの債務」である(民法446条)。従って保証人Cは、主債務者Aが借金を返済しない場合にのみ借金返済の義務を負うことになる。

 

つまり、債務履行の責任はまず主債務者にあり、保証人は補充的に債務を履行するだけである。このような保証債務の性質を「補充性」と呼んでいる(ただし連帯保証には補充性がない)。保証債務の主な特徴は次のとおりである。

 

1.附従性にもとづく抗弁権

保証債務は主債務を保証するものであるので、主債務自体が消滅すれば、保証債務もまた消滅する。このように主債務と保証債務が連動することを「附従性(ふじゅうせい)」という(民法第448条)。

こうした保証債務の附従性により、保証人は主債務の消滅などの理由を債権者に主張することができる。例えば、主債務者Aの主債務が当初1,000万円であったが、主債務者が200万円を弁済したことにより主債務が800万円にまで縮減したとする。このとき、債権者Bが保証人Cに対して1,000万円を返済するように請求したとしても、保証人Cは債務が800万円であることを債権者Bに対して主張することができる。これを附従性にもとづく抗弁権という。

(なお債権の消滅時効と保証の関係については時効の援用、時効利益の放棄参照)

 

2.補充性にもとづく抗弁権

前述のように保証債務は補充性を有するので、保証人は債権者に対し、先に主債務者から弁済を受けるように主張することができる。具体的には催告の抗弁権(民法452条)、検索の抗弁権(民法第453条)が保証人に与えられている。

 

3.保証人の求償権

保証人は主債務者に代わって債務を弁済した場合には、その弁済した金額を保証人が主債務者に請求することができる(民法第459条)とされており、これを保証人の求償権という。

ただし、保証人が主債務者に代わって債務を弁済する際には、弁済の前と弁済の後に主債務者に通知をするべきである。これは、保証人が弁済した後で主債務者が弁済すること(二重弁済)などを避けるためである(民法第463条、第443条)。

 

なお、保証の特殊な形態として、保証人の責任を大幅に強化した「連帯保証」があり、実際の契約ではこの連帯保証が用いられることが多い(詳細は「連帯保証」へ)。

保証書(不動産登記における)

所有権移転登記を申請しようとする売主が、登記済証を紛失している場合に、登記済証の代わりに作成する書類のこと。通常はこの保証書の作成は、不動産の売主が司法書士に依頼する。

 

保証書は、不動産の売主がその不動産の真正な所有者であるということを2名の保証人が保証するという内容の書面である。

2名の保証人は、いずれかの登記所(問題となっている不動産を管轄する登記所でなくてもよい)で登記を受けている成年者であることが必要である。

 

なお、保証された者が実は真正な所有者でなかった場合には、保証人は損害を受けた者に対して民事上の賠償責任を負うことになるので注意が必要である。

保証人

債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う者をいう。保証人は、法的な行為能力があり、かつ、弁済する資力がなければならない。

 

債権の回収を確実にするための方法は、財産への請求権を確保する方法(物的担保)と、債務者以外の人への請求権を確保する方法(人的担保)があり、保証人は人的担保のしくみである。

 

保証人の責任は、保証人が債権者と書面で保証契約を結ぶことによって効力が生じる。保証契約によって負担する債務が「保証債務」である。

 

保証する債務は、特約のない限り、主たる債務(債務者が元々負っていた債務)のほか、利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含するとされている。例えば、借家人の保証人は、借家人が滞納した家賃だけでなく、明渡しに際しての原状回復などについても責任を負うことになる。

 

人的担保は、保証人に予期しない負担を負わせ、大きな被害を与える可能性がある。そこで、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって、保証人の保護を強化するべく、次の規定が定められた。

1)個人の保証人については、保証契約時に債務額が確定しない保証(信用保証、身元保証、賃貸借上げ保証など)の場合にはその限度額を定めなければならず、その額を限度に履行責任を負うこと(限度額を定めなければ保証契約は無効となる)

2)事業用の融資に係る経営者以外の保証人については、公証人による意思確認手続が必要であること

3)保証人に対し、主たる債務者の財産等の状況(事業用の融資に係る場合)、主たる債務の履行状況及び期限の利益の喪失に関する情報を提供すべきこと

補償保険契約(所得~)

病気やケガによって就業不能となった場合に、所得額に応じて保険金を支払うことを内容とする保険契約。就業不能による所得の損失を補償する役割を果たす。

支払われる保険金額は、通常、過去12ヵ月の平均月間所得額に一定の保険金額割合を乗じた金額とされている。

補助人

被補助人に対して、補助開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する補助人のことである(民法876の7条)。

 

補助人は、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な財産行為について同意する権限を持ち、代理する権限を持つ(民法16・120条・876条の9)。

補正(不動産登記における~)

不動産登記の申請後において、申請情報・添付情報に不備があったことが判明した場合に、登記官は、申請人に電話等で連絡して不備を直すように指示することができる。このようにして申請後に申請人が不備を直すことを「補正」という。

 

オンライン申請の場合には、補正もオンラインで行なうこととされている(窓口に出頭しても補正できない)。

書面申請のまたは郵送申請の場合には、登記所の窓口に出頭して補正することとされている。

なお、郵送申請の場合には、補正を郵送ですることはできず、必ず登記所の窓口に出頭して補正する必要がある。

保全措置(手付金等の〜)

不動産売買において、物件の引渡し前に買主が支払う手付金・内金・中間金を保全する措置。宅地建物取引業法に基づく措置で、「手付金等の保全」ともいわれる。

 

保全措置は、物件の工事完了の前後に応じて、次のように行なわなければならない。

(1)工事完了前

・手付金等の金額が代金の5%または1,000万円を超えるときに保全する。

・保全の方法は、「銀行等による保証」「保険事業者による保証保険」のいずれかによる。

(2)工事完了後

・手付金等の金額が代金の10%または1,000万円を超えるときに保全する。

・保全の方法は、「銀行等による保証」「保険事業者による保証保険」「指定保管機関による保管」のいずれかによる。

保存登記

所有権の保存の登記のことで、初めてする所有権の登記のこと。登記記録上では、権利部の甲区に「所有権保存 所有者A」のように記載される。

 

所有権の保存の登記をすることができるのは、原則として、表題部所有者である(不動産登記法第74条)。

ホルムアルデヒド

揮発性有機化合物(VOC)の一つで、アルデヒド基(-CHO)を持つ化合物の代表とされる。化学式はCH2O。メタナールまたは酸化メチレンともいう。

 

無色で刺激臭のある気体で、毒性が強く、水に溶けたものはホルマリンといわれる。フェノール樹脂、尿素樹脂などの原料となるほか、安価なために、接着剤、塗料、防腐剤などとして広く用いられている。

 

建材や家具に使用されるホルムアルデヒドが原因となってシックハウス症候群を発症することがあるため、その濃度について指針がある他、建築物への使用が規制されている。例えば、ホルムアルデヒドを含む建材の使用面積が制限されている。また、家具や建材からのホルムアルデヒドの発散に対応するため、マンションなど特に気密性の高い住宅においては、原則として常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置が義務付けられている。

本下水

下水道が完備されている区域を「下水道の処理区域」という。

 

下水道の処理区域では、汚水を各住戸の浄化槽で浄化する必要がなく、汚水をそのまま公共の下水道管(汚水管)へと放流することができる。

このことを不動産業界では、公共の下水道管(汚水管)が完備しているという意味で、「本下水」と呼んでいる。

 

ただし、不動産販売のパンフレット等では「下水:公共下水道へ直接放流」のように表記するほうが一般に理解しやすいと思われる

防音サッシ

遮音効果が高いサッシ。

 

遮音の性能は音響透過損失(遮蔽物を透過するときに減少する音量)で測るが、JISは、遮音性能を低い順にT-1からT-4までの4つの等級に分けている。防音サッシは、少なくともT-1の等級(中高周波数帯で25dBの音響透過損失があるレベル)を満たしている。

 

なお、遮音性能T-1及びT-2のレベルは単板ガラスや複層ガラスの一重サッシで対応でき、T-3のレベルは防音合わせガラスの一重サッシまたは二重サッシで、T-4のレベルは二重サッシで対応できるとされている。

防音室

遮音性が高い部屋。室外への音の伝達を防ぐために、密閉して空気振動の漏れを遮断すること、壁や床を加工して振動の伝播を押さえることなどの対策が施されている。一方で、室内の音環境を良好に保つ設計が要求される場合もある。

防音室のタイプには、部屋全体を防音化したものと、ユニット化して移動できるものの2種類がある。

防火構造

建物の外壁や軒裏について、建物の周囲で火災が発生した場合に、外壁や軒裏が延焼を抑制するために一定の防火性能を持つような構造のことである(建築基準法2条8号)。

このため、防火構造は一般に「外壁・軒裏防火構造」と呼ばれることも多い。

 

よく似た言葉として「耐火構造」「準耐火構造」があるが、「耐火構造」「準耐火構造」は建物内部で火災が起きた際にも、当該建物自体の倒壊や周囲への延焼を防ぐような構造を指している。

これに対して、防火構造は、建物の周囲で火災が起きたときに、当該建物が火災に巻き込まれないために必要とされる外壁や軒裏の構造のことである。

 

具体的には、防火構造の詳しい内容は告示(平成12年建設省告示1359号)で規定されている。例えば木造建築物の場合には、その外壁において屋外側を鉄網モルタル塗り、屋内側を石膏ボード張りとすることにより、防火構造とすることができる。

 

建築物を防火構造としなければならないのは次のようなケースである。

 

1.防火地域の一定の付属建築物

防火地域で、平屋建ての付属建築物(延べ面積が50平方メートル以下のものに限る)を建てる場合は、耐火建築物や準耐火建築物にしないことが可能である。しかしこの場合には、当該建築物は防火構造とする必要がある(建築基準法61条)。

 

2.準防火地域の地上1階または地上2階の建築物

準防火地域では、地上1階または地上2階の建築物(延べ面積が500平方メートル以下のものに限る)は、耐火建築物や準耐火建築物にしないことが可能である。

しかし、そうした場合でも、その地上1階または地上2階の建築物が木造等である場合には、外壁・軒裏を防火構造としなければならない(建築基準法62条2項)。

 

3.準防火地域の3階建て建築物

準防火地域では、3階建ての建築物(延べ面積が500平方メートル以下のものに限る)は、耐火建築物や準耐火建築物にしないことが可能である。

しかし、そうした場合には「3階建て建築物の技術的基準」に適合する必要があるとされている(建築基準法施行令136条の2)。

この「3階建て建築物の技術的基準」では、3階建て建築物の外壁と軒裏は必ず防火構造としなければならないとされている。

防火地域

防火地域は、都市計画で指定される地域であり、火災を防止するため特に厳しい建築制限が行なわれる地域である(建築基準法61条)。

 

防火地域での建築規制は次の通りである。

 

1.すべての建築物は少なくとも「準耐火建築物」としなければならない。

 

2.次の1)または2)の建築物は必ず「耐火建築物」としなければならない。

1)階数が3以上の建築物

2)延べ面積が100平方メートルを超える建築物

ここで「階数が3以上」とは、地下の階数も含む。従って、防火地域内の地上2階地下1階の建物は耐火建築物とする必要がある。

延べ面積が100平方メートルちょうどであれば、上記2.には該当しないことにも注意したい。

 

なお、建築基準法61条では、防火地域であっても次の建築物は「準耐火建築物」としなくてもよいという緩和措置を設けている。

 

ア.平屋建ての付属建築物で、延べ面積が50平方メートル以下のもの。

イ.門、塀

ただし上記ア.に関しては、外壁・軒裏を防火構造とし(建築基準法61条)、屋根を不燃材料でふき(建築基準法63 条)、開口部に防火設備を設ける(建築基準法64条)ことが必要とされている。

防火壁

火事の延焼を防ぐために建物に設置される耐火構造の壁。

 

建築基準法に基づき一定規模を超える木造建築物について設置が義務づけられている。設置しなければならない防火壁は、耐火構造であって、自立でき、建物の外壁面・屋根面から突出していなければならないとされている。

 

 防火壁の設置は、建物を垂直面で区画して延焼を防ぐ方法であるが、そのほかに、防火床を設置して水平面で区画し内部延焼を防止する方法も認められている。

防水パン

洗濯機を置くための皿状の台のこと。洗濯機パンともいう。

防犯カメラ

防犯のための監視に用いるビデオカメラ。撮影のためのカメラをいうが、映像の伝送、画像の処理、記録保管などの機能を含めた装置全体を指す場合もある。

 

防犯カメラは、警察が繁華街などに設置しているほか、鉄道、銀行、店舗、学校、マンションなどにおいても設置されている場合がある。

 

防犯カメラの映像記録によって出来事を確認できるほか、犯罪抑止効果が期待できるとされている。一方で、監視によるプライバシーの侵害、記録の目的外使用などの恐れが指摘されている。

防犯ガラス

破壊が難しく、侵入を防ぐ効果の高いガラス。2枚のガラスの間に外力への抵抗性が大きい特殊フィルムが挟み込むことで、割れにくく、破るために時間を要する構造となっている。

防犯効果は、挟まれている特殊フィルムの厚さや材質によって異なるが、割るのに5分以上を要する抵抗性能が必要と考えられている。

ポータルサイト

インターネットの入り口となるWebサイトをいう。

 

そのサイトでは、通常、各種情報源へのリンクが設定されているほか、検索エンジン、各種の情報提供、Webメールなどの付帯的なサービスが提供されることが多い。インターネットは各サイトが網の目のように連結されているため、必要なサイトに直接アクセスすることは困難で、一般的には、アクセスのためにポータルサイトを経由することとなる。

 

ポータルサイトは、利用者数が増えるほど、広告や電子商取引サービスなどによる収入が期待できるため、付帯的なサービスの向上を競っている。一方、Webを活用した顧客獲得などのためには、そのWebサイトへのアクセスを用意することが有効であるから、ポータルサイトでの露出度を高めるような工夫が必要である。不動産の販売や不動産サービスの広告にもWebサイトが活用されているが、そのサイトへのアクセスの大部分はポータルサイトを経由したものと考えてよい。

 

ポータルサイトとして有名なものは「Google」や「Yahoo!」であるが、これらはポータルサイトの持つ可能性を切り開き、Webを活用したビジネスを先導してきた検索エンジン系のサイトである。

ポーチ

建物の入り口部分で、建物の屋根とは別の庇(ひさし)を持ち、建物の外壁から突き出している部分を「ポーチ」という(建築用語では庇型ポーチという)。

 

ただし、建物の外壁に大きなくぼんだ空間を造り、そのくぼみの内側に玄関ドアを設けた場合もその空間を「ポーチ」ということがある(建築用語では寄り付き型ポーチという)。

ポートフォリオ(Portfolio)

投資家が保有する投資資産の集合をいう。

 

株式、債券、投資信託、不動産などはいずれも投資資産であり、投資家はこれらを全体として管理する。

 

リスクとリターンはトレードオフ関係にあるから、性格の異なった複数の資産や銘柄に分散して投資することによって安定的で高い収益を上げることができるとされている。

 

このように、投資資産の組合せに配慮した運用をポートフォリオ運用と呼ぶ。

ま行

前家賃(前払家賃)

建物の賃貸契約の際に支払う翌月分の家賃。ほとんどの家賃は月払いであるが、契約時には、契約月の家賃を日割り計算して支払い、さらに、前家賃として翌月分の家賃を加えて支払うことが多い。

 

なお、家賃が発生する日付は、契約日とする場合が多いが、入居日からとする場合もある。

膜構造建築物

膜材料と圧縮部材を組み合わせて構成された建築物。膜材料は圧縮力に耐えないので圧縮部材と組み合わせる必要がある。その組み合わせ方によって、吊構造、空気膜構造などの形式がある。

 

膜材料には主に人工繊維が使われるが、防水性、耐火性、気密性などが要求される。

 

膜構造建築物は比較的低いコストで大空間を確保できる、柔軟にデザインできるなどの特徴がある一方、断熱・防音・遮音性能に劣る、加重に弱いなどの弱点がある。

間口

土地と道路が接する長さのこと。

間仕切り壁

建築物の内部空間を仕切るための内壁のことであり、室と室とを区画する壁のことである。

 

間仕切り壁は、耐力壁(地震力、風圧力に対抗する壁)である場合もあれば、そうでない場合もある。

マスタープラン

他の計画の上位に位置付けられる総合的な計画のこと。

都市計画法では「市町村の都市計画に関する基本的な方針」のことを指している。

マスターリース

商業用不動産を賃貸する場合に、建物を一括して賃貸し、その賃借人が実際の賃借人にさらに賃貸する方法がある。マスターリースは、この場合の一括の賃貸借をいう。また、マスターリースによって賃借した者が実際の賃借人に賃貸することを「サブリース」という。

 

マスターリースによって、不動産所有者は賃貸業務をアウトソーシングし、賃借人はサブリースによって不動産の賃貸経営を行なうことになる。

 

なお、不動産の証券化において、もとの不動産産所有者(オリジネーター)が証券化の対象となる不動産(所有権はオリジネーターから信託会社、特定目的会社などに移転する)をそのまま賃借することもマスターリースである。

抹消登記

登記の記載を抹消する登記のこと。
抹消登記を申請するためには、その抹消によって登記上利害関係を有する者がいる場合にはその者の承諾(その者の承諾が得られない場合には承諾に代わる裁判の謄本)が必要である。

間取り

部屋の配置。居間、寝室、台所、浴室などの位置関係や、それぞれの部屋のかたち・広さによって示される。

間取りを図面化したものを「間取図」といい、通常は方位、縮尺が示されている。

なお、「◯LDK」のような表示は、部屋の位置関係が不明であって、間取りを示すものではない。

丸太組工法

建物工法の一つで、丸太材などを水平に積み重ねて壁をつくっていく工法をいう。

 

校倉造りは丸太組工法そのものであり、ログハウスはこの工法による建物である。

 

メンテナンス次第で半永久的な耐久性が期待でき、耐震性や断熱性・遮音性に優れているとされる一方、他の木造系工法に比べてコストが高く、工期が長くなりやすい、開口部の大きさが制約されやすいなどともいわれている。

マルチハビテーション

住居を複数化した居住スタイルをいう。

都心と田舎との両方を居住地とする住生活が一般的である。セカンドハウスはそのための住宅としても利用される。

マルチメディアコンセント

電源コード、電話回線、LANケーブル、テレビ受信ケーブルなどを配線と接続するための受け口(コンセント)が一つにまとめられた接続器具。和製英語である。

 

 異なる用途のコード・ケーブル類を一箇所で接続することができる。

マルティプル・リスティング(Multiple Listing)

不動産取引の仲介人が、顧客からの注文情報等を他の仲介人と共有する仕組みをいう。

 

売買・賃貸借の注文を受けた仲介人は、注文物件の登録等により仲介人グループ内で情報をプールし、グループ内の他の仲介人が取引の相手方を発見・紹介するという手法である。

 

この仕組みにより、迅速で広範な取引が円滑に実現するとされる。同時に、仲介人グループは、共通の倫理規定を遵守するなどによって取引の秩序を維持する役割を果たす。

 

広告との違いは、仲介人という専門化集団が情報を共有して共同で取引の成立に努力することであり、不動産流通において市場機能を充実・発展させるための仕組みとしての役割を果たしている。

 

もともとNAR(全米リアルター協会)において形成・活用されてきた仕組みであるが、その考え方は日本にも導入され、1980年代後半に「流通機構」として整備されてきた。それが発展したのが指定流通機構である。

マンション

日本におけるマンションは、一般的には、鉄骨コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造で、3階建て以上の分譲共同住宅・賃貸共同住宅を指している。ただし、賃貸共同住宅の場合にはPC造・重量鉄骨造であっても、マンションと呼ばれることがある。

 

本来、マンションは英語では「大邸宅」を指す。日本におけるマンションは、欧米では「アパートメント」と呼ばれている。

マンション管理業

マンションの管理の適正化の推進に関する法律では、マンション管理業とは「管理組合から委託を受けて、業として分譲マンションの「管理事務」を行なうこと」であると定義している(同法第2条)。

 

ここでいう「管理事務」とは、「基幹事務」を含む場合だけを指すものとされている(基幹事務とは「管理組合の会計および出納」や「維持または修繕に関する企画等」をいう)。

 

このため、単に建物管理員業務や清掃業務だけを行なう場合は、上記の「基幹事務」を行なわないので、「管理事務」に該当しない。従って、マンション管理法上はマンション管理業に該当しないことになる。

 

なお、マンション管理業を行なう場合には、国土交通大臣への登録を行なう義務がある。この登録をしないでマンション管理業を行なった場合には、1年以下の懲役または10万円以下の罰金の対象となる。

マンション管理業者

マンション管理業を行なう者であって、国土交通大臣の登録を受け、マンション管理業者名簿に登録された者を「マンション管理業者」という(マンション管理適正化法第2条第8号)。

 

マンション管理業者は、その事務所ごとに、30の管理組合の事務を委託されるごとに1名の割合で、専任の管理業務主任者を置く義務がある(マンション管理適正化法第56条)。

 

マンション管理業者は、管理組合と管理委託契約を締結する際には、契約締結前の重要事項説明を管理業務主任者に行なわせる義務がある(マンション管理適正化法第72条)。

 

また契約成立時に交付する書面(通常は管理委託契約書を指す)には、管理業務主任者が記名押印する必要がある(マンション管理適正化法第73条)。

 

なお、マンション管理業者は毎年、管理組合等に報告を行なう義務がある(マンション管理適正化法第77条)。

マンション管理士

マンション管理法にもとづき、国土交通大臣が毎年実施する「マンション管理士試験」に合格し、登録の手続きを終えて、マンション管理士登録証の交付を受けた者のこと(マンション管理適正化法第2条、第31条、第8条など)。

 

マンション管理士は、管理組合や区分所有者の相談を受け、助言・指導を行なうことができる(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条)。

マンション経営

マンションの一室などを所有して賃貸する事業をいう。不動産投資として実施されることがある。

 

マンション経営は不動産賃貸業であるから、事業を行なうことについては宅地建物取引業法の適用はない。ただし、経営するマンションの仲介、マンション経営者の委任を受けて行なう賃借人の募集などの業務については、同法の適用がある。

マンション敷地売却制度

マンションの敷地を一括して買受人に売却する仕組みをいう。「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」に基づく制度である。

 

マンション敷地売却制度の概要は次のとおりである。

1)対象となるのは、耐震性が不足している旨の認定を特定行政庁から受けたマンション(要除去認定マンション)に限られる。

2)敷地の売却は、マンション敷地売却決議によって実施する。決議には、区分所有者、議決権および敷地利用権の持分価格の 各5分の4以上の同意が必要。

3)敷地の売却を実施する主体として、マンション敷地売却組合を設立する。

4)マンション敷地売却組合は、マンション敷地の権利を取得し、買受人(敷地の買受計画について都道府県知事等の認定を受け、敷地のディベロッパーとなる者)にその権利を売却する。また、同組合は、マンション敷地売却決議の不同意者からの敷地の買収、「分配金取得計画」に基づく区分所有者等に対する分配金の支払いなどの業務を担う。

 

マンション敷地売却制度による事業は、権利変換によるマンション建替え事業などと違って、建物除去後の土地利用については自由であり、敷地の売却価額は、敷地の最有効使用を想定して算定することとなる。一方で、買受人は、代替住居の提供や斡旋の計画について都道府県知事等の認定を受けなければならないとされている。

マンション建替え円滑化法

マンションの建て替えを円滑に進めるための仕組みを定める法律。正式な名称は「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」で、2002(平成14)年に公布・施行された。

 

マンションの建て替えや除去は、原則として区分所有法に基づいて進めるのであるが、この法律は、そのための合意形成や権利調整について特別の措置を定めている。

 

 主な規定は次の通りである。

 

1. 法人格を持つ組合を設立して建替事業を施行する制度を創設すること(マンション建替組合)

2. 建替事業において、従前のマンションの所有権・敷地利用権・借家権を再建マンションの各権利に変換するための手続きを定めること(権利変換制度)

3. 耐震性が不足していると認定されたマンション(要除却認定マンション)についてその敷地を売却するための手続きを定めること(除却する必要のあるマンションに係る特別の措置)

4. 法人格を持つ組合を設立してマンション敷地を売却する事業を実施する制度を創設すること(マンション敷地売却事業)

マンション建替組合

マンション建替え決議(区分所有法第62条第1項)が決議された場合に、決議に合意した者のうちのの4分の3以上の同意により設立される、マンションの建替えを目的とする組合のこと(マンション建替え円滑化法第9条)。

この組合の設立が同意されたときは、建替え決議の合意者は全員がこの組合員となる(円滑化法第16条)。また、ディベロッパーがこの組合に参加することもできる(円滑化法第17条)。

(マンション建替組合の役割について詳しくはマンション建替え円滑化法へ)

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

略称は「マンション管理適正化法」。マンションの管理を適正に行なうための仕組みを規定している法律。2001(平成13)年に公布・施行された。

 

この法律で規定されているのは、

 

1.管理組合の運営などマンションの管理に関して、管理組合の管理者やマンションの区分所有者等に対して助言、指導その他の援助を行なう専門家の資格を定めること(マンション管理士制度)

 

2.マンションの管理業務を受託する者の登録を義務づけること(マンション管理業の登録制度)

 

3.マンション管理業務を行なうに際して、一定の資格者を置くことを義務付けること(管理業務主任者制度)

 

などである。

 

原則的に、マンションの管理はその所有者が責任を負うのであるが、1.によって所有者に対して直接に支援する仕組みを、2.および3.によってマンション管理業務を受託する者が適正に業務を実施する仕組みを、それぞれ整えることにより、良好なマンション居住環境を確保することをめざしている。

マンションの建替えの円滑化等に関する法律

略称は「マンション建替え円滑化法」。マンションの建替えを円滑に進めるための仕組みを規定する法律。2002(平成14)年に公布・施行された。

 

この法律で規定されているのは、

 

1.法人格を持つ組合(マンション建替組合)を設立して建替事業を施行する仕組みを創設すること(マンション建替組合)

 

2.事業において従前のマンションの所有権・敷地利用権・借家権を、再建マンションの各権利に変換するための手続きを定めること(権利変換制度)

 

3.危険または有害な状況にあるマンションに対して建替えの勧告等をするための仕組みを定めること(危険・有害マンションの建替促進制度)

 

などである。

 

原則的に、マンションの建替えは、区分所有者の合意によって進めるのであるが、1.および2.によって合意形成や権利調整が円滑化することを、3.によって必要な建替えを促進することを、それぞれめざしている。

マンション標準管理委託契約書

マンションの管理委託契約について、その標準的な契約指針として策定された契約書の雛形をいう。2003(平成15)年4月に公表された。

 

従来用いられてきた「中高層共同住宅標準管理委託契約書」(1982(昭和57)年策定)に代えて策定されたもので、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(2000(平成12)年施行)などに照らして消費者保護の充実、管理業務の範囲・内容の明確化などが図られている。

 

主な内容として、善管注意義務、守秘義務、契約更新の手続き、事務管理業務区分、出納業務における財産の分別管理(収納口座、保管口座、収納・保管口座による分別)、修繕積立金の保証契約、免責事項などについて定められている。また、長期修繕計画案の作成業務等は、管理委託業務から除外することとされている。

マンション標準管理規約

分譲マンションなどの区分所有建物における管理規約について一定のガイドラインを示すために、国土交通省(旧・建設省)が作成したマンション管理規約のモデルのこと。

 

当初は「中高層共同住宅標準管理規約」という名称であったが、2004(平成16)年1月に見直され、現在の名称となっている。

 

その経緯と主な内容は次の通りである。

 

1.中高層共同住宅標準管理規約の制定

建設省(現・国土交通省)の審議会である住宅宅地審議会は、区分所有法の1983(昭和58)年の大改正に対応するため、1982(昭和57)年に「中高層共同住宅標準管理規約」を答申し、建設省はその周知と普及を推進してきた。この「中高層共同住宅標準管理規約」の主な内容は次の通りである。

 

1)敷地、建物、付属施設の範囲

2)専有部分の範囲、共用部分の範囲

3)敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合

4)専用使用権の範囲

5)使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定

6)管理、管理組合、集会、理事会、会計等に関する事項

 

2.中高層共同住宅標準管理規約の大改正

その後、分譲マンションが急激に普及したことにより、この「中高層共同住宅標準管理規約」は1997(平成9)年2月に建設省より改正・告示された。1997(平成9)年の主要な改正点は次の通り。

 

1)大規模修繕を円滑に進めていく上での前提となる長期修繕計画の作成を、管理組合の業務として明確に位置付け。

2)駐車場の使用に関するトラブルを防止するため、駐車場の使用に関する諸規定を整備。

3)専有部分のリフォームをめぐるトラブルを防止するため、専有部分のリフォーム工事の手続規定を整備。

4)専有部分である設備のうち共用部分と一体となった部分(例えば配管の枝管)の管理については、共用部分の管理と一体として行なうことが適当な場合が多いので、管理組合が一体として管理を行なう規定を設けた。

5)団地形式や店舗併用形式のマンションが増えてきていることから、団地型と複合用途型の標準管理規約を新たに作成、追加した(これにより単棟型・団地型・複合用途型の3タイプが設けられた)。

 

3.マンション標準管理規約の制定

その後、「マンション管理適正化法」の施行(2001(平成13)年8月)、「マンション建替え円滑化法」の施行(2002(平成14)年12月)というマンション法制度の大きな変化に対応するため、2004(平成16)年1月に「中高層共同住宅標準管理規約」は改正された。このとき名称も「マンション標準管理規約」へと変更された。

 

4.規約の見直し 

近年のマンション管理に関する課題に対処するため、2016(平成28)年に規約が見直された。それによって、理事長を含む理事および監事について外部の専門家を就任可能とすること、コミュニティ条項について防災・防犯、美化・清掃などのコミュニティ活動が可能であることを明確にすることが定められたほか、 暴力団等の排除規定、災害時等における応急的補修や緊急避難措置の規定などが追加された。

マンションリフォームマネジャー

マンションの住戸等をリフォームすることに関して専門的な知識・技能を有すると認められた者。任意の資格で、(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが実施する試験に合格することにより資格を得る。

 

マンションリフォームマネジャーは、マンション住戸の所有者やマンション管理組合を支援するなどの役割を果たすことができると考えられている。

マンスリーマンション

おおむね1ヵ月単位で賃貸借される住宅。一般に、家具や基本的な生活品が備えられ、簡易な手続きで入居できる。

 

長期滞在型ホテルまたは短期賃貸住宅として経営されているケースが多いが、その区別の基準は明確ではない。一応の目安として、賃貸期間が1ヵ月を超えていればホテルではないと考えられている。

 

ホテル経営であれば旅館業法が適用されるが、賃貸住宅の経営であれば一般の不動産賃貸と同様に特別の法規制はない。ただし、所有・賃借する住宅をマンスリーマンションとして経営する場合には、マンション管理規約等に適合する必要があるほか、賃貸借の仲介業務については宅地建物取引業法が適用される。

未完成物件の売買の制限

宅地建物取引業者が、未完成物件を売ることを原則的に禁止するという規制のこと。これは、一般消費者を保護するための措置である(宅地建物取引業法第33条の2)。

 

1.概要

宅地建物取引業者が自ら売主になって、未完成の宅地または建物を、造成中または工事中の段階で販売することは、原則的に禁止されている(法第32条の2本文)。これは、売買取引に精通していない一般の買主を保護するための規定である。

 

2.未完成物件の売買が許される場合

しかし、造成中の宅地の分譲や、工事中の建物の分譲がまったく行なえないことになっては不動産実務上、非常に不便であることは明らかである。

そこで、法第33条の2第2号では、「未完成物件に関する手付金等の保全措置」を講じることを要件として、未完成物件の売買を許すこととした。

具体的には、「未完成物件に関する手付金等の保全措置」が行なわれている未完成物件については、造成中・工事中であっても、未完成物件の売買契約(予約を含む)を締結してよいこととした。

 

ここで「未完成物件に関する手付金等の保全措置」とは、法第41条第1項に規定されている「工事完了前の売買に係る手付金等の保全措置」のことである。

これは、工事完了前に買主が交付する手付金等について、銀行が保証し(保証委託契約)または保険会社が保証保険を付する(保証保険契約)という保全措置である。

 

3.手付金等保全措置が不要な未完成物件の場合

なお、手付金等の額が代金の5%以下でかつ1,000万円以下であれば、法第41条第1項の「工事完了前の売買に係る手付金等の保全措置」を講じなくてよいとされている。

このような手付金等保全措置が不要な未完成物件については、手付金等保全措置を行なわないままで、未完成物件の売買契約(予約を含む)を締結してよい、とされている。

 

4.適用範囲

この「未完成物件の売買の制限」(法第33条の2)は、消費者を保護するための規定である。

従って、宅地建物取引業者同士の売買については、未完成物件であっても、手付金等保全措置をまったく講じないで売買することができる(法第78条第2項)。

MR(Mixed Reality)

仮想の空間と現実の空間とを融合し、両者を重ねて体験できる技術。和訳は「複合現実」である。

MR に類似する用語として、VR(Virtual Reality、仮想現実)とAR(Augmented Reality、拡張現実)がある。VRは現実に似た仮想の空間をつくり出す技術、ARは現実空間に仮想を加える技術であるのに対して、MRは、仮想の空間に現実の情報を付加して、仮想を現実化する技術である。いずれの技術も、人工的な情報システムと人間の感覚とを相互に作用させることによって、人間の感覚を操作する技術であることは共通している。

ミストサウナ

湯を霧状に噴出する方式の蒸し風呂(サウナ)。通常のサウナは高温の蒸気浴であるが、ミストサウナはそれよりも低温で入浴できる。

自ら売主制限(8種制限)(宅地建物取引業法における~)

宅地建物取引業者が、自ら宅地建物の売主となる場合に課せられる8種類の制限をいう。

 

その制限は、次のとおりである。

 

1.自己所有に属しない物件の売買契約を締結してはならない(ただし、将来自己所有となることが確実な他人物の売買、および、手付金等の保全措置を講じた未完成物件の売買については例外)(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)。

 

2.事務所等以外の場所において、申込み・売買契約を締結した買主は、一定の期間内等において、当該買受けの申込みの撤回または当該売買契約の解除を行なうことができる。この場合、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償または違約金の支払いを請求することができない(クーリングオフの適用)。

 

3.債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額の予定または違約金を定める場合に、その額は合算して代金額の10分の2を超えてはならず、超える部分は無効とする(損害賠償額の予定等の制限)。

 

4.代金の10分の2を超える額の手付を受領することができない。また、手付を受領したときには、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付放棄によって、売主はその倍額の償還によって契約を解除できる(手付額の制限等)。

 

5.瑕疵担保責任について、民法の原則よりも買主に不利な特約は無効とする(ただし、引渡しから2年以上となる特約を除く)(瑕疵担保責任の特約の制限)。

 

6.保全措置を講じた後でなければ買主から手付金等を受領してはならず、買主は、保全措置が講じられない場合には手付金等を支払う必要はない(ただし、所有権移転の登記がなされたとき、手付金等の額が代金の5%以下等であるときなどは例外)(手付金等の保全措置)。

 

7.割賦販売契約において割賦金の支払いがない場合に、30日以上の期間を定めて書面により支払いを催告してこの期間内に支払いがないときでなければ、契約の解除および残りの割賦金を請求することができない(割賦販売契約の解除等の制限)。

 

8.所有権留保による売買契約をしてはならず、引渡しまでに登記の移転等をしなければならない。また、引渡し後に担保目的でそれを譲り受けること(譲渡担保)をしてはならない(ただし、いずれについても、受領した額が代金額の10分の3以下である場合等においては例外)(所有権留保等の禁止)。

水循環基本法

健全な水循環を維持・回復するための施策を包括的に推進することを定めた法律で、2014(平成26)年に制定された。

同法は、1)水利用に当たっては水循環に及ぼす影響を回避・最小とすべきこと、水循環は流域として総合的かつ一体的に管理されなければならないことなどの基本理念を定めるとともに、2)水循環基本計画の作成、3)雨水浸透能力や水源涵養(かんよう)能力を有する森林、河川、農地、都市施設等の整備による流域における水の貯留・涵養機能の維持・向上、水量の増減や水質の悪化等水循環に対する影響を及ぼす水の利用等に対する規制措置などの施策の推進、4)水循環政策本部の設置、などを定めている。

水回り

給排水のための設備が設置されている区画。台所、洗面所、浴室などが該当する。

水回りの維持管理に当たっては、水漏れ、水詰まり、水たまりなどについて注意しなければならない。

未成年後見人

死別等により親権者がいない場合や、親がいても親権喪失等により親権を行なうことができない場合には、最後の親権者の指定(民法第839条)または家庭裁判所の職権による選任(民法第840条)によって、未成年者を後見する(保護する)者を置くことができる。

これを「未成年後見人」という。

 

未成年後見人は、未成年者の財産を管理し、法律行為を代理する権限を持つ(民法第859条)。

未成年者

民法上、満20歳の誕生日を迎える前の者をいう。ただし、2021年4月1日からは「満18歳」に達していない者に改正される。 

 

未成年者が契約をなすには、親権者または未成年後見人(「法定代理人」と総称する)がその契約に同意することが必要である。この同意を得ないで未成年者が契約をした場合には、未成年者はこの契約を取り消すことができる。

 

なお、2021年3月31日までは、婚姻をした者は、満20歳未満であっても「未成年者」でなくなるとされている(成年擬制)。

未線引き区域

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。

 

都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分することを「区域区分」と呼び、この「区域区分」がされていない都市計画区域のことを「未線引き区域」という。

ただしこの「未線引き区域」という名称は、都市計画法の改正に伴い2000(平成12)年5月以降廃止されており、現在では一般に「非線引き区域」と呼ばれている。

 

また、法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」である(詳しくは区域区分が定められていない都市計画区域へ)。

みぞかき補償

同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用することで、収用されない残地に、通路、みぞ、かき、さく、その他の工作物の新築、改築、増築、修繕、盛り土、切り土をする必要が発生する場合がある。

このとき起業者は、これに要する費用を損失補償しなければならない。これを一般的に「みぞかき補償」と呼んでいる(土地収用法第75条)。

 

この「みぞかき補償」は、起業者自らが工事を代行することがある

認印

個人の印鑑であって、市区町村長に対してあらかじめ印鑑登録を行なった印鑑(実印)ではない印鑑のこと。

みなし道路

幅が4m未満の道路であって、建築基準法第42条第2項の規定により、道路であるものと「みなす」ことにされた道路のこと。

 

その法律の条項の名称を取って「2項道路」と呼ばれることが多い。

 

建築基準法第43条では、建築物の敷地は「建築基準法上の道路」に2m以上の長さで接していなければならないと定めている。

 

ここでいう「建築基準法上の道路」は、原則として幅が4m以上あることが必要とされている(建築基準法第42条第1項)。

 

しかしながら、わが国の現況では、幅が4m未満の道が多数存在しているため、次の1.~3.の条件を満たせば、その道を「建築基準法上の道路とみなす」という救済措置が設けられている(建築基準法第42条第2項)。

 

1.幅が4m未満の道であること

2.建築基準法が適用された際にその道に現に建築物が立ち並んでいたこと

3.特定行政庁(知事や市長)の指定を受けたことでの救済措置による道路のこと

 

これらを、その条文名をとって「2項道路」と呼んでいるのである。

 

こうした2項道路に面している土地については、道路中心線から2m以内には建築ができないという制限(セットバック)があるので特に注意したい。

民間非営利組織

英語の「Non Profit Organization」を日本語に翻訳したものが「民間非営利組織」である。

 

民間非営利組織は、略称で「NPO(エヌ・ピー・オー)」と呼ばれるものであり、福祉・医療・教育などの問題に取り組む民間の非営利的な団体のことである。

 

民間非営利組織はつい最近まで「権利能力なき社団」として活動せざるを得なかったが、「特定非営利活動促進法」が98年12月に施行されたことにより、正式な法人格を取得することが可能となった。

 

法人格を取得した民間非営利組織は「特定非営利活動法人」と呼ばれる。

ミングル

一つの住戸に、家族ではない人が半ば共同で居住するかたちをいう。シェアハウスによる居住形態の一種。ミングルは英語のmingleであるが、和製英語として使われる。

 

ミングルでの居住は、それぞれの居室は独立しているが、台所や浴室は共同で利用することとなる。

無過失責任

私法上の概念で、損害の発生について故意・過失がなくても損害賠償の責任を負うことをいう。

 

民法の一般原則では、損害賠償責任を負わなければならないのは故意・過失がある場合に限るとされているが(過失責任主義、この場合その立証責任は被害者が負う)、一定の場合には無過失による損害発生について賠償責任を負わなければならないとされている。例えば、工作物の設置・保存の瑕疵についての所有者責任、鉱害や原子力災害に対する事業者責任、大気汚染・水質汚濁についての事業者責任、製造物責任などは無過失責任である。

 

無過失責任を求める背景には、社会に対して危険をつくり出している者は、危険を防止する能力を有していることなどから、それによって生じる損害に対して重い責任を負わなければならないという考え方(危険責任)、利益を上げる過程で損害を与えた者は、利益あるところに損失も帰すべきだから、利益から賠償しなければならないという考え方(報償責任)の2つがある。

 

なお、無過失責任に近い責任として「中間的責任」があるが、これは、損害発生について無過失であることの立証責任を加害者に求めるもので(立証責任の転換)、例えば、工作物占有者の責任、使用者責任、責任無能力者の監督者責任などがこれに該当する。

無形文化財

演劇・音楽・工芸技術などの無形の文化的所産で、わが国にとって歴史上または芸術上価値の高いものを「無形文化財」という(文化財保護法第2条)。

 

具体的には、歌舞伎・能楽・文楽などの芸能、陶芸・染織などの工芸技術がこれに該当する。

 

無形文化財のうち重要なものは、重要無形文化財に指定されている(文化財保護法第71条)。

無権代理

代理とは、「他人の行為の効果が本人に帰属する」という法制度である。この代理が成立する根拠は、本人と他人との間に、代理権を発生させるという合意(すなわち代理権授与行為)が存在することであるとするのが判例・通説である(詳しくは他人効へ)。

 

従って、代理人に代理権が存在しない場合や、代理人が代理権の範囲を超えて行動した場合には、その代理人の行為はもはや正当化することができないので、代理としての効果を失うことになる。その結果、その代理人の行為は、代理人自身のために行なった行為となり、代理人自身が全面的に責任を負うことになる(詳しくは無権代理人の責任へ)。このような権限のない代理人の行為を「無権代理」と呼んでいる。

 

無権代理は、本人に対する関係では無効であるから、本来は本人に対して無権代理が何らかの効果を及ぼすことはあり得ないはずである。しかし民法では、取引の相手方を保護するために、次の2つの場合には、例外的に無権代理を本人に対する関係で有効にするという規定を設けている。

 

1.本人による追認

無権代理による取引を、本人が後から追認した場合には、その取引は原則としてはじめから有効であったものとなる(民法第117条、第116条)。本来は無効な行為を、本人の意思により有効にすることができるという規定である。

なおこの場合、取引の相手方は本人に追認を催告すること等ができる。

(詳しくは無権代理の相手方の催告権、無権代理の相手方の取消権へ)

 

2.表見代理

無権代理による取引の相手方が、無権代理人を真実の代理人だと誤信したことについて、何らかの正当な事情があった場合には、その取引を有効なものとすることができる。この制度を表見代理という。

(詳しくは代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限踰越の表見代理へ)

無権代理人の責任

無権代理による取引(権限のない代理人が行なった契約など)は、有効な代理行為ではないので、本人に対する関係では当然に無効であるだけでなく、無権代理人に対する関係でも無効となるはずである。しかし、仮に無権代理による取引が常に無効であるとするならば、取引の相手方の保護に欠け、代理制度そのものへの信頼が失われかねない。

 

そこで民法では、無権代理による行為が本人に対する関係で無効と判断された場合には、無権代理人自身が取引を履行し、または相手方の損害を賠償しなければならないと定めている(民法第117条)。これは、法律によって無権代理人に特に重い責任を負わせたものであるということができる。

 

具体的には、本人が無権代理人の行為を追認せず、かつ無権代理人が正当な代理権の存在を立証できない場合には、取引の相手方は、取引を履行し、または損害を賠償することを無権代理人に要求することができる(民法第117条第1項)。このような無権代理人の履行責任・損害賠償責任は無過失責任である(つまり、無権代理人に何ら落ち度がなくて無権代理人として行動したとしても、これらの責任を負わなければならない)。

 

このような重い責任を無権代理人に負わせる反面として、取引の相手方は、善意無過失であることが必要とされる。つまり、代理権限がないことを知っていたか、または不注意により知らなかったような相手方は、無権代理人の履行責任・損害賠償責任を追及することはできない(民法第117条第2項)。

(この点につき、取引の相手方は軽過失があっても無権代理人の責任を追及できるという学説があるが、判例は取引の相手方には無過失を必要としている)

 

なお、上記のような民法第117条の無権代理人の責任は、不法行為責任を排除するものではない。従って、無権代理人が故意または過失により無権代理人として行動し、相手方に損害を与えた場合には、相手方は民法第117条の無権代理人の責任と民法第709条の不法行為責任のどちらでも追及することができる。

無権代理の相手方の催告権

無権代理による取引は、本人に対する関係では本来無効であるが、本人がこの取引を追認した場合には、その取引は初めから有効であったものとなる(民法第117条、第116条)。

 

この場合において、無権代理人と取引を行なった相手方は、本人に対して、無権代理人の行為を追認するか否かを答えるように催告することができる(民法第114条)。この催告は、相手方が悪意(=無権代理であること知っていた)であっても行なうことができる。法律関係の早期安定を図るための規定である。

 

なお本人が返答しないときは、追認を拒絶したものとみなされる(つまり、本人に対する関係では無権代理による取引は無効に確定する。このとき相手方は無権代理人の責任を追及するほかない(民法第117条))。

無権代理の相手方の取消権

無権代理による取引は、本人に対する関係では本来無効であるが、本人がこの取引を追認した場合には、その取引ははじめから有効であったものとなる(民法第117条、第116条)。

 

このため、取引の相手方は、本人が追認するか否かが判明するまでの期間は、取引が確定的に無効であるか否かが定まらないという不安定な状態に置かれる。

 

そこで民法では、取引の相手方は、無権代理による取引を取り消すことができるという規定を設けている(民法第115条)。取引の相手方がこの取消権を行使すれば、本人はもはや追認することができなくなり、無権代理による取引は無効なものとして確定する。

 

なお、この取消権を行使できるのは、善意の(=無権代理であることを知らなかった)相手方に限られる。また取消権を行使した場合には、相手方は、無権代理人の責任を追及する(民法第117条)こともできなくなる。

無限責任中間法人

中間法人法にもとづいて設立された中間法人であって、中間法人の債務について社員が連帯責任を負う法人をいう。

 

無限責任中間法人は、「構成員(社員)に共通する利益を図る」ことを目的とし、構成員(社員)に利益(剰余金)を配当せず、中間法人の債務について構成員(社員)が個人財産で連帯責任を負うという特徴がある。

 

しかし、2008(平成20)年12月1日に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行され、中間法人法は廃止となった。それに伴い、現在の無限責任中間法人は、2009年11月までに、一定の手続きによって一般社団法人に移行する必要がある。

無効

法律行為がなされたときに、当事者が表示した意思のようには法律効果が生じないことをいう。

 

意思はあってもそもそも効果が生じないのであるから、法律行為は追認や時の経過によっても有効とはならない。また、原則として誰でも誰に対しても無効を主張できる。

 

無効となる法律行為としては、

 

1.公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする行為(公序良俗違反)

 

2.法律によって効果が生じないとされている行為(強行規定違反)

 

3.虚偽の意思表示や錯誤による行為

 

などがある。ただし、虚偽の意思表示による無効については善意の第三者に対抗できないし、錯誤による無効については重大な過失があれば無効にならないなど、一定の例外がある。

 

例えば売買契約が無効であれば、当事者に請求権は発生せず(代金の支払いや目的物を引き渡す義務はない)、すでに事実行為がなされているときには、その回復を請求できる(不当利得として代金や目的物の返還を求めることができる)。もっとも、契約無効の原因が公序良俗違反であるときの代金の支払い等については、不法な原因による給付であるとして不当利得の返還を請求できないとされるなど、無効の原因や契約の事情に応じて不当利得の取扱いに違いがある。

無指定

都市計画区域の外側にある土地のことを「無指定」や「無指定区域」などと呼ぶことがあるが、これはあくまで通称である。

 

また、「非線引きの都市計画区域(非線引き区域)」においては、中心部には「用途地域」が指定されているが、中心部以外には「用途地域」が指定されていないことが多い。

そこで、「非線引きの都市計画区域」で「用途地域」がない土地のことを「無指定」と呼ぶこともある。

無主物の帰属

所有者のないモノに対する所有権の定め。民法の規定である。

 

所有者のない「不動産」は国庫に帰属する。例えば、自然現象によって海底から隆起した土地は国有地となる。

 

これに対して、所有者のない「動産」は、所有の意思をもって占有することによって、その占有者が所有権を取得する。例えば、捕獲した野生動物は捕獲者の所有に帰す。

無電柱化

道路上から電柱をなくすること。電柱類地中化ともいう。

 

無電柱化により、良好な景観の形成、幅員が広がることによる通行空間の安全性確保、大規模災害時での電柱倒壊等による通行障害の発生防止などを図ることができる。

 

無電柱化の方法には、道路の地下空間を活用して電力線、通信線等をまとめて収容する手法(電線共同溝方式)、通りの脇道に電柱を配置し、そこから引き込む電線を沿道家屋の軒下または軒先に配置する手法(軒下配線方式)、主要な通りの裏通り等に電線類を配置し、主要な通りの沿道建物への引き込みを裏通りから行なう手法(裏配線方式)等がある。

 

なお、緊急輸送道路については、区域指定の告示によって新設電柱の道路占用が禁止されている。

棟木

屋根の最高部に、桁と平行に配される部材をいう。

 

「むねき」「むねぎ」とも。

 

これを組むことで建物の骨組みが完成するので、その際に「上棟式」(その主催者は棟梁である)を行なって工事の無事完了を祈る慣習がある。

棟上

棟木を納めること、もしくはそのときに行なう儀式のこと。

新築への祝福と神の守護に感謝を示し、同時に無事建設されることを祈願する。建築工事の着工と完了の中間にあり、建物の形態がおおよそ整った時点を指す。

無名契約、有名契約

私法上の概念で、法律に名称や内容が規定されている契約類型を有名契約(または典型契約、民法に規定されているものは13種類ある)、それ以外の契約類型を無名契約(または非典型契約)という。

 

契約の内容をどのように定めるかは当事者の自由であるため(契約自由の原則)、さまざまな契約類型(無名契約)が存在するが、その解釈・適用に当たっては、契約の実態、取引の慣行、契約趣旨などに十分配慮すべきとされている

無免許営業等の禁止

宅地建物取引業の免許を受けないで、宅地建物取引業の営業(または表示行為・広告行為)を行なうことは、法律上禁止されている(宅地建物取引業法第12条)。これを無免許営業等の禁止という。

 

具体的には次のとおり。

 

1.無免許営業の禁止(法第12条第1項)

宅地建物取引業を無免許で営むことは、宅地建物取引業法の免許制度の根本をゆるがす重大な違反行為である。

そのため、無免許の営業を行なった者には、宅地建物取引業法上の最も重い罰則として、3年以下の懲役または100万円以下の罰金(または両者の併科)が予定されている(法第79条第2号)。

 

2.無免許の表示行為・広告行為の禁止(法第12条第2項)

無免許の者が実際に営業を行なわない場合(または営業が事後的に立証できない場合)であっても、無免許の者が看板等において宅地建物取引業者である旨を表示した場合(表示行為)や、無免許の者が宅地建物取引業を営む目的で広告をした場合(広告行為)については、そうした表示行為・広告行為そのものが宅地建物取引業法上の処罰対象とされる。

 

具体的には、そうした無免許の表示行為・無免許の広告行為を行なった者に対しては、30万円以下の罰金が予定されている(法第82条第2号)。

名義貸しの禁止

宅地建物取引業者が他人に名義を貸して営業(または表示行為・広告行為)を行なわせることは、法律上禁止されている(宅地建物取引業法第13条)。これを名義貸しの禁止という。

 

具体的には次のとおり。

 

1.名義貸しによる営業の禁止

名義を貸して他人に営業させることは、宅地建物取引業法の免許制度の根本をゆるがす重大な違反行為である。

そのため、名義を貸した側には「名義貸しの禁止」の規定が適用され(法第13条第1項)、3年以下の懲役または100万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則が予定されている(法第79条第3号)。

 

2.名義貸しによる表示行為・広告行為の禁止

名義貸しによる営業については上記1)の罰則が適用されるが、実際に営業を行なわない場合(または営業が事後的に立証できない場合)であっても、看板における名義の使用(表示行為)や広告における名義の使用(広告行為)という事実があれば、そうした名義貸しによる表示行為・広告行為があったこと自体が宅地建物取引業法上の処罰対象になる。

 

具体的には、名義を貸して表示行為・広告行為を行なわせた側には、「名義貸しの禁止」の規定が適用され(法第13条第2項)、30万円以下の罰金が予定されている(法第82条第2号)。

 

ちなみに、名義を借りた側に対する処罰については下記のとおり。

 

名義を借りて営業を行なった者が「無免許営業等の禁止」(法第12条第1項)に該当する場合には、3年以下の懲役または100万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則が適用される(法第79条第2号)。

また、名義を借りて表示行為・広告行為を行なった者が「無免許営業等の禁止」(法第12条第2項)に該当する場合には、30万円以下の罰金が予定されている(法第82条第2号)。

明認方法

樹木や果実のように、土地の上に生育するものは土地の定着物であり、土地の構成部分であるので、本来は土地から分離して処分することはできないとされている。

 

しかし、樹木の木肌を削って所有者名を墨書する、あるいは所有者を印した立て札を立てるなどの方法により、土地とは独立した物であることを示し、独立した所有権が成立していることを公示した場合には、土地から独立した取引の対象とすることができる。

このように、土地から独立して樹木・果実などの所有権を公示する方法のことを明認方法という。

 

明認方法は、不動産登記と同等の効力があることとされている。従って、先に明認方法を施された樹木・果実などが存する土地が後で売却された場合には、土地の譲受人は、樹木・果実などの所有権を取得することができない(=明認方法により所有権を公示した者が優先する)。

メガソーラー

出力1メガワット(1,000キロワット)程度以上の大規模な太陽光発電をいう。大型の太陽光パネルを設置する広い土地が必要となるが、休耕田や耕作放棄地の活用が提案されている。

 

FIT制度(固定価格買取制度)の導入による採算性の確保、農地等の利用に関する土地利用調整の円滑化などによってその推進が図られている。

メザニン(メザニン債)

金融商品のなかで、ミドルリスク・ミドルリターンであるものをいう。

 

不動産や債権を証券化する場合には、裏付けとなる資産から得られるであろう利益の配分に優先度を設定して、リスクとリターンが異なる複数の商品として販売することが多い。この場合に、リスクの小さい順に、優先債(シニア債)、メザニン債、劣後債(ジュニア債)と称する。当然、リスクが小さければ得られるリターンも小さい。一般に、シニア債とメザニン債までは格付けの対象とされている。

 

また、投資ファンドのなかで、ミドルリスク・ミドルリターンの運用をめざすものをメザニンファンドということもある。

メジャー(器具としての〜)

長さを測定する器具の総称。「ものさし」も同義。一般に帯状のものをいい、英語ではtape measureという。帯には長さを示す目盛りが記され、地点間の距離を計測することができる。

 

メジャーの材質は、布、樹脂、金属などで、通常は巻いて収納する。メジャーの呼び名として、「巻尺」「コンベックス」「スケール」などがあり、その用途は、工事、工作、洋裁、測量など幅広い。

 

なお、英語で単にmeasureというときには、度量を計測する器具の総称として使われる場合が多い。この場合には、長さだけでなく体積なども含めたさまざまな測定のための器具をさす。

メゾネット

マンションにおいて、上下2階にわたる住戸のことを「メゾネット」という。

上下に広い空間を確保し、一戸建てのような内部空間を作ることができる。

めやす賃料表示

住宅を借りる場合の費用負担を、一定の方法によってわかりやすく示すことをいう。

 

 (公財)日本賃貸住宅管理協会(日管協)が提案している。

 

 住宅を借りる場合には、純粋な賃料のほか、敷金、礼金、契約更新料などさまざまな費用を負担する必要があり、しかもそれらの負担について地域による違いがある。そこでその把握を容易にし、トラブル等を未然に防止するなどのために、賃料を示すための共通の方法が必要であるとして提案された。共通の方法によって算定・表示されるのが「めやす賃料表示」である。

 

めやす賃料は、賃料、共益費・管理費、敷引金、礼金、更新料を含み、賃料等の条件の改定がないものと仮定して、4年間(定期借家の場合には契約期間)賃貸した場合の1ヵ月当たりの金額として算定される。従って、めやす賃料には、仲介手数料、更新手数料、原状回復費用、賃貸保証会社への保証委託料などは含まれない。

免許

宅地建物取引業を営もうとする者は、都道府県知事または国土交通大臣に宅地建物取引業の免許を申請し、免許を受けることが必要である(宅地建物取引業法第3条)。

 

不正の手段で宅地建物取引業の免許を受けた者や、無免許で宅地建物取引業を営んだ者には、3年以下の懲役または100万円以下の罰金という罰則が予定されている(法第79条第1号、第2号)(詳しくは無免許営業等の禁止へ)。

 

免許を受けるには、宅地建物取引業を営もうとする者(個人または法人)が、一定の不適格な事情(欠格事由)に該当しないことが要件とされている(法第5条第1項)。

この免許の欠格事由は、法律により詳細に規定されている(詳しくは免許の基準へ)。

 

また、宅地建物取引業の免許を受けるには、免許申請書および免許申請書の添付書類を都道府県知事または国土交通大臣に提出する必要があり、その記載事項等は詳細に法定されている(法第4条第1項、第2項、施行規則第1条の2)。

 

なお、宅地建物取引業の免許の有効期間は5年とされている(法第3条第2項)。

免許の有効期間の満了後、引き続き宅地建物取引業を営むためには、有効期間満了の日の90日前から30日前の期間内に免許の更新の申請書を提出する必要がある(法第3条第3項、施行規則第3条)。

免許換え

宅地建物取引業者が事務所の新設・移転・廃止を行なうのに伴い、新たな免許権者より新規に免許を受け、従前の免許が失効すること。

 

宅地建物取引業者は、1つの都道府県内に事務所を設置するときはその都道府県知事より免許を受け、2以上の都道府県で事務所を設置するときは、国土交通大臣より免許を受ける(詳しくは免許の申請へ)。

 

しかし、すでに免許を受けている宅地建物取引業者が、事務所を新設・移転・廃止しようとする場合には、事務所の所在地である都道府県が変更されることにより、新規に免許を受ける必要が生じることがある。このような免許の新規取得は「免許換え」と呼ばれている。具体的には次のとおり。

 

1.免許換えが必要となる場合

次の3種類のケースである(宅地建物取引業法第7条)。

 

1)国土交通大臣免許から都道府県知事免許への免許換え

例えば、東京と大阪に事務所を設けていた宅地建物取引業者が、大阪の事務所を廃止する場合には、国土交通大臣免許から東京都知事免許への免許換えが必要である。

2)都道府県知事免許から国土交通大臣免許への免許換え

例えば、大阪にのみ事務所を設けていた宅地建物取引業者が、東京にも事務所を新設する場合には、大阪府知事免許から国土交通大臣免許への免許換えが必要である。

3)都道府県知事免許から別の都道府県知事免許への免許換え

例えば、東京にのみ事務所を設けていた宅地建物取引業者が、東京の事務所を廃止し、大阪に事務所を新設する場合には、東京都知事免許から大阪府知事免許への免許換えが必要である。

 

2.免許換えの申請に必要な書類

免許換えは、免許の新規取得と同一の扱いである。

従って免許換えの申請では、免許申請書、免許申請書の添付書類は、新規の免許取得の場合と同一である。

そのため、免許換えの申請をする際には、事務所の代表者の氏名、専任の宅地建物取引士の氏名、事務所の名称と所在地、事務所を使用する権原に関する書面、事務所の写真などをすべて申請・添付しなければならない。

 

3.免許換えの申請の相手方

免許換えの申請をする相手方は、新たな免許権者とされている(従来は「従前の免許権者を経由して、新たな免許権者に申請する」とされていたが、2000(平成12)年に宅地建物取引業法施行規則第4条の5が改正されたことにより、現在では「直接新たな免許権者に申請する」こととされている)。新たな免許権者は、免許を与えた場合には、従前の免許権者に遅滞なく通知する(施行規則第4条の5)。

 

例えば、ある宅地建物取引業者(東京都知事免許)が東京都の事務所を廃止して、大阪府に事務所を新設する場合には、その宅地建物取引業者は直接大阪府知事に対して免許換えの申請をする(大阪府知事は新たな免許を与えた場合には、遅滞なくその旨を従前の免許権者である東京都知事に通知する)。

 

4.新たな免許の有効期間

免許換えにより取得した新たな免許の有効期間は、新たな免許を受けたときから5年間である(従前の免許の残存有効期間が満了したときから5年間ではない)。

新たな免許が与えられた時点で、従前の免許は自動的に失効する(法第7条第1項本文)。

 

5.他の届出との関係

免許換えの申請により新たな免許を取得する場合には、従前の免許に関する廃業等の届出(法第11条)は不要。従前の免許に関する宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出(法第9条)も不要である。

免許権者

宅地建物取引業の免許を与える権限を持つ行政機関のこと(宅地建物取引業法第3条第1項)。

免許権者は、宅地建物取引業を営もうとする者が設置する事務所の所在地より異なる。

 

1.同一の都道府県内に事務所を設置しようとするとき

この場合、免許権者は「都道府県知事」である。

例えば、東京都内に本店と宅地建物取引業を営業する支店を設置して、宅地建物取引業を営もうとする場合には、免許権者は「東京都知事」である。

 

2.2以上の都道府県内に事務所を設置しようとするとき